内定辞退のポイント!理由の伝え方や注意点を解説
はじめに
- 内定辞退の意思ははっきりと言葉にして伝えよう
- 内定辞退の理由を述べる義務は基本的にないが、理由は答えられるようにしておこう
- 他社へ入社することが理由で辞退する場合は、トラブル回避のため入社先は答えないのが無難
- 電話で連絡するときは営業時間内にかける
- メールで連絡する場合は、送信したあとに電話でメールの閲覧をお願いしよう
内定辞退をする際に気を付けたいこと
採用試験に合格したものの内定を辞退したい場合、伝え方には十分な注意が必要です。企業は時間と労力を注いで採用活動をおこなっているため、できる限り辞退をしてほしくないからです。
内定辞退を伝える際に気を付けるべきいくつかのポイントを挙げます。
- 採用の感謝とともに内定辞退をはっきり伝える
- なるべく早めに企業に伝える
- 入社先は伝えないのが無難
次項より、詳しく解説いたします。
採用の感謝とともに内定辞退をはっきり伝える
前項で解説した通り、企業は、内定辞退をできる限りなくしたいのが本音です。しかし、現実には内定辞退者がしばしば出るため、企業は一定数の辞退者が出ることを想定して採用活動をおこなっています。ですから、内定辞退を伝えたからといって大きなトラブルになることは基本的にありません。
しかし、企業は時間と労力をかけて内定を出したので、誠意をもって辞退の連絡をすることが大切です。
内定辞退の連絡ではこれらを考慮しつつ、文章を組み立てるときに次の点を意識して、感謝と謝意を十分伝えるようにしましょう。
- まずは内定を出してくれたことに対する感謝を述べる
- 内定辞退の意思をはっきりと伝える
- 「せっかく内定をいただいたのに辞退して申し訳ありません」といった謝意の言葉を一言添える
一番気を付けたいポイントが「内定辞退の意思をはっきりと伝える」ことです。
伝えにくい事柄のため、つい遠回しな言葉を選んだり、電話で声が小さくなったりして辞退の意思がうまく伝わらないことがあります。しかし、これはのちにトラブルになる可能性も十分考えられるため、避けるべきです。辞退の意思は直接的な言葉ではっきり伝えましょう。
なるべく早めに企業に連絡する
企業は、採用活動以外にも多様な業務を随時おこなっています。業務を滞らせてしまわないために、辞退の意思が決まったら速やかに企業に連絡しましょう。
なお、内定辞退を連絡する時期は「内定後一週間以内」が目安です。ただし、内定を承諾するかどうかの回答期限が設定されている場合は、期限内に回答すればOKです。
入社先は伝えないのが無難
辞退の意思を伝えるとき、入社先を質問される場合があります。競合他社に入社する場合などはトラブルの元になる可能性があるので、入社先は伝えないほうが無難です。
もし入社先を聞かれた場合は「先方からいわないようにと伝えられています」といった理由を述べて、角が立たないように断るのがよいでしょう。
電話・メール別の例文
内定辞退の連絡は重要事項であるため、基本的に電話で連絡したほうがよいとされていますが、最近はメールのやり取りで済ませるパターンも増えているようです。
以下で注意点や例文を紹介します。
電話で伝えるときの例文
電話で連絡するときの注意点ですが、企業の営業時間中に電話をかけるようにしましょう。できれば始業後すぐ、終業直前などの忙しい時間帯は避け、一般的に仕事がある程度落ち着いている時間帯とされる11時台、15時~16時台に電話をかけるようにするとなおよいでしょう。
例文:
「お世話になります。セラク大学のセラク太郎と申します。先日の採用通知の件でお伝えしたいことがあり、お電話いたしました。採用担当の〇〇様はいらっしゃいますか。」
(採用担当者に電話を取り次いでもらう)
「セラク大学のセラク太郎です。先日は御社〇〇職の採用通知をいただきありがとうございました。しかしながら、一身上の都合により内定を辞退したく、ご連絡いたしました」
(採用担当者に承諾をもらう)
