【男女別解説あり】入社式のスーツの着こなしを徹底解説
はじめに
- 入社式にはスーツ着用が基本である
- スーツの相場は1着につき3万~5万円程度が目安である
- スーツの色はブラック・ネイビー・グレーの3色で選ぶ
- ネクタイの端がベルト上に少々被るくらいが理想的な長さである
- ストッキングは予備をカバンに入れておく
- 着丈や後ろ姿のチェックを必ずする
入社式のスーツに規定はある?
入社する会社から入社式前日に「服装自由での参加」といったお知らせがきたとしても、社会人としてのスタートを切るための式典にはきちんとしたスーツ着用での参加が望ましいでしょう。たとえ服装に縛りがない、もしくは制服が用意されている会社だとしても、入社式にはスーツ着用が基本です。気を引き締め、社会人としての初日を迎えられるよう、事前に入社式のスーツについて考えていきましょう。
就活スーツと入社スーツの違い
そもそも就活スーツ(リクルートスーツ)はセミナー、企業説明会や面接などの就職活動中で着用するのに対し、入社スーツ(ビジネススーツ)は内定式や入社式といった式典で正装として着用する服装です。つまり、就活スーツと入社スーツの違いには用途の他にフォーマル度が異なり、色使いや素材の質に違いがあるといえます。ただし、業務では制服や作業服の着用が基本でスーツを着る機会がない企業の場合は、就活の際に着用していたリクルートスーツで入社式に参加しても問題はありません。
入社スーツは入社後もビジネススーツとして着用できます。
スーツにいくらかける?相場は?
入社式の後も業務で着用することを考慮して、2~3着用意しておくとよいでしょう。1着につき、おおよそ3~5万円が相場です。5万円の予算で余裕があれば、生地の質やサイズ感などプロにお任せして、オーダースーツの購入ができます。制服や作業着などがある会社の場合は、入社式に着ていくスーツの他に何着か無理に調達する必要はありません。
しかし、入社式以外でも出張や大切な会議がある日のために、入社式スーツを含めて最低限2着程度のスーツは調達しておいた方が無難でしょう。
そもそも入社式って何する?
入社式は社会人として新たな門出を祝うイベントでもあります。つまり、入社式を初日とし、社会人としての責任を改めて自覚していく大事な式典です。新入社員とともに、社長や役員など上層部の紹介や入社辞令授与などを行います。企業によって記念写真撮影を実施する場合があるため、その場に合ったスーツ選びが重要であることを覚えておきましょう。
ふさわしいスーツの選び方
自分にとって新たな社会人生活をスタートする日にどのようなスーツを着るべきなのか、不安になることがあるでしょう。大切な式典の場でまわりから浮いてしまわないように、スーツ選びの知識をしっかりと身につけておく必要があります。社会人としてふさわしいスーツ選びには、どのようなコツがあるのか、最適な素材や色について、男性・女性それぞれ説明していきます。
男性編
男性が着るスーツ選びには、ワイシャツやネクタイ・靴下の色をバランスよく合わせる必要があります。以下で小物類・カバン・靴についても詳しく説明していきますので、参考にしてください。
男性のスーツ選び | |
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スーツの色 | ・基本ブラック・ネイビー・グレーの3色で選ぶ ・光沢の強い生地は避ける |
ネクタイの色 | ・ネイビーもしくはグレー、ブラウンの色が良い ・細かいストライプ、ドットタイプでも良い ・ネクタイの端がベルト上に少々被るくらいの長さが理想的 |
シャツの色 | ・清潔感のあるホワイト、色味のあるものは淡いブルーかグレーが良い ・シワになりにくく速乾性が高いポリエステルや肌触りのよい綿のタイプがおすすめ |
小物類 | ・ベルトは靴と同系色を意識しよう ・腕時計はカジュアルや派手なものを避ける ・時計バンドは革製のレザーかシルバーのメタル系のものが良い |
カバン・靴 | ・入社書類などが入るA4サイズのカバンが最適 ・基本、フォーマルの「ブラック」が良い ・靴は紐がついている革靴でブラックかブラウンのものが良い |
1.スーツの色
