履歴書の運転免許の書き方は?種類や正式名称を解説
はじめに
この記事では普通自動車運転免許をはじめ、運転免許の正式名称や履歴書への正しい記入方法などを、見本とともに解説していきます。
履歴書は非常に短い時間で目を通される書類です。わかりやすく正確に記入して、自己アピールになる情報を応募先に届けましょう。
就職活動、転職活動、パートやアルバイトの応募に必ず作成する履歴書についてまとめています。参考までに合わせてご確認ください。
履歴書の書き方(準備~お渡しまで全網羅)
そもそも運転免許は履歴書に書くべき?
免許・資格の欄には、応募職種に関連する免許や資格を優先して記入します。応募先が運転を要する仕事であれば優先的に書くべきですが、この欄に書かれる代表的な免許として、運転する機会があってもなくても、運転免許は書いておく方が無難と言えます。
ペーパードライバーで運転免許を使った業務に自信がない場合でも、その事実を無理に書く必要はありません。しかし運転する可能性がある応募職種の場合は、運転経験が少ないことを面接の際に伝えるか、免許の正式名称に加えて補足するとよいでしょう。
履歴書への運転免許の正しい書き方
運転免許を履歴書に書くときは、通称で書いたり省略して書いたりせず、正式名称で記入します。取得した年月と合わせて確かな情報を履歴書に記入しましょう。
免許や資格について、書き方や優先順位、アピールのポイントなどをまとめています。記入時の参考にしてください。
履歴書の免許/資格欄の書き方(書く順番や書ききれない場合など)
書き方の見本
普通自動車の運転免許には、公道で運転するための第一種運転免許(第一種免許)、旅客運送を目的とした第二種運転免許(第二種免許)、公道で練習するための仮運転免許(仮免許)の区分があります。
運転免許の区分
- 第一種運転免許(第一種免許):公道で運転するための免許
- 第二種運転免許(第二種免許):旅客運送を目的とした免許
- 仮運転免許(仮免許):公道で練習するための免許
履歴書には公道の運転で使う一種免許と二種免許を記入します。下記の例で普通免許の正式名称として普通自動車第一種免許(いわゆる普通自動車免許)と、履歴書への書き方について解説します。
記入例
令和2年3月 普通自動車第一種免許 取得
取得している免許を履歴書に書く場合は、取得した年月に続けて免許の正式名称を書き、1文字空けて取得と記入します。第一種については省略可、第二種は明記とする書き方もありますが、ここでは確実な情報を伝えるために第一種も明記しています。
「取得」「合格」「修了」の分け方
免許や資格には取得、合格、修了などの書き方があります。確認して正しく記入しましょう。
- 取得とは:免許がないと業務を行えない資格に使います。
(例:医師、看護師、税理士、自動車の運転など。免許証や免許状が発行される) - 合格とは:ある事柄について、一定の基準よりも習得している場合に使う。
(例:英検、数検、漢検、簿記など。合格証が発行される) - 修了とは:学業や教習、講座などの一定の課程を終えること。
(例:フォークリフト、クレーン、玉掛けほか労働安全衛生法による技能講習など。修了証が発行される)
取得日付の書き方
運転免許は本試験の日付ではなく、必ず取得日を書くようにしましょう。取得日は免許証の表面、左下の枠内に記載されています。上から「二・小・原」、「他」、「二種」の3区分があります。年月の記入は和暦と西暦を混在させないよう、どちらかに統一して書きましょう。
取得日の3区分(免許証表面、左下の枠)
- 二・小・原:二輪車・小型特殊自動車・原動機付自転車
- 他:第一種免許のうち二輪車以外
- 二種:第二種免許
自分が持っている運転免許の確認の仕方
取得した免許は、免許証の下段で取得日の右隣、種類の欄から確認できます。14個ある枠の中に、既に取得している免許が略称で記載され、その他は「―」と記載されます。
なお種類の欄は14個に対して免許は15種類です。これは牽引に限り一種と二種を同じ枠内に記載(同時取得時は「引・引二」と記載)することで解決しています。
運転免許の正式名称一覧
