面接の逆質問の方法|何か質問はありますか?への答え方【回答例付き】
はじめに
「最後に何か質問はありますか?」と、就職活動や転職活動の面接で自分をアピールするラストチャンスとなるのが「逆質問」です。転職や就活をしている人にとって、なかなか良い質問は思いつかないし、下手なことを聞いて失敗したくない。そんな風に、逆質問に苦手意識を抱えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、この逆質問は他の応募者と差をつける絶好のアピールチャンスでもあり、仮に、面接が全体的に盛り上がらなかった場合でも、内容次第では自分を強く印象付けることができます。逆質問の機会を有効に使い、自分の良さや積極性を伝えられれば、面接を通過できる確率も大幅に上がるでしょう。
そこで今回は、逆質問について質問例を交えながら詳しく解説していきます。逆質問や面接について悩んでいる方や、不安のある方は、ぜひ参考にしてください。
面接について不安のある方は、以下の記事で流れを把握しておきましょう。
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逆質問とは
逆質問は、多くの場合面接の終盤で面接官から聞かれる「最後に何か質問はありますか?」といった投げかけのことを意味します。面接では、基本的に面接官から応募者に質問する流れが続きますが、逆質問では反対に応募者から面接官に質問することになります。逆質問で何を聞くかは自分次第ですが、あくまで自分という人間を評価してもらう面接の一環だということは忘れてはいけません。
質問内容によっては面接官からの評価が下がることもありますし、逆に上手くいけば更なるアピールとすることもできます。逆質問では、面接官への質問という形式で「何をアピールしたいのか」を考えることが重要なのです。
人事が逆質問をする理由
逆質問は、就職活動や転職活動の面接において頻出のもの。多くの面接官が逆質問の時間を設けるので、就活や転職をしている人の中には「最後に何か質問ありますか?」と聞かれた経験があるという方も多いでしょう。では、多くの面接官が逆質問をする理由はどこにあるのでしょうか。
①コミュニケーション能力のチェック
逆質問には、「面接官の質問への回答」という一方的な会話とはまた違った側面から、応募者のコミュニケーション能力を確認する意図があります。
面接の流れに関連する逆質問や、要点を押さえた逆質問は高評価に繋がります。
②意欲のチェック
面接を受ける複数の企業の中で、「自社への志望度はどれくらいなのか」を判断する材料としての意味合いもあります。
逆質問をしない人や、当たり障りのなく使いまわしが疑われるような質問をする人は、志望度が低いと判断されてしまうようです。
③自社との相性のチェック
逆質問で何を聞くかどうかで、応募者が重視するポイントや応募者の気質を探る意図もあります。
例えば、自主性を重んじる企業の逆質問で、教育制度の充実度合いを質問するのはマイナス評価に繋がる可能性があります。
④自社のブランディングのチェック
「逆質問で尋ねられる部分イコール自社が上手く伝えられていない部分」という考えから、今後のブランディングの仕方を考える機会とする企業もあります。
また応募者の質問に答えることで、その人自身の志望度を上げる狙いも含まれているのです。
新卒の逆質問例
新卒が評価アップに繋げられるよう、理想的な逆質問の例を紹介します。人事や社長・役員との面接が主となってくるので、それぞれに合わせた例を見ていきましょう。
人事への逆質問
質問をする相手によって相応しい逆質問の内容は異なります。まずは、人事相手の逆質問例を確認していきましょう。
- 「もし採用していただけた場合、入社までのどのようなスキルを身に付ければ役に立ちますか?」
- 「配属先の部署の仕事内容について、詳しく教えてください」
- 「御社で活躍している方に共通する資質は何ですか?」
- 「〇〇を得意としていますが、御社でも活かす機会はありますか?」
- 「面接官の方々が御社で仕事をするうえで、最も嬉しかったことを教えていただけますか?」
人事への逆質問では、自分の意欲の高さや長所をアピールできる質問がオススメです。また労働条件を知りたい場合は、具体的な数字よりも、モデルケースを尋ねると良いでしょう。
社長・役員への逆質問例
主に最終面接の際に、社長や役員にすると良い逆質問例を確認していきましょう。
- 「御社の理念である〇〇は、今後△△という事業においてどのように反映されるのでしょうか?」
- 「10年後に描いている御社の経営ビジョンを教えてください」
- 「御社には、〇〇という弱点があると考えています。今後どのように改善していくか教えてください」
社長や役員相手の逆質問では、企業全体や業界に目を向けた質問が好まれます。
今後の経営方針などを尋ねることができれば、業界を研究してきたという意欲や、自身の洞察力を伝えられます。
中途の逆質問例
