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履歴書の扶養家族の書き方 扶養家族数の数え方と扶養義務の範囲は?

date2024年01月18日
履歴書の扶養家族の書き方 扶養家族数の数え方と扶養義務の範囲は?
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はじめに

履歴書の「扶養家族数」欄や「配偶者の扶養義務」欄をどう書くべきか、迷うという人は多いのではないでしょうか。この記事では、扶養家族の定義とその人数の数え方、代表的なケースごとの履歴書への記載例をご紹介します。

扶養家族とは

「扶養家族」とは、自身の収入から生活費を出し、養っている家族のことです。扶養家族には「健康保険法における扶養家族」と「税法上の扶養家族」の2種類の定義があり、履歴書には「健康保険法における扶養家族」を記載するのが一般的です。

健康保険法における扶養家族

健康保険法における扶養家族は「被扶養者」と呼ばれます。その範囲は、以下のように定められています。

本人との同居・別居を問わず、下記のいずれかに該当し、年収が130万円未満(60歳以上または障がいがある人は年収180万円未満)かつ本人の年収の2分の1未満である人。

  • 配偶者(内縁を含む)
  • 子(養子を含む)
  • 兄弟姉妹
  • 父母(養父母を含む)や祖父母、曾祖父母など本人の直系尊属

または、本人と同居しており、下記のいずれかに該当し、年収が130万円未満(60歳以上または障がいがある人は年収180万円未満)かつ本人からの援助による収入額より少ない人。

  • 上記以外の三親等内の親族(おじおば・おいめいなど)
  • 内縁の配偶者の父母、連れ子
  • 内縁の配偶者が亡くなった後のその父母、連れ子

税法上の扶養家族

税法上の扶養家族は「扶養親族」と呼ばれます。その範囲は、本人の所得税を計算する年の12月31日時点で、次のすべてに当てはまる人を指します。

  • 16歳以上
  • 本人と同じ家計で生活をしている
  • 合計所得金額が48万円以下(所得が給与のみの場合は年収103万円以下)
  • 配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族)(※1)または、養育を委託された子供(里子)、養護を委託されたお年寄りであること
  • 青色申告者の事業専従者(※2)として、その年に一度も給料の支払いを受けていないか、白色申告者の事業専従者ではない

(※1)「6親等内の血族」にはいとこの孫や、祖父母の兄弟姉妹の孫などが含まれます。「3親等内の姻族」には、配偶者の兄弟姉妹やその子供などが含まれます。

(※2)「事業専従者」とは、個人事業主と同じ家計で生活をしている配偶者や15歳以上の親族などで、1年のうち6か月以上その事業に従事している「従業員として働く家族」のことです。

扶養家族を記載する理由

履歴書に扶養家族を記載する理由は、「健康保険の手続きに必要なため」と、「所得税を計算するため」です。会社によっては、家族手当などの支給が必要かを確認する場合もあります。

企業に入社した際に加入する健康保険では、本人だけでなく、扶養家族の病気やケガの時にも給付が行われます。そのため、本人以外の給付対象者を、企業側が把握しておく必要があります。

所得税とは企業から受け取る給与にかかる税金のことで、扶養家族がいる場合、税金負担が軽減されます。企業が正しい納税額を計算するために、扶養家族の情報は必要なのです。

ケース別・扶養家族数の記載例

ケース別・扶養家族数の記載例

ここからは、履歴書の「扶養家族数」の数え方と、「配偶者の有無」・「配偶者の扶養義務」欄の書き方を紹介します。先述の通り、履歴書には「健康保険法における扶養家族」を記載するのが一般的ですので、この項ではそれに基づいて解説していきます。

なお、扶養家族がいない場合でも「扶養家族数」は空白にはせず、必ず「0人」と記載しておきましょう。

独身の場合

配偶者は「無」に〇、配偶者の扶養義務も「無」に〇となります。独身の場合でも、自身が家族の生活費を負担しているのならば、扶養家族がいることになります。

例えば、一人暮らしをしながら、年収が130万円未満、かつ自分の年収の2分の1未満の両親を仕送りで支えているという場合は、扶養家族数は「二人」になります。
60歳以上で、年収が180万円未満かつ自分の年収の2分の1未満の母との二人暮らしである場合は、扶養家族数は「一人」になります。

既婚者で配偶者が専業主婦(主夫)の場合

既婚者であり、配偶者が専業主婦・主夫で収入がない場合は、配偶者を扶養する義務が発生し、配偶者は「有」に〇、配偶者の扶養義務は「有」に〇となります。扶養家族数には、自身が家計を支えている家族のうち、配偶者を除いた人数を記入します。

