【例文あり】面接で好印象を与える!キャッチフレーズの作り方
はじめに
- 就活で「自分のキャッチフレーズ」をつくることは様々なメリットがある
- キャッチフレーズはES(エントリーシート)や面接での自己PRに活用できる
- キャッチフレーズを決めるときには難しすぎる言葉は使わない
- 就活以外にも自分の特徴を表すキャッチフレーズはさまざまな場面に使える
キャッチフレーズとは?
キャッチフレーズ(キャッチコピー)とは、「(広告などでの)うたい文句、強い印象を与える短い宣伝文句」という意味です。TVCMや雑誌広告などで、短くも強く印象が残るフレーズを聞いたことがある人は多いでしょう。
就活においてもキャッチフレーズは使えます。
ES(エントリーシート)や面接で企業に自分を売り込むとき、自分をわかりやすく表現するフレーズがあるとメリットが大きいのです。
なお、キャッチコピーとキャッチフレーズはほぼ同じ意味です。ただしCMなどでの宣伝文句はキャッチコピー、そのほかのうたい文句はキャッチフレーズというような使い分けが一般的といえます。
したがってこの記事では「キャッチフレーズ」という言葉で解説します。
就活で「自分のキャッチフレーズ」を作るメリット
前項で「自分のキャッチフレーズを作ることはメリットが大きい」と述べました。
それはなぜか、次項で解説していきます。
ES(エントリーシート)や面接の際に長所を一発で伝えられる
最初に思いつく大きなメリットは、就活における自分のキャッチフレーズを伝えると「相手に長所を一発で伝えられる」ことです。
ES(エントリーシート)・履歴書の自己PR欄に「私は『縁の下の力持ち』のような存在です。なぜなら~」と最初にキャッチフレーズを伝えることで、自分の長所を印象づけられます。
特徴をうまく捉えたキャッチフレーズは相手にとってもわかりやすく、強い印象を与えることができ、面接官と前向きなコミュニケーションをとるきっかけになるでしょう。
インパクトでほかの応募者に差をつけられる
短い言葉ながら特徴をよく捉えたキャッチフレーズがあることで、相手に強いインパクトを与えられます。場合によっては面接官の記憶に強く残ることもあるでしょう。
つまり、ほかの応募者との差別化を図れるのです。ライバルの多い就活では、よい意味で差をつけることで次の選考に残れる可能性が上がります。
面接官から質問されることがある
面接で「あなたのキャッチフレーズは何ですか」という質問をされることもあるようです。これは応募者のプレゼン力や表現力、自分のアピールがうまくできるかを確認したいという意図があります。
しかし、事前に用意しておかないと、なかなかその場ではとっさに答えにくい質問です。
書類や面接での自己PRに使えることもあわせて考えると、自分のキャッチフレーズは事前に作っておく方がベターといえるでしょう。
キャッチフレーズの作り方
「自分のキャッチフレーズ」をつけるとなると、途端に難しく感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、コツを押さえるとうまく作れるようになります。次項から解説します。
自己分析をする
キャッチフレーズを作るときは、まず「キャッチフレーズを作る対象」を分析して掘り下げていくのが大きなポイントです。つまり自己分析するのが最初にすべきこととなります。
就活において自己分析は重要な作業のひとつですが、ここでも活きてくるのです。 今一度、自己分析のやり方を振り返ってみましょう。
成功した経験を書き出して一覧にしてみる
自己分析の手がかりとして、これまでの人生での成功体験をすべて紙に書き出してみるのはよい方法でしょう。書き出した体験のなかから、キャッチフレーズに使えそうなエピソードを見つけられる可能性は高いです。
自己分析の手法を活用する
自己分析に向いているフレームワーク(考え方の枠組み)を紹介します。
これらの手法を使って効率よく自己分析を進め、適切なキャッチフレーズを決める手がかりにするのもたいへん有効なやり方です。
- 自分史
文字通り「自分の歴史」を年表にして書き出してみる方法です。
コツは出来事だけを書き出すのではなく「なぜそれを実行したのか」「実行した結果、今の自分にどう影響したか」といった心境まで書き込むことです。
自分のたどってきた道を全体的に見渡すことで、過去の行動や思考に何かしらの共通点に気づくでしょう。それがあなたの「強み」です。
自分史で発見した強みからキャッチフレーズを考えていきましょう。
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- モチベーショングラフ
