【2024年】暑中見舞いメール解説書|ケース別の例文など
はじめに
暑中見舞いは、明治時代から始まった慣習です。現代では、暑中見舞いハガキを出す人の数は年々減少傾向にあり、2021年には郵便局も「かもめ~る(くじ付き暑中見舞い用はがき)」の廃止を発表しました。
しかし、通信手段が発達した現代では暑中見舞いをメールで送るケースも少なくありません。今回は、暑中見舞いメールを送るメリットや具体的な文例をご紹介します。
暑中見舞いと残暑見舞いの違い
暑中見舞いと残暑見舞いはどちらも夏の挨拶状です。以下からどのように異なるのかを解説します。
暑中見舞いとは?2023年(令和5年)はいつ送る?
暑中見舞いは、1年の中で最も暑さが厳しい時期に送る挨拶状です。暑さで体調を崩しやすい時期に相手の安否を伺う目的で送りますので、旧暦の夏の時期(7月中旬の梅雨明け~立秋)の間に届けるのがマナーです。
梅雨明けは地域によって異なりますので、相手が住んでいる地域の梅雨明け以降を目安に送ります。また、2023年度(令和5年度)の立秋は8/8(火)ですので、今年は8/8以降に暑中見舞いメールを送るのは控えましょう。
残暑見舞いとは?2023年(令和5年)はいつ送る?
残暑見舞いは、暦が秋になっても(立秋が過ぎても)暑さが残る時期に送る挨拶状です。暑中見舞いと同様に真夏の安否を気遣う挨拶状ですが、送る時期は異なりますので注意しましょう。
2023年度(令和5年度)の場合、残暑見舞いメールを出す時期は8/8(火)以降です。残暑見舞いの期日に明確な決まりはありませんが、一般的には8/31までに出すのがマナーとされています。
暑中見舞いメールはなぜ出すの?注意点は?
暑中見舞いメールを送る必要性・メリット、送信時のマナー・注意点などを以下の章から解説します。
暑中見舞いメールを送る必要性・メリット
暑中見舞いは年賀状と比べると送る人が少ないため、相手の印象に残りやすいともいえるでしょう。関係を深めたい相手や長期間連絡を取っていなかった方との関係を再構築する場合にも、暑中見舞いは一役買ってくれます。
デザインに凝りたい方はネットで無料のテンプレートを公開しているサイトもありますので、探してみるのもオススメです。
Wordにも「暑中見舞い」のテンプレートは存在します。「資料作成の初歩|wordの便利機能・上達のコツを紹介」ではWordにおける資料作成の手順と注意を詳しくご紹介していますのでぜひ、役立ててください!
暑中見舞いメールを送信する際の注意点
ITツールが普及したとはいえ、中にはメールで挨拶状を送られることに抵抗を感じる人もいます。やむを得ずそういった相手にも暑中見舞いメールを送る場合は、メールでの挨拶となった旨を、文末で一言断っておきましょう。
メールで送る際は誰からの暑中見舞かわかるよう、簡潔に件名を記入します。また、本配信の前にテスト配信を行うと安心です。暑中見舞いや残暑見舞いは「お見舞い」ですので自分や相手が喪中の場合でも控える必要はありませんが、文面に配慮したり四十九日以降の送信を心がけたりしましょう。
暑中見舞いメールに限らず、メールを送る際には件名や自分の情報をわかりやすく記すことが大切です。「内定辞退はメールで大丈夫?例文で解説」の「メールで内定辞退する際の書き方の例文」でも紹介していますので、詳しく知りたい方はこちらの記事もオススメです。
暑中見舞いメールの構成・文例をご紹介
暑中見舞いの一般的な構成や、ビジネス用の文例をケース別に以下からご紹介します。
暑中見舞いメールの構成
暑中見舞いの構成はハガキもメールも同じで、1.時候の挨拶→2.相手を気遣う内容→3.こちらの近況報告→4.結びの挨拶→5.元号プラス「盛夏」という順番です。
結びの挨拶のあとには、日付の代わりに「令和○年 盛夏」と記入します。西暦ではなく元号を使用するのがマナーです。また、「拝啓」「敬具」などの頭語・結語も使用しませんので覚えておきましょう。
「解説 履歴書の書き方」では、ビジネスシーンでよく作成する送付状の書き方をご紹介しています。頭語や結語、時候の挨拶などは覚えておくと便利ですのでぜひ、ご参考ください。
【取引先・顧客】暑中見舞いメールの文例
取引先や顧客に日頃の感謝を伝える手段としても、暑中見舞いメールはオススメです。相手を気遣うことで信頼関係も深まり、自身や企業の好感度も上がるでしょう。
【取引先・顧客への文例】
件名:暑中お見舞い申し上げます(○○会社(株) 静楽 太郎より)
暑中お見舞い申し上げます。
暑さ厳しき折、いかがお過ごしですか。
平素は格別のご高誼を賜り、厚く御礼申し上げます。
当店はお盆期間中も変わらず営業しております。スタッフ一丸となって皆様のお越しをお待ちしておりますので、お近くにお越しの際はぜひ、お立ち寄りください。
炎暑しのぎがたい日々がつづいておりますが、楽しい夏をお過ごしくださいませ。
令和五年 盛夏
【上司・先輩】暑中見舞いメールの文例
暑中見舞いメールは上司や先輩など、日ごろ職場でお世話になっている方に感謝の気持ちを伝えるツールとしてもオススメです。
【上司・先輩への文例】
件名:暑中お見舞い申し上げます (静楽 太郎より)
暑中お見舞い申し上げます。
盛夏の候、つつがなくお過ごしでしょうか。
○○部長には日頃から何かと気にかけていただき、感謝しております。