基本は、ブラック・ネイビー・グレーの3色でスーツを選びましょう。濃淡は生地によって見た目が変わります。光沢の強い生地は避け、ワイシャツやネクタイ、靴下の色との組み合わせを確認しながらスーツの色を選ぶのが重要なポイントです。生地については湿気を放出させることで年中快適に着られ、かつシワになりにくいポリエステルやウールなど混紡されている素材がおすすめです。
2.ネクタイの色
ネクタイはスーツ全体にメリハリをつけ、コーディネートが決まる重要なアイテムです。ネイビーやグレー、ブラウンなどの色味は白いシャツと相性がよいとされています。無地柄以外で細かいストライプ柄やドット柄、小紋柄などのデザインでも問題はありません。スーツやワイシャツの色に合わせたネクタイでコーディネートしましょう。またネクタイの端がベルト上に少々被るくらいの長さが理想的です。入社前に結ぶ練習をしておきましょう。
3.シャツの色
白色が基本とし、入社式で着用するシャツは清潔感のあるホワイト、色味のあるものを選ぶ場合は知的さを感じられる淡いブルーもしくはグレーが最適です。シワになりにくく速乾性が高いポリエステルや、吸湿性や保湿性が高く肌触りのよい綿のタイプがおすすめでしょう。TPOに合わせた素材を調達しておくと、入社式の後もさまざまなビジネスシーンで役立ちます。
4.小物類
腕時計やベルトなどの小物類はスーツをそろえるうえで必要なアイテムです。ベルトはジャケットを脱ぐ際に目につく箇所でもあるため、靴と同系色を意識して選ぶと良いでしょう。靴と同系色を選ぶと全体的にまとまり、統一感を得られます。また腕時計はカジュアルや派手なものは避け、シンプルなアナログの腕時計がおすすめです。 スーツ同様、腕時計にもビジネスにおいて上司や目上の人だけでなく取引先の相手の目に留まるため、TPOを基準にデザインを選びましょう。また時計バンドは全体的に目立ち過ぎないよう、革製のレザーかシルバーのメタル系のものを選んでください。
5.カバン・靴
入社当日に入社書類が入るA4サイズのカバンが必要です。ブラックのフォーマルなものであれば、就活で使用したビジネス用のカバンでも問題はありません。入社後も使えるように雨や雪の日に強いはっ水加工のものを選ぶと、重要な書類をぬらさずに持ち歩けます。床に置いた際に自立するものや収納性・機能性の高いものがおすすめです。また男性が履く靴に関しては、ひもがついている革靴、色はブラックかブラウンが基本とされています。カジュアル感のあるローファーやファッション性の強いエナメル素材のものは避けましょう。
女性編
スーツやシャツの色はほぼ男性と同じですが、細かいところで女性ならではの見落としもよく見られています。女性が着るスーツ選びには小物類にも注目されやすいため、「シンプルさ」を意識して選ぶようにしましょう。以下でスーツ以外にストッキングやヒールの高さについても併せてチェックしてみてください。
女性のスーツ選び | |
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スーツの色 | ・男性同様、ブラック・グレー・ネイビーの3色で選ぶ ・明るい色のものは避け、落ち着いたダークカラーが無難 ・クロップド丈かテーパードのパンツもしくはスカートどちらでもOK | シャツの色 | ・襟付きシャツもしくはブラウスが基本 ・ホワイトもしくはライトブルーが良い ・フリル付きやレースのシャツは避けよう |
小物類 | ・伝線したときのためにストッキングの予備は持っていこう ・ストッキングの色は肌の色に合わせたベージュ系のものが良い |
カバン・靴 | ・入社書類などが入るA4サイズのカバンが最適 ・カバンはブラックもしくはベージュの色が良い ・靴はヒールの高さが3~5cmでプレーンなパンプスが良い |
1.スーツの色
入社スーツは明るい色のものは避け、ブラック・グレー・ネイビーなどの落ち着いたダークカラーを選びましょう。裾丈をやや短くしたクロップド丈か腰回りをカバーしつつ裾に向かって細くなるテーパードのパンツスタイルあるいはスカート、どちらでも問題はありません。スカートはひざ丈より短すぎない長さであることを事前にチェックしましょう。
2.シャツの色
シャツは襟付きシャツもしくはブラウスが基本です。洗練された印象を与えるホワイトまたは爽やかな印象のライトブルーが鉄板でしょう。ただし、フリル付きや華美なレースのものは入社式にふさわしくありません。第一印象を左右する式典では悪目立ちしないように、「シンプル」なものを選ぶように心がけましょう。
