未経験でフロントエンドエンジニアに転職できる?仕事内容やスキルを現役エンジニアが語る!
今回の出演者
新卒ITエンジニア
元役者ITエンジニア
フロントエンドエンジニア
ITサプリについて
この記事は動画『ITサプリ』で配信している内容をもとにテキスト配信しています。ITサプリは未経験からIT業界へ転職したい方に向けて情報配信をしているYouTubeチャンネルです。IT業界ではたらく上で役立つ知識を発信していますので動画でもお楽しみください。
しろ
今回は、ゲストのしょうさんをお迎えして『フロントエンドエンジニアの実態』をテーマに、お話を伺っていきたいと思います。
1.フロントエンドエンジニアとは?
しろ
まず『フロントエンドエンジニア』とは、どういった職種でしょうか?
しょう
フロントエンドエンジニアとは、Webデザイナーのデザインを基に『WordPress(オープンソースのブログソフトウェアであり、CMSの一種)』や『CMS(Contents Management System: Web コンテンツを管理するためのシステム)』の構築やカスタマイズを担当する職種になります。
主に使用している言語は『HTML(Hyper Text Markup Language:Webページを作成するための基本的な言語)』『CSS(Cascading Style Sheets::HTMLで作られたWebページのデザインを整え、統一するための言語)』『JavaScript(HTMLなどで構築されたWebサイトに動きを加えるための言語)』などですね。
2.1日の流れは?
しろ
次に、フロントエンドエンジニアの1日の流れを教えていただけますか?
しょう
自分の場合ですと、始業前と始業後に『Teams』というチャットツールや『Outlook』のメールで、1日の連絡をチェックします。そこから定時までは、構築案件のコーディングをしていますね。
その間に、ディレクターから修正の案件や、または「こういうカスタマイズはできないか」といった相談なども受けています。
てもし
それは、1人で対応されるのですか?
しょう
そうですね、基本的には大体1人で担当しています。
3.やりがいは?
しろ
では次に、やりがいはありますか?
しょう
長く仕事をしていると、やはりアニメーションを多く使うような、高難易度な実装依頼がくることがありまして、そういったものを実装できるとすごく達成感がありますね。大きい案件とかにもどんどん携わっていけるので、それが一通り終わった時は、もう達成感が半端ないですね。
てもし
大きい案件だと、やはり作業量も大きくなりますか?
しょう
ものすごく……
てもし
結構、物凄い作業量だろうな、と想像つきますね。
Webサイトを見ていると、アニメーションがついているものがあって「どうやって作っているのかな?」と思うのですが、アニメーションをつけるのも大変な作業になりますか?
しょう
アニメーションの場合ですと、いただいた指示が具体的ではない時もありまして。その場合に、具体的な要望にどうやって合わせるか、少し試行錯誤していくところが大変ですね。
てもし
調整していく必要があると……
しろ
調整が大変なのですね。
てもし
先程「高難易度な実装ができると達成感をおぼえる」とのお話を伺いました。僕たちのようなIT基盤の構築を担当するインフラエンジニアは、達成感を得た時は「険しい山を乗り越えた」感じがあります。
フロントエンドエンジニアの場合は、具体的にどういった達成感をおぼえるのでしょうか?
しょう
具体的に言いますと、お客様の要望に沿ったものを作った後に「満足した」といったお客様の声をいただいた時とか、ディレクターやチームメンバーからも良い評価をもらった時ですね。
チームにも貢献していて、クライアントにも満足いただけるものを提供できている、といった面で、結構やりがいを感じています。
てもし
例えば、Webサイトを作り上げる時にも「できた!」という達成感のようなものはありますか?
しょう
ありますね。
てもし
良いですね。
4.地獄だった案件
しろ
先程とは逆に「地獄だった案件」はありますか?