この度は夏季休暇をいただき、誠にありがとうございます。お陰様で実家にも帰省ができ、心身ともにリフレッシュいたしました。休暇後はよりいっそう業務に励む所存でございますので、引き続きご指導のほどよろしくお願いいたします。
酷暑の候、くれぐれもご自愛ください。
略儀ながらメールにて失礼いたします。
令和五年 盛夏
【内定先企業】暑中見舞いメールの文例
就活生の方で内定が決まった方は、内定先企業へ暑中見舞いメールを出してみるのもオススメです。印象にも残りやすいため、入社後の人間関係が円滑になるかもしれません。
【内定先企業への文例】
件名:暑中お見舞い申し上げます (○○大学 △△学部 静楽 太郎より)
暑中お見舞い申し上げます。
猛暑のみぎりでございますが、開発部のみなさまはいかがお過ごしでしょうか。
私は最近体調管理の一環としてジョギングをはじめました。ストレス解消にもつながっており、穏やかに毎日を過ごせております。今後も日々新しいことに挑戦していき、入社後は企業や部署に貢献できるよう励んでいく所存です。
厳しい暑さが続きますが、みなさまのご健勝とご活躍をお祈り申しあげます。
令和五年 盛夏
「お見舞い」や「お礼状」を作成するスキルは、入社後も役に立ちます。以下記事では、インターンシップ後のお礼状の書き方をご紹介していますのであわせてご確認ください。
インターンシップ後のお礼状は必須?例文と書き方のポイント
暑中見舞いへの返信方法
暑中見舞いの返信は早めにするように心がけましょう。以下から注意点や文例をご紹介します。
返信の際の注意点
暑中見舞いをメールで頂いた場合はメールで、ハガキで頂いた場合はハガキで返信するのがマナーです。
こちらの都合で暑中見舞いの返信が遅れたり、立秋近くに相手から暑中見舞いが送られてきたりしたときなど、期限内に返信が間に合わない場合は、「残暑見舞い」に切り替えて返信しましょう。
また、残暑見舞いは「盛夏」ではなく「晩夏」を用います。返信が8月末までに間に合わなかったときでも暑中見舞いや残暑見舞いのお礼は必要です。ただし、「暑中(残暑)お見舞いメール」ではなく、通常の挨拶メールとして送信しましょう。書き出しは、「秋晴れの候」「秋冷の候」など送る季節に合わせて時候の挨拶を変更します。
「履歴書の送付状・添え状は手書き?例文で書き方を解説【テンプレート付き】」では1月から12月までの時候のあいさつをご紹介していますので、大変便利です。ぜひお役立てください。
暑中見舞いへ返信する際のメールの文例
頂いた暑中見舞いに近況報告があった場合は、返信する際に触れておきましょう。以下、「暑中見舞いメールに返信するときの暑中見舞いメール」という設定で文例をご紹介します。
件名:【静楽 太郎より】暑中お見舞い申し上げます
暑中お見舞い申し上げます。
早々にお見舞いをいただきましてありがとうございます。
みなさまが、お元気そうなご様子で安心いたしました。出社後はまた、ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
お暑い毎日が続きますが、お元気でお過ごしください。
令和五年 盛夏
暑中見舞いメールに使えるフレーズをご紹介
暑中見舞いメールに使える時候の挨拶および、結びの挨拶のフレーズを以下からご紹介します。
時候の挨拶の文例5つ
時候の挨拶とは、挨拶状のはじめに記す「季節を表す文章」です。相手の健康を気遣ったり、繁栄を喜んだりする言葉ですので欠かせません。以下、暑中見舞いメールで使える時候の挨拶の文例を5つご紹介します。
- 暑さに耐えがたい毎日ですが、お変わりなくお過ごしでしょうか
- 毎日お暑いですが、お元気にご活躍のことと存じます
- 緑濃く木漏れ日も輝くころとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか
- 酷暑の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます
- 涼風の欲しいこのごろ、○○さまはいかがお過ごしでしょうか
結びの挨拶の文例5つ
結びの挨拶とは、「挨拶状の文末に記す文章」のことです。時候の挨拶と同様に相手の健康や幸せを願う言葉ですが、季節感はあってもなくても構いません。以下から、結びの挨拶の文例を5つご紹介します。
- ○○部長の更なる飛躍をお祈りいたします
- 寝苦しい夜が続いていますので、○○先輩もご自愛くださいませ
- 時節柄、みな様のご健勝をお祈り申しあげます
- 貴社の更なる発展をお祈りいたします
- 今年の暑さは格別ですので、お体には十分にお気をつけください
まとめ
時代と共に文化も変遷しますので暑中見舞いの送り方も変わりつつあります。暑中見舞いはハガキだととっつきにくいかもしれませんが、メールであれば気軽に送れるのが利点です。
これまで暑中見舞いメールに関心がなかった方も、この夏は誰かに送ってみてはいかがでしょうか。あなたの気遣いを嬉しく感じる方も大勢いるでしょう。
最後のチェックポイント
- 暑中見舞いメールを送る時期は、相手の住まいの梅雨明けから立秋まで
- 2023年(令和5年)の立秋は8/8(火)
- 暑中見舞いメールは関係を深めたい相手に送るのもオススメ
- 暑中見舞いは自分や相手が喪中の場合でも控える必要はない
- 暑中見舞いは元号プラス「盛夏」、残暑見舞いは元号プラス「晩夏」
- 時候の挨拶と結びの挨拶では相手の健康や幸せを願う