「せっかく内定をいただいたのに、このような結果となり大変申し訳ございません。御社の皆さまにはインターンや面接でお世話になり、大変感謝しております。本来なら直接出向いてお伝えするべきことを電話でのご連絡となり、重ねておわびいたします。このたびはありがとうございました。それでは失礼いたします」
メールで伝えるときの例文
メールは基本的に「相手が手の空いた時間に受信を確認するもの」です。したがって、電話ほど送信時間は気にしなくてもよいでしょう。ただし、深夜に送信するのはネガティブに受け取られることもあるため、避けた方が無難です。
例文:
件名:内定辞退のご連絡 セラク太郎
〇〇株式会社
採用ご担当 〇〇様
お世話になります。セラク大学のセラク太郎と申します。
先日は採用通知をいただきありがとうございました。
大変申し上げにくいのですが、家庭の事情により、内定を辞退させていただきたくご連絡しました。
面接やグループディスカッションでお時間を割いていただいたにもかかわらず、
このようなご連絡を差し上げることとなり、大変申し訳ございません。
選考の場を設けていただいたこと、感謝申し上げます。
本来ならば直接貴社に出向いてお伝えするべきところをメールでのご連絡となり、
重ねておわびいたします。
末筆ながら、貴社の益々の発展を願っております。
このたびはありがとうございました。それでは失礼いたします。
セラク大学 〇〇学部
セラク太郎
よくある辞退理由8選
内定辞退の理由は、基本的に伝えなくても問題はありません。「一身上の都合で辞退したい」と伝えれば十分です。
しかし企業は、辞退理由は知りたい情報です。そのため「差し支えなければ理由を教えてほしい」と、内定辞退の理由を深掘りされることがあります。伝えても問題ない場合は話してもよいでしょう。ただし、理由を伝えるときには、できるだけ前向きな理由を選ぶようにしましょう。
- 内定辞退のよくある理由
1. 一身上の都合
2. 他社へ入社することになった
3. 採用されたポジションが希望職ではなかった
4. 希望職種・業界が変わった
5. 面接官の印象がよくない、採用後のフォロー不足
6. 社風が合わない
7. 留年が判明した
8. 家庭の事情
内定辞退のよくある疑問
このセクションでは、内定辞退する際のよくある疑問、トラブルが起きた場合の対処について解説します。
内定辞退の理由を聞かれたら?
辞退理由を聞かれても、本来伝える義務はありません。したがって、内定辞退を伝えるときは「一身上の都合のため」でよいでしょう。
ただし、「一身上の都合」としても、企業側から理由を深掘りされる場合があります。よどみなく回答できるように、事前に回答を用意しておいたほうがよいでしょう。
角の立たない理由や答え方の例は、これまでの解説を参考にしてください。
内定承諾後の辞退はできる?
結論からいうと、内定承諾後の辞退は可能です。民法第627条1項によって「退職の意思を示してから2週間後に退職できる」と定められているため、法令違反とはなりません。
しかし、採用者が内定承諾後に辞退することは、企業にとって多大な損失を被る場合があるため、できればやめてほしいのが本音でしょう。
したがって企業側から怒られるような事態に陥ることがあります。中には内定辞退を承諾しないと突っぱねられたり、訴訟を起こすといわれたりといったトラブルも十分あり得ます。
実際にこのようなトラブルに遭ってしまった場合は、ひとりで抱え込まずに大学の就職課や法的機関などにすぐに相談しましょう。
まとめ
内定辞退を伝えるとき、つい遠回しないい方をしてしまいがちですが、コミュニケーションのすれ違いが生じトラブルのもとになります。勇気をもって、内定辞退の意思をはっきりと言葉にして伝えるようにしましょう。
内定辞退の理由は基本的に伝えなくてよいですが、採用担当者から尋ねられることがあるため、答えられるようにしておくのが無難です。
もし、企業側に内定辞退を承諾しないといわれたり、訴訟を起こすといわれたりした場合は、抱え込まず大学の就職課や法的機関などに相談するようにしましょう。
内定辞退者が出るのは、企業側も織り込み済みで採用活動をしています。内定辞退を決めたときは、速やかに連絡するようにしましょう。