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理系の職業とは?なりたい職業がない場合の対処法|理系の仕事

date2024年09月18日
理系の職業とは?なりたい職業がない場合の対処法|理系の仕事
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はじめに

  • 理系の職業とは、専門性を活かし、論理的思考や課題解決力が求められる
  • 理系に人気の職業は、IT・医療・航空・機械・光学・金融など多種業界におよぶ
  • 理系の職業需要が増える分野は、IT・農業・医療・半導体などがある
  • 自分にあった職業選びは、自己分析や業界・企業研究に理系要素を追加する
  • なりたい職業がないときは、文系職業にも目を向ける

理系の学生には、理系ならではの思考や視点があります。企業もこの能力を高く評価し採用に前向きといえるでしょう。では、どのような職業に理系の能力を活かせるのでしょうか。この記事では、理系の職業を選ぶときのポイントから人気の職業・求められる能力など、就活を有利に進めるための方法を紹介します。

なりたい職業がない?!理系の職業を選ぶポイント

就活において、なりたい職業が見つけられないことは一歩も踏み出せず、時期やタイミングを逃してしまう可能性があります。そのようなときは以下のことを振り返ってみましょう。職業選択時に自分がアピールできるポイントを発見できます。

論理的な思考がある

論理的思考とは、情報やデータの分析・整理を行う中で、合理的な結論を正確に導き出せる能力をいいます。理系学生にとって、研究データから結論を導く過程で活用している能力です。正確な結論にいたることが得意な方は、論理的思考力が高いといえるため、アピールポイントになるでしょう。

データや数値の分析ができる

データや数値を分析するためには、必要な情報の収集と適切な分類を行うだけでなく、導き出せる推論や問題解決策の提案まで必要となります。理系学生には得意な方も多いでしょう。データ分析力・分類整理する能力・推理力・問題解決力があることをアピールできます。

専門性を活かせる

理系の学部には、理学部・工学部・理工学部・医学部・歯学部・獣医学部・看護学部・農学部・情報学部などがあり、どの学部かによって習得できる専門性は異なります。理学部を例にすると、数学・物理・化学・生物学・地学(地球科学)など学科選択でも異なる専門知識が習得できるため、そこで習得した専門性を活かした職業選びは有効といえます。

モノづくりに魅力を感じる

モノづくりというと、電化製品や橋・建物など目に見えるものを想像する場合が多いのではないでしょうか。
しかし、システムの構築も「無」から「有」を生み出すというモノづくりと同様の職人技が必要です。想定通りに動作しトラブルのないシステムが完成したときは大きな達成感があります。モノづくりはさまざまな業種・分野に存在しますので、自分の知識や能力を活かして作れるものは何か、という視点での職業選びも一案でしょう。

理系に人気の職業

ここからは、理系に人気の職業を紹介します。理系の仕事一覧と取得しておくと有効な資格もあわせて見ていきましょう。

各種エンジニア

IT業界で人気のエンジニアにはさまざまな種類があります。システム構築全般に関わったり、システムを活用してデータ分析を行ったり、昨今人気のAIやAR/VRなどを専門にするエンジニアもいます。

  • システムエンジニア

    システム構築全般に関わる仕事で、顧客の要件に沿ったシステムの仕様の策定を担当し、要件定義・基本設計・詳細設計・テスト・保守運用に関わります。
    おススメ資格:基本・応用情報技術者試験・CCNAなど

  • AIエンジニア

    多種多様なシステムで稼働するAIを研究・開発する仕事で、幅広い職種と関連があり、スキルだけでなく最先端技術や知識を学び続ける必要があります。
    おススメ資格:新分野のため資格に制限無し、エンジニアの基礎知識は必要

  • データサイエンティスト

    統計学や数学・AIなどを駆使し膨大なデータの分析と、そのデータを意味あるものに変換し、予測や有益な発見を行う「データ分析の専門家」です。
    おススメ資格:特別な資格はないが、統計検定2級・ビジネス統計スペシャリストなどは有効