自分のこれまでの人生における「モチベーション」をグラフ化したものがモチベーショングラフです。「横軸=時間の流れ」「縦軸=モチベーションの高さ」としてグラフにしていきましょう。
ポイントは、モチベーションが最高点・最低点となるところでそれぞれ何があったか出来事を書き込んでいくことです。
すると、自分はどのようなことでモチベーションが上がるのか、または下がるのかが一目でわかるようになります。
そこから自分を知り、キャッチフレーズをつける手がかりとするのです。
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- マインドマップ
思考やアイデアを思いつくまま図に書き込んでいくマインドマップです。
まず、紙の中心にテーマとなる言葉を書き込こみます。次に、そこから連想されるキーワードを付近に記述し、連想元となった言葉と線でつなげます。先ほど連想した言葉からまた連想をし、言葉を記入し線をつなげる作業を繰り返していくと、いつの間にかテーマに関するキーワードがつながった図が出来上がっているのです。
そこからキャッチフレーズに使えそうな言葉を選び出し、印象に残るフレーズを考えるヒントにするのがよいでしょう。
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- SWOT分析
マーケティングでよく使われるSWOT分析というフレームワークがありますが、これも自分を売り込むという意味ではキャッチフレーズを決めるのに使えます。
対象を「Strength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威)」の4つに分け、マトリクス(軸)表にそれぞれの要素を記述し、分析していく手法です。
本サイト内にテンプレートつきの解説記事があるので、そちらもご参考ください。
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- ジョハリの窓
自己分析のために使われる心理学モデルです。当初「対人関係における気づきのグラフモデル」と呼ばれていたとおり、自己分析だけでなく、自分がどう他者とかかわっているかを知ることができます。
「解放の窓(open self)・秘密の窓(hidden self)・盲点の窓(behind self)・未知の窓(unknown self)」という4つの分野に「自分を表す言葉」をマトリクス(軸)表に書き込みます。
さまざまな視点から自分のことを書き込んでいくことにより、新たな自分の強みの発見につながるでしょう。
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応募企業の分析をする
キャッチフレーズをアピールする相手である企業の分析も、コツのひとつといえます。相手にあわせたアピールも大切だからです。
就活の最初にすでに企業分析をおこなっている場合も多いでしょう。応募前に今一度「受ける企業がどのような人材を求めているか」を確認し、キャッチフレーズのヒントにします。
見つけた長所を短い言葉(キャッチフレーズ)で表してみる
自己分析の結果、見つけた長所や企業分析から判明した求められる人材像から、短い言葉で自分のキャッチフレーズをつけてみましょう。
たとえば自分史やモチベーショングラフで「納得するまでに時間がかかるが、一度決めたらことはとことんくらいついて実行する人間だ」とわかったら「やりきるために猪突猛進!」というキャッチフレーズにするといった流れです。
印象に残るキャッチフレーズを作るヒント
自己分析をおこなって長所を見つけても、それをうまくキャッチフレーズにするには難しく感じる方もいらっしゃるでしょう。
そのようなときのために、キャッチフレーズ作りにおけるヒントを次項で解説します。
真逆の言葉を組みあわせるのもOK
「急がば回れ」という、一見矛盾したように見えるのに実は本質を鋭くつく慣用句があります。「急いでいるならあえて回り道した方が結局早い」という意味で、きちんと意味がわかると理解できる内容でありながら、インパクトは残ったままです。
意外な言葉の組みあわせは記憶に残りやすいのです。
これを就活でのキャッチフレーズ作りに置き換えてみましょう。
たとえば「私は走れるパンダです」というキャッチフレーズだと、何をいっているのだろう、と最初は感じる人が多いでしょう。しかし「私はパンダのように大きな体と愛きょうのある顔をもち、一見のんびり屋に見えますが、実は陸上部でも上位な足の速さが自慢です。現場でも誰よりも早く動いて仕事をこなします」という意味だとわかると印象に残りやすいはずです。
