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【例文あり】「存じます」の意味とは?使い方や言い換えも紹介

date2024年10月31日
【例文あり】「存じます」の意味とは?使い方や言い換えも紹介
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はじめに

  • 「存じます」は、目上の人に対して自分の意見や要望などを伝える際の謙譲表現
  • 「存じます」使うことで、丁寧な印象やかしこまった印象を与えられる
  • 「存じます」を使いすぎると、不自然さや悪印象につながりやすい
  • 同僚や部下に対しては「存じます」は使わないよう注意
  • 目上の相手でも、相手との関係性に合わせて使い分けることが重要

ビジネスシーンで使われる「存じます」という表現は、相手に対して敬意を示す、さまざまなシーンで使用できます。しかし、使い方によっては不自然な印象や、悪印象を与える可能性があるため、注意が必要です。正しい使い方と言い換え表現を覚えて、適切に使用できるようにしておきましょう。

「存じます」の意味とは?

「存じます」とは、目上の人に対して自分の意見や要望などを伝える際に用いられる表現です。「知る・承知する・思う・考える」など、さまざまな意味をもつ謙譲・丁寧語のため、ビジネスシーンで多く使われます。相手に対して敬意を表したい、または丁寧さを求められるような場合に使用するといいでしょう。
ただし、同僚や部下に対して使うことは一般的ではありません。目上・上司相手には「存じます」を、同僚や部下には「思います」を、丁寧語や謙譲語に注意して使い分けることが大切です。

【シーン別】使い方と例文5選

前述したように「存じます」はさまざまな意味をもっています。使う意味合いによっては、会話・文書、ビジネス用途だけではなく、多様なシーンで活用できます。かしこまった印象を与えられますが、使いすぎてしまうと、本来伝えたかったことが伝わらなくなってしまうため、注意しましょう。
ここからは「存じます」を使うシーン別に、使い方と例文をご紹介します。

1.相手に考えを伝える

目上の相手に対して自分の考えを伝えたり、同意を示したり、異なった意見を述べる場合に「考えます」の丁寧・謙譲表現で「存じます」を使用します。

  • 部署間の連絡が密に取れるよう、連携を強化するべきかと存じます。
  • ○○さんのご提案は理解しましたが、異なるアプローチも必要かと存じます。
  • 私は、早急な修正対応が必要かと存じます。

例文のように「私は~と存じます」と伝えることで、丁寧でかしこまった印象を与えられるでしょう。

2.相手に要望を伝える

目上の相手に要望や依頼を伝える時や、へりくだって頼みごとをする場合にも「お願いする」の謙譲表現で「存じます」を使用することがあります。

  • ご不明点がありましたら、お問い合わせいただきたく存じます。
  • 先日の企画書について、ご意見をいただきたく存じます。
  • スケジュール調整のご協力をお願いしたく存じます。

「〜してください」と伝えるよりも、例文のように「存じます」を使うことで、控えめかつ丁寧な印象を相手に与えられます。もし目上の相手に「〜してください」を使った場合、命令や強制しているような印象を与えてしまう可能性があるので、注意しましょう。

3.自分の認識を伝える

自分が認識・認知していることを「知っている」と目上の相手に伝える際に、謙譲表現として「存じます」を使うことがあります。

  • 現在立ち上げ中の企画について、わたくしも存じております。
  • ご多忙のことと存じますが、ご確認いただけますと幸いです。

例文のように使うと、丁寧な印象を与えられます。ただし、知っている対象が人物であった場合は「存じます」ではなく「存じ上げます」を使います。記事の後半であらためてご紹介しますが、対象に合わせた使い分けに注意しましょう。

4.お礼や感謝を伝える

目上の相手にお礼や感謝の気持ちを伝える時にも、より丁寧な表現として「存じます」を使用することがあります。

  • ご招待いただき、ありがたく存じます。
  • そのように評価していただき、光栄に存じます。
  • 責任者に推薦いただき、誠にありがたく存じます。

例文のように使用すると「ご招待いただき、ありがとうございます」よりも、丁寧かつかしこまった印象を与えられます。しかし、あまりに丁寧語や謙譲語を使いすぎると、悪印象を与えてしまう可能性があります。使いすぎないよう、注意が必要です。

5.謝罪の気持ちを伝える

業務でミスをしてしまい叱責された際は、自分の過ちを謙虚に受け止め、謝罪の気持ちを伝える必要があります。そのような場合にも「存じます」が使用できます。

  • ご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳なく存じます。
  • 手違いにより中止という事態を起こしてしまい、誠に申し訳なく存じます。

例文のように使うことで、かしこまった表現で謝罪を伝えられます。しかし、ただ「存じます」を使うだけでは、言葉だけの謝罪と受け取られかねません。正しく「存じます」を活用し、心を込めて伝えることが大切です。

「存じます」を使用する際の注意点

複数の意味をもつ「存じます」は、さまざまなビジネスシーンで使用できるため、使いすぎてしまう場合があります。使い方によっては不自然な印象を与えてしまい、悪印象につながるため注意が必要です。すべてのシーンで「存じます」を使うのではなく、必要なシーンを選んで活用することが大切です。
また、上司などの日常的な報告をするような相手との関係性によっては、相手が距離感を覚えてしまう可能性があります。たとえ目上の人であっても「です」「ます」を使用した方がいい場合もあるため、相手との関係性に合わせて使い分けることが重要です。同僚・部下相手の場合は「存じます」を使わず、丁寧表現である「です」「ます」を使用しましょう。