  • AR・VRエンジニア

    AR「拡張現実」は、現実世界にデジタル情報を映し出し、現実世界を拡張する技術です。携帯端末を通して現実の風景の中にキャラクターが現れるゲームなどに活用されます。
    VR「仮想現実」は、コンピューターによって作られた仮想世界で、「もう一つの現実」を体験できる技術です。手術の練習用シミュレータや災害現場を想定したトレーニングなど、多様な分野に活用されます。
    これらを開発するエンジニアとなります。
    おススメ資格:システムエンジニア同様

機械・光学設計者

機械設計は、機械の動くしくみを設計する仕事です。CAD(製図ソフト)を利用して設計図を作成し、CAE(解析ツール)を活用して検証を行います。
光学設計は、さまざまな機械などに使われるレンズを設計する仕事です。目的に応じた光の反射テストを繰り返すなど根気を要する仕事といえます。
機械設計技術者試験・光検定などの資格が有効です。

医師・看護師

医師は、病院や医院に勤務して病気やけがの診断・治療・処置を行います。他には大学や研究機関において、病気の原因や細菌研究・治療法の研究・確立などを行う仕事です。
看護師は医師と協力して、患者の観察・処置・ケアなどを行います。他にも在宅治療や訪問介護など働き方もさまざまです。
どちらも国家資格が必要です。

薬剤師

病院や調剤薬局に勤務して、処方薬の調剤と薬の飲み合わせや副作用の伝達などを行います。他には製薬会社で薬の開発や研究に従事したり、官庁や公的機関などで環境調査を行ったりという仕事もあるでしょう。
国家資格が必要となります。

アクチュアリー・クオンツ

アクチュアリーは、投資や保険・年金などの金融リスクを評価・計算・分析する仕事です。数学や統計学など理系の知識と、経理や市場理解などのスキルを活かせます。
日本アクチュアリー会の資格試験に合格する必要があります。
クオンツは、高度な数学的スキルを用いて金融市場や投資戦略の分析を行う仕事です。アクチュアリーと似た職業ですが、こちらは資格取得の必要はありません。

航空整備士

航空機や部品の整備・修理・点検・メンテナンスなどを行う仕事です。機械や電気系統の知識や技術を取得した航空整備士の国家資格が必要となります。理系でも工学部出身者に向いています。

研究職

大学や各種研究所、産業界や政府機関などさまざまな場所に研究職はあります。新しい技術や知識の発見から実用化・安全性の担保や環境への影響・知的財産の保護など、研究対象も研究内容も多種多様です。在学中の研究を継続する場合や、就職先で自身の知識を活かす場合などで就活手段も異なります。
研究内容に応じた資格が必要になる場合があります。

理系の勝ち組職業ランキング

理系職業の中で、高収入の得られる職業を紹介します。さらに、これから伸びるといわれている職業についても触れています。

理系職業の年収ランキング

厚生労働省の令和5年「賃金構造基本統計調査」より、理系の職業を抜粋しました。傾向として国家資格が必要な職業や大学教授・研究職などが高収入であるとうかがえます。

理系職業の年収ランキング
職種給与(千)
大学教授(高専含む)2751.5
その他の経営・金融・保険専門職業従事者2060.0
法務従事者1967.2
研究者1806.2
電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)1667.6
機械技術者1392.8
公認会計士,税理士1390.5
化学技術者1392.8
医師1276.3
その他の情報処理・通信技術者1123.3
システムコンサルタント・設計者1119.1
ソフトウェア作成者951.0
看護師856.5
薬剤師768.7

引用:厚生労働省|賃金構造基本統計調査 令和5年

これから伸びる職業

社会構造の多様化により、新たな職業も生まれている昨今、これから伸びる職業とはどのような分野なのでしょうか。詳しく解説していきます。

IT分野

AIをはじめ、生活全般から企業活動まで多くの場面でIT技術が利用される社会において、IT分野の職業は多様化とともに人材確保が進むことは必定といえます。IT業界に限らず、さまざまな業界でIT人材の需要があります。これから最も伸びる職業といえるでしょう。

農業分野

美味しい農作物を生産している農家の方は、観察力・統計力・問題解決力、さらに発想の転換力など、理系の能力を有する方が多いです。スマート農業など、これまでと農業の概念が変わりつつある中で、データや数値の分析・論理的思考力が求められるようになり、理系の職業として期待できる分野といえます。

