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タイパ(タイムパフォーマンス)を徹底解説!Z世代の価値観とは?

date2024年05月23日
タイパ(タイムパフォーマンス)を徹底解説!Z世代の価値観とは?
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はじめに

  • タイパとはタイムパフォーマンスの略で、Z世代を中心に活用されている
  • タイパを意識すると、限られた時間により多くの利益や満足度を求める
  • タイパは流行から、現代ビジネスの重要な意識へと変化した
  • タイパにより、業務効率化・生産性向上・ワークライフバランスの向上が望める
  • タイパをビジネスに活かすために、タスク管理・デジタルツールの活用などがある

タイパという言葉がZ世代を中心に使われています。タイパとはどのような意識や行動を意味するのでしょうか。タイパから見えるZ世代の価値観や、ビジネスにおいてタイパを高める方法を解説します。タイパを知ることで、仕事や生活における行動や意識を変えるきっかけにしてください。

タイパとは?

2022年三省堂の新語大賞を受賞し、認知度のあがった言葉がタイパです。タイパは流行語の域を脱し、タイパ時代の到来を意識させるほどに、定着が進みつつあります。

タイパの意味

タイパはタイムパフォーマンスの略で、経過時間に対してどれだけの利益や満足度が得られたかを表す言葉です。時間対効果ともいわれます。短時間に効率良く物事を成し遂げられたり、短時間に欲しい情報や物が手に入ったりしたときに、「タイパが良い」や「タイパが高い」と表現されます。

使い方は、「このサイトではいくら探しても欲しい情報にたどり着けずタイパが悪い」や「ネタバレ動画は内容を確認してから見たい映画かを判断できるのでタイパが良い」などでしょう。

コスパ・スぺパとの違い

タイパと似た言葉に、コスパとスぺパがあります。それぞれの違いは以下の通りです。

  • コスパ:コストパフォーマンスの略、費用対効果ともいう。

    対価から得られる満足度を表します。比較対象が時間ではなく金額という違いがあります。
    例 「500円のこのお弁当は、ボリュームがあってコスパが良い」

  • スぺパ:スペースパフォーマンスの略、空間対効果ともいう。

    使用した空間から得られる満足度を表します。比較対象が時間ではなく空間という違いがあります。
    例 「同じ面積なら、収穫量の多いほうがスぺパが良い」

タイパを意識した生活の例

タイパが良い・タイパが高いと感じる例を紹介します。特にZ世代は普段の生活の中で、以下のような行動パターンを当たり前のこととして行い、自然体でタイパを意識しています。

動画コンテンツの倍速視聴・切り抜き動画・ショート動画

動画コンテンツの倍速視聴・切り抜き動画・ショート動画

タイパを意識すると、限られた時間に多くの情報を得ようとします。そのひとつがコンテンツの利用方法でしょう。動画コンテンツを倍速視聴することで時短をはかるほか、ライブ配信や長尺動画の人気部分や注目箇所だけを編集した切り抜き動画、60秒以内の短いショート動画などで、欲しい情報を効率良く収集しています。

このような情報収集が主流となる中で、コンテンツ配信側も工夫を凝らした動画コンテンツを作成し配信しています。

オンラインによるコミュニケーションの普及

コロナ禍の影響やテレワークなどにより、オンラインでのコミュニケーションが普及しました。パソコンやスマートフォンを使ったWeb会議は、時間の節約に効果的です。会議場所への移動時間が必要ないため、その時間を使って、他の業務ができるのはタイパが良いといえるでしょう。

冷食・完全食の利用

食生活にもタイパを意識した行動があります。忙しい社会人にとって、短時間で調理ができる冷凍食品は便利です。最近の冷凍食品はクオリティも高く満足度も得られます。また、健康を考慮した完全食の利用も効果的です。1日何十品目も摂取するために、準備に時間をかけるのはタイパが悪いといえます。完全食は手軽で効率的に栄養が摂取できるタイパの良い食品といえるでしょう。

タイパ世代から見る流行の背景

タイパ世代とは、生まれた時からデジタルコンテンツが存在する時代に育ってきた、いわゆるZ世代のことです。この世代にタイパ志向が強い傾向にある背景を見ていきましょう。

以下の表は、アナログからデジタルへの遍歴とZ世代が生まれた年代を重ねたものです。Z世代以降に生まれた人々が、デジタル社会に慣れ親しんでいることが伺えます。

タイパ世代から見る流行の背景

Z世代が求める時間の概念

Z世代の時間に対する意識には特徴があります。効率良く結論に達するというもので、これを可能にする環境もありました。

  • 限られた時間の中で、少しでも多くの情報を得て有効に活用したい

    勉強や仕事・普段の生活の中で生じた疑問は、スマートフォンひとつであっという間に解消できます。その回答も、自分にとって有効なものを、時間をかけずに効率的に導き出せます。

  • 無駄な時間を過ごすのはもったいない

    「5分の空き時間があれば、ショート動画が3本は視聴できる」と発想するZ世代にとって、無駄な時間の概念は大変短いといえます。タイパを意識する理由のひとつといえるでしょう。

IT技術の進化・デジタル化の進行

パソコンやスマートフォンが普及し、大量の情報が収集できるようになりました。さらにデジタル化が進み、業務においては多くのシステムが開発され、業務の効率化がはかられています。
デジタル機器の進化は、限られた時間での有効な情報の取捨選択を簡単にするだけでなく、Web会議や無人コンビニ・スマホ決済などに活用されることで、時短や効率的な時間の利用につながりました。

