エントリーシートと履歴書の違い?自己PRの書き方など紹介
はじめに
- エントリーシートと履歴書の違いは、利用目的と用途にあるため取得方法や提出時期も異なる
- エントリーシートは、選考時に使用され企業が知りたい就活生の情報を収集するため、企業が用意したエントリーシートに記載する
- 履歴書は、就活生から企業に伝えるべき内容を記載するため、履歴書の準備は就活生自身で行う
- エントリーシートと履歴書の内容は同じでもよいが、エントリーシートは詳細に・履歴書は簡潔にまとめることを意識する
- 書き方のポイントは、エントリーシートは自己PRを軸に、履歴書は自分の経歴を軸にする
就活時にエントリーシートの提出を求められることが常となりました。エントリーシートと履歴書は似た書類で、どこが違うのか疑問に思う方もあるでしょう。実は大きな違いがあります。正しく使い分けて、就活を有利に進めましょう。
エントリーシート(es)と履歴書の違いとは
エントリーシートと履歴書の大きな違いは利用目的です。提出時期や入手方法などとあわせて見ていきましょう。
エントリーシートの目的と適応場面・提出時期
まず、エントリーシートの利用目的は、書類選考や面接などの採用に利用されます。企業が採用したい人物像を選別しやすいように、企業独自の形式のものを利用するため、入手先は志望企業になります。
エントリーシート | |
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目的 | 入社後の未来へつながる意欲と適性を証明 |
適応場面 | 採用に必要な参考資料 書類選考や面接において、主に参考とする |
提出時期 | 応募時・選考前 |
入手方法 | 【企業から入手】 会社説明会で配布される 採用ページからダウンロードして取得する |
履歴書の目的と適応場面・提出時期
履歴書は採用のためだけでなく、入社後にも大きな役割があります。入社後社員の個人情報を保管するための、公的資料という認識です。ここがエントリーシートとの違いで、正確な情報の提供が目的となります。さらに、選考に向けたアピールも記載するので、履歴書の情報量は大きいといえるでしょう。
履歴書 | |
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目的 | 過去から現在に至るプロフィールを明記 |
適応場面 | 入社後に必要な公的資料 入社後も従業員のデータとして保管される (履歴書のみ提出する場合は選考資料になる) |
提出時期 | 応募時・面接前・入社後 |
入手方法 | 【自分で入手】 市販のもの・大学で用意したものなどを購入する 厚生労働省「履歴書様式例」をダウンロードする |
参考:厚生労働省|厚生労働省が新たに作成した「履歴書様式例」を掲載しました。
エントリーシート(es)と履歴書に記載すべき内容の目的と傾向
利用目的が異なるということは、記載すべき内容や目的も変わります。以下で詳しく見ていきましょう。
エントリーシートの記載内容
選考に利用されるエントリーシートには、就職できたら志望企業でどのように活躍できるかの、見える化が重要です。志望動機や自己PRで人柄や思考傾向・意欲を伝えることはもちろんのこと、企業独自の質問もあるので、意図を理解したアピールが必要です。
エントリーシート | |
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記載目的 | 選考を突破するためのアピール |
傾向 | ・入社後のビジョンをアピール ・内面や人柄・意欲を伝える |
記載内容 | 企業が就活生について知りたいことを記載 【企業独自の質問項目】 【志望動機】【自己PR】【ガクチカ】 |
履歴書の記載内容
履歴書では、これまで培ってきた自分自身を明確にします。正確な情報を伝えるように意識しましょう。プロフィールと学歴や資格などで現状をアピールし、経験や実績などで人物像を伝えます。履歴書のみの提出では、選考資料となりますので、ガクチカから志望動機・自己PRも重要になります。
履歴書 | |
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記載目的 | 正確な情報で入社後資料を意識する |
傾向 | ・学歴、資格など現状をアピール ・人物像を伝える |
記載内容 | 学生から企業に伝えるべきことを記載 プロフィール:正式名称で記載 (氏名・住所・連絡先・生年月日・学歴) ・志望動機・自己PR・長所短所 ・資格・趣味特技 |
エントリーシーと 履歴書の内容は同じでもよい?