しょう
一番初めにフロントエンドエンジニアとして携わった案件では、とあるプロジェクトでリニューアルサイトを作る、といったものがありました。「マテリアルデザイン(Googleが提唱したデザインシステム)を理解すればデザイナーなしでもWebサイトが作れる」とのことでプロジェクトマネージャーから設計図だけいただきまして。僕がそれを勉強して、設計図を基にマテリアルデザイン風に再現する、という案件がありました。
ですが、僕もそのプロジェクトマネージャーも、マテリアルデザインを深くまで理解できていなかったため、結果として「マテリアルデザインのような完成度の低いWebサイト」になってしまいました。結局それはクライアントから没と言われまして、残りの短いスケジュール期間でデザイナーを雇ってWebサイトを作り直した、という……
しろ
では、それまでの過程は……
しょう
大体が無かったことになりました。
てもし
想像しただけで寒気が走りますね。
しょう
あとは、デザイン案件もフロントエンドエンジニアが携わることが多いですね。場合によっては、デザイナーのリソースが埋まっている時に「バナー(Webページ上で他のWebページを紹介するために設置する画像のこと)の素材から探して、テーマに沿ったものを作ってくれ」といったデザインの仕事の依頼がくることが多いです。そのWebのバナーを「パターン違いで計10本作ってくれ」とか。
しろ
多いですね!?
しょう
大体が短納期なので、期間が短い中で仕上げる必要がありました。
てもし
あまりやったことがなくて、10個も作らないといけないのに「期間は短め」というのは、すごい地獄ですね……
しろ
どれぐらいの期間で作るのですか?
しょう
やり手のデザイナー基準のスケジュールで来るので、大体1週間以内ですね。
てもし
すごい!
しょう
『CMS』の運用作業とかも、フロントエンドエンジニアが携わることも多いです。結構古いバージョンの『CMS』で運用作業を行う案件もありまして、その更新作業に大体1~2時間かかるのですが、その間にまた別の更新依頼が来ることもあります。
新しく来た依頼の作業をしている間に、今度は最初に依頼されたものが無くなる、ということもありますね。
てもし
更新中に、ですか?
しょう
はい。他にも「どうしても短納期で作ってほしい」という依頼がありまして、作り終わった後にデザイン総入れ替え、みたいなことも結構多いですね。
そういった作り直しの作業や、設計に無かったページを一通り作り終わってから「あれもこれも作ってくれる?」といった、短納期での作成依頼は本当に多いです。
てもし
短納期なのに、すごい量の依頼をされるわけですね。
5.20代、30代の平均年収
しろ
では次に、気になる20代と30代の平均年収を教えていただけますでしょうか?
しょう
自分の場合ですと、20代の頃は300万円台の中盤から後半ぐらいでした。30代になってからは400万円台くらいですね。
とはいえ、スキルが高ければフロントエンドエンジニア自体の単価も上がるので、スキルが高い人はもっと貰っているような印象があります。
しろ
「スキルを上げていこう」という話ですね。
てもし
スキルを上げれば上げるほど、単価というか自分のお給料も変わっていくというところは、結構やりがいがあるお仕事なのでしょうか?
しょう
はい。
6.キャリアパスは?
しろ
続いて、フロントエンドエンジニアの『キャリアパス』について教えていただけますでしょうか?
しょう
1つ目は『フロントエンドエンジニアのスペシャリスト』になります。
フロントエンドエンジニア自体が『HTMLコーダー(Webサイトの制作過程において、HTMLやCSSなどの言語を使用してWebページを作成・構築する職種)』や『マークアップエンジニア(コーダーの上位職に当たり、作成するWebサイトの意図・目的を理解し、使いやすさを考慮したコーディングが求められる職種)』の上位職になるので「さらに技術を磨こう」と、スペシャリストとしてご活躍されている方は多いですね。
てもし
なるほど。
しょう
2つ目は『テクニカルディレクター(CMSなどのシステム要件定義から、社内エンジニアとの連携によるプロジェクトを円滑に進行までを担う職種)』ですね。
フロントエンドエンジニアからディレクターになる方は、大体がコーディングのノウハウを知っているので、無茶な依頼をする方が少ないです。
てもし
ディレクター職と言われる職種ですね。
しょう
はい。続いて、3つ目は『Webデザイナー』ですね。
先程もお話したと思いますが、フロントエンドエンジニアは結構デザインに関わる業務が多いため、デザインの勉強も多少必要になります。その勉強をしていく内に「Webデザイナーになってみたい」と思い、Webデザイナーを目指す人も多いです。
フロントエンドエンジニアもできて、Webデザインもできる方は「1つのデザインを渡せばコーディングまでやってくれる」ということで、企業によってはすごく重宝されると思いますね。
てもし
なるほど。確かに、お話を聞いていると、重宝されそうな感じはしますね。
しろ
一人二役ですからね。
しょう
でも、できる方は少ないです。
続いて4つ目は、ここ最近できた職種ともいえる『UI/UXエンジニア』になります。『UI/UX』とは「いかにアクセスしやすいデザインを作れるか」「Webサイトが見やすいようにうまく配置ができているか」といった、Webサイトの使い勝手を良くする、見た目や仕組みのことですね。
やはりフロントエンドを続けていくと、この「UI/UXの知識」とか、配慮が物凄く必要になりますので『UI/UXエンジニア』に異動する方も多いです。
最後の5つ目は『フルスタックエンジニア』ですね。
てもし
初見ですね。『フルスタックエンジニア』とは、どのような職種でしょうか?
