必着とは?応募書類を郵送するときのポイントを解説
はじめに
- 「○日必着」とは「○日までに必ず届くように送付してください」という意味
- 似た言葉に「着日指定」や「消印有効」があるが間違えないよう気を付けよう
- 必着させるべき日から5日前までに発送するとよい
- 必着日の指定がなければ普通郵便で送る
- 必着があやういときは「速達」「バイク便」「直接持っていく」などの方法がある
「必着」とは?
「必着」を辞書でひくと、「必ず着く。必ず着くようにすること」と記載されています。
しかし、就活やビジネスシーンで使われる「必着」は、辞書の意味以上に気を付けるべきポイントがあり、注意が必要です。
この記事では、ビジネスシーンにおける「必着」の意味や似た用語との違い、注意点、トラブルの対応方法を解説します。
「必着」を指定する意味
たとえば、求人に応募する際に「〇日必着」と書かれていることがあります。これは「〇日までに必ず届くように送付してください」という意味です。
例として「28日必着」と書かれている場合で説明します。
- 「28日必着」の意味
- ×:28日中に相手先へ届くようにする
- ○:28日までに相手先へ届いていればOK
「28日中に届くように送ってほしい」という意味だと間違えて覚えている人が見受けられますが、正しくは「28日までに届いていればOK」です。つまり28日以前に届いても問題はありません。
問題があるのは、28日までに届かない場合です。29日以降に届いたものは受付不可となるので、必ず余裕をもって発送しましょう。
「着日指定」との違い
「○日着日指定」は、「○日中に届くように送ってください」の意味です。
例として「28日着日指定」と書かれていれば、「28日中に届くようにしてください」の意味になります。27日に相手方に到着するのも、29日に相手方に到着するのも、相手の希望に沿っていません。
「着日指定」と「必着」は、混同しないよう気を付けましょう。
「消印有効」との違い
「消印有効」は、「その送付物が指定日までに消印されている必要がある」という意味になります。「消印」とは、送付物に貼られた切手に郵便局職員が押すスタンプで、送付物が取り扱われた日付を証明する目的があります。
例として「28日消印有効」と書かれている場合、28日までの消印があればOKです。到着自体は29日以降になってしまってもとくに問題はありません。ただし、29日以降の消印になってしまうと受付不可となるので注意しましょう。
「着日指定」とおなじく、「消印有効」と「必着」も混同しないよう気を付けましょう。
「必着」と「消印有効」の違いに注意
「28日必着」は、28日までに相手方へ到着していることが必要です。
「28日消印有効」は、28日までの消印になっていることが条件であり、相手方への到着は29日以降になっても問題はありません。
もし、送付規定に「必着」と書かれてあるのに「消印有効」だと勘違いしてしまった場合、気が付いたときには今から発送しても必着日に届かないという事態がありえます。発送における条件はきちんと確認して、間違いがないよう十分に注意を払いましょう。
ビジネスシーンで使う「必着」
ビジネスシーンで「必着」を使う場面にはどのようなものがあるでしょうか。次項で例文とともに解説します。
必着を依頼する場合の例文
ビジネスシーンで必着をお願いする場合の例文を挙げます。
例文1:応募書類を送付してほしいとき
お世話になります。
株式会社△△の人事担当 ○○と申します。
この度は弊社事務職の求人にご応募いただき、誠にありがとうございました。
応募書類をあらためて書面にてお送りいただきたく存じます。
弊社 東京支店 宛に、履歴書およびエントリーシートを
12月10日必着でご送付をお願いいたします。
恐れ入りますが、12月10日までに届かない場合、
求人の受付を締め切らせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
例文2:請求書を送付してほしいとき
お世話になります。
○○株式会社の△△です。
この度は弊社とお取引を開始いただき、御礼申し上げます。
請求書の発送についてお願いがあり、ご連絡いたしました。
恐れ入りますが、当社は月末締めのため、
請求書は月末必着でお送りいただきますよう、お願い申し上げます。
遅延なく支払処理をする関係上、お取引先の皆さまにお願いしている次第です。
