第二新卒はいつまで?転職のしやすさや定義、年齢制限はあるのかについて
はじめに
第二新卒は既卒などと同様に、転職の際にはよく聞かれる言葉です。また、近年では、採用で第二新卒に抵抗感を持つ企業も減少しています。この記事では、第二新卒の定義や既卒などとの違いについて詳しく解説していきます。また、転職の際の注意点や意識などにもついて触れていくため、転職を考えている場合は参考にしてみてください。
第二新卒とは
第二新卒は、一定の条件を満たす社会人のことを指します。学校を卒業した後の期間などもある程度決まっていることから、第二新卒と呼ばれる条件に誰もがあてはまるわけではありません。
第二新卒は、中途採用者と同一に見られていた時期もあるものの、最近では募集要項も明確に分けられています。では、第二新卒がどういったものであるのか詳しくみていきましょう。
第二新卒はいつまで?明確な定義はあるの?
第二新卒は、明確な定義はありません。一般的には、学校を卒業し、就職後1~3年以内に転職を目指す社会人経験者を第二新卒と呼びます。
しかし、企業によって、29歳まで、つまり20代の全ての人を第二新卒として扱うなどの採用ルールを設けているところもあります。また、採用ルールに関しては、既卒や中途採用にあてはまることもあるため、募集要件はよく確認しなければなりません。
一般的には大学を卒業し、22歳で企業に就職、25歳で転職するといった場合は、第二新卒として扱われ、企業に採用されていると想定できます。
また、第二新卒に対して、ほとんどの企業は即戦力として期待しているわけではありません。企業の狙いとして、新卒では補えなかった人材をカバーする、育成の手間を省くなどの目的があります。
第二新卒は転職に有利?新卒、既卒、中途との違い
第二新卒は、転職市場でニーズの高いものに変化しつつあります。そのため、第二新卒だからこそ有利な条件で転職活動を行える一面もあるといえるでしょう。
企業の募集要項をみてみると、以下の4つの区分に人材を分けることが可能です。
- 新卒
- 既卒
- 第二新卒
- 中途採用
それぞれの定義が異なるため、労働条件が異なることも多いといえます。では、第二新卒と他の区分の人材と比較した場合に有利となるポイントにふれていきましょう。
既卒
既卒は、学校を卒業したうえで正社員としての就業経験がない人材を表します。例えば、学校卒業後アルバイトで生計を立てている場合などは、既卒に該当するでしょう。
第二新卒と既卒との違いは、正社員経験があり、マナーと社会人としての考え方が身についていると評価される点です。特に、第二新卒はあいさつやメールなどの取り扱い、個人情報などの細かい社会的な概念や規則などをある程度把握していると見られることがメリットだといえます。
新卒
新卒は、年度内に卒業する学生を表します。この場合は、卒業前に内定を貰い、卒業後は企業に就職することが決定している人々が該当します。
企業によっては、既卒を新卒として扱うこともあります。あるものの、既卒は学校を卒業し、その年度内に就職しなかったことを意味します。そのため、既卒は新卒と同じ条件が募集要項に書いてあったとしても、採用担当者から新卒と比較して就職しなかった理由を聞かれる可能性が高いといえるでしょう。
第二新卒と異なるポイントは、就職を含めた社会人経験があるため、仕事に求めることの優先順位が比較的はっきりしている点です。そのため、入社後もミスマッチが少なく定着率が高いと考えられるため採用担当者から評価されやすいといえます。
実際、新卒の3年以内の退職率は、長い間全体で3割を超えており、その最大の理由は業務内容と目標のミスマッチです。しかし、第二新卒の場合は、目標を定めたうえで転職活動を行っていることから、3年以内で辞める人材が比較的少ない傾向にあります。
中途
中途採用は、就業経験があり、即戦力となり得る能力を持った人材のことです。中途採用の枠は広く、30歳以上の正社員の方は、ほとんどが中途採用に該当するといえるでしょう。
例えば、新卒・22歳で企業に入社し、8年後の30歳で転職を行った場合、中途採用に該当します。また、専門的なスキルを持っていることが求められることが多く、どのような業務をどのぐらい担当したのかが採用の採否を決定することも少なくありません。
そして、第二新卒と異なるポイントは、第二新卒は中途採用と同等のスキルを求められないことです。第二新卒は、学校の卒業から3年以内で転職を行うパターンが多いと想定されます。
