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週休3日制とは?働き方からメリット・デメリットも解説

date2024年07月09日
週休3日制とは?働き方からメリット・デメリットも解説
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はじめに

  • 週休3日制とは、1週間のうち休みが3日間あること
  • 週休3日制には3つの働き方のパターンがあり、1日の労働時間や給与に違いがある
  • 週休3日制には、ワークライフバランスが取れたり自己研磨の時間が増えるなどのメリットがある
  • 週休3日制のデメリットは、一日あたりの業務負担の増加や機会損失・評価機会の減少・給与減額の可能性などがある
  • 勤務する企業や自治体が週休3日制を導入することになったら、休日の増加・働き方・収入のバランスを検討する必要がある

週休3日制を導入する企業が増えつつあります。3日も休めると喜ぶ方がいる一方で、給料はどうなるのだろう?勤務日数が減ると残業が増えるのではないか?など不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。現状や働き方を理解して、勤務する企業や自治体が導入に踏み切った場合の、判断にお役立てください。

週休3日制とは?

週休3日制とは、1週間で休日を3日設けることをいいます。1週間に休日が3日なので、勤務日が4日となります。2011年内閣府が閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2021」による、「選択的週休3日制」の推奨から、一般企業や自治体の検討・導入へと広がりをみせはじめました。

週休3日は義務化されるのか?

週休3日制の法制化や義務化はされていません。現在の週休2日も法的に定められた完全週休2日制というわけではなく、政府が自治体や学校に取り入れ、企業や自治体が率先して実施した休日なのです。
労働基準法の法定休日は、1週間に1日もしくは4週間に4日と定められています。

週休3日だと何時間働くことになる?

週5日勤務・1日8時間労働の例を基準に、週休3日制になった場合の働き方のパターンを3つ紹介します。働き方に応じて、労働時間と給与に変動があります。

【働き方のパターン】

週休2日制労働日数・時間削減、報酬維持型労働日数・時間・報酬削減型圧縮労働・報酬維持型フレキシブル労働型
週の労働日数5日間4日4日5日→4日5日→4・3・2・1日
1日の労働時間1日8時間1日8時間1日8時間1日10時間月または年単位で変わらない
月の総労働時間160時間程度128時間程度128時間程度160時間程度
休日2日(5日勤務)(選択制or固定制)3日(4日勤務)(選択制or固定制)3日(4日勤務)(選択制or固定制)3日(4日勤務)(選択制or固定制)選択制
給与変わらない減少
労働時間にあわせて減額
変わらない減少
副業認める・認めない認める・認めない認める企業が多い認める・認めない認める・認めない

【労働日数・時間削減、報酬維持型】

給与が変わらず、労働日数も総労働時間も少なくなるパターンです。労働者にとっては喜ばしい限りに思われますが、少ない労働時間内に消化すべきタスク量は以前と同じ場合があります。さらなる業務の効率化をはかるか、残業増加の可能性も否めません。
企業にとっては、収益を落とさないために、消化しきれない業務を担ってくれる人材の確保やワークフローの見直しなど課題が多いといえるでしょう。

【労働日数・時間・報酬削減型】

労働日数も総労働時間も減少したうえに給与も減少するパターンです。この場合は副業などで収入を確保する必要があり、副業を認める企業も増えるでしょう。
企業側は、育児や介護への支援と学習支援を充実させることで、社員の満足度をあげる工夫をしています。なかには人件費削減のために導入している場合もあります。

【圧縮労働・報酬維持型】

圧縮労働とは、週5日で1日8時間の合計40時間を、週4日勤務で1日10時間労働に振り分けて、1日の労働時間に圧縮させる働き方です。この場合、実質労働時間の月160時間は変わらないため、給与にも変化はありません。
ただし、1日の労働時間が長くなるため、健康管理にはいっそうの工夫が必要となります。また、時間管理も見直す必要があるでしょう。
企業としてはもっとも導入しやすいパターンで、休憩時間の配慮など社員が働きやすい環境整備が必要です。