3.小物類
女性でよくありがちな例のひとつとして、ストッキングが伝線してしまったといったアクシデントが挙げられます。いつ破れても大丈夫なように必ず予備をカバンに入れておくと安心です。ストッキングの色は肌の色に合わせたベージュ系のものを選ぶとよいでしょう。またストッキングはスカートに限らず、パンツスタイルでも着用するのが社会人としてのマナーです。腕時計やベルトについては、男性編で紹介した基準をもとに選ぶことをおすすめします。
4.カバン・靴
入社式では辞令や入社に関する書類を配布される場合があるため、A4サイズのものが入るシンプルなカバンがあると安心です。
ブラックやネイビーなどの落ち着いたカラーが一般的ですが、全体的に重めの色合いになりそうであれば、ベージュのカバンを取り入れるのもよいでしょう。はっ水加工のものや収納機能のあるカバンであれば、入社後も役立つのでおすすめです。靴は企業によってヒールのないものでも許容しているところもありますが、ヒールがある靴にする場合は3~5cmの高さでプレーンなパンプスを選ぶようにしましょう。靴の色はスーツに合わせると失敗しませんが、ブラックであればどのスーツでも合います。
身だしなみの注意点
ただサイズだけでスーツを購入するのでなく、実際に試着してみて自分の体にフィットしているかを確認することが大切です。試着せず購入すると入社当日になって、「サイズが合わない! どうしよう? 」のような予想外のことで焦ってしまうおそれがあります。以下で身だしなみの注意点について、購入の前にしっかりと確認しておきましょう。
横向きで着丈を合わせる
スーツを着用した状態で横向きになり、ジャケットの裾丈にバランスがとれているかどうかをチェックしましょう。男性はヒップ全体の8割くらい隠れているかが目安です。また女性はパンツとスカートで目安は異なります。パンツの場合はヒップの半分、スカートはヒップの半分より短めを目安に選びましょう。スーツの前と後ろの丈がアンバランスにならないよう、きちんと整っているかを鏡で確認しておくと見た目も良いです。
後ろ姿をチェックしよう
よくありがちなケースのひとつに服装チェックの際に前面だけを意識してしまい、うっかり後ろ姿のチェックをし忘れた経験もあるのではないでしょうか。後ろのシャツ襟の見え方やツキジワ(後ろ襟の下部分にできる一本線のシワ)がないかなどをチェックしましょう。また型崩れ防止の「しつけ糸」をつけたまま着用すると、入社式当日で恥ずかしい思いをしてしまうおそれがあります。必ず背中裾の切込み・ポケット・肩など、しつけ糸の処理を忘れないようにしましょう。意外と後ろ姿は見る人の印象に残りやすいため、入社式前日にチェックすると安心です。
ストライプ柄やチェック柄はOK?
入社式という晴れ舞台に柄物のスーツを着用しても問題はありません。注意点として、ストライプの太さがはっきりしているものや柄の主張が濃いものは、カジュアル感が強いため入社式に着用するのは避けましょう。角度や光加減によって、うっすらとストライプが浮き出る柄のシャドーストライプのものがおすすめです。チェック柄に関しては、グレンチェック(千鳥格子やストライプなど細やかな格子を組み合わせて構成されたチェック柄)のタイプを選びましょう。
髪型を整える
社会人として、髪型を整えることは身だしなみのひとつとして挙げられる重要な要素です。入社式前日までには社会人としてふさわしい髪型、髪色に整えておきましょう。髪色は基本、やや茶色味を感じる程度の6トーンあるいはほどよいナチュラルカラーの8トーンまでが最適です。明るすぎる髪色でいきなり入社式に臨むのは周りの印象を悪くしかねません。また入社後も毎朝寝癖がないかを常に確認し、整える習慣を身につけましょう。
まとめ
これから社会人としての門出を祝う入社式は、周りからの第一印象を左右する大切なイベントです。「人の第一印象は約3秒で決まる」ともいわれているように、やはり「身だしなみ」は社会人マナーのひとつでもあります。清潔感のある身なりで入社式に参加できるよう、事前にスーツ選びの知識を身につけておくことは必須でしょう。意外なところで見落としがないようにくまなくチェックし、失敗のないスーツ選びで気持ちよく入社式を迎えてください。