リクルート

ワークライフバランスを実現するには?メリット・問題点、実現できる企業の特徴を紹介

date2024年02月20日
ワークライフバランスを実現するには?メリット・問題点、実現できる企業の特徴を紹介
タグ:

はじめに

働き方を考える上で、ワークライフバランスを重視する人や企業が多くなってきています。ワークライフバランスといってもその取り組み方は様々であり、具体的な内容については詳しくない人もいるでしょう。

この記事ではワークライフバランスの意味やメリット、問題点などを解説した上で、実現できる企業や転職のポイントなどをお伝えします。内容を踏まえた上で、ぜひ今後の働き方に活かしてください。

ワークライフバランスとは

ワークライフバランスとは

ワークライフバランスとは「仕事と生活の調和」という意味の言葉です。仕事と生活のどちらかに偏ることなく、両方とも重視した働き方で好循環につなげることを目指します。

言葉の使い方としては「ワークライフバランスの取れた働き方」「社員のワークライフバランスを改善する」などと用いられます。

平成19年12月、内閣府は「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」と 「仕事と生活の調和推進のための行動指針」を定め、平成22年には政労使トップによる新たな合意が結ばれました。また厚生労働省でも、長時間労働の削減や有給休暇の取得促進などの取り組みがなされています。

つまり、個人や企業レベルだけでなく、国としてもワークライフバランスを重視した働き方を推進しているのです。

国内の企業としては、 小室淑恵氏が2006年に創業した株式会社ワーク・ライフバランスがこの分野の草分け的存在として有名でしょう。同社ではワーク・ライフバランスコンサルタントの養成講座も実施しています。

参考:内閣府男女共同参画局|「仕事と生活の調和」推進サイト

メリットは?

ワークライフバランスを実現するメリットは、以下のようなものが挙げられます。

  • 個人の事情に合わせた働き方ができる
  • 女性社員の活躍や定着につながる
  • 優秀な人材が確保できる
  • 生産性が向上する
  • 仕事へのモチベーションが向上する
  • 企業のイメージアップにつながる

ワークライフバランスが取れた働き方では、子育てや介護など一人ひとりの事情に合わせることが可能です。そのため、ライフステージの変化による影響が大きい女性社員や、柔軟な働き方を望む優秀な人材を確保することができます。

また、これまでは「働きすぎ」が問題になっていましたが、心身の健康やゆとりを保つことで、よりよい状態で業務に向き合うことができます。結果として、仕事へのモチベーションや生産性の向上が期待できるでしょう。

企業にとってはイメージアップの効果もあります。社員の満足度が上がることや、社員思いの会社という印象を与えることで、ブランディングにもつながるのです。

問題点やデメリットは?

一方で、導入や実施においては問題点やデメリットもあります。例えば以下の点が挙げられるでしょう。

  • 導入の問題点

    企業文化がなかなか変えられない
    具体的な導入方法がわからない
    制度はあっても実態が伴っていない

  • 想定される個人へのデメリット

    給料(残業手当)が減る

  • 想定される企業へのデメリット

    生産性が下がることもある

特に古い企業の場合、従来の働き方を一新することは難しいかもしれません。長年の経験から、経営陣が長時間労働をネガティブに捉えていないケースも意外と多いものです。

あるいは具体的な方法が分からず、導入に至っていないこともあるでしょう。制度はあっても実態が伴っていない企業は少なくありません。

そして、社員にとって直接的なデメリットもあります。例えば残業が禁止になった場合、時間外手当がカットされる分、給料が減ってしまうことになるのです。

時間優先の働き方になることで、業務を進めにくく感じる人もいるでしょう。仕事の質に影響が出たり、持ち帰り仕事が発生したりと、逆に負担が増えてしまうこともあります。

自分でできる取り組みは?

自分でできる取り組みは?

仮に会社の環境が整っていなくても、自分自身でワークライフバランスを改善することは十分可能です。では、個人でできる取り組みにはどのようなものがあるのでしょうか。

スケジュールの管理

ワークライフバランスを改善するためには、自分自身のスケジュール管理が大切です。職種や業種によって仕事の進め方は異なりますが、計画的に時間やタスクに向き合うことは共通して求められるものでしょう。

可能であれば、自分のスケジュールは周りと共有することをおすすめします。そうすれば突発的な依頼も防ぎやすく、お互いに協力しあうこともできます。

それから、自分の作業時間を把握することも有効です。実態を知ることで最適なスケジュールを立てることができます。日頃から意識してみてください。

不要な業務を洗い出す

仕事を効率化するためには、必要のない業務を減らすことが大切です。例えば不要なミーティングや書類作成はないか、自分がしなくてもいい仕事はないか、一つひとつ洗い出してみましょう。

当たり前になっていても、不要な仕事は意外と多くあるものです。積極的にやめてみたり、短縮したり、手順を大幅に変えてみたりなど、試してみる価値は大いにあります。デジタル化を図ったり、標準化・マニュアル化したりすることで業務のムダを削減できる可能性もあります。

慣習を変えるのは大変ですが、小さなムダからコツコツと減らしていきましょう。その積み重ねが労働時間を減らし、理想的な働き方へとつながっていくはずです。

本当にこのままでいいのか?環境をどう改善していったらいいのか?などの業務改善に健全な問いと検証を重ね、結論を導くクリティカル・シンキングを実践することでワークライフバランスを実現できるかもしれません。こちらのクリティカルシンキングとは?基本とトレーニング方法を分かりやすく解説についての記事も参考にしてみてください。

ワークライフバランスを実現できる企業の特徴は?

