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ホワイト企業認定とは?認定基準やマークのメリットを解説

date2024年10月15日
ホワイト企業認定とは?認定基準やマークのメリットを解説
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はじめに

  • ホワイト企業認定は客観的な評価で労働環境の優秀さを内外に示す認定制度
  • ホワイト財団によって7つの指標で審査され5段階の認定ランクがある
  • 働き方改革や少子高齢化を背景に新たな企業の価値として注目されている
  • 良好な労働環境をもたらし優秀な人材の確保や離職率低下のメリットがある
  • ホワイト企業を見定める指標であり政府主導の類似制度も多数存在する

ホワイト企業認定は、優れた労働環境を客観的に評価する、ホワイト財団による認定制度です。本稿ではホワイト企業認定の内容やメリットを簡単に解説します。類似制度と合わせてホワイト企業を選ぶ指標について知りましょう。

ホワイト企業認定とは

ホワイト企業認定とは、企業の労働環境や福利厚生が優れていることを、ホワイト財団(一般財団法人日本次世代企業普及機構)による客観的な審査によって証明する制度です。ホワイト企業認定を受けることで、企業は働きやすさをアピールでき、求職者に対してもホワイトな企業であると示せます。

認定基準の軸はビジネス・社内統治・エンゲージメントの観点です。労働時間の管理や社員の健康維持、多様性を包括する取り組みや育児支援制度の充実などが含まれます。認定企業はリストにまとめられ、ホワイト財団のWebページから確認できます。

注目される背景

近年、過重労働や無理な達成目標など、いわゆるブラックな環境を有するブラック企業が社会問題化し、メンタルヘルスや働き方改革の推進が求められるようになりました。現在はそこに少子高齢化も重なり、優秀な人材の確保が輪をかけて困難になっています。

これらの情勢を背景に企業の新たな価値として、良好な環境づくりに力を入れるホワイト企業が注目され、その価値を客観的に判断するホワイト企業認定が生まれました。

審査項目は7つ

一口にホワイト企業と言っても、その方向性はさまざまです。ホワイト企業認定の審査では下記の7項目に渡って審査が行われます。

7つの項目
ビジネスモデル/
生産性
企業が行うビジネスの継続的な安全性や安定性
ダイバーシティと
インクルージョン
多様な人材がその個性や特色を生かして活躍できるか
柔軟な働き方ワークライフバランスを実現する柔軟な働き方が実践されているか
健康経営従業員の健康維持と増進のための施策を実践しているか
人材育成/働きがい企業と従業員が同じ方向性で成長する取り組みの有無
リスクマネジメント危機の発生を予測して回避する取り組みを行っているか
労働法の遵守労働関連法令が遵守されているか
(ホワイト企業認定の必須項目)

画像引用|ホワイト財団 ホワイト企業になるための7つの指標

認定のランクは5段階

ホワイト企業認定には設問の達成度に応じて、プラチナ>ゴールド>シルバー>ブロンズ>レギュラーの、5段階のランクがあります。最高難易度のプラチナは、設問に対して90%以上の達成度に加えて2回以上の連続した認定が必要になります。

ホワイト企業認定-ランクごとの認定マーク

画像引用|ホワイト財団 企業のホワイト化を総合的に評価する認定制度【ホワイト企業認定】 認定基準を改定し、取り組みに応じた認定マークを導入

どうやってホワイト企業認定を受けるのか

企業が認定を受けるには、ホワイト財団による審査をクリアする必要があります。この項目では大きく2点、ホワイト企業認定を審査する際のWeb審査と書類審査について解説します。

Web審査

Web審査では7項目に渡る70の設問によって審査が行われます。審査後のフィードバックによって企業の強みと弱みが可視化され、認定基準を満たしていれば仮認定となり、書類審査に進みます。

参考|ホワイト財団 ホワイト企業認定審査 全70設問PDF

書類審査

書類審査では根拠となる書類として、労働法遵守証明書と財務状況証明書の提出が求められます。労働法遵守証明書には、専門家(弁護士・社労士・労働者代表のいずれか)のサインが必要です。財務状況証明書には、会計士か税理士のサインが必要になります。これらの審査を経てホワイト企業認定が得られます。