【その他、フレキシブル労働型】

週休3日制とは異なりますが、労働者が出勤時間や退勤時間を自ら選択して働くことができる、柔軟な働き方のひとつです。前もって企業と契約のもと、勤務日数や就労時間を取り決めて働く方法で、総就労時間に応じて、給与は決まります。週5日勤務と比べると少なくなる傾向にあるでしょう。月または年単位で、就労予定や給与に関する取り決めを行う必要があります。

週休3日制で報酬が減少した場合、他企業でフレキシブル労働型を利用して、副業を行うこともひとつの手段といえるでしょう。

週休3日制のメリット・デメリット

ここからは、週休3日制が導入された際のメリット・デメリットを紹介します。3つの働き方のパターンでも、それぞれ利点と考慮すべき点がありました。そこを踏まえて見ていきましょう。

週休3日制のメリット

もっとも大きなメリットは1日多く休めることで年間休日も増え、心身のリフレッシュをはかれます。自分のために使える時間が増えることで、さまざまなメリットがあります。詳しく見ていきましょう。

ワークライフバランスの充実

休みが多くとれることで家族と過ごす時間も増え、子育て世代には有り難いことといえます。夫婦の休みのタイミングに応じて、家事や育児の分担も容易になるでしょう。
また、趣味の時間も充実できます。今までできなかったことに挑戦してみるのもよいでしょう。
副業による増収も視野に入ります。週休3日制の導入により、副業を認める企業も増える可能性があります。

自己研磨の時間が増加

1日増えた休みを利用して、資格取得や大学での学び直し・スキルアップ講座への参加など、自己研磨の時間もとれるようになります。業務で活かせるスキルはもちろんのこと、将来を見越して自分を磨いていくことも重要でしょう。
企業によっては、業務に活かせる資格取得を支援する制度が設けられている場合もあり、リカレント教育などを取り入れ、学びの機会を推奨しています。

離職率の減少と人材確保

週休3日制を導入することで、社員のモチベーションアップにつながり、離職率の低下も望めます。また、就活においても、週休3日制は魅力の一つになります。柔軟な働き方を希望する就活生や再就職希望者にとっては、企業選びの重要なポイントになるでしょう。

生産性・収益性の向上

4日という短い就業時間で業務を完遂するために、社員一人ひとりの無駄を省く工夫や、時間に対する意識を変える必要があります。効率のよい業務遂行を検討し実行することで、生産性の向上がはかれ、さらに収益性の向上へとつながるからです。
企業側も業務効率をあげるためワークフローの見直しや、設備・人材の確保など、生産性向上のために努力をすることで、収益の向上をはかっていきます。

週休3日制のデメリット

週休3日制には、デメリットもあります。1週間の時間の流れが変わるので、行き違いも起こる可能性があります。デメリットを詳しく見ていきましょう。

業務負担の増加や偏り

選択的週休3日制の場合、週休3日の社員と週休2日の社員が混在します。週休3日の社員が休んでいる日に、出社している社員に業務の偏りが予測されます。また、週5日で完遂していた業務を週4日で行うのは負担も大きく、残業を余儀なくされる可能性もあります。ワークフローを見直し業務の再分配も必要になるでしょう。

機会の損失

営業機会の損失を起こす可能性があります。たとえば、営業職が平日に休んでいることで、顧客とのコミュニケーションに支障がでたり契約の機会を逃してしまったりする可能性です。緊急の対応が必要な場合にも対処できるように、社員間の情報共有が重要になります。

給与の減額

週休3日制で報酬減額型のパターンでは、給与は減ってしまう可能性があります。総労働時間に応じて、給与が算出されるため、週5勤務から週4日勤務になることで、総労働時間も8割ほどに減少します。この場合、副業を認める企業も多いので検討しましょう。