エピソードに関しては、同じ内容になることも多いでしょう。問題はありませんが、ひと工夫が必要です。
たとえば、エントリーシートに詳細までをきめ細かに記載し、履歴書にはエントリーシートの内容を簡潔に要約した内容を記載します。こうすることで、それぞれの目的に合わせた書き分けができます。
また、別のエピソードを記載する場合は、同じ方向性のアピールができるようにしましょう。たとえば、「バイトでチームリーダーをしていた」と「部活でキャプテンをしていた」、この2つならリーダーシップのアピールになります。
エントリーシートと履歴書を両方提出する場合は?
エントリーシートと履歴書を両方提出する場合は、明確に書き分けてよいでしょう。履歴書には、プロフィールを中心とした、企業に伝えるべき情報を正確に記載します。エントリーシートは、採用対策を中心に、自分のアピールする内容を具体的かつ理路整然と記載し、企業側が知りたい情報を的確に回答するのがポイントです。
パソコン(PC)と手書きどちらでもよい!それぞれの注意点
エントリーシートも履歴書も、「履歴書は手書きで作成してください」と企業からの指示がない限り、パソコン作成でも手書きでもどちらでもよいです。それぞれの注意点も確認しましょう。
パソコン(PC)で作成する場合
- 【パソコン作成時の注意点】
- フォントやフォントサイズを統一する
- 変換ミスに注意する
- WordやExcelはPDFに変換する(企業の指示に従う)
- 日付は、送信する日を記載する
パソコンのみならずスマホでもエントリーシートや履歴書の作成ができます。注意点は上記の通りです。コピーを残しておいて、次回利用の参考にしましょう。ただし、他の企業に提出する場合、そのまま使いまわすのは避けましょう。志望動機や自己PRは応募企業ごとに異なってしかりです。
手書きで作成する場合
- 【手書き作成時の注意点】
- 黒ボールペンを使用する
- 誤字・脱字をチェックする
- 修正液・修正テープは使用しない
- 消せるボールペンは使用しない
- 日付は、投函日もしくは手渡し日を記載する
手書きの場合の注意点は上記の通りです。採用担当者が読みやすいように、文字は小さすぎず、文字数も多すぎないように、内容を簡潔にまとめて記載しましょう。失敗したときの書き直し用に、コピーして複数枚用意しておきましょう。
エントリーシート(es)や履歴書の作成前に準備すること
エントリーシートや履歴書を記載する前に、自分自身と志望企業を知ることが重要です。自分の長所短所を把握することで、どのようなことができるのか、志望企業はそれを活かせる場所なのかを知るために、以下のことを実施しましょう。
自己分析
自己分析により、自分の長所短所や思考傾向を正しく理解することで、アピールできることの方向性を知ることが可能です。自己分析とは自分の強みを導き出す重要なプロセスといえます。難しく考えずに、過去の自分を振り返り書き出していく中で、なぜその行動を起こしたのだろう?苦労したことやそこから得られたものは何だろう?と深掘りしながら、自分の強みを見つけていくことです。
企業研究
企業研究により、企業の社風や企業理念だけでなく、安定性や成長傾向なども調査します。その中で、なぜその企業に入社したいのか、その企業で何をしたいのか・できるのかを確認します。
また、企業がどのような人材を求めているのかも把握することで、自分がその企業にとって有用な人材であると、アピールすべきポイントを理解できるでしょう。
エントリーシート(es)と履歴書の書き方
エントリーシートと履歴書の書き方と注意点について解説します。使用目的や用途に応じて注力する点が異なりますので、区別して書き分けましょう。
エントリーシートは自己PRで採用対策
エントリーシートは、採用時に利用される書類ですので、最大限の自己PRで採用対策を講じます。具体的なエピソードを交えて説得力をもたせ、選考突破を目指しましょう。自己PRの書き方のポイントは以下の通りです。
- 自己PRは具体的な経験や実績から得た自分の強み
- 自分の一番のPRポイントを簡潔に述べる
- そのPRポイントの背景を簡潔に述べる