免許証に記載される運転免許は15種類あります。種類欄の左上から右下にかけて、以下の表の順番で記載されます。それぞれの正式名称と合わせて見てみましょう。
略称 | 正式名称 |
---|---|
大型 | 大型自動車第一種免許 |
中型 | 中型自動車第一種免許 |
準中型 | 準中型自動車第一種免許 |
普通 | 普通自動車第一種免許 |
大特 | 大型特殊自動車免許 |
大自二 | 大型自動二輪車免許 |
普自二 | 普通自動二輪車免許 |
小特 | 小型特殊自動車免許 |
原付 | 原動機付自転車免許 |
大二 | 大型自動車第二種免許 |
中二 | 中型自動車第二種免許 |
普二 | 普通自動車第二種免許 |
大特二 | 大型特殊自動車第二種免許 |
引 | 牽引免許 |
引二 | 牽引第二種免許 |
準中型
2017年(平成29年)3月12日以前に普通自動車免許を取得した方は、道路交通法の改正によって、種類欄に記載される免許が普通ではなく、5t限定の準中型です。
また免許の条件欄に「準中型で運転できる準中型車は準中型車(5t)に限る」と記載されます。履歴書に書く際には運転免許証をよく確認し、この変更点に気をつけて記入しましょう。
免許・資格欄には、そのまま準中型自動車第一種免許(5t限定)と書いても構いませんが、実際の業務で普通自動車しか乗らない場合は普通自動車第一種免許と書いても問題ありません。
記入例
平成29年1月 準中型自動車第一種免許(5t限定) 取得
平成29年1月 普通自動車第一種免許 取得
AT限定(オートマ)、MT(マニュアル)
自動車の運転免許にはAT限定(オートマチックトランスミッション車両に限るもの)と、MT(マニュアルトランスミッション車両の運転を可能とするもの)があり、AT限定免許は条件欄にAT車に限ると記載されます。
AT限定免許の場合、運転免許の正式名称にAT限定と付け加えて書くとより確実です。限定なしの免許(MT)については特別にマニュアル可などと付け加える必要はありません。
記入例
令和2年3月 普通自動車第一種免許(AT限定) 取得
二輪車
排気量50ccまでのスクーターや原付バイク(原動機付自転車)、排気量51cc以上の二輪車を使う業務であれば必ず書いてください。
また、二輪車の二人乗りは免許取得の1年経過後より可能に、さらに高速道路の乗り入れは運転者が20歳以上、かつ普通自動二輪車または大型自動二輪車免許取得の3年経過後より可能です。
二輪車にはこのような制限もあるため、取得年月は正確に把握しておきましょう。
記入例
令和2年3月 普通自動二輪車免許 取得
(二輪車での二人乗りは免許取得の1年経過後より可能)
(高速道路への乗り入れは運転者が20歳以上かつ免許取得の3年経過後より可能)
フォークリフト
フォークリフトを扱う技術は運転免許とは異なり、講習を受けることで得られる資格として扱います。公道を走らなければ自動車の運転免許も必要ありません。
講習には最大積載荷重が1t未満の小型のフォークリフトを対象とした特別教育と、最大積載荷重が1t以上のフォークリフトを対象とした運転技能講習の2種類があります。
講習を受けられる先は各都道府県の労働局によって登録講習機関が定められており、管轄の労働局にお問い合わせいただくか、労働局のホームページで確認できます。
講習修了後は資格に応じて履歴書に記入しましょう。
記入例
1トン未満の場合:フォークリフト特別教育 修了
1トン以上の場合:フォークリフト運転技能講習 修了
免許を複数持っている場合は?
免許を複数持っている場合も古いものから順にすべて記入します。多すぎて書ききれない場合は、応募職種に関係のあるものだけを選んで記入してください。
例えば、志望先が普通自動車しか運転しない仕事の場合、二輪車や特殊車両の免許は記入しなくてもかまいません。
また普通・中型・大型など複数の運転免許を持っている場合は、大型免許さえ書いておけば普通自動車の運転技術も含まれているため、すべてを書く必要はありません。
ただし、複数の運転免許を持っていることで、不測の事態にも柔軟に対応できる人材として評価される可能性もあります。持っている免許は省かず書ききれる分だけ書いておく方が無難でしょう。
免許をこれから取得予定の場合は?