具体的な数値を盛り込んでみる
「継続力が自慢です、ダイエットのために毎日走りこみました」と伝えるより、「毎日5kmのランニングを続けた忍耐力が自慢」という表現にした方が、どれだけすごいことかというのが相手に伝わりやすいです。
悩んだときは、候補に挙げたキャッチフレーズに具体的な数値をつけ加えてみると、意外なものができあがるかもしれません。
キャッチフレーズ作成における注意点
キャッチフレーズを作るにはいくつか注意すべき点もあります。次項で解説します。
企業の求める人物像にあわせる
たとえば事務職がほしい企業に対して「根性で体当たり! 誰とでも仲良くできる私は営業向きです!」などと語っても、ミスマッチであることは明白です。
企業が求める人物像にあわせてキャッチフレーズを作りましょう。
誇張しすぎない
インパクトのあるキャッチフレーズを作ろうと意気込みすぎるあまり、誇張しすぎて現実的でないキャッチフレーズを作成してしまうのは避けた方がよいでしょう。
同様に奇抜な言い回しを使ったキャッチフレーズも、意味が通じなかったり、わかりにくい印象を与えたりしてしまうため、就活の場では不適切です。
これらの言い回しは避けた方が無難といえます。
ネガティブな表現・難解な言い回しは避ける
就活で自己分析をおこなっていくと、社会で通用する長所なんて自分にあるのか、などとネガティブになってしまうことも珍しくありません。
しかし就活はあくまで「前向きな自分を企業にアピールする場」です。書類や面接などではネガティブな表現を避けた方がよいでしょう。これはキャッチフレーズ作りでも同様です。
また、難解な言い回しを使うのもやめておきましょう。キャッチフレーズは「わかりやすさが命」だからです。
難しい表現はインパクトがありカッコよく聞こえるように思えますが、相手とっては「よくわからなかった」という感想になることもあるので、注意が必要となります。
キャッチフレーズをつけることは、「相手にわかりやすい印象を与える」のが一番の目的です。目的が何であるかを常に意識して取り組みましょう。
キャッチフレーズの例文一覧
長所ごとのキャッチフレーズ例を以下で紹介します。キャッチフレーズを作る際の参考にしてください。
ポジティブ思考
「ポジティブ思考」は前向きな考え方ができるという好印象を与える一方、誰もが選びがちなキャッチフレーズです。つまり、ありきたりすぎるとほかの人の印象に埋もれて目立たない可能性があるという、平凡ながらやや難しいフレーズといえるでしょう。
キャッチフレーズの例としては「逆境も糧に変える」「明日への好奇心」などが挙げられます。
ポジティブ思考:例「逆境も糧に変える」
例文「私のキャッチフレーズは『逆境も糧に変える』です。どのような困難な状況にもめげず、それを乗り越えることで自己成長する機会と捉えます。チャレンジを恐れず、ポジティブな姿勢で常に最良の結果を目指します。」
縁の下の力持ち
「縁の下の力持ち」を辞書で引くと、他人のために陰で苦労や努力をすることと出ます。そのような人のたとえとして使われることわざです。つまり、表舞台に立たず、人目につかないところで人を支えることを表します。
これは事務職など支援に回る仕事のアピールでよく使われる言葉でしょう。
キャッチフレーズの例としては「黙々支える力持ち」「職場の土台を支える」などが挙げられます。
縁の下の力持ち:例「職場の土台を支える」
例文「私のキャッチフレーズは『職場の土台を支える』です。どのチームにも欠かせない存在となり、安定したサポートでプロジェクトの成功に貢献します。バックオフィスからでも組織の基盤をしっかりと支えます。」
真面目
「真面目」であることは社会人に当たり前に求められることは周知の事実です。「ポジティブ思考」と同じく、このキーワードから話を広げる人は多いと考えられるため、その分言い回しを練ってから挑む必要があります。
また、奇抜なアイデアが時に求められるクリエイター職には少々不向きなフレーズかもしれません。
キャッチフレーズの例としては「コツコツと信頼を得る」「ひょうきんだけど根は真面目」などが挙げられます。
真面目:例「コツコツと信頼を得る」
例文「私のキャッチフレーズは『コツコツと信頼を得る』です。毎日の積み重ねを大切にし、細部にまで目を配ることで、同僚や上司からの信頼を築いてきました。小さな成功を重ねることが、大きな信頼につながります。」
計画性がある
「計画性がある」ことは社会人にとって大変重要なスキルです。毎日朝起きて朝のルーティンを繰り返していることでもアピールポイントとなります。積極的に長所として伝えてしていきましょう。
