社会人としての意識とは?めざせ!学生気分からの脱却
はじめに
社会人になって言われることに「学生気分が抜けていない」などがあります。まじめに仕事をしているのに何がいけないのだろうと、疑問に思った経験はありませんか。社会人意識が低いと言われないために、この言葉の裏にある意図を一緒にひもといていきましょう。
社会人意識が低いといわれるわけ
学生時代は許されたことが許されなくなることも要因です。学生の頃は少々の遅刻なら大目に見てもらえたでしょう。しかし、社会人では真剣さが足りないと言われます。
また、学生の頃に優秀な成績や実績があったとしても、社会人の場合は主張しすぎると協調性がないと受け取られます。業務の依頼を待つだけの受け身の姿勢や、業務中の私用電話など公私混同した行いも、繰り返されると意識が低いと言われる理由です。
学生気分が抜けない理由とは
学生は、経済的にも社会的にも親や学校・地域に守られた中で生活しています。しかし、社会人は、自分でお金を稼ぎ自分の生活を成り立たせ、さらに納税など社会的に守るべき義務や責任も生じます。環境も立場も大きく変わることに気づけないことも原因の一つと言えるでしょう。
学校を中心としたコミュニティから、社会という何倍も大きなコミュニティに入っていくのです。井の中の蛙にならずに意識を変える必要があります。
社会人として意識すること
社会人になったら意図をもって変えていくべき、社会人としての意識について、以下で詳しく解説します。
責任をもつ
社会人は、自分の発した言葉・起こした行動に責任をもつ必要があります。たとえば、お客さまや取引先に対して発した言動は、会社の意向と受け取られます。自分の言動が会社に大きく影響を与える可能性があるため、社会人は責任をもつという意識が重要と言えるのです。
はじめは責任をもつ自信はないかもしれません。しかし、責任がもてる自分に変えていくことが大切でしょう。
仕事に対して
働いて報酬を得るためには、業務に中で利益を生む必要があります。学生時代の成績ではなく、業務における成果・結果が求められるのです。一つひとつの業務に責任をもって取り組むことが求められます。
先輩や上司のアドバイスを聞くことも、大きなミスや損失を回避するための忠言と受け取るとよいでしょう。
自分に対して
自分の発した言葉にも責任をもつ必要があります。任された業務を「引き受けます」「努力します」と伝えたら、結果を出すことで責任を果たしたと言えます。
高いパフォーマンスを発揮するために、気力・体力ともに充実した状態を維持することが大切です。自分の健康管理や自己管理が重要と言えるでしょう。
自立する
就職して働きはじめたから自立した社会人になったと考える方もあるでしょう。しかし、この段階では、守られる年齢を終えた大人になっただけです。真に自立するとは、どのようなことか掘り下げて考えてみましょう。
経済的・精神的な自立
働いて収入を得ることで自分の生活を支えることは、経済的な自立の第一歩です。この中には、必要経費以外に貯蓄など将来を見越したビジョンも不可欠と言えます。
また、社会のルールやモラルにのっとった行動ができることも重要です。自分を守ることはもちろんです。さらに、社会的にも守る側の人間になったという自覚が大切でしょう。
自分で考えて行動する
学生時代のように、課題や問題点を周囲が提案してはくれません。業務においては、今自分は何をすべきか、周囲を観察しながらの判断が必要です。
困ったときも、家族や学校に対したように頼るばかりではなく、何が問題で・原因は何か・どうしたら解決できるのかを、自分で考えて行動できる精神力を身に付けることが重要でしょう。
当事者意識をもつ
任された仕事を自分のことと捉えられたら、仕上がり期日までの計画を立てて、必要なルールや情報を集め、助力が必要であれば依頼する。などの、自分がとるべき行動を想像して実行できるでしょう。やりっぱなしにできないという意識も生まれます。学生と社会人の、最も大きな意識の違いと言えるでしょう。
社会人にとってマナーを守って行動することは必須です。必ず知っておきたい社会人マナーとは?役立つオススメマナー本も紹介 の記事で詳しくご紹介しています。一読をおススメします。
意識することが必要な理由
ここまで、責任をもって自立することが社会人としての一歩であるとお伝えしました。さらに、以下の「5つの意識」を心にとどめて行動することは、社会人としてのスキルアップやキャリアアップに重要な要素・役割があります。意識して行動することで、自分の助力になるでしょう。
- 5つの意識
- 職業人としてのプロ意識
- キャリアや人生設計を実現する自己実現意識
- 社会や会社への貢献意識と対価を得ることへの報酬意識
- 会社や組織の一員としての組織活動意識
- 社会の一員として構築する人間関係意識
座右の銘に加えてみるのはいかがでしょうか。
社会人に必要な意識をもつために
5つの意識を身につけるために必要な基本をご紹介します。以下ができることで社会人に必要な意識をもつことができ、社会人意識があると評価されるでしょう。
社会人基礎力を身につける
