内定辞退したけどやっぱり行きたい|撤回・交渉方法を解説
はじめに
- 内定辞退の撤回が可能かどうかは、そのときの状況や企業次第
- 採用予定人数に達していなければ、内定辞退の撤回を交渉できる場合がある
- 交渉は内定辞退後1週間以内が望ましい
- 内定辞退の撤回を受け入れてくれやすいのは、小規模企業といわれている
- 応募者が多い企業や求人倍率が高い企業は、内定辞退の撤回が難しい
内定辞退の撤回は可能?
内定辞退した企業に対して、「やっぱり行きたい」と考えることはあるかもしれません。企業の方針次第では断られるケースもありますが、採用予定人数に達していなければ交渉できる場合があります。
また、内定辞退の撤回を申し出る場合は、できるだけ早めに行いましょう。具体的には、内定辞退後1週間以内が望ましいです。
新卒採用の場合は後から辞退する内定者が多いため、すでに採用予定人数に達していても、内定者枠に空きが出た場合は連絡をもらえるかどうかを伺ってみてもいいでしょう。
内定辞退の撤回を受け入れてもらいやすい企業の特徴
小規模企業は大企業ほど倍率が高くないので、内定辞退の撤回を受け入れてくれやすいといわれています。
また、小規模企業に限らず採用枠が多い企業は採用目標人数に到達していない可能性があるため、内定辞退の撤回を受け入れてくれるケースがあります。
反対に、応募者が多い大手企業や求人倍率の高い企業を内定辞退した場合は撤回が難しいかもしれません。
他には、通常の内定者枠より多めに内定を出している企業も同様です。基本的にこれらの企業は、一度内定辞退した方を再度受け入れる必要がないからです。
内定辞退の撤回を申し入れる際のポイント
以下から、内定辞退の撤回を申し入れる際のポイントについてご紹介します。
誠意を持って謝罪する
内定辞退した時点で企業側は別の人員を探すための手間や資金がかかっています。
内定辞退の撤回は採用担当者の都合や状況をかき回す行為ですので、申し出る際は誠意を持って謝罪しましょう。
また、再度採用の可否を検討する時間も本来であれば必要なかった時間です。時間を取っていただいたことへの謝罪とお礼もきちんと述べましょう。
内定辞退を撤回してほしい理由を正直に話す
内定辞退の撤回を申し出るに至った経緯や理由は、正直に話しましょう。嘘をついてバレた場合は、不採用になる可能性が高いです。
とくに、内定辞退した時点でその企業とは一度縁が切れています。企業と信頼関係を再構築できるように、誠実な対応を心がけましょう。
他人のせいにしないように気を付ける
正直に理由を話すことは大切ですが、他人のせいにしないように気を付けましょう。たとえば、「家族にいわれたから内定辞退を撤回する」という理由では、「社会人として頼りなく無責任な人」という印象を採用担当者に与えかねません。
あくまでも「自分が○○と考えて△△と判断した結果、内定辞退を撤回するに至った」というように企業側が納得できる説明を行いましょう。
内定辞退撤回の交渉方法
内定辞退を撤回してもらう際は、メールよりも電話の方が丁寧です。また、メールで一報入れてから電話で交渉する方が企業も時間を設けやすいためオススメです。
メールの例文
以下から、内定辞退の撤回を申し入れる際に使えるメールの例文をご紹介します。
まず、電話をかける前にメールで時間を取ってもらえないかどうかを伺います。
メールの例文
件名:内定辞退の取り消しのお願い|◯◯大学 静楽 太郎
株式会社◯◯
人事部 ◯◯様
突然のご連絡失礼いたします。
先日貴社の選考に参加して、一度内定をいただいた静楽 太郎(せらく たろう)と申します。
先日内定を辞退したばかりで大変申し上げにくいのですが、内定辞退の取り消しが可能かどうかをご相談したく、ご連絡いたしました。
詳細な理由とお詫びに関してはお電話でお伝えしたいため、お時間を取っていただけますでしょうか。
こちらの都合で申し訳ございませんが、ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