ワークライフバランスを実現できる企業の特徴は?

最近では働き方改革の流れもあり、 社員のワークライフバランスに配慮した企業も多くなってきました。あなたが今働いている会社はどうでしょうか。

ここでは、ワークライフバランスを実現している企業の特徴を大きく二つ紹介します。ハード面・ソフト面といった条件だけではなく、企業風土や価値観も含め、自分の理想的な働き方を実現できるのはどんな企業なのかを考えてみてください。

多様な働き方の選択ができる

幅広い働き方の選択肢を用意している企業は、ワークライフバランスが実現しやすいといえます。例えば、以下のような制度があるかをチェックしてみましょう。

  • 在宅勤務
  • 時短勤務制度
  • フレックスタイム制
  • テレワーク、リモートワーク

こういった制度が導入されていれば、個人の事情や希望に合わせて柔軟に働き方を選ぶことができます。仕事と家庭の両立もしやすい環境といえます。

また制度の有無だけでなく、社員が実際に制度を活用しているかどうかも確認したいポイントです。そういった社員が多いほど理解が得られやすく、無理なくワークライフバランスを重視した働き方が叶います。

プライベートを充実させやすい制度がある

働き方の選択肢以外に、社員の労働時間を減らすための取り組みをしているかどうかも大切なポイントです。例えば年間休暇120日以上、残業月20時間以下といった条件は一つの目安になるでしょう。こういった基準は、ワークライフバランスを重視する企業かどうかを見極める手がかりになります。

その他の福利厚生についてもぜひ確認してみてください。最近では、社員のプライベートを充実させるためのユニークな福利厚生を整えている企業も増えています。

記念日に有給を使える「アニバーサリー休暇」や、独自の長期休暇制度など、そういった面からも企業風土や社員に対する向き合い方を知ることができます。

転職でワークライフバランスの改善を目指すなら

転職でワークライフバランスの改善を目指すなら

もし今の会社で理想的なワークライフバランスを実現できないようなら、転職を視野に入れてみてはいかがでしょうか。その際に押さえておきたいポイントを三つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

自分が求める環境を明確化する

はじめに、自分がどのような環境で働きたいのかを明確にすることが重要です。自分軸をしっかり持っていないと、その都度判断に迷い、転職後に後悔してしまうかもしれません。必ず一度は自分の考えと向き合いましょう。

具体的には、年間休日数や、平日もしくは土日休みかどうか、残業時間などについて考えてみてください。その他自分が求める福利厚生なども含めて、一般的な基準ではなく、自分にとって大切な条件をリストアップしておきましょう。その後、優先度の高い条件を整理しておくことが大切です。

転職先の状況把握をする

入社後のギャップを避けるため、転職先の企業については多方面から情報収集をしましょう。転職の失敗はできるだけ避けたいものです。入社前のステップをおろそかにせずに、可能な限り調べてみてください。

具体的には企業名で検索したり、口コミ投稿サイトや企業ランキングについてチェックしたりするのが一般的です。あるいはSNSのアカウントでも雰囲気をつかむことができます。知り合いがいれば、直接話を聞くのも参考になるでしょう。

ただし、 情報には偏りがあるものです。特定の話や一人の意見だけを鵜呑みにせず、総合的に「自分に合いそうかどうか」を判断するようにしてください。

職種変更を検討する

ワークライフバランスを実現している企業内でも、職種によって業務時間や働き方のスタイルが大幅に違うこともあります。どうしても忙しい職種や、在宅勤務やリモートワークが物理的に難しい仕事もあります。

理想のワークライフバランスを実現するのが難しい場合、別職種で転職することも視野に入れてみてはいかがでしょうか。キャリアチェンジという手段で、自分に合った働き方が叶うことは少なくありません。柔軟な考え方で転職活動に臨んでみると、思わぬ道が開けてくることもあるはずです。

まとめ

ワークライフバランスを実現することには多くのメリットがあり、国としてもその取り組みを推進しています。 導入時においては問題点やデメリットもありますが、長い目で考えた場合には、得られるメリットの方が大きいと言えるでしょう。

今のワークライフバランスを改善したいのなら、まずはスケジュール管理や不要な業務を減らすことから取り組んでみてください。それでも難しければ、理想的な働き方ができる企業や職種への転職も考えてはいかがでしょうか。しっかりと自分の軸を持ち、情報収集をしながら着実に行動していきましょう。

最後のチェックポイント

  • ワークライフバランスとは「仕事と生活の調和」を指す
  • 限られた時間でいかに効率良く仕事をこなせるかが重要
  • 自分自身でもワークライフバランスの改善は可能
  • 多様な働き方や休暇制度があると実現しやすい
  • 希望条件や優先事項を明確にし職種変更なども視野に入れる
IT業界に挑戦したい23年卒の方、私たちの仲間になりませんか?
【会社選びは、仲間探しだ】IT業界に挑戦したい23年卒の方、私たちの仲間になりませんか?
株式会社セラク 開く