参考|ホワイト財団 ホワイト企業認定の流れ・採点方法・認定料

ホワイト企業認定のメリット

ホワイト企業認定を受けた企業は、社内外に良好な労働環境を示せます。ここではホワイト企業認定がもたらす企業へのメリットについて解説します。

認定マークがもらえる

ホワイト企業認定を受けることで得られるのが、認定マークと認定証です。マークは名刺やWebページに掲載でき、認定証は受付やエントランスに掲げられます。これにより優秀な人材の獲得や、従業員エンゲージメントの向上も期待でき、求職者にとっても安心・安全な職場として指標を提示できます。これらは企業広報においても有力なPR要素です。

認定後は毎年更新が必要

ホワイト企業認定は1年更新のため毎年更新が必要です。これにより認定後も継続的に、職場環境の維持と向上への取り組みが必須となります。企業にとっては注意すべき点であり継続的なコストを要しますが、この取り組みは企業に関わるすべての人や地域社会に、変化への対応と環境のアップデートをもたらしてくれます。

ホワイト企業認定の類似制度

ホワイト企業認定のほかにも、政府主導の類似制度が存在します。制度それぞれの存在意義が異なるため、以下ではその特徴を簡単に紹介します。

安全衛生優良企業公表制度

安全衛生優良企業公表制度(ホワイトマーク)は、労働安全衛生に関して積極的に取り組む企業の社会的認知を高め、より多くの企業に安全衛生の取り組みを促進するために、厚生労働省が認定する制度です。

労働安全衛生について過去3年間に違反がないこと、労働者の健康保持と増進・メンタルヘルス・過重労働防止の各対策、安全管理など、幅広い分野の積極的な取り組みが求められます。

ホワイトマーク

画像引用および参考|厚生労働省 安全衛生優良企業公表制度について

ユースエール認定制度

ユースエール認定制度は、若者の採用と育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を、厚生労働大臣が認定する制度です。新卒人材をはじめとした若者の積極採用と育成だけでなく、離職率が低いことも条件に含まれています。

ハローワークによる重点PRや面接会を通じて若者との接点が増えるメリットや、融資を受けやすくなるなどのメリットがあります。

ユースエール認定マーク

画像引用および参考|厚生労働省 ユースエール認定制度

くるみんマーク

くるみんマークは、子育てサポート企業として厚生労働大臣の認定を受けた証です。くるみんマークの認定には子育てに理解のある企業として、女性や子育て世代の活躍を推進するだけでなく、仕事と子育ての両立を実現できる企業として、社会的なイメージの向上も期待できます。

くるみんマーク

画像引用および参考|厚生労働省 くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて

えるぼし認定

えるぼし認定は、女性活躍推進法に基づき、女性の活躍を推進している企業が認定を受けられる制度です。えるぼし認定の表示を通じて女性が活躍する企業としてアピールできるほか、公共調達への加点(政府や国有企業からの注文を受けやすくなる)などのメリットがあります。これにより優秀な人材の確保や企業イメージの向上も期待できます。

えるぼし

画像引用および参考|厚生労働省 女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)

健康経営優良法人認定制度

健康経営優良法人認定制度は、心身ともに従業員の健康維持と向上を目指す「健康経営」が実践されている法人を可視化する制度です。

従業員エンゲージメントや社会的評価の向上を目的として経済産業省が設計し、日本健康会議が認定します。認定には大規模法人の上位500社による「ホワイト500」と、中小規模法人の上位500社による「ブライト500」の2部門があります。

健康経営優良法人

画像引用および参考|経済産業省 健康経営優良法人認定制度

認定制度を指標とした就活・転職のポイント

就活や転職でホワイト企業を目指す際は、企業が受けた認定制度を確認することが重要です。認定を受けているかについては、企業の公式サイトやそれぞれの認定機関の情報から確認できます。

また実際に働く社員の声や口コミからは、よりリアルな職場環境が把握できるでしょう。このようにホワイト企業認定をはじめとした情報の確認は、働く環境の選択において大切な指標となります。

まとめ

今回はホワイト企業認定について解説しました。ホワイト企業認定は都市部でも地方でも、また大企業でも中小企業でも取り組めるため、国内のどのような企業でも取得を目指せます。一方でホワイト企業認定は毎年更新となるため、優良な労働環境を維持する恒常的な取り組みも必要です。

大変な取り組みですが働き方改革と少子高齢化が影響する現在だからこそ、ホワイト企業の指標を内外に示せるホワイト企業認定は、次世代の企業価値として注目され、類似した認定制度も数多く存在しています。

これらの認定制度はもれなく優良企業の証と言えますが、あくまでひとつの指標に過ぎません。就活・転職の際には、何が自分にとっての譲れない価値かを、ぜひ自分の目と耳で総合的に判断してください。

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