女性活躍推進企業の探し方!就活で注目すべきポイントとは?
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はじめに
- 女性活躍推進企業は女性が社会人として活躍できるよう推進する企業のこと
- くるみんやえるぼしなど、国や企業が女性活躍推進企業を認定・表彰する取り組みがある
- 男女比や育休取得率などを通じて、女性が働きやすい環境かどうかを探ろう
- 女性活躍推進企業データベースなど、女性の就活に役立つサイトを活用しよう
女性活躍推進企業とは?
女性活躍推進企業とは、女性が個性と能力を十分に発揮し、職業生活において活躍することを推進する企業です。これらの企業は女性の活躍推進法に基づいて厚生労働省から認定を受けられます。
女性活躍推進企業として認定されることで、人材の確保や業務体制の改善、企業イメージの向上といったメリットがあります。女性が働きやすい環境が整備されることによって、すべての従業員のワーク・ライフ・バランスの実現にもつながります。
女性活躍推進に向けた政府・社会の取り組み
政府は女性活躍推進法の制定をはじめ、女性が働きやすく活躍しやすい環境づくりを目指してさまざまな取り組みを実施しています。その中でも特に注目したい制度や取り組みについてまとめました。
くるみん
くるみんは、次世代育成支援対策推進法に基づく「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた証のマークです。くるみん認定・プラチナくるみん認定・トライくるみん認定の3種類があり、認定を受けた企業は高い水準で子育てサポートの取り組みを行っているとアピールできます。
えるぼし
えるぼしは厚生労働省が実施している、女性の活躍を推進する企業を認定する制度です。
2020年からは、取り組みの実施状況が特に優良である場合などに認められるプラチナえるぼし認定も開始されました。
えるぼしの認定基準は以下の5項目で、基準を満たした項目数に応じて3段階の認定マークが存在します。
- 採用
- 継続就業
- 労働時間等の働き方
- 管理職比率
- 多様なキャリアコース
女性活躍推進企業データベースの企業詳細検索で「えるぼし」とキーワード検索すると、該当企業を手早く探せます。
なでしこ銘柄
なでしこ銘柄は、東京証券取引所と経済産業省が選定した、女性活躍推進に優れた上場企業です。投資家にとって魅力ある銘柄であると紹介することによって、企業への投資を促し、各企業の取り組みを加速化する狙いがあります。
なでしこ銘柄に加えて、共働き・共育てを可能にする性別を問わない両立支援に関する取り組みが特に優れた企業を、「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」として選定しています。
ダイバーシティ経営企業100選
ダイバーシティ経営企業100選は、経済産業大臣が表彰する取り組みです。女性のみならず、外国人や高齢者、障がい者などを含めた多様な人材の能力を発揮させ、イノベーションを生み出している企業の選定をしています。
こちらは2020年に終了していますが、ダイバーシティ経営に取り組む企業の参考事例として活用できます。
多様な人材が活躍できる環境を整備する企業は、労働者を大切にする優良な企業といえるでしょう。
女性が輝く先進企業表彰
役員・管理職への女性登用に関する方針、取り組み、実績、および情報開示において顕著な功績があった企業を表彰しています。
極めて顕著な功績のあった企業は内閣総理大臣表彰を 、特に顕著な功績のあったと認められる企業は内閣府特命担当大臣より表彰されます。
こちらの表彰は2020年に終了していますが 、女性管理職登用に前向きな企業を探したい方の参考となるでしょう。
女性が働きやすい企業を見つけるための指標とは?
