履歴書の「書き方」を徹底解説(アルバイト・パート応募編)
はじめに
履歴書は勤務形態がアルバイトやパートであってもきちんと書くことが大切です。マナーやルールが守られていない履歴書は採用担当者にあまりいい印象を与えませんので、採用担当者にあなたの魅力が伝わるような履歴書の書き方をマスターしましょう。
今回はアルバイト・パートに応募する際の履歴書の書き方について解説していきますので、参考にしてください。
そもそも履歴書とは
そもそも履歴書とはどういったものでしょうか?
履歴書は就職活動中の選考資料として用いられる書類ですが、深く考える機会は少ないでしょう。履歴書の概要について詳しくご説明します。
アルバイト・パート/正社員応募の必要書類
履歴書は学生やフリーター・主婦などがアルバイトやパートをする際にも必要な書類であり、企業と相互理解を深めるためのものでもあります。たとえば、就業希望者が自己アピールや志望動機を記入することで、必要な自分の情報を伝えることができます。また、企業側も就業希望者の人物像を把握し、自社に必要な人材かの判断をするための重要な書類となるモノです。
履歴書は封筒に入れる!?
汚れや折れ曲りを防ぐためにも、履歴書はクリアファイルに挟んでから封筒に入れましょう。ひと手間かけることで、採用担当者にも丁寧な人だという印象を与えられます。郵送時だけでなく、面接会場で履歴書を直接手渡しする場合においても同様です。
郵送時と異なり、履歴書を手渡しする際には添え状・糊付けは不要です。表面には「履歴書在中」と記載し、「氏名」「住所」は裏面に書きましょう。
履歴書の書き方
履歴書の書き方について詳しくご紹介していきます。
1-7までは就職活動時の履歴書と共通しており、8-12はパート・アルバイト用の内容となっています。書き方に迷われている方は参考にしてください。
1 日付・西暦/和暦
履歴書の日付は記入日ではなく必ず提出日を記入しましょう。面接時に持参するなら面接日、メールで添付するなら添付日、郵送するならポスト投函日が該当日です。
履歴書の日付は学歴・職歴欄と統一されていれば和暦でも西暦でも構いませんが、和暦で記載する場合は必ず「平成3年」「令和4年」と書き、平成や令和を「H」「R」などと省略しないように気を付けましょう。
履歴書の日付について詳しく知りたい方は、履歴書の日付はいつが適切? 書類の日付は統一しようの記事もおすすめです。
2 氏名
履歴書は読みやすさが大切です。氏名を記入する際は苗字と名前の間に1文字分の空白を空け、大きな字で書くことを意識しましょう。
氏名の振り仮名欄に「フリガナ」と記載されている場合はカタカナで記入し、「ふりがな」と表記されている場合はひらがなで記入します。
3 印鑑
氏名の欄に印鑑の「印」の字が記載されている場合は、押印が必要です。押印を忘れないためにも最初に押しておくことをおすすめします。
その際、印鑑の名前が真っすぐになるように押し、欠けたり、にじんだり、かすれたりしないように注意しましょう。本や雑誌などの分厚い紙の上で押印するときれいに仕上がります。
4 生年月日
生年月日は西暦・和暦どちらで記入しても構いませんが、学歴・職歴欄などと統一しましょう。西暦・和暦が混在してしまうと、採用担当者に混乱を与えかねないからです。
生年月日に限らず、履歴書内全ての日付は、西暦または和暦のどちらか一方のみを使用するように気を付ける必要があります。
詳しくは以下の記事にも記載しています。あわせてご覧ください。履歴書の生年月日、西暦・和暦の正しい書き方と注意点【早見表あり】
5 住所
住所を記載する際は、「大阪府大阪市」「東京都新宿区」など都道府県から記載しましょう。振り仮名に関しては、「埼玉県さいたま市」「沖縄県コザ市」のようにひらがな・カタカナの地名にも必要です。
振り仮名表記は、番地や部屋番号などの数字には必要ありませんが、建物名に漢字やアルファベットが使用されている場合などは必要です。
6 電話番号・メールアドレス
