データサイエンティストの実態を大暴露!仕事内容は?必要なスキルは?【IT業界/転職】
今回の出演者
元役者ITエンジニア
新卒ITエンジニア
データサイエンティスト
ITサプリについて
この記事は動画『ITサプリ』で配信している内容をもとにテキスト配信しています。ITサプリは未経験からIT業界へ転職したい方に向けて情報配信をしているYouTubeチャンネルです。IT業界ではたらく上で役立つ知識を発信していますので動画でもお楽しみください。
てもし
今回は、データサイエンティストのしゅうさんをお招きし『データサイエンティストの実態』というテーマでお話を聞いていきます。
1.データサイエンティストとは
てもし
まず、データサイエンティストとは、どういった職業なのでしょうか?
しゅう
一言で言いますと「データを用いて、ビジネスの課題を解決する」といった職業になります。
てもし
具体的な仕事内容はどういったことをされていますか?
しゅう
例えば、売上のデータを分析してみて「こういった商品が売れますよ」といった提案をさせていただくような仕事をしています。少しマニアックな例も挙げますと、たくさんの画像データをいただいて「この画像に映っているのは何なのか」というのを、人間の目で見ずに分類できるような機械学習モデルを構築する、というような仕事もあります。
てもし
では普段、どのような流れで仕事をされていますか?
しゅう
まず、何らかの形で手元に用意したデータ使って分析していく、というのが大体の始まりになっています。「このデータがどうやって取れたのか」ということを調べると、元のデータを取っている業界・業種について分かりますよね。
そこからさらに詳しく調べて「このデータを使って何をしたいのか」といったことを事前にお聞きした内容を踏まえて考えてみて、それをアウトプットしていくのが主な仕事になると思います。
2.仕事に就いた経緯
てもし
データサイエンティストになった経緯をお聞きしても良いですか?
しゅう
実は私、大学は農学部に通っていまして、その中でも「植物」という社会的にもニッチな部分の研究をしていました。
就職先を決める際に、研究に関する経験や今までの知識を使えると良いな、と考えていました。そこから「何か社会貢献がしたい」と考えた時に『データサイエンス』という選択肢が出てきまして、データサイエンティストとして働くことにしました。
てもし
IT業界に入る時に、最初からデータサイエンティストとして入って来られた、ということですか?
しゅう
そうなりますね。プログラムの経験がそこまでなかったので、アプリケーションやWebページを構築、システム開発とかは「今後10年、20年と経験を積んだとしても結構難しいかな」と思いまして。であれば「自分の経験を活かせるところが良いな」と思って、データサイエンティストにしました。
3.1日のスケジュール
てもし
次に、データサイエンティストの1日のスケジュールというのは、どういった感じになっているのでしょうか?
しゅう
エンジニアの方とあまり変わらないかな、と思います。データを触ることができれば基本的にどこでも仕事はできるので、在宅勤務も可能です。ですが、仕事内容によってはデータを持ち出せないこともあるので、その場合は「データが保管されている場所に行ってお仕事をする」ということになりますね。
てもし
残業はあったりしますか?
しゅう
残業は、分析がトントン拍子で進む時と進まない時があるので、そこで変わりますね。調べものの場合は、どこかで区切らないと一生調べ続けられるので、なるべく限られた時間で「ベストエフォート(最大の結果になるよう、可能な限りの努力をする状態や姿勢のこと)」でやるようにしています。
じま
納期が定められていることはありますか?
しゅう
ありますよ。ですが、一般的に「きっちりここまでやった成果物を品質保証して出す」というよりは「なるべくベストエフォートな分析結果を提供する」という形で成果物を定義しています。それを3ヵ月くらいの納期サイクルで分析を回すことが多いかな、と思います。
4.仕事のやりがい
てもし
データサイエンティストの仕事の中で、やりがいや楽しいところ、というのは何かありますか?
しゅう
やはり、データをよく見てその中身が分かった時、というのが一番面白いと思っています。あと、データを知らないお客さまに対して、しっかり理解してもらえるように説明して「なるほど!」と納得の反応をいただけた時は、すごくやりがいを感じましたね。
てもし
説明を受けた側が「すごい、分かりやすい!」となると、作った側は「作ったものを認めてもらえた、楽しい!」と感じるので、多分WIN-WINな関係になりますね!
5.給与事情について
てもし
少し踏み入ったことをお聞きしますが、データサイエンティストのお給料事情を、20代と30代で大体これぐらい、というのを教えていただけますか?
しゅう
どちらかというと、経験よりも実力が評価されることの多い分野なので、結構ピンキリだと思いますよ(笑)
一応、低くても300万円ぐらいは貰えて、高いと1000万円は簡単に超えるかと思います。
てもし
本当にピンキリですね!
データサイエンティストは結構実力社会と言いますか、自分の持っている能力を出せば出すほどお給料事情が良くなりやすい、という感じなのですね。
6.印象に残った仕事
てもし
今までデータサイエンティストとしてお仕事されてきた中で、印象に残った案件はありますか?