使い分けよう!「存じます」と似ている表現

「存じます」と混同しやすく、使い分けが必要な表現を2つ、ご紹介します。敬語を使用していたとしても、間違った使い方をしている場合は悪印象につながりやすくなるため、使い分けを意識しましょう。

存じ上げます

「存じます」と「存じ上げます」は、どちらも知っていることを伝える際に使用します。ただし、使う際の対象が違うため、間違えないよう注意が必要です。使用する際「存じ上げます」ではなく「存じ上げております」とすることで、より丁寧な印象を与えられるでしょう。

  • 「存じます」:人以外が対象
  • はい、プロジェクト参加の件は存じております。
  • 御社の経営理念については存じております。
  • 「存じ上げます」:人のみが対象
  • 社長のお名前は存じ上げております。
  • ○○部長の奥様のことは存じ上げております。

間違った使い方をした場合、相手に不快感を与える可能性があります。違いを意識して、正しく使用しましょう。

ご存じ

「ご存じ」は、目上の人が知っていることについて尋ねる場合に使用する、尊敬語です。「存じます」は謙譲語であり、自分の意見や知っていることを伝える際に使用します。

  • あちらの方はどなたか、ご存じでしょうか。
  • ご存じのことと思いますが、あらためてご報告いたします。

敬語表現は、正しく使うことが大切です。使い方を間違えてしまうと、相手に不快感を与えるだけでなく、悪印象を残してしまう場合がありますので、注意しましょう。

「存じます」を言い換える5つの表現

「存じます」で丁寧さやかしこまった印象を与えられるとしても、使いすぎて悪印象を与える場合があります。「存じます」から似た意味の言葉に言い換えることで、使いすぎを防げるでしょう。
ここからは、言い換えることのできる表現を5つ、ご紹介します。

承知しております

「承知しております」は「承る」「知る」の意味をもつ「知ること」の謙譲表現です。同時に「聞く」「引き受ける」なども意味する言葉のため、複数の意味をもつ「存じます」を言い換える表現として使用できます。

  • 会議時間が変更になった旨は承知しております。
  • 方針については承知しております。

心得ております

「心得ております」は「理解する」という意味をもつ「心得る」の謙譲表現です。自分が認識・認知していることを表す「存じます」は「知る」の意味をもっているため、言い換え表現として使用できます。

  • ご指摘いただいた件、心得ております。
  • 研修内容は心得ておりますので、引き続き進めてまいります。

ビジネスシーンでは、上司からの指示・アドバイスなどを受け入れる、了承の意を表す場合にも使用されます。どのような意味合いであるのかを意識して使用することが、使い分けのポイントです。

所存です

「所存」には「心に思ったこと」「考える」といった意味があります。この言葉に丁寧語の「です」を付け加えたものが「所存です」という表現です。「存じます」と同様に「考える」の意味をもっているため、言い換え表現として使用できます。

  • 精一杯務めさせていただく所存です。
  • 明日までに提出させていただく所存です。
  • 職務に励み、一意専心していく所存でございます。

「~でございます」の表現を付け足すことで、より丁寧な表現にできます。公的な場やビジネスシーンで、相手に敬意を示すためにも使用されますので、覚えておいた方がいい表現です。

お察しいたします

「察する」とは、相手の気持ちを推し量り思いやる、といった意味の言葉で、相手を敬う際に使用するのが「お察しいたします」という丁寧表現です。寄り添う気持ちや、相手を「思う」ことを伝える際の言い換え表現として使用できます。

  • 心中、お察しいたします。
  • ご病気により大変なこととお察しいたします。

拝察いたします

「拝察」とは、相手の様子から何かを「察する」「推察する」など、複数の意味をもった言葉です。相手との会話を切り上げたり、話題を変えたりする際にも使用可能です。その謙譲表現である「拝察いたします」は、相手に対しへりくだった表現で伝える際に使われます。「存じます」と同様に複数の意味をもつため、言い換え表現として使用できます。

  • 胸中いかばかりかと拝察いたします。
  • ご多忙のことと拝察いたします。

先に紹介しました「お察し」と似ていますが、「お察し」は丁寧表現であり、「拝察する」は謙譲表現です。「拝察いたします」を使用した方が、よりかしこまった表現で伝えられるでしょう。

まとめ

ビジネスシーンにおいて「存じます」という表現は、目上の人に対して自分の意見や認識などを伝える際に使われます。「知る」「承知する」「思う」「考える」といった複数の意味があり、相手への敬意を示すために使用されます。しかし、使いすぎると不自然さや悪印象を与えることがあるため、正しく使用することが重要です。
同僚や部下に対しては使用せず、上司や目上の人に対してのみ使う、といった点が使いこなすポイントと言えます。また、要望を伝える際やお礼、謝罪を表す場合にも「存じます」が活用されますが、こちらも使いすぎに注意し、場面に応じた言い換え表現を使うといいでしょう。

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