複数内定が出た場合の決め方と判断基準|NG事例やキープ期間も
はじめに
- 企業選びの際は懸念点やデメリットではなく魅力やメリットを比較する
- 就活の軸や自己分析を再度行うことで自分の価値観や条件を見なおす
- 就職先を選ぶ際の最終判断は自分自身で行う
- 内定を保留・辞退する場合は早めに企業に連絡する必要がある
- 懸念が払拭されない場合は内定を辞退して就活を続けるという選択肢もある
なぜ、複数内定が出たにもかかわらず悩んでしまうのか
複数企業から内定が出たにもかかわらず戸惑ってしまう就活生は少なくありません。はじめての就職先は人生を左右することもありますので、なかなか決断できない方も多いでしょう。内定先を絞れない理由はさまざまですが、就活当初に設定した「就活の軸」を見直したりOB・OGに相談したりすることで解決する人もいます。この記事では悔いが残らない内定の決め方をご紹介していきますのでご参考ください。
内定先を絞れない理由は人それぞれ
内定先を絞れない理由は人それぞれです。以下では2パターンに分けて解説しておりますので、自分のタイプを確認しておきましょう。
内定先が決められない人のタイプ
1つ目は、複数内定をもらったもののどこの企業に就職するか決められないタイプです。内定先に優劣がつけられないと、どのように選択するべきか決断できない人も多いでしょう。
2つ目は、内定企業に就職するか、就活を続けるべきか迷ってしまうタイプです。志望度が低かったり、第一志望企業ではなかったりすると妥協していいのか悩んでしまいます。また、内定後に自分の希望と異なる点やマイナス面に目が行ってしまう就活生も少なくありません。
企業を選ぶ判断基準とは?
就活において内定が出ても迷うタイプは上述のとおり2パターンに分かれますが、どちらのタイプも「自分の価値観や基準が企業と合致しているか」を念頭に置いて選ぶことをオススメします。
以下から「企業を選ぶ際の具体的な確認事項」をご紹介しますのでチェックしてください。
デメリットよりも魅力・やりがいに焦点をあてよう!
自分の希望条件をすべて満たす企業はほぼないといっていいでしょう。また、現時点では希望通りの条件でも、入社後に不満が出てくる可能性もあります。
ですので、それぞれの企業の懸念点やデメリットではなく、魅力やメリットを比べましょう。プラスな面に目を向けることで、入社後に少々デメリットが見つかってもモチベーションを維持しやすいからです。
不安点を明確にしよう!
内定企業に魅力が見つからない場合や懸念がある場合は、自分が「なぜ、不安なのか」という点を明確にすることをオススメします。
たとえば、「自分にはできない」と考えている業務は、自分の適性を見なおすことで実は「不安なだけだった」と気づくかもしれません。
また、職場の雰囲気や人間関係に不安がある方は、自分がどのような場面に苦手意識を感じるかを把握しておきましょう。心身のパフォーマンスに悪影響を及ぼさないと判断した場合は、あまり気にしなくていいかもしれません。
学力と業務適性は関係ありません。低GPAでも内定獲得!企業の重視度と評価基準を解説では、GPA(学力)に自信がなくても客観的に自分の適性を見なおすことで、「向いている」と気づく仕事もあることを詳しく解説しています。
はじめに設定した「就活の軸」を見直そう!
就活初期に設定した「就活の軸」が変化することもありますので、原点に戻ってもう一度振り返ってみましょう。就活の軸とは「企業を選ぶ際に自分が基準にしていた物事」であり、自分の価値観や譲れないこととも言い換えられます。
はじめの頃と比べて就活の軸が変化した方は、「なぜ、どのように変化したのか」と考えなおすことで自分が企業に求めているものを再確認できます。
「就活の軸」を見つける方法については下記の記事でも詳しく解説していますのでぜひ、ご参考ください。
「就活の軸」とは?具体的な見つけ方と例文10選
自身の将来像と照らし合わせよう!