しゅう
今でも印象に残っているのは、やはり一番始めに手掛けた案件ですね。船の遅延を予測する、というものでした。
てもし
船の遅延を予測する!?
しゅう
船が遅延する時は、新幹線とか車と違ってかなり派手に遅延します。使用したデータはExcelみたいなデータが多かったですね。列や行ごとに「どういう関係があるのか」といったことを地道に調べてみたり、少し難しめの機械学習モデルを使って「何が原因で遅れているのか」というのを分析してみたりして、確認していく感じでした。
てもし
今聞いている限りでも、頭がパンパンになりそうですね。同様の案件はたくさんあったかと思いますが、お仕事の中での悩みや苦労話とか「これはヤバイだろ」みたいなことはありしましたか?
しゅう
「データを分析したいです」とは言うけれど、データ分析とは何か分からない状態で持って来られるお客様が結構多いですね。「こういうデータがあるけど、何すれば良いのか分からない」「そこも含めて全部考えて欲しい」みたいなことを言われることがたまにあって、それは結構困ります……
てもし
他にも、業務的なことで苦労話はありますか?
しゅう
他ですと、普通の人ではあり得ないパソコンの使い方をしていますね。画像などを使った場合の計算量が膨大になることが結構ありまして、その場合は普通のCPUでは処理しきれないです。ちゃんとしたスペックのパソコンなら30分で終わる作業が、普通のCPUだと3~4時間かかったりするので、こういったハード面で苦労することは結構ありますね。
てもし
分析が必要なデータ量がそれだけヤバイ量ある、ということですよね? それは、データサイエンティストならではの悩みの気がしますね。
7.仕事に必要なもの
てもし
データサイエンティストの仕事に必要なものはありますか?
しゅう
データサイエンティストには「データサイエンティスト協会」というものがありまして。そこで定義されているスキルセットは『ビジネススキル』『データサイエンススキル』『データエンジニアリングスキル』の3つと言われています。
この中で説明しやすいのは『データサイエンススキル』ですね。これは数学や統計学、機械学習の知識・理解力になります。『データエンジニアリングスキル』は、いわゆるプログラミングの力と言い換えてもいいでしょう。最後に『ビジネススキル』というのは、ビジネスを「数学的な課題」や「統計的な課題」まで落とし込んで解決できるようにするスキルですね。つまり、ビジネス課題に置き換えて考える必要がある、ということです。
てもし
では、これから「データサイエンティストになりたい」と思う方は、そういうスキルを伸ばしていけば良いのでしょうか?
しゅう
大事だと思います。
8.データサイエンティストの今後
てもし
データサイエンティストは世界的にも需要がある、という話を聞いたことがあるのですが、しゅうさんは今後どうなっていくと思われますか?
しゅう
先程挙げた3つのスキルを例に答えるなら『データエンジニアリングスキル』というのは、あまり使わないデータサイエンティストも増えていくと思います。一方で、データサイエンティスト特有の能力といえる『データサイエンススキル』に需要が集約されていくと思っています。つまり数学や統計学、機械学習の知識がある人ですね。
この知識と理解が無いと、いくら簡単に分析ができるツールがあるといっても、分析結果を正しく解釈できません。なので、そういった意味でもデータサイエンティストは必要だと思っています。それから『データエンジニアリングスキル』も無いと高度なAIは作れないので、そういったスキルを持ったデータサイエンティストは、今後も重要になっていくと思います。
9.最後にひとこと
てもし
では最後に、何かメッセージをいただけますでしょうか。
しゅう
最近は少なからず、データを見ながら育ってきている方が多いでしょう。なので、私個人としてはどんな人でもデータ分析はできると思っています。そのうえで「データを見るのが好き」とか「データの分析をするのが好き・得意」と思っている人は、データサイエンティストに向いていると思います。あと、いろいろな知識を吸収して、さまざまな角度から見られる人も向いていると思います。ぜひ目指してみてはいかがでしょうか。
てもし
なるほど。今ではニュースとかSNSでも、そういったデータがいろいろと上がっていて、いつでも見られるようになっていますよね。そういったものを見て「面白い」と思う方は「データサイエンティストに向いている」ということですね!
まとめ
データを集めて分析し、課題を解決する職業であるデータサイエンティスト。
その仕事内容は、Excelや画像データの分析だけでなく、事前に聞いた内容に合わせて調べものをして考える、といったこともあるようです。その際の分析の進み具合によって、残業の有無も決まるとのことですが、可能な範囲で「ベストな分析結果を提供する」ことを心掛けているとのことでした。
また、世界的にも需要があるとされており、データサイエンティスト協会が定めた3つのスキルの内『データサイエンススキル』『データエンジニアリングスキル』を身に付けておくと良いようです。
「データを見ること、分析をするのが好き」と感じる方は、この職業に向いているそうですので、興味がある方は目指してみてはいかがでしょうか?
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