新卒2年目に手取り額が少なくなっている理由、増やすには?
はじめに
社会人2年目になり、1年目と比べて年収は上がったが手取り額は減ってしまってはいませんか。なぜ手取りが下がったのか、社会人2年目の平均年収や手取り額について説明します。どのような職業が高年収なのか、手取りにすると平均どのくらいもらえるのか、手取りが上がるのはどのような環境かといった内容まで解説していきます。
年収が上がっても手取り額が下がる社会人2年目
新卒2年目の年収は基本給のアップやボーナスにより1年目に比べて上がります。しかし、手取りの額面は1年目に比べて減っていることが多いでしょう。基本給と手取り額の違い、なぜ基本給は上がるのに手取り額は減るのか解説していきます。
新卒1年目の給料が気になる方は、【新卒の初任給】 給料の平均や基本給と手取りの違いは?でより詳しくご紹介しています。あわせてご確認ください。
手取り額とは
手取り額とは月の総額の給料(月給)から税金や社会保険料を引いた給料として振り込まれる金額です。基本的には総額の給料の75~80%が振り込まれます。基本給が月20万円の場合は2割ほど引かれる計算ですので手取り額は16万円ほどです。
給料から引かれるものには以下のものがあります。
- 税金
・所得税
・住民税※
- 社会保険料
・雇用保険料※
・健康保険料
・厚生年金
※住民税は前年度分の所得に応じて支払額が決定します。
※雇用保険料は一定の就労時間になると発生します。
住民税の発生
社会人2年目から発生する税金として、住民税があります。住民税は前年度の所得額を基準に計算されるため、新卒1年目には支払う必要がありませんでした。都民税や道府県税と市区町村税といった種類があり、どの地域に住んでいても基本的には前年の所得額の10%が引かれます。他の税金や社会保険料にプラスして前年の所得額の10%を引かれることになるため、手取り額が新卒1年目に比べると少なくなる現象が起きやすくなるでしょう。
新卒2年目にもらっているお給料の平均は?
新卒2年目は年収が増え、手取り額が下がるという傾向がわかりました。では、新卒2年目の年収や手取り額は平均でどのくらいでしょうか。年収と手取り額について、高校・専門学校・大学・大学院卒業別に説明します。
新卒2年目の平均年収
卒業した学歴によって入社時の年齢は異なりますが、高校卒業よりも大学院卒業の方が新卒2年目において年収は高くなる傾向があります。
- 高校卒業(20歳ごろ)平均238万円
- 専門学校卒業(22歳ごろ)平均256万円
- 大学卒業(24歳ごろ)平均274万円
- 大学院卒業(26~28歳ごろ)平均333万円
参照:厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査結果の概況 学歴別
新卒2年目の平均手取り額
新卒2年目の平均年収を月給に換算し、社会保険料や税金を20%とした時の月の手取り額(月給の80%での計算)平均です。
- 高校卒業(20歳ごろ)平均15.9万円
- 専門学校卒業(22歳ごろ)平均17.1万円
- 大学卒業(24歳ごろ)平均18.3万円
- 大学院卒業(26~28歳ごろ)平均22.2万円
受け取った給料で貯金をどうしたらよいか気になる方は、社会人1年目・2年目・3年目の貯金事情!上手にお金を貯める方法でより詳しくご紹介しています。あわせてご確認ください。
職業別平均年収
比較的年収が高いといわれている職業の平均年収です。労働している全年齢が対象のため、将来について考えるヒントにしていただければ幸いです。
- 電気・ガス・熱供給・水道業平均502万円
- 研究職、専門・技術サービス業平均463万円
- 金融業・保険業平均456万円
- 教育・学習支援業平均447万円
- IT・情報通信業平均447万円
職業別平均手取り額
上記で挙げた職業の平均年収を月給に換算し、社会保険料や税金を20%とした時の月の手取り額(月給の80%での計算)平均です。
- 電気・ガス・熱供給・水道業平均33.5万円
- 研究職、専門・技術サービス業平均30.8万円
- 金融業・保険業平均30.6万円
- 教育・学習支援業平均29.8万円
- IT・情報通信業平均29.8万円
手取り額は増える?
手取りや年収が増えるタイミングは新卒3年目以降といった勤務年数に応じて増える場合や、成績や資格取得といったスキルアップに応じて昇給されるケースがあります。しかし一方で、10年勤務しても4~5万円ほどしか上がらない企業もあり、昇給の額やタイミングは企業次第でしょう。
手取り額が増える企業かチェックするポイント
手取り額が増える企業かチェックできるポイントをいくつか紹介します。
- 働いている企業の業績がよく今後の業績にも期待が持てるか
→業績が伸びれば昇給につながりやすい
- 働いている業種全体の平均年収は高いか
→平均年収に追いつける可能性がある
- 同じ企業で働いている優秀な先輩の給料はいいか
→給料がよければそこまでは最低でももらえる希望がある
- 年功序列で給料が上がっていくのであればどの年齢から上がっているか
→昇給するタイミングがわかる
- 職場内で上の立場にいる人の年収は低くないか
→上の立場の人が少なければそれ以上もらえる可能性は低い
キャリアアップを目指したい方は、キャリアアップとは?意味と類義語との違い・準備や選択肢から業種/職種別の方法まででより詳しくご紹介しています。あわせてご確認ください。
まとめ
自分の月の手取り額を増やすには、働いている企業が昇給をしてくれる企業なのか判断をする必要があります。先輩や上司は将来のあなたを思い描く際のモデルケースです。給料に関しては、企業の業績や昇給システムを注視することが大切です。自分の働いている企業や業種において、欲しいと思う年収に届かないと思うのであれば、転職も視野に入れてこれからのキャリアプランを計画してみるのもよいでしょう。
最後のチェックポイント
- 新卒2年目は1年目より年収は上がるが手取り額は減る傾向にある
- 手取りとは月給の総額から約20%の税金と社会保険料を引いて給料としてもらえる額のこと
- 社会人2年目で手取りが下がる原因には住民税が追加されることである
- 昇給は能力や年功序列などさまざまな要因で決まるが、10年働いても思うように上がらない企業もある
- 今いる企業や業種の業績や給料形態を見てこれから昇給する可能性があるのか見定める必要がある