「社会人基礎力」を簡単に説明すると、会社や地域社会のなかで、自分が活躍し続けるために必須となる基礎的な能力だと考えてください。最初に意識すべきことと認識しましょう。
社会人基礎力について詳しく解説した記事です。社会人基礎力とは?必要な3つの能力と習得方法。必要な理由から習得方法まで、役立つこと間違いありません。
あいさつをする
社会人に限らずすべての年代で、人間同士のコミュニケーションの基本があいさつです。元気な「おはようございます」の声は、気持ちのいい一日の始まりです。「お疲れさまです」「お先に失礼します」など、折々のあいさつをしっかりと行いましょう。
報連相は忘れずに行う
報(報告)連(連絡)相(相談)は社会人にとって基本的なルールです。スムーズな業務の遂行には欠かせない行動と言えます。報連相はタイミングも大切です。伝えるべきタイミングに行わなければ、業務は滞ったり間違った方向に進んだりします。責任のある行動の一つと言えるでしょう。
チームワークを大切にする
ひとりで、すべての業務ができるわけではありません。チームや先輩同僚たちと協力することで、完成度の高い成果をあげられると認識しましょう。コミュニケーションを密にとり、良好な関係を築き、チームメンバーの一人として自分にできる最大の努力が望まれます。
チームワークと言われても、そもそも人間関係の構築が苦手な方もあるでしょう。職場での人間関係がうまくいかない時の考え方・対処法を解説の記事は、悩めるあなたにヒントを与えてくれます。ぜひ、参考にされてください。
時間の使い方を意識する
どのような業務にも期限があります。期限内に業務を完遂するためには時間配分を上手に行う必要があります。計画を立てた行動ができるようになりましょう。
また、遅刻や突発休暇など周りに迷惑をかけないために、私生活でも時間を意識した行動や自己管理に気を配るようにしましょう。
PDSサイクルを使えるようになる
PDSサイクルとは、マネジメント手法のひとつで、P(計画)D(行動)S(検討・振返り)を繰り返すことで、完成度の高い成果を目指すものです。自分の行った業務を振り返り、効率よく完成度を上げるために、どのような工夫が有効かを考えながら業務に取り組めるようになりましょう。
8つの意識を守れるようになる
社会人が仕事をするうえで必要なことを以下にまとめました。どの項目も、高い成果を生み利益向上のためには欠かせない内容ばかりです。これらを意識して守りながら行動できることは、社会人としての意識の高さの表れと言えるでしょう。
- 8つの意識(仕事をするうえで必要なこと)
- 顧客意識
利益を生むためには、お客さまが何を望み欲しているかを正確にとらえ、お客さまの期待以上の成果を提供する必要があります。
- 目標意識
仕事をするうえで必ず目標を設定し、目標を達成するために努力を重ねていく必要があります。
- 納期意識
納期の遅れは信用を失います。仕事を任せてもらうために、最も守るべき必要があります。
- 品質意識
品質の良い製品やサービスは、お客さまから高評価を得て利益につながります。限られた条件下でも高品質を目指す必要があります。
- コスト意識
業務の遂行には資源(ヒト・モノ・カネ)が必要です。限りある資源を有効に投入し、効果を発揮させる必要があります。
- 協調意識
業務はひとりで完遂することはできません。チームで協力し合い相乗効果を生み、期待以上の成果を上げる必要があります。
- 改善意識
企業も個人も成長を続けるためには、現状維持に満足せず常に改善が必要です。日々の無駄な業務も見直して競争力をつける必要があります。
- 安全意識
企業にとって重要な情報管理やコンプライアンス意識をもつことが大切です。安全な企業運営が信頼の一歩です。身体的・物理的安全とともに守る必要があります。
脱・学生気分を目指そう
社会人と学生では、環境や立場に違いがあることをご理解いただけましたか。学生時代は許されたことも社会人になると通用しないことが多々あります。この違いを心にとどめて行動するだけで、学生気分から脱することができるでしょう。
社会人としての自覚を持ち、何を意識すべきかをしっかり理解して、今日から必要な意識を考えながら行動してください。
まとめ
環境が変わったり、年齢が上がったりするだけで、社会人としての意識が高くなるわけではありません。社会人として必要な意識を考えながら、どのように行動するかが重要です。なかなかできることではありませんが、自分に厳しく周囲に優しい、そのような人を社会人意識が高いといえるのではないでしょうか。高い目標ではありますが、一つひとつ意識すべきことをできるようになる。そこからはじめてみてください。
最後のチェックポイント
- 社会人と学生の違いを理解しない行動が、社会人意識が低いといわれる理由
- いつまでも守ってもらえると思う意識を学生気分が抜けないという
- 社会人は、責任を持ち自立した行動がとれる
- 社会人に必要な意識を持つとは、社会人基礎力を身につけること
- 仕事をするうえで、高い完成度と利益を生むために意識することがある