プロンプトエンジニアとは?仕事内容・必要なスキルを解説!
はじめに
- プロンプトエンジニアとは生成AIが適切な解答を出力するように指示を出す職業である
- AIシステムが急速に進化・普及している今、プロンプトエンジニアの需要も高まっている
- プロンプトエンジニアはプロンプトの開発だけでなくAIモデルの分析も行う
- プロンプトエンジニアになるにはプログラミングのスキルも必要である
- 言語化力や文章力といった文系のスキルも役に立つ
プロンプトエンジニアとは
プロンプトエンジニアとは、ChatGPTをはじめとした生成AIを活用する際に、生成されるコンテンツのクオリティを上げるために重要な役割を果たす技術者です。生成AIの登場とともに生まれた新しい職業であり、各方面から注目を集めています。
プロンプトとは
生成AIが目的を果たすように入力される質問や指示をプロンプトといいます。プロンプトはプログラミング言語ではなく日本語や英語など、普段使われている言語で作成します。プロンプトによって生成されるコンテンツの内容やクオリティが大きく異なってくるため、プロンプトは生成AIを活用するために重要です。
プロンプトエンジニアリングとは
プロンプトエンジニアリングはAIに意図したタスクを実行させるために、最適なプロンプトを設定・開発する技術やスキル、また新しい学問分野のことです。人間を模倣しようとする生成AIに、より質の高い応答を出力するように誘導する重要な役割を果たします。
プロンプトエンジニアが注目される理由
なぜ今プロンプトエンジニアが注目されているのでしょうか。以下でその理由を解説していきます。
生成AIツール・サービスの普及
生成AIツールやサービスが近年、急速に発展しています。総務省の統計を見ても、AIの市場規模は世界的な拡大が予測されています。拡大を続けるAI市場において、AIを活用した業務効率化を図るためにも、プロンプトエンジニアは重要な職業です。
出典:総務省|「令和5年度版情報通信白書」
日々進化するAIシステム
たとえばOpenAI社のChatGPTは2022年11月に初めて公開されましたが、当初は情報の正確性をはじめ、いくつかの課題がありました。その後アップデートを重ね問題点が改善され、画像生成やAIのカスタマイズが可能になるなど、短期間のうちに新機能が続々と登場しています。
プロンプトエンジニアの仕事内容
プロンプトエンジニアの仕事内容とはいったいどのようなものなのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
プロンプトの設計・開発
プロンプトエンジニアのメインとなる仕事は、AIを利用して目的を達成するために適切なプロンプトを開発することです。顧客が求めているコンテンツを生成するために、AIが理解しやすい形のプロンプトを設計します。
AIモデルの分析
独自のAIモデルを開発している企業では、AIモデルの分析もプロンプトエンジニアが担います。AIモデルとは生成AIの頭脳のことです。AIモデルにさまざまなプロンプトを入力し、回答の分析、トレーニングを行います。たんにAIへインプットするだけでなく、アウトプットするAIそのものの最適化が必要です。
プロンプトのメンテナンス
プロンプトは開発してそれで終わりではありません。開発したプロンプトをもとに、どのような生成が行われたかを検証してプロンプトの改善や最適化を行います。
プロンプトエンジニアに求められる技術
プロンプトエンジニアになるにはどのようなスキルが必要なのか、以下で解説して行きます。
プロンプトエンジニアになるのに必要な資格
プロンプトエンジニアになるために必須の資格はとくにありませんが、次のようなAIに関する資格を持っていると就職や転職に有利に働くでしょう。
・AI実装検定
・基本情報技術者試験
・Python3エンジニア認定基礎試験
AIシステムについての知識
プロンプトエンジニアには、生成AIがどのような仕組みなのか、基本的な知識が必要です。また、AIシステムにはどのような種類があり、それぞれどのような特徴を持っているのかなど、幅広く知っておく必要があります。
自然言語処理の知識
自然言語処理とは、コンピュータが人間の言葉を理解する仕組みのことです。これをきちんと把握することで効果的なプロンプトを開発できます。
プログラミングスキル
プロンプトそのものはノーコードですが、AIモデルの開発を行うにはPythonをはじめとするプログラミング言語が必要になります。AIにコードを生成させることもできるので、プロンプトの開発や検証のためにもプログラミングスキルは必要でしょう。
言語化力・文章力
AIを適切なプロンプトで誘導するには、指示や質問を言語化する能力と文章力が必要です。日頃から文章を読み書きする習慣を身につけましょう。
創造力
さまざまなタスクを実行するための最適なプロンプトを設計するためには、常識にとらわれない柔軟な創造力が必要になる場面もあります。AIとの対話であるプロンプトの開発にはクリエイティブな一面があるといえます。
プロンプロエンジニアに向いている人とは
どのようなタイプの人がプロンプトエンジニアに向いているのか、次で解説していきます。
新しいものに興味がある
プロンプトエンジニアリングは新しい技術です。またAIそのものが日々進化を遂げているため、情報のアンテナを張り巡らせ、新しいものを常に取り入れていく姿勢の人が向いています。
コミュニケーション能力が高い
顧客との円滑なコミュニケーションでニーズを的確に把握し、プロンプト開発につなげる能力が求められます。また、プロンプト開発はAIとの対話であり、一種のコミュニケーションともいえます。
プロンプトエンジニアになる方法
プロンプトエンジニアになるにはどのような方法があるのか、以下で紹介します。
自然言語処理・プログラミングスキルを身につける
自然言語処理やプログラミングスキルを身につけましょう。書籍や学習用のwebサイトやアプリ、オンラインスクールといった手段があります。予算や学び方など、自分に合った方法を選びましょう。
プロンプトを開発してみる
各種AIツールを利用してプロンプトを実際に開発してみましょう。「習うより慣れよ」という言葉があるように、実践こそが習得の近道です。また、いろいろなAIツールに触れることで各ツールの特徴を把握するのも大切です。
ポートフォリオを作成する
実際にプロンプトを開発してみて成果物がある程度たまってきたら、ポートフォリオにまとめましょう。クライアントのいない作品であってもポートフォリオとして提出できます。
プロンプトエンジニアの将来性
プロンプトエンジニアは新しい職業のため、将来性はどうなのかも気になるところです。以下で解説していきます。
AI業界を支える職業
ITをはじめとする多くのビジネスにおいて、AIは重要な役割を果たします。とくに労働力不足が問題となっている日本では、AIを使って作業効率をいかに上げていくかが企業成長のポイントになっています。プロンプトエンジニアの需要は今後ますます高まるでしょう。
プロンプトエンジニアのキャリアパス
プロンプトエンジニアのキャリアパスにはAIを活用したシステム開発者であるAIエンジニア や、データ分析の結果をビジネス戦略の策定に役立てるデータサイエンティストなどがあります。将来的にこれらの職種を目指す場合、プロンプトエンジニアとして働きながら必要なスキルを身につけ、キャリアを積んでいくことも重要です。
まとめ
新しい市場として注目されているAI業界ですが、そのなかでも重要な役割を果たすのがプロンプトエンジニアです。技術力だけでなく発想力や文章力が問われるユニークな職種であり、魅力を感じる人も少なくないのではないでしょうか。必須の資格はなく、何より時代の最先端を行く仕事ですから、就職や転職に際して選択肢の一つとして考えてみるのもよいでしょう。