同じ業種でもキャリアの歩み方は異なるため、数年後に自分がどのようになっていたいかを考えて企業を選ぶことも大切です。たとえば、20代のうちから出世コースを歩みたい方は成果主義の企業があっているといえるでしょう。しかし、十分にキャリア育成のサポートを受けたい方には、人材育成に力を入れている企業の方が向いているかもしれません。
企業サイトの社員紹介や社員インタビューを読むことで、自身の思い描くロールモデルがいるかどうかをチェックするのもオススメです。
「希望のスキルが身につけられるかどうか」を考えてみよう!
「希望のスキル」とは専門スキルや特定の知識・技術だけでなく、どのような職種にも活かせるポータブルスキルも該当します。「入社後に希望のスキルが身につけられるかどうか」という視点から企業を選ぶ方もおられるでしょう。
また、今後キャリアアップのために転職を視野に入れていたり起業を考えたりしている方の中には、「効率よくスキルを得るためにはどこの企業がいいか」という視点で絞るケースも少なくありません。
複数の内定から1社を決めるために行うこと
複数内定の中から1つの企業に決めるには自分や企業を分析しなおすと同時に、実際に働いている人の声を聞くことも大切です。以下から詳しく解説します。
自己分析を行う
「就活の軸」を設定したときに自己分析を行った方も多いでしょう。とはいえ、就活を進める中で考え方や価値観に変化が生じている可能性もあります。そんなときは、再度自己分析を行ってみましょう。自分を見つめなおすことで自分の強みや新たな価値観を再発見できるかもしれません。
簡単な自己分析のやり方の1つに、今までの経験や努力を「なぜ行ったのか? 」と、自問して掘り下げる方法があります。たとえば、過去にボランティア活動をしていた場合、「なぜ、ボランティア活動を続けたか? →やりがいがあったから」→「なぜ、やりがいがあったのか? →人の役に立つのが好きだから」といった具合に掘り下げてみましょう。このケースでは、最終的に「社会貢献度の高い仕事が合っている」といった結論が出るかもしれません。
簡単な自己分析のやり方については下記の記事もチェックしてみてください。
内定につながる自己分析のやり方。誰でも無料で簡単にできる効率的方法
企業研究を行う
内定後再度、企業や業界の研究を行うこともオススメです。就活をはじめた頃と異なり、ある程度は企業や業界に対する知識も増えているでしょう。再び調べなおすことで新たな発見があり、内定企業に対する見方が変わるかもしれません。
企業研究には企業のホームページも活用できます。とくに、事業内容・本社所在地、企業からのメッセージなどが掲載されている「トップページ」や、福利厚生・求める人物像などの詳細が載っている「昨年の採用情報ページ」などが役立ちますのでチェックしましょう。
企業サイトからは社風についても推察できます。社風とは?しっかり調べて志望企業とのミスマッチを防止!でも詳しくご紹介していますのでチェックしてみてください。
さまざまな社員と話す
企業の社員と話せる機会は積極的に活用しましょう。OB・OG訪問をしたり内定者イベントに参加したりするなかで、業界・企業のイメージが明確になる方も多いといわれています。
1社だけでなく、迷っているすべての企業の社員と話すのがオススメです。話を聞く際には社員や配属される部署の方々、自分と歳の近い若手社員の意見など幅広く参考にしましょう。
内定者が避けるべき行動と理由
以下からは、内定先への就職を迷っているときに避けた方がいい行動と理由について解説します。
内定をすべて承諾する
複数企業から内定が出てどこに就職するかを迷っても、2社以上の内定承諾はやめましょう。不誠実ですし、他者にも迷惑をかけてしまうからです。最終的に、本命企業以外を辞退すると企業側も再度人員を募集しないといけません。
また、複数企業の内定を承諾していることがバレてしまうと、内定を取り消される可能性もあるので注意しましょう。
他人の意見のみで企業を選ぶ
就職先を選ぶ際には他人の意見は参考程度に留めておきましょう。自分の本心が曖昧なまま入社してしまうとモチベーション維持にもつながりませんし、後悔にもつながりやすいので最終判断は自分自身で行うことが大切です。
また、就職先を知名度や企業の規模のみで決めないようにしましょう。大企業が合う人もいれば中小・ベンチャー企業が合う人もいます。自分の性格や価値観と照らし合わせてどちらがいいか判断しましょう。
待遇だけで企業を選ぶ