履歴書の記入時点では未取得でも、教習の途中であるなどの理由から入社日までには自動車免許を取得予定とする場合です。
月日を空欄にして免許の正式名称を記入し、1字空けて取得予定と補足することで、免許取得に取り組んでいることを履歴書に記入できます。
現在の取得状況について面接などで聞かれた場合は、教習の状況や本試験の予定日を伝えましょう。
記入例
(年月空欄) 普通自動車第一種免許 取得予定
免許を持っていない場合は?
免許や資格を持っていない場合、記入欄には特になしと記入し、空欄を作らないようにしましょう。
空欄のままにせず、特記事項がない旨を記入しておくことで、履歴書の扱いで雑な印象を与えてしまう可能性や、記入漏れであるとの誤認を避けられます。
もし応募先の業務に関連する免許や資格を目指して勉強中の場合は、勉強中であることを補足して書いてもよいでしょう。
書ききれない場合は?
取得している免許や資格が多くて書ききれない場合は、記入すべき内容に優先順位をつけることが大切です。
優先順位は運転免許、業務に関連する資格、それ以外の資格に分けて優先順位を付けるとよいでしょう。履歴書にはこの優先順位に従って記入します。
記入時に勉強中の資格であっても仕事に必要な資格であれば、勉強中あるいは学習中と書き添えて記入するとよいでしょう。
人事担当者は免許や資格の欄を単純にスキルの確認としてだけでなく、努力や学習意欲を確認するために見ることもあるため、スキルアップを目指す姿勢が自己アピールになります。
このような方は注意
履歴書に運転免許の情報を記入する際、注意しなければならないケースがあります。以下のような場合は記入の仕方に注意しましょう。
2017年(平成29年)3月以前に免許を取得した場合
準中型の項目でも触れましたが、免許制度に関する変更で近年行われた大きな措置が、2017年(平成29年)3月12日の道路交通法改正にともなう準中型の追加です。
この日より前に免許を取得した方は、免許証の種類の欄に準中型と記載されます。また条件欄には「準中型で運転できる準中型車は準中型車(5t)に限る」と追記されます。
履歴書に記入する際には注意が必要ですので、免許の取得時期を確認してください。
同じ区分の免許を複数取得している場合
免許証に記載されている取得日には、二・小・原(二輪車・小型特殊自動車・原動機付自転車)、他(第一種免許のうち二輪車以外)、二種(第二種免許)の3区分があります。同じ区分の免許が複数ある場合は、各区分で最も古い取得日が免許証に記載されます。
同じ区分の免許が複数ある場合、免許証の記載だけでは過去の取得日すべてを確認できません。
過去の取得日は、免許証に備わっているICチップに保存されています。ICチップの内容は運転免許試験場の読み取り機、またはスマートホンのアプリを使って確認できます。
ICカードを読み取るアプリ
現在の運転免許証は偽変造防止のため、ICチップが内蔵されたICカード運転免許証になっています。この内部情報を読み出せるスマートホン用アプリの一例として、OSSTech株式会社の「IDリーダー」をご紹介します。IDリーダーはマイナンバーカード・運転免許証・パスポート・在留カードなど、日本で使われているICチップが入った身分証のデータを読み出せるICカードリーダーです。Android、iOSそれぞれのリンクは以下の通りです。
事実と異なる記載をすると……
履歴書に事実と異なる情報を書くことは、経歴詐称に該当します。
運転免許に関する情報とは、所持している免許の種類や技術、運転経験や取得時期などです。
虚偽の情報が元で企業が損害を被ることがあれば、懲戒免職となるリスクもあり得ます。
所有している免許や資格の情報は、きちんと確かめて正確に記入しましょう。
まとめ
運転免許は履歴書の免許や資格の欄に入る代表的なものとして、持っているなら書いておいて損はない情報です。ただし運転免許には複数の区分とたくさんの種類があり、取得時期によっては注意も必要です。
免許の取得日や種類に関する記憶があいまいな時は、正しい取得日や正しい書き方をよく調べて間違いのない情報を記入し、正確な情報を企業側に伝えるようにしましょう。
最後のチェックポイント
- 運転免許は書いておく方が無難
- 運転免許には正しい書き方がある
- 免許と資格、取得と合格と修了には違いがある
- 免許や資格が複数の場合は優先順位を付ける
- 取得予定や免許なしでも履歴書に書く方法がある
- 近年の道路交通法改正では準中型に注意
- 所持する免許が複数ある場合は確認と把握を