最終面接後のお礼メールは必要?不要?書き方と例文を解説
はじめに
- 面接後のお礼メールには印象や信頼性といったビジネスマナー上でも重要な意味がある
- お礼のメールは面接後その日のうちか遅くとも翌日のお昼までに送る
- 件名には面接日時と氏名を書き添え本文は簡潔な内容を心がける
- 送る相手の役職や肩書は省略せずに正式名称で書く
- 書き上がったら送信前に必ず見直しを行う
新卒・転職ともに、面接後のお礼メールを送るべきか否か、送るのならどのような内容にすべきか悩む人も多いでしょう。そこで本稿では、お礼メールがもつ意味や好印象につながる書き方のポイントを、例文とあわせて解説します。
最終面接のお礼メールは必要か?
面接後のお礼メールは、必須ではなく、合否の直接的な判定材料にはなりません。それでも多くの人がビジネス上のマナーとして、面接後のお礼メールを送っています。この項目では、お礼のメールは必要なものと位置づけ、その意味や送るタイミングなどを解説します。
ビジネスマナーとして重要な意味がある
ルール的に必須ではないとはいえ社会人のマナーとしては、お礼や感謝の気持ちは伝えておきたいところです。お礼のメールには感謝の気持ちを示せることや、きちんとしたレスポンスが取れることを伝えるなど、単なる印象だけでなくビジネスマナーのうえでも重要な意味が伴います。
また面接のお礼メールを送る場面は最終面接に限りません。担当者が明確であれば一次面接からお礼メールを出した方が、早い段階から熱意を伝えられるメリットがあります。
最後の一押しになる場合もある
お礼のメールは評価の点数がつくものではありません。しかし、お礼のメールに早さや正確性が伴い、丁寧に述べられる人には誰でもよい印象をもつでしょう。反対にお礼のメールが遅かったり、不正確であったりすれば誰にとってもよい印象になりません。
このように、お礼のメールが企業側にとって採否における最後の一押しになり得ることも覚えておきましょう。お礼メールの内容については次の項目でより詳しく解説します。
お礼メールを書く前のポイント
ここまでにお礼のメールには発信者の印象が伴うことを解説しました。この項目では、お礼メールを書く前のポイントについて解説します。
お礼メールを送るタイミング
お礼のメールは面接後できるだけ早く送りましょう。相手が確認する時間やタイミングのことも考えて、休日や深夜の送信にならないようにします。目安としてはその日の営業時間のうちか、遅くとも翌日のお昼までに出しましょう。
手紙でもかまわない
お礼のメールは、はがきや手紙を使ってもかまいません。丁寧に書かれた手書きの文面であれば、より丁寧に感謝や熱意を伝えられるでしょう。もし機密的な内容が含まれるのなら手紙にしてください。ただし、お礼のメールには迅速さも必要ですので、手紙やはがきの場合は面接日当日の消印が付くうちに送りましょう。2024年4月現在、普通郵便は翌日配達のサービスがなくなりましたので、郵便局で到着日を確認するとより確実です。
お礼メールの書き方
お礼のメールでは面接への感謝を第一に、個人的な連絡や質問などの余計な情報は挟まず、簡潔な内容にまとめてください。この項目では、お礼メールの書き方について解説します。
わかりやすい件名にする
件名は具体的でわかりやすいものにしましょう。企業側の選考名に従って「最終面接のお礼」や「役員選考のお礼」とし、また受け取る人が同名のメールで混乱しないよう、件名に面接の日時と自分の氏名も明記してください。
宛名は正式名称で書く
宛名は正式名称で記載します。法人格も(株)などと略さず株式会社とし、部署名と役職名、担当者名も省略せずに書きましょう。もし担当者が複数いた場合は、最も役職の高い人を代表とし、他の面接官はCCに入れます。担当者以外の面接官の連絡先がわからない場合は「みなさまにもよろしくお伝えください」といった文を末尾に書き添えてください。
署名も正確に記載する
自分の氏名や連絡先、就活生の場合は大学名・学部・学科名などの情報を末尾に記載します。これを署名といい、サインや名刺のような役割を果たします。長くなっても正確な内容で、第三者が見ても確実に連絡が取れる連絡先を記入してください。
署名はメールの末尾に書きますが、誰からのメールかわかりやすくするために、本文にも氏名を入れるようにしましょう。
本文には熱意と抱負も盛り込む