参考:セラク|みどりクラウド 

医療分野

ロボット手術やAIによる画像解析、Web診断や患者情報の一元化など、医療分野の革新は著しいといえます。医師に限らず医療分野で活躍できる理系の人材は増えると予測できるでしょう。物理・化学・工学など、一見医療分野とはかけ離れた印象を受けますが、視点を変えて医療機器・院内環境などでは、前述の知識が役立つ場面もあるかもしれません。

半導体分野

ほぼすべての精密機器に利用される半導体の需要は増す一方です。技術革新が進む現代においては、半導体に代わる何かが開発される可能性や、半導体の革新も起こるかもしれません。この分野でも理系人材の需要増は必須といえるでしょう。

理系の職業に求められる能力

人気職業や伸びる職種に就職するために、どのような能力が求められるのか。理系の職業に求められる能力について解説します。

論理的思考力

事実に基づいた情報やデータから正確な結論を導き出せる論理的思考力は、医療においては正確な診断につながり、システムの構築においては必要な動作の構築や誤作動抑止につながります。論理的思考力は、理系の職業において重要な能力といえるでしょう。

課題解決能力

人や物事が動く際、トラブルや課題が生じるのは周知のことです。論知的思考に基づいて導き出された課題を、解決するための施策や手段を講じ、解決に導ける力は多くの場面で必要な能力となります。

探求心

探求心とは、あきらめることなく求める結果を探し続ける力です。結果を導くためにさまざまな角度から物事を観察でき、何を工夫したら求める結論にたどり着けるかを考えられる能力といえるでしょう。想像力や革新的な発見に力を発揮する能力ともいえます。

コミュニケーション力

すべての職業で円滑に業務を進めるためには、コミュニケーション力は最も大切なスキルといえます。何ごとも一人では完結できません。理系学生の場合、研究過程で共有や協力の重要性を感じた方も多いでしょう。共有と協力に、さらに気遣いや思いやりの心をプラスしたコミュニケーションが大切になります。

自分にあった職業の選び方

就活において、基本となる自己分析や企業研究にも、理系ならではのポイントがあります。以下で詳しく見ていきましょう。

自己分析

一般的な自己分析は、自分の性格や向き不向き・過去の経験などを振り返り、自分がどのような職業に適しているかを分析します。理系学生の場合は、培った知識や技術・研究課題なども、自分を活かせる職業は何かの判断材料としましょう。

業界・企業研究

自分が就きたい職業を絞れたら、それが実現できる企業を探します。たとえば、薬学科を専攻した場合、薬剤師や製薬会社の研究員などが候補にあがります。他にも、官庁などで環境調査を行う機関でも知識を活かすことが可能です。各企業だけでなく、広い視点でさまざまな業界まで研究しましょう。

インターンシップへ参加

卒論や研究など、理系学生は卒業間近まで忙しい日々が続きます。しかし、インターンシップへの参加は重要です。社内の様子を直接観察できるので、自分が本当に就きたい職業に近いものなのか、社内の雰囲気は自分に合っているのかなどが確認できます。入社後のミスマッチは大きなロスにつながります。

なりたい職業がないと悩んだとき

理系出身だからと必ずしも理系の職業に就職しなければいけないわけではありません。なりたい職業がないときは、視点を変える工夫をしてみましょう。

文系職業の中にある理系が活かせる職種

たとえば営業職の場合、理系の思考であればデータを基にした、文系とは異なるアプローチができます。デザイン関連でも総合職でも同様の視点の違いを発揮できるでしょう。効率的な業務の提案は、論理的思考力や課題解決能力が活かせる場面といえます。文系職業の中にあって、理系の特技や知識・技術を活かせる場面は多々あります。

まとめ

理系は幅広い分野があり、専門知識や技術を取得した人材も多いです。そこで取得した知識を活かす場合も、新たな分野に踏み出す場合も、自分が習得したものを活かせる職場は必ずあります。
この記事を参考に、しっかりと自分と向き合い職業選択に活かしてください。

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