どうぞご協力の程、よろしくお願いいたします。
「必着」の注意点
ビジネスシーンでは「必着」と書かれていても、相手側のことを考え早めに届くよう発送するのがマナーです。では、余裕をもって間に合わせるには、何日前に郵送するのが望ましいのでしょうか。以下で解説します。
必着させる日から5日前までに発送する
必着の取り決めがある郵便物は、必着日から逆算して5日前までに投かんするようにしましょう。
普通郵便は、発送元と送付先の距離によって、配達にかかる日数が変わります。近郊の場合は翌々日までに届くことも多いですが、遠方となると到着に最低でも2、3日はかかります。また、郵便局は土日祝の配達をおこなっていないため、土日を挟んで投かんした郵便物は、到着がその分遅れることに十分注意するとよいでしょう。
参考:日本郵便株式会社 – 宛先への到着日に締め切りがある郵便物などのご利用に関して
郵便局ホームページに、発送元と送付先の郵便番号を入力することで到着予定日を調べられるツールがありますので、投かん日の目安にするとよいでしょう。
必着させる必要がなければ普通郵便で発送する
「○日必着」との指定があるものの、普通郵便で間に合わないときは、速達や宅配便などのサービスを使って期限内に到着させることを検討してください。しかし、通常は「普通郵便」で送るのが基本的なマナーなので覚えておきましょう。
ギリギリの発送になってしまったときは
余裕をもって発送するように気を付けていても、なんらかの事情で発送準備が遅れてしまい、必着日に間に合うか不安になることもあるかもしれません。そのようなトラブルが発生したときの対処方法をいくつか解説します。
速達で送る
速達は、追加で速達料金を支払うことにより、普通郵便よりも早く配達されるサービスです。相手に早く届くだけでなく、土日祝日も配達業務をおこなっているというメリットがあります。とくに土日を挟む場合に速達サービスを利用すると、普通郵便と比較してかなり早く送付先に到着するため、急ぎで送付したいときに大変便利なサービスです。
- 速達で郵送する方法
- 封筒の表面に朱書きで「速達」とわかりやすく書く
- 通常の料金に加え、速達料金の切手を貼付する
(郵便物の重量250gまでの追加料金は300円) - ポストに投かんする、または郵便局窓口にて発送する
速達の詳しいサービス内容は、郵便局のページをご確認ください。
郵便局のゆうゆう窓口に持ち込む
郵便局には「ゆうゆう窓口」という名の時間外窓口があり、集配郵便局に設置されています。営業時間は平日19時までとしている窓口が多く、大型の一部郵便局では平日21時まで開いているところもあります。また、土日祝も発送物の受付を窓口でおこなっており、普通郵便のほか、速達なども発送可能です。
ポストの集荷時間を過ぎても、こちらの窓口に持ち込めば、その日の消印・集荷扱いにしてもらえるため、時間によってはポスト投かんするよりやや早めに到着するでしょう。
ゆうゆう窓口のある郵便局や営業時間は、郵便局のホームページで調べることができます。
バイク便で送る
バイクで当日中に書類を届けてくれる「バイク便」という大変便利な民間サービスがあります。しかし、このサービスは主に都市部で運営されており、配達対象地域が都市部に限られることが大きなデメリットです。また、配送費も割高になるため、バイク便は最終手段のひとつとして考えるとよいでしょう。
直接出向いて持ち込む
上の方法がすべて使えない場合の最終手段となるのが「直接自分で発送先まで届ける」方法です。ただし、相手方に「直接の持ち込みお断り」と事前に通告されていたり、相手方に相談しても直接の持ち込みを断られたりした場合はこの方法は使えないことに留意しておきましょう。
まとめ
「必着」とは、書類の発送などで「○日必着」のように使われる言葉です。「○日必着」は「○日までに必ず届くように送ってください」の意味になります。必着日の指定がある場合、必着させるべき日から逆算して5日前までに発送しましょう。
必着日が指定されているにもかかわらず発送がギリギリになってしまった場合は、「速達」「バイク便」「直接持っていく」などの対処方法が考えられます。しかし、速達以外はデメリットが大きいため、最終手段として検討すべきです。
今回はビジネスシーンにおける「必着」について解説しました。書類が到着したあと、送付先の企業にも書類を処理する仕事が待っています。相手を考慮し、余裕をもって発送するよう心がけましょう。