新卒ではなく、中途入社する転職者の場合は、どういった逆質問が好ましいのでしょうか。
新卒のケース同様、面接官の立場に応じた逆質問の例を紹介します。
人事への逆質問例
まずは、人事相手の逆質問例を確認していきましょう。
- 「前職では〇〇を担当していましたが、御社でもこの経験を活かす機会はありますか?」
- 「私は〇〇を得意としています。それに加えて求められる能力にはどのようなものがありますか?」
- 「私のこれまでの経験やスキルで不足している部分があれば教えてください」
- 「もし採用していただけた場合、どのようなポジションで配属されることになりますか?」
人事相手の逆質問では、中途ということもあって、前職の経験などを交え自分の強みを伝えられると良いでしょう。
社長・役員への逆質問例
社長や役員が面接官を務める最終面接での逆質問例を確認していきましょう。
- 「御社は、今後どのサービスを主力としていくお考えですか?」
- 「御社を経営する上で、最も大切にしていることは何ですか?」
- 「御社の〇〇という目標を達成するために、どのような取り組みをしているのでしょうか?」
- 「〇〇様は、御社の10年後の姿をどのように考えていますか?」
基本的には新卒の場合と同じように、社長や役員の目線に立った逆質問を心がけましょう。
現場担当者への逆質問
ここでは、面接官が看護師や調剤薬局事務などの現場担当者だった場合、好ましい逆質問例を職種ごとに紹介していきます。
看護師
まずは看護師の採用面接の場合の現場担当者への逆質問例を確認していきましょう。
- 「貴院では、看護師にどのようなことを求めていますか?」
- 「もし採用していただけた場合、入職までに勉強すべきことを教えてください」
- 「以前の現場での〇〇という経験を活かす機会はありますか?」
看護師の採用面接では、志望度の高さや看護師としてのスキルをアピールしましょう。
調剤薬局事務
続いて、調剤薬局事務として採用面接を受ける場合、現場担当者への逆質問例を確認していきましょう。
- 「こちらでは、どこまでが調剤薬局事務の業務範囲になりますか?」
- 「もし採用していただけた場合、何か習得しておいた方が良いスキルはありますか?」
- 「私と同世代の方には、どのような方がいますか?」
調剤薬局事務としての経験やスキルを伝えられる逆質問や意欲を示す逆質問がオススメです。
また、入職後のイメージを膨らませるような逆質問も良いかもしれません。
法律事務所
続いて法律事務所の面接の場合、現場担当者への逆質問例を確認していきましょう。
- 「入社までに身に付けておくべきスキルはありますか?」
- 「採用いただけた場合、どのようなことを勉強しておけば良いか教えてください」
- 「こちらの事務所では、どのような姿勢で依頼に向き合いますか?」
事務所によって求められるスキルが異なるので、「新しいスキルを学ぶ意欲がある」とアピールしましょう。
Webデザイナー
次にWebデザイナーの面接を受ける場合の、現場担当者に聞く逆質問例が以下です。
- 「御社で使用しているツールを教えてください」
- 「御社での作業環境を教えてください」
- 「職場の雰囲気はどのような感じですか?」
- 「私は〇〇が得意なのですが、御社でも活かすことはできますか?」
Webデザイナーならではの職場環境について確認することで、意欲の高さを伝えられると良いでしょう。
また言い方を工夫すれば、逆質問を「自分が得意なスキルをアピールできる機会」にもできます。
営業職
続いて営業職として面接を受ける際の逆質問例を確認していきましょう。
- 「御社で活躍する方に共通する部分を教えてください」
- 「未経験からでも高い成果を上げるには、どのようなことを意識すれば良いのでしょうか?」
- 「御社に採用していただけた場合、少しでも早く戦力となるために入社までにやっておいた方が良いことを教えてください」
営業職の場合は未経験での採用も多いため、積極的に学ぶ姿勢を示すと良いでしょう。
保育士
最後に保育士の場合の逆質問例を確認していきましょう。
- 「私が幼少期よりピアノを学んでいたので自信がありますが、こちらの園では活かすことができますか?」
- 「こちらの園には、私と同年代ではどのような方がいますか?」
- 「仕事をする上で最も嬉しかったことは何ですか?」
保育士にとって欠かせないスキルや、保育士として働きたいという意欲をアピールできる逆質問を行いましょう。
逆質問の終わり方
逆質問は単に質問をして終わりではありません。面接官に質問に答えていただいた後のリアクションも重要なポイントとなります。
面接官の答えに対して頷いたり相づちを打ったりするのはもちろん、自分が知りたいことを教えていただけたことへの感謝を伝えることも大切です。この時、企業への志望度がさらに高まったことや、その企業で働くイメージが明確になったことなどが伝わる形でお礼を言うようにしましょう。
逆質問がない場合、「質問しない」と落ちる?