応募企業との連絡手段になりますので、電話番号やメールアドレスは必ず記載しましょう。
電話番号はスマートフォンでも自宅の固定電話でもどちらでも構いませんが、なるべく繋がりやすい方を記入することが大切です。固定電話の場合は、市外局番から書きます。
メールアドレスを複数持っている方は、使用頻度の高いものを記入しましょう。ドメイン指定の設定を行っている場合応募先のメールを受信できない可能性があるため、設定を解除しておく必要があります。
7 写真
履歴書に貼る写真は、縦40mm×横30mm程度のサイズのものを用意します。
3か月以内に無帽で真正面から撮影した、胸より上の写真が望ましいです。背景は白やシンプルなものを選びましょう。写真シール作製機で製作されたもの・スナップ写真・加工写真などはNGです。
アルバイト用の証明写真についても解説しておりますので、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。履歴書写真の正しい撮り方とルール【サイズ・服装・アプリ・背景など】
8 学歴・職歴
ここからはアルバイト応募に特化した学歴・職歴の書き方についてご紹介します。学歴・職歴は注意する点が多いので気を付けましょう。
学歴の書き方
学生がアルバイトをする際の履歴書の学歴は、少なくとも「現在の学歴のひとつ前」から記入しましょう。たとえば、高校生なら中等学校卒業時から、大学生であれば高等学校卒業時から記入します。
学生でない場合、中卒者は「〇〇市立〇〇中等学校卒業」高卒以上は「私立〇〇高等学校〇〇科卒業」などと記載します。中学・高校とは略しません。また、出身校が公立か私立か、どのような学科・学部・専攻出身かまできちんと記入しましょう。
職歴の書き方
就職活動では、アルバイト歴・パート歴を省くことも多いですが、アルバイト・パート応募では基本、全ての職歴を記載します。前職でどのような経験があるかを伝える必要があるためです。入社日の次の行に退社日を記載するのが基本ですが、職種が多い場合は、1行にまとめて書くという方法もあります。また、職歴がない場合は左側に「なし」次の行、右側に「以上」と記載しましょう。
また、アルバイトやパートを掛け持ちしたい場合は職歴欄に在職中の職場を記載します。アルバイトの掛け持ち希望を先に伝えておくことで、応募先もシフト調整をスムーズに行えます。
9 免許・資格
基本的に免許・資格は取得日の古いものから順に正式名称で記載します。免許・資格が多すぎて欄に書ききれない場合は、応募職種に関係がありそうなものから優先して書きましょう。免許・資格を保有していない場合は空欄を避け、「特になし」と記入します。
職種によっては免許・資格保有者が有利になるケースもありますので、アピール材料として活用しましょう。
10 志望動機
志望動機について悩まれる方も多いでしょう。基本的に志望動機欄は採用担当者に熱意を伝えるように記入する必要がありますが、アルバイトやパートを希望する場合は生活費のため、家から近いからなどの正直な理由を書いても大丈夫です。生活費という目的や通勤が便利などの理由は採用担当者に、「長期的に働いてくれるかもしれない」とポジティブなイメージを持たれやすいからです。
ただし、「社員割引が適用されるからです」「時給が高いためです」などの待遇面だけの理由はマイナスイメージを持たれる可能性がありますので、書かない方が無難でしょう。
11 自己PR
自己PR欄は自分を採用することのメリットを伝える箇所です。自分の長所や経験をアピールできるような有効活用をおすすめします。
経験してきたアルバイトで、応募先の業務に活かせる資格や技能があれば積極的に記入しましょう。資格や技能がない場合は、応募する企業の業務に適正があることを具体的に伝える必要があります。たとえば、接客業なら「社交的な性格のため初対面の人ともすぐに仲良くなれます」や、入力業務なら「幼い頃からずっと習い事を継続しているため、コツコツとした作業は得意です」などと記入することで、企業側も採用後のイメージを描きやすいです。