女性が働きやすい企業を選ぶ際に注目すべき指標についてまとめました。企業研究や求人探しの参考にしてみてください。
男女比
従業員の男女比は、女性が働きやすい環境であるか推測する要因のひとつとなります。女性が多く在籍している企業は、フレックスタイム制など柔軟な働き方や充実した福利厚生といった、家庭との両立がしやすい環境を整えている傾向が高いです。
男女比は企業のホームページや就職四季報などに記載されています。公開されていない場合は、就活イベントや面接の逆質問の際に、従業員の男女比や女性管理職登用状況について尋ねてみましょう。
育休取得率
厚生労働省が2024年に行った調査では、就活において企業の育休取得情報を重視していると回答した人は69.7%となっています。共働き世帯も増えている現代で、就職先のライフステージに応じた支援体制は重要な検討要素となっています。
調査では、若年層の男女ともに9割近くが配偶者にも育休を取得してほしいというデータから、現代の就活において育休は重要な要素であるといえます。
採用ページで育休取得率を公表している企業もあるので、就職先選定の参考にしましょう。
参考|厚生労働省:若年層における育児休業等取得に対する意識調査(速報値)
残業時間数
残業時間については応募者の関心も高いため、求人欄で記載されているケースも多いです。残業時間を通じて、適切な業務量が割り振られているか、人員が充足しているかを伺い知れます。
平均残業時間だけでなく、繁忙期と閑散期ではどの程度差があるのかも、就職先を選ぶ上で忘れずにチェックしておきたいポイントです。36協定の有無など、残業時間の上限が決まっているかも調べておきましょう。
有給休暇取得率
福利厚生が充実していても、実際に利用できないのでは意味がありません。有給取得率は、社員が権利を行使できているかの指標となるでしょう。
厚生労働省が行った調査によると、年次有給休暇の取得率は近年上昇傾向にあり、令和5年には65.3%となっています。
参考|厚生労働省: 令和6年就労条件総合調査の概況
柔軟な勤務体系
育児や介護などがあり、従来の働き方では仕事を続けるのが難しい場面も出てくるでしょう。
フレックスタイム制や時短勤務、リモートワークといった柔軟な勤務体系を採用している企業であれば、ライフステージに対応した働き方が可能です。実際に制度を利用している社員の勤務スケジュールを聞いておくと、自分が働く姿をイメージしやすくなるでしょう。
女性が働きやすい企業を探すための情報収集方法
女性が働きやすい企業を探すための情報収集方法についてまとめました。さまざまな手段で情報を集めて、自分に合っている企業を見つけましょう。
各企業ホームページや求人ページ
まずは気になる企業の公式ホームページや求人ページをくまなくチェックしましょう。
会社概要や採用情報では従業員の男女比や平均年齢、正社員比率などの基本データが掲載されています。
求人ページには福利厚生や残業時間数など、女性が働きやすい企業選びで参考にしたい情報が記載されていることも多いです。中には先輩社員へのインタビューや一日のスケジュールモデルが紹介されている場合もあり、自分が働いている姿をイメージする助けとなるでしょう。
女性活躍推進データベース
厚生労働省が運営する女性活躍推進企業データベースでは、女性活躍推進法に基づいた全国の企業情報や行動計画についての閲覧が可能です。企業規模や業種に加えて、希望する社内制度が導入されている企業をチェックボックスで簡単に絞り込めます。
企業データ検索のほかにも、キャリア形成のためのガイドブックや大学講義聴講レポートなど、就活に役立つ情報も掲載されています。
就活イベント
企業や就活情報サイトが運営する就活イベントでは、公開情報だけでは得られない情報を集める良い機会です。会場の雰囲気から応募者層を実際に確認できるほか、現役社員との対話を通じて社風を感じられます。
女性が働きやすい企業に特化した合同就職説明会も開催されているので、是非参加してみましょう。
就活エージェント
多くの情報を吟味して自分に合った企業を選定するのは、時間も手間もかかることです。
就活のプロである就活エージェントを利用すれば、自分の希望や適性にマッチする企業をピックアップしてもらえます。必要な情報を整理して効率良く就活を進められるので、どのような企業が自分に合っているのかわからない、情報がありすぎて何から手を付けていいかわからないという方におすすめです。
直接企業には質問しづらいことも、就活エージェントを通じて情報を得ることも可能です。
キャリアセンター
キャリアセンターは、就職支援や進路支援を専門に行う学内機関です。大学によってはキャリア支援センターや就職課など名称が異なる場合もあります。大学に届いた求人情報や就活イベントの情報提供や就職相談、選考対策もしてもらえます。卒業生の就職実績も確認できるため、就職活動サイトと併せて積極的な活用をおすすめします。
まとめ
女性の社会進出が推進され、働く女性は増加傾向にあります。しかし、まだ制度が確立していない企業も多く、就職先を選ぶ際は多角的な視点で考える必要があるでしょう。
企業ホームページや四季報に欲しい情報が載っていない場合は、就活イベントに参加してみると知りたいことが得られるかもしれません。国や企業が行っている取り組みも就職先選びの参考にして、自分に合った企業を探してみましょう。