そのため、どのような業種であったとしても採用担当者は第二新卒が持つスキルだけを元に合否を判断することはありません。ほとんどはその人材のこれからに期待するポテンシャル採用となります。
第二新卒である場合、中途採用者と採用枠が異なるため、スキルの高さなどで争うことはない点はメリットだといえます。
第二新卒は転職に不利?「やばい」「使えない」と思われる人の特徴
結論からいうと、第二新卒という属性だから不利になることはありません。そのため、第二新卒として転職する際に評価・懸念されるポイントをしっかりと知っておきましょう。企業側からすると第二新卒は、新卒や既卒などと、人材の定義が異なります。そのうえで第二新卒にあてはまる人材が不利となるのではなく、下記のような要素を持つ場合、不利となるといえます。では、どのような要素が転職する際の要素として不利になるのかをみていきましょう。
長く働くことが難しい
どのような企業であっても、短期間で多数の転職を繰り返している人材には不安を感じるでしょう。特に、短期間で転職を繰り返し、その理由がはっきりとしていない場合などは不利となります。
この場合は、長く働くことができなかった理由を整理しておきましょう。人事担当者に対して、理由を整理したあと、長く働けないのではないかと心配されないように説明する必要があるためです。長く働くことが難しいと判断された場合、内定をもらうには不利になります。ちなみに、就業環境がとても厳しく、パワハラが繰り返されたなどの理由がある場合は、素直に伝えても不利にはなりません。
ビジネスマナーが身についていない
第二新卒としてビジネスマナーが身についていないことは、転職の際に不利となります。例えば、企業によってはビジネスマナーが全く関係ないような業種もあるものの、以下の項目はどのような業種でも求められます。書類選考では、下記のような項目に注意することが重要です。
- 志望動機や職歴、自己PRの書き方
- 話し言葉と敬語の使い方
書類選考でもビジネスマナーが身についているか判断することができます。とくに、採用担当者は、何通もの書類に目を通していることから、言葉の使い方の間違いなどはマイナス要素となるでしょう。
面接では以下のような項目に注意しましょう。
- 目上の方と話す場合の敬語
- メールを送る際のルールを知っていること
- お礼、お辞儀など感謝を示す言葉と動作
面接の段階で服装や言葉遣いなども評価されるため、ビジネスマナーは徹底的に対策しなければなりません。ビジネスマナーが大事とされる理由は、基本的なマナーやルールを守ることで周囲と心地よく付き合うことができ信頼関係を築きやすくなるためです。
例えば、第二新卒で同じような経験とスキルを持つ人材を比較した場合、採用担当者はビジネスマナーが優れた人材を採用します。
社内だけでなく、一般的に見てもビジネスマナーが身についていないと、常識が欠けていると判断されることもあります。
社会人としての基礎をもっと知りたいと思ったら⇒必ず知っておきたい社会人マナーとは?役立つオススメマナー本も紹介 、社会人基礎力とは?必要な3つの能力と習得方法 こちら2つの記事を読んでみてはいかがでしょうか?
その他、注意する特徴
第二新卒の転職で不利となる特徴として、以下の4つも考慮しましょう。
- 周囲の人と協力して働くことが難しい(コミュニケーションが取れない)
- 入社意欲が低い(長く働くと思われない)
- 理想にこだわりすぎる(現実とのギャップを感じやすい)
- 年収にこだわり過ぎている(自分のスキルを把握してないと見られる)
転職の対策をおこない、伝え方を考え、うまく表現できるようにしましょう。例えば、転職理由の説明の場合に、現状の会社で年収に対して不満があるとしましょう。その場合は、応募先の会社を選んだ理由と「現職でどれくらいスキルアップしたか、今スキルアップのためにどんな努力をしているか、今後取り組みたい業務を伝え、収入を現在よりも上げていきたい」など給料を上げるに値する価値を生み出せていることを説明できるようにしましょう。
また、現職であまり周囲の人とうまく協力して働けていない場合、伝え方に十分な注意が必要です。「周囲の人からどのように言われることがありますか」と聞かれることがあります。どのようにコミュニケーションを取ってきたかなどは誤解を生まないように準備し、まとめて説明できるようにしましょう。
採用されるために準備しておくと良いこと
第二新卒は、企業から扱われる期間が決まっています。応募できる期間を有効活用するために、転職活動はある程度対策を行いながら進めていきましょう。