例えば、自分・配偶者・子供二人(学生・収入なし)・両親(収入なし)の家族の場合、扶養家族数は「4人」ですが、両親が60歳未満かつそれぞれ年収130万円以上の収入がある場合は扶養に入れないため、扶養家族数は「二人」になります。

結婚していて夫婦ともに働いている場合

既婚者で夫婦が両方とも働いている場合は、配偶者の収入に応じて、配偶者を扶養する義務の有り・無しが異なってきます。

例えば、自分・配偶者・子供二人(収入なし)の家族の場合、配偶者の年収が130万円未満かつ自分の年収の2分の1未満であれば、配偶者は「有」に〇かつ、配偶者の扶養義務は「有」に〇を付け、扶養家族は「二人」になります。しかし配偶者の年収が130万円を超える場合は、配偶者の扶養義務は「無」に〇となります。

別居している親族がいる場合

配偶者(内縁を含む)・子供(養子を含む)・孫・兄弟姉妹や、父母(養父母を含む)や祖父母など本人の直系尊属にあたる親族であれば、別居している状態でも扶養家族数に含めることが可能です。その場合、生活費を仕送りしているなど、自分と生計を同じくしていることが条件です。

例えば、配偶者(年収130万円以上)に加え、バイトをしながら一人暮らしをしている大学生の子供(年収130万円未満)に仕送りをしている場合、配偶者は「有」に〇を付け、配偶者の扶養義務は「無」に〇、扶養家族は「一人」になります。

扶養家族を数える際の留意点

扶養家族を数える際の留意点

扶養家族と配偶者の記載についておおまかに例を挙げてきましたが、扶養家族や配偶者を定義するうえではさまざまな状況や事情が考えられます。次からはいくつかのケースにおける表記の仕方を紹介します。

事実婚のパートナーは含める

内縁関係や事実婚である場合、健康保険などの社会保険では、戸籍上の夫婦と同様として扱われます。配偶者欄に記載する場合は「有」と「無」のどちらに〇を付けても問題ありませんが、家族手当などの対象になるかどうかは企業によって異なるので、「有」にする場合は補足として欄内に内縁関係や事実婚である旨を記載しておくとよいでしょう。

子供が配偶者の扶養に入る場合は含めない

夫婦がともに働きながら子供を養っている場合は、原則として年収が多いと考えられる方の扶養とします。ですので、子供が配偶者の扶養に入っている場合は、扶養家族数には数えられません。子供が複数いる場合、例えば両親が二人の子供を一人ずつそれぞれの扶養に入れる、といったことは健康保険法上認められていないため、必ず父か母、どちらか一方の扶養に入ります。

後期高齢者は含まない

75歳以上のいわゆる後期高齢者とされる人は、扶養家族に含めることはできません。75歳以上になると、それまで加入していた医療保険を脱退し、改めて後期高齢者医療制度という別の医療保険制度に加入しなおす必要があるためです。もし収入面などで扶養家族としての条件を満たしていても、扶養家族にすることはできません。

選考に影響はないが正しく書こう

選考に影響はないが正しく書こう

履歴書の扶養家族欄に記載した事柄によって、採用選考に何らかの影響があるということは、まずないと言っていいでしょう。扶養家族欄はあくまで事務的な確認のためのものです。とはいえ、選考への影響を気にするあまり、事実を隠したり、虚偽の内容を書いたりすると、入社後にトラブルに発展してしまう可能性もありえます。学歴・職歴などと同様に、履歴書には正確な情報を記載することを心がけましょう。

詳しい履歴書の書き方については、こちらの記事を参考にしてみてください。
履歴書の書き方(準備~お渡しまで全網羅)

まとめ

扶養家族に関わる定義や情報は扱う手続きによっても異なり、少しややこしく感じてしまうかもしれません。この記事で紹介したケース別の記載例を参考に、自分自身の家族構成と照らし合わせながら、履歴書の作成を進めてみてください。

扶養家族・配偶者欄は、社会保険や税金などの計算に必要となる大切な情報です。現在の状況を事前にしっかりと調べて確認しておき、正しく記載できるようにしておきましょう。

最後のチェックポイント

  • 扶養家族とは、自身の収入から生活費を出し、養っている家族のこと
  • 「健康保険法における扶養家族」と「税法上の扶養家族」の2種の定義がある
  • 履歴書には「健康保険法における扶養家族」を記載するのが一般的
  • 家族構成や同居の有無、家族の収入などによって記載の仕方は変わる
  • 扶養家族欄の記述によって採用選考に影響が出ることはまずない
  • 自分や家族の状況をしっかり確認し、履歴書には正しい情報を記載しよう
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