12 本人希望
本人希望欄は希望職種・勤務地・勤務可能日・連絡手段などを記載します。希望職種や勤務地が複数ある場合は職種や場所の希望、バイトを掛け持ちしている場合はシフトに入れない時間や曜日を理由と共に記入しましょう。他には、連絡手段の希望がある場合にも活用できます。たとえば、「電話に出られないときは留守番電話にメッセージを残していただきたく存じます」「電話よりも連絡がつきやすいためメールにてご連絡いただければ幸いです」などと書くことで、採用側も応募者の状況を把握しやすいです。
また、特にない場合は「御社の規定に従います」と書きます。
以下の記事では、代表的フォーマットであるJIS規格の履歴書テンプレートを無料でダウンロードできます。ぜひ、チェックしてみてください! 履歴書テンプレート/フォーマットの無料ダウンロード(Excel/Word)
おすすめ! 書いたほうがいいアルバイト歴
バイト歴が多いと履歴書に書ききれない場合があります。履歴書には全ての職歴を書く必要はありませんので、書ききれない場合は書かないという選択でも大丈夫です。
ただし、以下の章でご紹介する3つのどれかに該当する場合は応募先へのアピール材料になりますので、ぜひ職歴として書くことをおすすめします。
1 過去の経験が仕事内容に活かせる
応募先の業務内容に過去の仕事内容が活かせる場合は、具体的に記入することで積極的にアピールができます。たとえば、スーパーの業務経験がある場合、「スーパーでアルバイトをしていました」だけ記載しても何をしていたかが曖昧ですが、「接客、レジ業務、売上・シフトの管理を行っていました」などと具体的に書くことで伝わりやすくなります。どの業務でも経験者や即戦力になる人は重宝されますので、活かせる経験はしっかりと伝えることが肝心です。
また、アルバイトから社員登用された経験がある場合も十分なアピールポイントになりますので、記載することをおすすめします。
2 アルバイト経験で得たスキル
応募先の業種や業務内容と異なっていても、過去のバイト経験がアピール材料になる場合は積極的に記載してください。
特に未経験業種では、採用側に対して自分を売り込む必要があります。電話業務の経験やExcelのスキルはさまざまな業界で役に立ちますが、経験から得たことを具体的に記載することが大切です。たとえば「コールセンターに勤めた経験がありますので、電話対応には慣れております」「Excelで売上を管理したり、売上報告書を作成したりしておりましたので、関数が使えます」などと書くことで、採用側も応募者のスキルがイメージしやすいでしょう。
3 ひとつの仕事を長く続けた
アルバイトの期間が長くてもひとつの仕事を長く続けた場合、アピールすることは可能です。根気強さや粘り強さといった点が評価されるケースもあります。
逆に記載しないと長期の空白期間があるように捉えられてしまう可能性もあります。長期の空白期間は採用者にとっても気になりますので、きちんと記載することが大切です。目安として、1年以上続いたアルバイトは記載した方がいいでしょう。短期バイトや日雇い労働、数か月で終了した派遣契約などは1行にまとめて書く方法と、あえて書かないという選択の2通りの方法があります。
まとめ
今回は、アルバイト・パート応募時の履歴書の記入方法についてご紹介しました。アルバイトやパートに応募する際の履歴書でも、誠意と熱意は必要です。そのためには、履歴書の書き方をきちんと把握しておく必要があります。免許・資格だけでなく、志望動機や過去のバイト経験で得たスキルなども十分なアピール材料になり得ますので、ぜひ活用しましょう。
最後のチェックポイント
- 履歴書はアルバイト・パートを行う際にも必要な書類である
- 手渡しの場合でも履歴書を封筒に入れることで丁寧な印象を与えられる
- 在学中の生徒は学歴欄に「現在の学歴のひとつ前」から記入する
- 職歴欄には、基本全ての職歴、バイト歴・パート歴を記入する
- 過去のバイト経験がアピール材料になる場合は積極的に記載する