給料や福利厚生などの条件だけで決めることはオススメしません。いくら待遇が良くても仕事内容や職場環境が苦痛であれば、続かないかもしれません。
また、同じような条件で比べたときに一見待遇がよさそうでも、継続して働いた場合の年収の伸び率がよくなかったり、残業代の支払い方法が自分に合わなかったりする場合もあるので事前に確認しておくと安心です。
人事担当者の印象に左右される
人事担当者の印象がいいと企業全体の印象も良くなりますが、それだけを就職の判断材料にするのは危険です。なぜなら、実際に働く部署やチームによって雰囲気は異なるためです。社員の人柄を考慮したい場合は先述した通り複数社員と話す機会を活用しましょう。
一方で、選考段階の印象があまりにも悪いケースは、内定後も入社を考え直した方がいいかもしれません。圧迫面接や乱暴な言動など一般常識からかけ離れた対応を取られた場合は、就職する前に信頼できる人に相談しましょう。
内定はいつまでキープできる?辞退するタイミングはいつ?
企業ごとに事情は異なりますので一概にはいえませんが、内定を保留できる可能性はあります。内定保留期間は2日~1週間程度が目安と覚えておきましょう。
また、内定を保留・辞退する場合は早めに企業に連絡する必要があります。以下から詳しく解説します。
内定を保留にする際の注意事項
内定を保留にしたいときには「1.第一志望企業の結果が出てから決めたい」、「2.他の選考結果が出てから判断したい」、「3.慎重に内定先を選びたい」などの心理が働くかもしれません。ただし、1の理由を正直に伝えることはオススメしません。2や3のように納得のいく理由を掲示したり謙虚な姿勢で保留の旨を伝えたりすることが大切です。
以下から内定を保留にしたいときの例文と辞退したいときの例文をご紹介しますのでご参考ください。
内定を保留にするときのメールの例文
件名:内定保留のお願い(静楽太郎)
◯◯株式会社
人事部 採用ご担当者様
お世話になっております。
××大学の静楽太郎です。
先日は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
大変恐縮ではございますが、
入社のお返事について◯月◯日までお待ちいただくことは可能でしょうか。
貴社で働きたい気持ちは強いのですが、
他社の選考結果が◯月◯日に発表されるため、その結果を待ってから決断したいと考えております。
ご迷惑をおかけしますが、ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
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◯△大学 ◯◇学部 ◯◇学科3年
静楽太郎(せいらくたろう)
電話番号:090-xxxx-xxxx
メールアドレス:seiraku_taro@xxx.yy.jp
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内定を辞退するときのメールの例文
件名:内定辞退のご連絡(静楽太郎)
◯◯株式会社
人事部 採用ご担当者様
お世話になっております。
××大学の静楽太郎です。
先日は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
大変恐縮ではございますが、
自分の適性を見つめなおした結果、貴社への内定を辞退させていただきたく存じます。
本来なら直接お詫び申し上げなければならないところ、
メールでのご連絡となり重ねてお詫び申し上げます。
末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
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◯△大学 ◯◇学部 ◯◇学科3年
静楽太郎(せいらくたろう)
電話番号:090-xxxx-xxxx
メールアドレス:seiraku_taro@xxx.yy.jp
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内定辞退の際にメールか電話で迷った方はこちらの記事もご参考ください。
内定辞退はメールで大丈夫?例文で解説
まとめ
就活が思い通りにいかないと疲れや焦りを感じるかもしれませんが、妥協して企業を選ぶのは控えましょう。就活はあくまでも自身のためにするものです。どうしても懸念が払拭されない場合は、内定を辞退して就活を続けるという選択をオススメします。