………………
◯◯大学◯◯学部◯◯学科
静楽 太郎(せらく たろう)
×××@123.com
電話の例文
以下から、内定辞退の撤回を申し入れる際に使える電話でのやりとりを例文でご紹介します。
電話の例文
お世話になっております。
先ほどメールいたしました静楽 太郎(せらく たろう)と申します。
メールでお伝えしたとおり、内定辞退の取り消しが可能かどうかをご相談したく、ご連絡いたしました。
担当者さまにお繋ぎいただきたいのですが、今、大丈夫でしょうか。
ケース1:担当者が対応できない・不在などの場合
お忙しいところ大変申し訳ございません。
のちほど、あらためてご連絡いたしますのでご都合のよい日時をお教えいただけますか。
ケース2:担当者に取りついでもらえた場合
お世話になっております。
先ほどメールいたしました静楽 太郎(せらく たろう)と申します。
この度は、お時間をいただきありがとうございます。
メールでお伝えしたとおり、内定辞退の取り消しが可能かどうかをご相談したく、ご連絡いたしました。
御社の内定を辞退した理由は、一度他の企業へ内定を決めたからです。
しかし、内定辞退後に私のやりたいことは御社でしか実現できないと気づきました。
私は△△分野を専攻していたのですが、こちらの地域で△△分野に直結する◯◯開発は御社しか行っていないことを後から知ったためです。
私の勉強不足で大変申し訳ないです。
誠に勝手なお願いで恐縮ですが、もし、御社から再度内定をいただけるのであれば御社の期待に応えられるよう、誠心誠意努めてまいります。
ご迷惑をおかけしますが、今一度ご検討いただけないでしょうか。
何卒よろしくお願い申し上げます。
※相手とのやり取りを終えて電話を切る
内定辞退の撤回に関する疑問
以下から、内定辞退の撤回に関する疑問についてご紹介します。
そもそも内定辞退の意思を企業に伝えないのはあり?
内定辞退の連絡をしないのはマナー違反です。複数企業から内々定や内定が出た場合、入社しない企業には早めに辞退する旨を伝えましょう。
また、内定後に雇用契約を交わした場合は、辞退のタイミングや理由次第で雇用契約の契約不履行になる可能性があります。
たとえば、入社日(出勤日)より2週間を切ったタイミングでの内定辞退は注意が必要です。仮に3月20日に内定辞退した企業の入社日が4月1日だった場合、雇用契約が解消されるのは4月3日になり、入社日以降になります。もし、企業側に不利益が生じれば、「契約違反」とみなされて、訴えられる可能性があるので注意しましょう。
内定辞退した企業に再応募するのはあり?
内定辞退の撤回を申し出るのではなく、内定辞退した企業に再応募できるかどうか気になる方もいるでしょう。結論から述べると、内定辞退した企業への再応募は可能です。
ただし、内定辞退後一定期間は再応募を受け付けない企業がありますので、採用規定を企業に確認することをオススメします。
内定辞退の撤回とは異なり、内定辞退した企業への再応募はゼロからのスタートになります。志望動機や自己PRは練り直しておき、前回の応募書類は使い回さないようにしましょう。
また、前回辞退したポジションはすでに埋まっている可能性が高いので、求人サイトや企業のホームページなどで確認してから応募しましょう。
まとめ
内定辞退した企業に対して、「やっぱり行きたい」と考える背景には、「内定ブルー」が関与している場合もあります。内定ブルーとは、企業へ入社が内定しているものの、本当に決断が正しかったかどうか迷いが生じることです。
内定辞退の撤回が可能かどうかは、そのときの状況や企業次第ですので、運の要素が強いといえます。
自身の決断に迷いが生じることや、選択を間違えたと悔やむことは誰しもあるでしょう。しかし、仮にファーストキャリアが望む通りにならなくても、転職や起業など自分の道を選びなおす方法は複数ありますので、落ち込みすぎないことが大切です。