本文には個人的な連絡や質問などを挟まず、簡潔に感謝の気持ちを伝えてください。内容は「お礼・熱意と抱負・お礼のまとめ」の順に書きます。熱意と抱負の部分では、面接内の話題や逆質問した内容などに触れることで、面接内容を意識した抱負にできます。
メールの作成では慎重に作業できるよう、下書きのファイルは分けておくことをオススメします。また書き上げてもすぐには送信せず、必ず見直しの時間を設けてください。
お礼メールの例文
これまでの解説を踏まえた内容で、お礼メールの例文を用意しました。
IT企業向け
-
件名:○月○日○時 最終面接のお礼 (あなたのフルネーム)
株式会社○○○○
人事部 ○○○○様
お世話になっております。
本日、最終面接の機会を頂いた○○○○と申します。
この度は貴重な最終面接の機会をいただき、誠にありがとうございました。また本日は○○(採用担当者の名前)様をはじめとする皆様にお会いでき、たいへん光栄でした。
面接を通じて、貴社の革新的な技術と前向きな社風を更に理解できました。特に○○(面接中に話した具体的なプロジェクト名や技術)の話は、私の学んできた○○(関連する学問やスキル)を活かせる絶好の機会と感じております。
選考の結果に関わらず、今日の面接が私の成長にとって非常に有意義なものであったことを感謝しております。
最後になりましたが、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
敬具
○○○○(あなたのフルネーム)
○○大学 ○○学部 ○○学科
メールアドレス:(あなたのメールアドレス)
電話番号:(あなたの電話番号)
コンサル業界向け
-
件名:○月○日○時 最終面接のお礼 (あなたのフルネーム)
株式会社○○○○
人事部 ○○○○様
お世話になっております。
本日、最終面接の機会を頂いた○○○○と申します。
この度は最終面接の機会を賜り、誠にありがとうございました。また○○(採用担当者の名前)様からは、貴社のビジョンとコンサルティングへの深い洞察をお聞きでき、たいへん勉強になりました。
面接では、貴社が持続可能な成果を第一に考える点と、それを支える力強いチームワークについてもお聞きでき、いっそう関心が深まりました。
特に○○(面接中に話した特定の案件や業界)の分野では、ぜひ私が大学で学んだ○○(学問やスキル)を活かして業務にあたり、利益に貢献したいと考えております。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
最後になりますが、貴社のご発展をお祈りいたします。
敬具
○○○○(あなたのフルネーム)
○○大学 ○○学部 ○○学科
メールアドレス:(あなたのメールアドレス)
電話番号:(あなたの電話番号)
送信前のチェックリスト
誤字や脱字、連絡先の誤りなどがないよう、送信前には必ず見直しのタイミングを設けましょう。これまでのポイントを振り返って、チェックすべき事柄を以下の表にまとめました。また見直しの間に誤送信しないよう、相手のアドレスは最後に入力するとよいでしょう。
送信前のチェックリスト | |
---|---|
宛先の内容 | ToやCCに入れるメールアドレスに誤りはないか(誤送信しないようアドレスの記入は最後にする) |
メールの件名 | 件名に「○○面接/○○選考のお礼、面接日時、氏名」を明記しているか |
相手の宛名 | 面接担当者の役職や肩書は正式名称になっているか |
本文の内容 | 誤字脱字はないか・すぐに読める簡潔な内容になっているか・ 文字数や改行、お礼と熱意のバランスは適切かを確認する |
署名(自分の連絡先) | 署名に間違いはないか、記載した連絡先は必ず連絡がつく内容になっているか |
プレーンテキストになっているか | 送信するメールがHTMLファイルになっていないか、特殊記号や機種依存文字などがないか |
まとめ
面接後のお礼メールは、必須ではありませんが、それでも多くの人がビジネス上のマナーとして、お礼のメールを送っています。本稿ではお礼のメールは必要なものと位置づけ、好印象につながるポイントとあわせて解説しました。
最終面接ともなれば、企業の代表や取締役クラスが面接官を務めることも多くなります。お礼のメールでは感謝の気持ちを第一に、面接内の話題とあわせて企業理念や社風への共感を伝えられると好印象につながるでしょう。
最終面接まで到達したことに自信をもって、お礼メールを通じてぜひ感謝と熱意を伝え、内定への最後の一押しにしてください。