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従業員持株制度・持株会とは?メリット・仕組みを徹底解説

date2024年05月28日
従業員持株制度・持株会とは?メリット・仕組みを徹底解説
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はじめに

  • 持株会に加入すると自社株を少額から積み立てできる
  • 持株会では給与天引きでお金を集めて株式をまとめて購入し、拠出金に応じて配分する
  • 奨励金によって拠出金の5~10%が上乗せされる場合がある
  • 他の投資と並行して行い、リスク分散するのが望ましい

持ち株会とは?

持株会とは、従業員が自社株(所属している企業の株式)を共同で購入するための仕組みです。持株会を通じて自社株の積み立て購入する仕組みを従業員持株制度といい、福利厚生の一環として持株会を採用している企業も多いです。
少額から無理なく積み立てできるため、中長期的な資産運用を検討している方におすすめの投資モデルといえるでしょう。

持株会の仕組み

持株会の仕組み01

持株会の仕組みは、以下の流れが一般的です。

  1. 持株会に所属する従業員の給与から天引きする形でお金を集める
  2. 持株会名義で自社株を購入する
  3. 買い付けた株式を拠出金に応じて配分する
持株会の仕組み02

持株会で自社株を購入したとき、奨励金として拠出金の5~10%が上乗せされます。
たとえば拠出金が1万円で報奨金が10%の場合、毎月1万1000円分の自社株を積み立てる計算になります。

持株会に加入するメリット

持株会を通じて自社株を積み立てると、さまざまなメリットを得られます。
持株会に加入した方がいいのか悩んでいる方は、以下の解説を参考にしてみてください。

奨励金がある

「持株会の仕組み」で解説したように、持株会経由で購入した場合、拠出額の数%分にあたる自社株を上乗せしてもらえます。奨励金は持株会だけの特典で、個人名義で自社株を購入したときには付与されません。
同じ額の自社株を購入したとき、持株会を通じて積み立てた方が奨励金で上乗せされる分があるので最終的に得られる株式が多くなります。

少額から株式を購入でき、中長期的な資産形成ができる

少額から株式購入が可能な点も持株会に加入するメリットのひとつです。
2018年10月1日以降、全国の取引所で株式の売買単位が100株で1単元と統一されました。1株あたりの額が大きいと投資する際にまとまった額が必要となるため、人気の銘柄は手を出しにくいのが現状です。
しかし、持株会なら1株から自社株を購入できます。自社株を少額から積み立て購入して、中長期的な資産形成が可能となります。

インサイダー取引の適用外である

インサイダー取引とは、企業関係者が株価に影響を与える情報を知りながら自社株式の売買を行うことで、金融商品取引法で規制されています。
持株会での自社株購入は定期的な買い付けであるため、インサイダー取引の規制適用外です。
ただし、未発表の重要情報を知りながら持株会の拠出額を増加したり新規加入を行ったりした場合、インサイダー取引とみなされるケースもあるので注意しましょう。

従業員持株会に加入するデメリット

持株会は魅力的な部分も複数ある一方で、デメリットも存在します。
自身の投資スタイルによっては持株会に加入しない方がいい場合もあります。
どのようなデメリットがあるのかチェックしておきましょう。

株主優待を受けられない

株主優待は、一定数以上の株式を保有する株主に対して、商品やサービスを提供する制度です。飲食店の割引や遊園地の優待券、自社ブランドの限定品といった魅力的な株主優待を目的に株式投資する人も珍しくありません。
しかし、持株会を通じて購入した場合は株主優待を受けられません。これは自社株を持株会の名義で買い付け・保有しているため、株主優待の対象外になるからです。

売却に時間がかかる

持株会を通じて購入した株式を売却したい場合、持株会から個人口座に振り替える手続きを行うので、個人口座を開設する必要があります。さらに100株(1単元)未満の自社株を現金化したい場合は、自社に解約依頼をして株を買い取ってもらわなくてはなりません。
購入した自社株を即時売却したい方には向いていない資産運用スタイルといえるでしょう。
一度解約すると再加入するのに一定期間をあける必要がある、もしくは持株会への再加入が不可のケースもあります。解約は慎重に行いましょう。

業績悪化時のリスクが高い

株式価値は、企業の業績や時流によって変動します。業績が悪化すると、積み立ててきた自社株の価値も下落してしまいます。もしも勤め先の企業が倒産してしまったら、収入源と資産を同時に失ってしまうリスクがあると念頭に置く必要があるでしょう。
収入と資産形成を勤務先企業へ依存する形になるため、持株はデメリットだという考え方もあります。貯蓄や他の投資と並行して運用し、リスク分散をするのが望ましいでしょう。

持株会の注意点

持株会で注意したいポイントを2つ紹介します。
持株は企業に所属する従業員へ向けた制度なので、M&A実施時や退職時には扱いが変わります。

M&A(企業の合併買収)が実施されるとき持株会はどうなる?

M&A(企業の合併買収)実施の場合、持株会が保有する株式は譲渡企業(買収先)へ売却され、持株会所属の従業員へ対価が分配されます。
一般的に持株会は組合という組織形態を取っていて、株式売却する場合は会員全員の同意を得るか、持株会を解散して清算手続きを取る必要があります。

転職・退職時に持株はどうなる?

持株会は企業に所属する従業員に向けた制度なので、退職時には退会処理をしなくてはなりません。ただし、保有した株式を即時売却せずに継続して運用することも可能です。
「売却に時間がかかる」の項目で解説したように、持株会を通じて得た自社株を個人口座へ移すには手続きが必要になります。転職・退職するにあたって保有した株式を少しでも良いタイミングで売却したいと考えているなら、早めに手続きを進めておきましょう。

まとめ

持株会を通じて自社株を積み立て購入すれば、働きながら無理なく中長期的な資産形成が可能となります。奨励金が付くため、個人で購入するよりもお得に自社株を運用できるところも持株会へ加入するメリットのひとつです。
しかし、勤務先企業の業績によっては、収入と資産を同時に失ってしまうリスクもあります。持株だけに頼らず、貯蓄やその他の投資と並行して資産運用をしていくのが望ましいでしょう。

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