SDS法とは?メリットや就活での活用法を例文付きで紹介
はじめに
就活では履歴書などの応募書類や面接といった、「自分の言葉で何かを伝える」機会が多くあります。「話がうまくまとまらない」「言いたいことが相手に伝わらない」といったことがないよう、伝え方のコツを押さえて好印象につなげましょう。この記事では、物事をわかりやすく伝えるためのフレームワークのひとつ、「SDS法」について解説します。
SDS法とは
SDS法とは、伝えたい内容を「Summary(要件)」「Details(詳細)」「Summary(要件)」の順番に沿って組み立てることで、相手にとって理解しやすい文章や話し方を試みるためのフレームワークです。
SDS法の伝え方では、話の要点や結論を最初に明示します。次に、話の詳細な説明や、先の結論に至った理由を述べます。そして、最後にもう一度要点・結論をまとめとして話すことで、相手に話の内容を再確認してもらうという構成です。
SDS法を活用できる場面
SDS法はニュース速報やスピーチ、商品・サービスの説明など、限られた時間や文字数でわかりやすく伝える必要がある場面に向いています。就活に置き換えれば、面接冒頭で尋ねられることの多い「自己紹介」や、履歴書・職務経歴書の「自己PR」欄を書く際に活用することで、簡潔かつ印象に残るアピールが可能です。
SDS法のメリット
SDS法のメリットは、要点を絞ってスピーディーに情報を伝えられることです。最初に結論を述べることで話の概要をスムーズに相手に把握してもらい、続く詳細説明への興味と理解を促します。そして、最後に再び要点を述べることで、最も伝えたい事柄を相手の記憶に留めてもらいながら締めくくることができます。
SDS法のデメリット
SDS法のデメリットは、簡潔に要点を伝えることに向いているがゆえに、話をより深掘りして詳しく説明したり、具体的なエピソードなどを用いて説得力を持たせたりすることが難しい点です。また、感情に訴えかけるような表現が必要な場面や、自分の考えを強く主張するべき場面には向いていません。
SDS法を使った例文
ここからは、実際にSDS法を用いて、面接を想定した自己紹介と、履歴書を想定した自己PRの例文を紹介します。
例文1・面接での自己紹介
Summary(要件)
○○大学○○学部○○学科の××××と申します。
大学では主に農業分野でのIoT技術の活用について研究しており、ここで培った経験と技術を活かして御社に貢献したいと考えております。
Details(詳細)
私は、研究を通して農業従事者の方々と交流する中で、農業における作業負担の軽減や生産効率向上の必要性を強く実感しました。そして、学生が主体となって製作した業務効率化システムを実際に農家の方に試用していただき、その際に大変喜んでいただけたことが印象に残っています。
Summary(要件・まとめ)
御社においてもこれまでの経験を活かし、農業の未来を担うような製品の開発に携わっていきたいと考えております。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
面接での自己紹介については、【回答例あり】面接で好印象な自己紹介のしかたでより詳細な解説を行っています。ぜひ参考にしてみてください。
例文2・履歴書の自己PR
Summary(要件)
私の強みは、観察力とホスピタリティです。
Details(詳細)
在学中、携帯電話キャリアショップのバックヤード業務をアルバイトとして経験しました。常に店舗全体のチェックを行い、パンフレットの補充や商品在庫の品出しなど、フロアスタッフの方々がお客様への対応に注力できるようにさまざまな面からサポートを行いました。その結果、店舗改装の際にバックヤードの管理主任を任され、備品配置などの見直しを行うことで、フロアも含めた業務効率化につなげることができました。
Summary(要件・まとめ)
このたび志望しております事務職においても、周囲への観察と気配りを忘れず、今必要とされている業務を迅速にこなし、貴社に貢献できるよう努めて参ります。
PREP法との違い
SDS法と同様のフレームワークに「PREP法」があります。こちらはまず結論を話したあとに、具体的なエピソードや営業成績などの数字を挙げつつ詳細を述べ、再度結論で締めくくるのが特徴です。そのため、プレゼンなどのビジネスシーン、就活であれば志望動機をはじめとした面接でのさまざまな回答に向いています。
SDS法とPREP法の大きな違いとしては、SDS法がはじめと最後の「要点・結論」を重要視するのに対し、PREP法は真ん中の「詳細」に重きを置く点であるといえるでしょう。
まとめ
自分の意見や思いを伝えるにはさまざまなやり方があります。物事を円滑に伝えることができれば、就活のみならず、普段のコミュニケーションなど、あらゆる場面で役に立つでしょう。
今回お伝えしたSDS法をはじめとした伝え方のコツを実践することで、要件の伝達だけでなく、自身の考えを整理してまとめる力の向上にもつながります。就活やビジネスシーンを想定し、「伝えるスキル」の習得に取り組んでみてはいかがでしょうか。
最後のチェックポイント
- SDS法はSummary・Details・Summaryを略した伝え方
- SDS法は話の要点・詳細・要点の順で簡潔かつスピーディーに内容を伝える
- SDS法はニュース速報や商品説明、スピーチや自己紹介などに活用できる
- SDS法は迅速に要件を伝えられるが、説得力のある詳細な説明には不向き
- PREP法はSDS法と比較し、より詳細で具体的な説明に重きを置いている
- 伝え方のコツをつかむことで、思考整理やコミュニケーションに役立つ