しょう
これは今までに挙げた中で、一番希少な職種になります。具体的に言えば、Webサイトの制作の全工程を手掛けられる、万能な方のことですね。
てもし
すごい! 「フルスタック」って、そういうことですか。
しょう
ただこれに関しては、さまざまな職種の経験が必要になるので、ほぼいないですね。
てもし
となると、結構フロントエンドエンジニアの最終形態、みたいな感じですか?
しょう
本当に最終形態に近いので、結構エンジニアとしての単価は、かなり今まで挙げた中ではすごく高いと思います。
7.一人前になるまでの期間
しろ
未経験者で入社してから一人前になるまで、どのぐらい期間が掛かるのでしょうか?
しょう
未経験で入社したとしても、常駐してから大体1~2年ぐらいでなれるとは思います。常駐先でIT特有のルールを把握したり、実務経験をこなしたりすることによって、必要なスキルの習得やコーディング作業とか、より洗練されますので。
多分、この1~2年がすごく地獄ですけど。
てもし
勉強はして、やりたいなとは思っているけど「実際にやれるかどうか不安だな」という方でも、入社したら仕事やる中で覚えていく、という感じなのでしょうか?
しょう
そうですね。
てもし
どこもそうなのですね。
しろ
一緒ですね(笑)
8.将来性をふまえたポイント
しろ
それでは最後に、将来性をふまえた「オススメポイント」を教えていただけますでしょうか?
しょう
フロントエンドエンジニアは実務を通じて、Web制作全般の知識をはじめ、WebデザインやSEO(検索エンジンに合わせて自社のWebサイトを最適化する施策のことで、Webマーケティングにおいて重要な位置を占める)などの、幅広い知識やスキルを身に付けることができます。自分の市場価値が高められる職種になりますので、興味がある方はやってほしいな、と思っております。
てもし
僕の周りでも「Webエンジニアになりたい」とか「Webデザイナーになりたい」と言う人が結構いると思います。そういう場合は『フロントエンドエンジニア』という言葉も覚えて、調べてみると良いのでしょうか?
しょう
そうですね。
てもし
『フロントエンドエンジニア』をやってから『Webデザイナー』や『Webエンジニア』を目指すというキャリアパスもあるということで。
今回紹介いただいた、フロントエンドエンジニアのキャリアパスの一覧はこちらになります。
- フロントエンジニアとしてのスペシャリスト
- テクニカルディレクター
- Webデザイナー
- UI、UXエンジニア
- フルスタックエンジニア
まとめ
フロントエンドエンジニアはコーディングの技術だけでなく、デザイナーのスキルなど、多彩な知識を要求されることがあるとのことでした。そのキャリアパスも多方面に広がり、デザイン系やディレクター職なども目指せるようです。また多様なWebスキルを身につける必要があるため、職種の市場価値も高いようです。自身のスキルが上がれば単価も上がり、収入にも直結するので、やりがいのある仕事と言えるでしょう。
また、未経験で入社しても、常駐先での実務経験をこなし必要なスキルを習得することによって、1~2年で一人前のフロントエンドエンジニアになれるとのことでした。WebデザイナーやWebエンジニアを目指す方は「フロントエンドエンジニアになって経験を積んでいく」といったキャリアパスも描けそうですね。
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