- わかりやすい表現で記載する
企業の求める質問の意図を考える
エントリーシートには、企業独自の質問もあります。自分をアピールするだけでなく、企業の求める人物像がどのような人材かを理解して回答する必要があります。質問の意図がどこにあるのかを考えて、意図に添った内容を選びましょう。
- 企業が求める質問の意図
- 志望度の高さ
- 社風や企業方針との相性
- 性格や人柄
- 自社で活かせる強みの有無
- 困難への向き合い方
- 仕事への意欲
また、デザイン関係の業種では課題にそって絵を描いたり、広告関係の業種ではキャッチコピーを考えたりと、オリジナリティにあふれた質問もあります。
履歴書は自分の経歴を明記
履歴書は自分が培ってきた経歴やスキル・取得した資格などを、正式名称で記載し、現在の自分を正確に伝える書類です。
履歴書のみを提出する場合は、志望動機や自己PRも重要で、経験したことやガクチカなどの詳細エピソードを交えながら採用対策も必要になります。企業側の着目点がどこにあるかわからないので、趣味や特技の欄も、手を抜かず記載しましょう。
共通する書き方と注意点
エントリーシートと履歴書の両方に共通する書き方と注意点を解説します。就活時のみならず、ビジネスシーンでも活用できる基本的な書き方です。
紙面の読みやすさや誤字脱字に注意する
採用担当者は多くのエントリーシートや履歴書を確認しますので、見やすい紙面は目に留まりやすいです。伝えたいことが多すぎるため、小さな文字が詰め込まれた文章は読みにくいといえます。内容を吟味して簡潔にまとめ、適度な改行を入れるなどの工夫をしましょう。何度か読み返して、誤字脱字がないことも確認しましょう。
結論を先に書く「PREP法」がオススメ
PREP法とは、文章作成や面接時の回答例などを考えるときに役立つ思考法です。
「結論→理由→具体例→結論」4つのフレームワークの順番に文章を構成することで、わかりやすい文章を作成できます。
- 結論:私はチームをまとめることが得意です
- 理由:バイトでチームリーダーをしていた経験からそのように思いました
- 具体例:(エピソードを簡潔にまとめて入れる)
- 結論:このような経験からチームをまとめていけると考えました
上記の内容に少し肉付けしたら、わかりやすい文章になると想像できるでしょう。
エピソードは面接での深堀を考慮する
エントリーシートや履歴書に記載したエピソードは、面接で詳細を質問されることがあり、返答に困らない内容を選ぶ必要もあります。「なぜそう考えましたか」「なぜその行動を起こしましたか」「そのとき何が一番大変でしたか」など、体験から多くの経験や学びがないと返答に苦慮する質問もあるからです。
また、エントリーシートと履歴書で異なるエピソードを入れたいときは、アピールしたい方向性が違わないようにする必要があります。
空欄がなく各項目の8割以上をうめる
エントリーシートも履歴書も、すべての項目を必ず記載しましょう。空欄があると採用担当者は、書き落としなのか意図して書かないのか、不要な推測を余儀なくされます。これではよい評価を得られるとはいえません。また、あまり書ける内容がないからと、1行程度の簡単すぎる記載もオススメしません。どの項目も8割以上うめるように、内容を膨らませ肉付けするように工夫をしましょう。
最大のアピールは素直な自分を表現する
エントリーシートも履歴書も、優れた自分・できる自分だけをアピールするものではありません。自分のここがダメだと思っていると、言葉にできない場合も多いでしょう。しかし、自分の短所を理解していること、それをカバーするために努力したり工夫したりできることが評価ポイントになります。短所も踏まえて、志望企業でしたいこと・できること・未来の自分を素直に表現し、しっかりと伝えましょう。
まとめ
エントリーシートと履歴書は、就活における自己表現手段としては似た書類といえるでしょう。しかし、用途や目的は異なります。エントリーシートは採用対策として、履歴書は、採用対策と採用後の社員情報の保管という公的資料として、それぞれ扱われます。この違いを理解し正しく使い分けることで、選考突破を目指しましょう。