例えば、面接を受ける場合や書類選考でも、「なぜその企業で働きたいのか」や「その業務を行いたいのか」考えを事前にまとめておく必要があります。1度まとめたら採用担当者が納得できる内容になっているか確認しましょう。
転職は準備を行うことで転職活動をスムーズに進められます。
長期的に働く気持ちと覚悟
長期的に働く気持ちや覚悟を決める場合、事前に以下のような自己分析や企業分析を行っておきましょう。
- なぜその会社で長く働きたいと感じたのか
- 長く働いてどのように成長したいのか
- 業界に興味を持った理由と意気込み
転職の理由とも重なる部分もあるものの、長期的に働きたい明確な理由を固めておく必要があります。転職先の企業の事業と自分の経験を加味したうえで、「どのように働いていくのか」「5年先や10年先にどうなっていたいのか」などを整理しておくと、明確に解答できるでしょう。
ビジネスマナーのおさらい
ビジネスマナーは、一般的な企業であれば、入社のタイミングで一通り研修を通して学ぶことができます。しかし、業務上に発生する細かなやり取りやメールでの伝達、言葉遣いなどは、改めて振り返り、ノートなどにまとめておきましょう。
例えば、以下の要素は企業が異なっても大きく変化することはありません。
- 身だしなみ
- 電話対応の方法
- 名刺交換
- あいさつの方法
- 入室、退室の方法
転職のタイミングだけでなく、普段からビジネスマナーを意識して、間違っていないかを確認しておくことで、転職活動をスムーズに進められるでしょう。
業界や仕事についての理解
業界に対する研究は、インターネットや本などから行えます。数年の間に、大きく業績を伸ばした企業もあれば、縮小してしまった企業も存在しています。
インターネットなどでも、会社の評判や業界の動向などは容易に調べることが可能です。そのため、自分が転職する業界の最新の動向などは転職活動を本格的に行う前に調べておくことをおすすめします。
例えば、縮小傾向であれば、どのような仕事が長く生き残っていくのかを考えましょう。そして、縮小したとしても必要とされる仕事内容であれば、長く働くことができます。
仕事に対して求めることの棚卸と優先順位付け
仕事の内容を確認したうえで、自分が仕事に何を求めているかを普段から棚卸をしておきましょう。ざっくりとしたものでも構いません。例えば、仕事で考えられる要素は以下のものがあります。
- 給料
- スキル
- やりがい
- 環境
- 就業時間
環境のみに焦点を当ててみても、「安定した環境の中で変わらない業務を行う」のか「市場やトレンドを反映して柔軟に変化する環境の中で業務を行う」方が働きやすいのか、など人によって求めるものは異なります。
また、棚卸をしたうえでどれが優先順位の高い項目なのか、考えておきましょう。優先順位を付けておくことで複数の転職先候補の面接スケジュールがバッティングしてしまった時や、内定後どこに就職するかを考える時にスムーズに転職先を決めることができます。
転職活動ができる資金を確保しておく
第二新卒として転職する場合、活動資金をある程度確保しておきましょう。会社を辞めてから活動するケースは少ないかもしれません。しかし、自己退職の場合は失業保険の給付までに最低でも3ヵ月程度の時間を要します。
そのため、現在の会社を退職する前に転職先から内定をもらっていることがベストであり、転職活動を行っても余力のある生活ができるように準備しておきましょう。加えて、金銭的な余裕があれば、転職に失敗する確率を下げることができます。仮に、金銭的な余裕がなく、勢いで退職してしまった場合、転職するまでの期間は無収入となります。そのため、気持ちとして余裕が無くなってしまい、十分な検討をしないまま、転職することになってしまいます。その場合、転職後に後悔する確率も上がるため、金銭的な余裕も転職の際には重要です。
まとめ
第二新卒は、学校卒業後の1~3年で転職を行う社会人経験者のことを指します。そのため、第二新卒として扱われる期間は限られており、転職活動もある程度、計画を立てて行っていく必要があります。
また、転職においては、事前の準備も重要となってきます。ビジネスマナーや自己分析・企業分析などを繰り返し、第二新卒として企業からどのように見られるのかを把握したうえで、転職活動を行っていきましょう。
最後のチェックポイント
- 企業によって定義が異なるため募集要項を確認しよう
- 企業が第二新卒を採る理由を知り備えよう
- 転職の際に不利な特徴を知り早急に改善しよう
- 転職理由や仕事に求めることの優先順位を棚卸しておこう