キャッチフレーズの例としては「綿密な計画による成功者」「コツコツ勉強計画で東大合格!」などが挙げられます。
計画性がある:例「コツコツ勉強計画で東大合格!」
例文「私のキャッチフレーズは『コツコツ勉強計画で東大合格!』です。緻密な計画と日々の努力が私の強みです。目標を定め、計画的に勉強することで、最も困難な試験の一つである東京大学への合格を実現しました。」
リーダーシップがある
「リーダーシップがある」ことは企業が強く求める人物像として挙げられる場合が多いです。説得力のあるキャッチフレーズと経験談をアピールすることができると、面接で大きく好印象を与えられる可能性があります。
キャッチフレーズの例としては「チームを引っ張る立役者」「チームを成功へ導く先導者」などが挙げられます。
リーダーシップがある:例「チームを成功へ導く先導者」
例文「私のキャッチフレーズは『チームを成功へ導く先導者』です。ビジョンを掲げ、仲間を鼓舞し、共に目標に向かって歩むリーダーシップを発揮してきました。チームが一丸となって成功を収めるためには、指揮をとることも敬遠せず、やり遂げます。」
適応力がある
「適応力がある」ことも企業の求める人物像として挙げられる場合が多いです。企業で働くには一人の力だけでは完結できないため、チーム一丸となってと共に価値を生み出すことが必要です。そのためには人や環境にいち早く適応できる人物を企業はほしいと思っているでしょう。
キャッチフレーズの例としては「柔軟適応のスペシャリスト」「どのような環境にもピカイチの適応力」などが挙げられます。
適応力がある:例「どのような環境にもピカイチの適応力」
例文「私のキャッチフレーズは『どのような環境にもピカイチの適応力』です。新しい環境、技術、文化に対しても迅速に順応し、高いパフォーマンスを維持します。変化を楽しむ心持ちは、どのような場所でも活躍できる秘訣です。」
好奇心がある
「好奇心がある」ことは主にクリエイター職やエンジニア職で歓迎される特徴です。これらの職種には、商品の開発に対して好奇心をもって取り組むことが求められます。
キャッチフレーズの例としては「新発見へのあくなき意欲」「常に学びの精神」などが挙げられます。
好奇心がある:例「新発見へのあくなき意欲」
例文「私のキャッチフレーズは『新発見へのあくなき意欲』です。常に新しい知識を求め、未知の領域に挑戦することで、イノベーションを生み出す力があります。未踏の分野での発見に情熱を傾け、組織に新たな価値をもたらします。」
協調性がある
「協調性がある」は「適応力がある」と求められることが似ているかもしれません。企業で働くことはチームで働き、ときには違う部署の方にも応援を頼まなければいけない状況も出てきます。
つまり「協調性がある」人というのは企業が求める基本技能といえます。
キャッチフレーズの例としては「チームの架け橋となれる人」「どのような人とも仲良く」などが挙げられます。
協調性がある:例「チームの架け橋となれる人」
例文「私のキャッチフレーズは『チームの架け橋となれる人』です。異なる背景をもつメンバー間でコミュニケーションをとり、協調性を発揮してチームを強固に結びつけます。和を保ちながら、チームの目標達成に貢献します。」
キャッチフレーズの面接以外での活用方法
自分のキャッチフレーズを作ることはES(エントリーシート)や面接といった就活だけにとどまらず、ほかの場面でも役立ちます。
社内外のプレゼンテーションにおける自己紹介に使えたり、転職の際にも自分を的確に説明するキーワードになったり、ときには仕事以外でも今後の人生の指標になるかもしれません。
自分のキャッチフレーズを作ることは、自分を知ることにつながります。それは社会人人生や、プライベートの自分を生きるうえで大事な指標となるでしょう。
まとめ
「自分のキャッチフレーズ」を作ることは就活のいろいろな場面で役立ちます。
たとえばES(エントリーシート)や履歴書の自己PR欄に記入できたり、面接で自己PR・長所のアピールで最初に話すことにより会話のきっかけができたりします。
自分のキャッチフレーズを作るには、まず自己分析を深くおこない、自分を理解しましょう。
また。キャッチフレーズは短い言葉でわかりやすくインパクトを与えることが目的です。難しい言い回しや、誇張のしすぎは逆効果なので気をつけましょう。
自分のキャッチフレーズを決めておくと、就活以外でもさまざまな場面に役立ったり、自己理解が進んだり、何かと便利です。
自分のことを知るためにも「自分のキャッチフレーズ」を作ってみましょう。