評価の機会が減る

週休3日制の休日をどのように設定するかにもよりますが、平日のどこかで取得した場合、人事評価を担当する上司とのすれ違いが起こる可能性があります。評価につながる活動を理解してもらえないことも起こりえるでしょう。
評価基準は大きな結果を残したことだけでなく、普段の業務に対する向き合い方なども含まれるからです。

勤怠管理の負担増

選択的週休3日制の場合、週休3日と2日それぞれを希望する社員が混在します。この場合の勤怠管理は複雑なものになる可能性があります。社員一人ひとりが違う曜日に休日を取得した場合、それぞれの勤怠管理を別々に行わなければなりません。社員数が多ければ、さらにその負担は増加するといえるでしょう。

週休3日制の導入企業例

週休3日制を導入している企業の例です。働き方のパターンごとに以下の表にまとめました。まだまだ大企業に多く、週休3日制を全社員に実施しているわけでなく、一部の部署や希望する社員に対して試験的に実施している企業も多いです。認識の広がりはじめた「週休3日制」を企業も模索している最中といえるでしょう。

労働日数・時間削減、報酬維持型欧州企業など
例:日本マイクロソフト株式会社:柔軟な働き方を提案、労働時間や勤務場所なども自由選択可能
労働日数・時間・報酬削減型金融機関など
例:味の素株式会社:60~65歳の再雇用社員対象、土日と水曜日の完全週休3日制を採用
圧縮労働・報酬維持型小売・運輸業など
例:中部電力株式会社:「0時間勤務日」を設定、この日は残業も無しにしている
フレキシブル労働型情報通信業など
例:日立製作所:月曜日から木曜日の労働時間を所定の7時間45分より長く働いて金曜日を休みにするなど

週休3日制導入にあたって検討すべきこと

勤務する企業が週休3日制を導入することになったら、社員にも検討すべき多くの事柄があります。自分の生活に大きな影響を及ぼす可能性があるからです。

時間を優先するのか収入を優先するのかを考える

現在は選択的週休3日制が推奨されている状況です。労使の合意がない限り全社員への強制はできません。自分は現状のまま「週休2日」で働くのか「週休3日制」にシフトするのかを決断する必要があります。1日多く休日をとることで自分の時間を大切にするのか、働き方のパターンによっては、給与が減ってしまう可能性もあるため、収入を優先するのか考える必要があるでしょう。
以下に例をあげますので、参考にしてください。

独身時代

仕事に魅力を感じて週休2日で業務にまい進するのもよいでしょう。プライベートを優先して週休3日を選択するのも、この年代なら自由に選択ができます。
しかし、若いうちにどこまでスキルアップ・キャリアアップできるかが、将来に大きな影響を与えます。収入だけでなく、時間の使い方も含めて考えることが大切です。

子育て世代

子育て世代にとっての週休3日は、家族との時間が増えることの反面、懸念事項もあります。たとえば、子どもを保育園に預ける場合、両親が週5日で働いている家庭が優先されます。また、収入額に応じて保育料が算出されるため、働き方によっては保育料が負担になる場合もあるでしょう。さらに、子育て後期では、教育費が増す可能性もあります。家族との時間と収入のバランスをしっかりと検討しましょう。

ライフスタイルにあわせた選択

昨今の働き方はさまざまな選択肢があり、週休3日制もその1つといえます。住宅を購入した、地方で暮らしたいなど、自分のライフスタイルや環境にあわせた選択もできます。子育てや介護・学びなどには支援を設けている企業や自治体もありますが、週休3日制も自分の生活に直結する変化です。週休3日・2日のどちらを選択するのか熟考が必要でしょう。

まとめ

週休2日が定着しておおよそ30年、現在では世界的にも週休3日制への動きが活発になってきました。まだ義務化はされていませんが、近い将来週休3日制があたりまえになるかもしれません。
しかし、休みが増えたことで業績が落ち、給与が減額されるようでは意味がありません。週休3日制の定着には、企業の利益を落とさずに、社員一人ひとりが業務の効率化を認識して実行する必要があるでしょう。

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