「最後に何か質問はありますか?という問いかけに対して、「特にありません」と答えたからと言って、それだけで落ちるということはありません。
ただし、何度も言うように逆質問は自分の良さをアピールできるチャンスです。そのチャンスで何もしないということは、せっかくの評価を上げる機会を棒に振っているのと同じです。
逆質問で自分のやる気や長所を上手く伝えられれば、採用率が上がります。しっかりと準備して逆質問に備えましょう。
しない方が良い逆質問(タブー)は?
逆質問は効果的な質問をすれば評価を上げられる一方で、下手なことを聞いてしまうと評価を下げてしまうこともあります。しない方が良い逆質問の特徴には次のようなものがあります。
①面接ですでに説明されたこと
これは採用担当者の話をちゃんと聞いていない証拠で、誠意のない人物であると判断される可能性が大きいでしょう。
②調べれば分かること
調べればすぐに分かるようなことを質問してしまうと、事前に企業研究を行っていない意欲の低い人だとみなされてしまいます。
HPや説明会の場で、企業理念や将来性に力を入れるプロジェクトを伝えているのに、「御社の理念は?」「御社が今後注力する事業は?」などと聞くのはNGです。
③待遇面についての質問
給与や労働条件について過度に気にする印象を与えるとマイナスに繋がることがあるため、基本的には聞かないようにしましょう。
どうしても確認したい場合は、具体的な数字でなくモデルケースを尋ねましょう。
④ネガティブな発言
逆質問は「自分のやる気を伝える場」として考え、ネガティブな印象を与えるような質問は避けましょう。また企業の分析を交えた逆質問でも、ネガティブな評価をしてしまうと悪印象を与えるかもしれません。企業分析や志望理由と同じ、ポジティブな質問を心がけてください。
⑤イエス・ノーで簡単に答えられる逆質問
話題が盛り上がらないことが見えているような逆質問もなるべく避けましょう。
まとめ
「最後に何か質問はありますか?」という投げかけに対して、面接官を唸らせるような良い逆質問ができれば、面接の通過率もグンと上がります。面接の流れや面接官の立場を考えながら、自分のやる気や長所を伝えられる逆質問を行いましょう。
上手く乗り切るコツは、「事前準備」にあります。企業についてよく調べ、自分の伝えたいメッセージを明確にした上で、複数の質問を用意しておきましょう。面接の流れ次第で最も自然、且つ効果的なものを選べるようにしておくことです。もちろん、応募する企業の特徴を加味して準備しておくと良いでしょう。
ただし、今回紹介した逆質問例はあくまでも例文なので、参考にとどめてください。実際の面接では、自分で考えた逆質問をするようにしましょう。
本サイトでは、企業研究のやり方(就職・転職活動での具体的な方法、どこまで?意味ない?の疑問に答えます)についても詳しくご紹介している記事もございます。こちらも併せて確認しておきましょう。
最後のチェックポイント
- 事前にいくつかの質問内容を用意しておく
- 逆質問でやる気や長所をアピールする
- 効果的な逆質問で、面接官からの印象が上がる
- 面接官の立場や職種を踏まえた逆質問を考える
- 調べれば分かることや待遇面の質問は避ける