ビジネス環境の変化

人材不足が深刻な中、企業は限られた人材で効率的に業務を推進する必要に迫られています。たとえば、採用においてWeb面接やWeb履歴書の利用が増えていることからも、人事担当の人材や時間の効率化を優先していることが伺えます。コロナ禍の影響もありますが、ビジネスにおいて有効だと判断されたための変化といえるでしょう。

タイパが重視される理由

Z世代の行動パターンというだけでなく、ビジネスにおいて、タイパを意識した考え方や行動が重視されるようになった理由を見ていきましょう。

業務効率化と生産性の向上がはかれるから

移動時間の節約にはWeb会議が有効です。さらにお客様からの問い合わせにも、チャットやメールでの回答が増えました。また、資料作成では、データを共有し作業することで、時短や効率をあげられます。タイパを意識した仕事の仕方ができれば、短時間で効率的な成果が得られるため、業務の効率化がはかれ生産性の向上も望めます。

ワークライフバランスを向上できるから

業務を効率的に遂行できれば、余裕の時間も生まれます。この時間を自分のために使えたら、生活を豊かにできるでしょう。仕事時間と自分の時間を効率良く有効活用することで、ワークライフバランスを向上させられます。
Z世代だけでなく、タイパ志向をもつことは、時間に対する概念を少し変えることです。短い時間の積み重ねが、人生において大きな変化をもたらすかもしれません。

Z世代の支持を得られるから

タイパの意識をもつことで、効率的に業務を遂行することは、Z世代が当たり前に享受している認識です。企業がこのタイパを共有することで、働き方改革にもつながり、人材の確保を容易にする可能性があります。これからの時代を担う若手人材の、意識を理解し、支持を得ることは重要な要素をいえるでしょう。

タイパにはデメリットもある

タイパを意識しすぎると、常に時間に追われている感覚に陥り、タイパ疲れを起こす可能性があります。タイパにはデメリットがあることも理解しましょう。

過程より結果重視になりやすい

物事には、ゆっくり時間をかけたり同じことを何度も繰り返したりする中で、効果が表れる場合があります。また、効率的に結果を得ることに囚われて、関わった人たちや必要な準備を軽視してしまう可能性も生じるでしょう。

どのような業務も一人で完遂させることは難しいです。タイパを意識するあまり、過程の重要性に気づけないことも起こりえます。

情報を取りこぼしやすい

タイパを意識するあまり、情報ソースをネット検索に頼りすぎると、拾いにくい情報を取りこぼす可能性があります。たとえば、業務の中で経験を積んだ先輩社員のもつノウハウなどは、その業務ならではのもので、業務を進めるうえで重要な情報です。タイパを成功させるためには、広い視野も必要といえるでしょう。

人間関係が希薄になりやすい

ネット検索でさまざまな情報を取得できるため、多くのことが自己完結できます。しかし、業務で自己完結してしまうと、周囲の人と協力したり気配りができなかったりと、コミュニケーション不足になる危険があります。コミュニケーションが減り、人間関係が希薄になると、円滑な業務の遂行にも影響がでるでしょう。

ビジネスにおいてタイパを高める方法

ビジネスでタイパを活用するために、タイパを高める方法を紹介します。

タスク管理を正しく行う

タスク管理はタイパの良い業務遂行に有効な手段といえるでしょう。正しいタスク管理ができていれば、業務の優先順位が明確になり、1日に処理すべき内容を把握できます。業務遂行に必要な時間も見当をつけられます。スケジュールに沿って業務を進めることで、業務効率をあげることが可能です。

時間と完成度の折り合いをつける

限られた時間の中で成果物を仕上げなければならない場合、細部までこだわっていては難しい場合があります。時間内にできる完成度との折り合いをつけることも大切です。稚拙な完成度で妥協するのではなく、必要以上の時間の浪費をしないという意識が必要です。

コスパと時間を見極める

時短のためには必要な経費がかかる可能性もあります。たとえば、企業ならシステムの導入や備品の整備などでしょう。個人なら、使い慣れた工具や文房具・デジタル機器の準備でしょうか。これらの経費のコスパとタイパを比較して、どちらを優先すべきかの見極めは重要です。タイパを優先するあまり、極端にコスパが悪ければ、満足のいく結果は得られないでしょう。

デジタルツールを活用する

顧客とのコミュニケーションにも、可能な限りデジタルツールを活用しましょう。たとえば、Web会議やスマートフォンやタブレットを使ったプレゼン、カレンダー機能を利用したタスク管理など、デジタルツールを活用することで、効率をあげることが可能です。
ビジネスシーンでは、自分のタイパだけでなく、相手のタイパを考慮した行動も好印象を与えます。

働き方のオンライン化に対応する

オンライン化によりテレワークが定着しました。他にも、営業活動を支援するオンラインサービス(SFA)や、人事業務を網羅的に支援するクラウド人事システムなど、働き方のオンライン化は急速な進歩を遂げています。生成AIも業務への活用が進められています。
こうしたオンライン化に対応することで、業務でのタイパをあげることが可能です。

まとめ

タイパはこれからの時代に重要な認識・意識です。上手に使いこなすZ世代は、デメリットや注意点に気をつけながら、業務や就活に活かしましょう。
また、Z世代より上の世代は、後輩や若手社員の意識の変化や行動パターンを認識し、タイパのメリットを存分に活かした業務効率化も一案と考えましょう。

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