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就活ハラスメントとは?対策法・相談機関などを紹介

date2024年12月18日
就活ハラスメントとは?対策法・相談機関などを紹介
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はじめに

  • 就活ハラスメントとは、就活中に企業の従業員からを受けること
  • 社会的にも問題視されており、国も対策に力を入れている
  • 最近、話題となっているオワハラも就活ハラスメントの一種
  • 日頃から、就活ハラスメントへの対処法を学んでおく
  • 被害に遭ったときは、記録を付けて信頼できる人や機関に相談する

就活ハラスメントとは

就活ハラスメントとは、就活中の学生やインターンシップに参加した学生が、企業の社員・役員などからハラスメント行為を受けることです。就ハラの略称で呼ばれることもあります。
ハラスメント行為の内容は、主にセクシュアルハラスメント(セクハラ)やパワーハラスメント(パワハラ)などが一般的です。また、最近、話題となっている就活終われハラスメント(オワハラ)も就活ハラスメントの一種です。

現在、就活ハラスメント対策は企業の義務ではありません。
しかし、厚生労働省は「就活生やインターンシップの参加者などに対しても、ハラスメント対策に取り組むことが望ましい」と企業に喚起しています。

就活セクハラの特徴と事例

就活ハラスメントとはどのような場面で起こり得るのでしょうか。
以下からは、就活セクハラの特徴や事例をご紹介します。

就活セクハラの特徴

就活セクハラとは、就活におけるセクハラのことです。
企業の社員・役員などが就活の場で性的な言動を行い、学生に不快な思いをさせることです。

2020年から2022年度の卒業生737人を対象に行なわれた厚生労働省の調査によると、31.9%の学生が就活セクハラを経験していることが判明しました。これは、3人に1人が就活セクハラを経験しているとも言い換えられます。
ただし、上記の調査にはインターンシップで起きた被害は含まれていません。インターンシップでのハラスメントを含めると、被害者の数はもっと多いことが予想されます。
また、セクハラは男性も女性も加害者・被害者になり得ます。異性間のケースだけでなく、同性間でも成立しますので覚えておきましょう。

参考:NHK サタデーウオッチ9|【就活セクハラ】およそ3人に1人が経験、男性も訴え…国が対策強化へ

就活セクハラの事例

面接やインターンシップなどの場で、企業の従業員から下記のような言動をされたことはありませんか。
不快な思いをした場合は、就活セクハラに該当する可能性があります。

CHECKポイント
  • 1.性的指向や性自認・恋人の有無・交際経験などについて質問されたことがある
  • 2.社員から採用の見返りに不適切な関係になるよう迫られたことがある
  • 3.メールやLINEなどの連絡先を無理矢理聞かれて、やり取りやデートを迫られたことがある
  • 4.2や3を断ると、内定を取り消されたり不採用にされたりしたことがある
  • 5.「結婚や出産後も働き続けたいか?」という質問を、女性だけ(または男性だけ)に行われたことがある(採用に関する性差別になるため)
  • 6.オンライン面接で「全身を見せてほしい」と言われたことがある

就活パワハラの特徴と事例

以下からは、就活パワハラの特徴や事例をご紹介します。

就活パワハラの特徴

就活パワハラとは、就活の場で学生より優越的な立場にある人(社員・役員など)が、適正な範囲を超えて学生に精神的・身体的苦痛を与えることです。
パワハラもセクハラ同様、異性間だけでなく同性間でも成立します。

また、就活終われハラスメント(オワハラ)も就活パワハラの一種です。
オワハラとは、「企業が内定を出す代わりに、他企業からの内定を辞退するよう学生に迫る行為」を指します。
昨今、少子化のあおりを受けて優秀な学生は企業同士の取り合いとなっています。加えて、就職活動自体が早期に終了する学生も多いため、オワハラが問題視されるようになってきました。

就活パワハラの事例

面接やインターンシップなどの場で、企業の従業員から下記のような言動をされたことはありませんか。
不快な思いをした場合は、就活パワハラに該当する可能性があります。

CHECKポイント
  • 1.内定を出す代わりに、他企業からの内定を辞退するように迫られたことがある(オワハラ)
  • 2.面接の場で、高圧的な態度を取られたことがある(圧迫面接)
  • 3.不採用通知メールで人格を否定されたことがある
  • 4.内定承諾の期日を延ばしてもらえないか相談したときに、暴言や嫌味を言われたことがある
  • 5.内定者同士のSNSや交流サイトに書き込みを毎日するよう強要して、従わなければ威圧的な態度を取られたことがある

就活ハラスメントを受けた際の対処法

以下からは、就活ハラスメントを受けた際の対処法についてご紹介します。

記録を付けて信頼できる人に相談する

就活ハラスメントに遭った際には、5W1H(いつ?・どこで?・誰が?・何を?・なぜ?・どのように?)を意識して記録を付けておきましょう。記録はメモでも録音でも構いません。
また、メールやSNSなどの証拠があればスクリーンショットを撮って保存しておくのも有効です。

証拠や記録を集めたあとは、信頼できる機関や第三者へ相談しましょう。

就活ハラスメントを防ぐための対策法

就活ハラスメントを未然に防ぐためにも、日頃から就活ハラスメントへの対策法を知っておくことが大切です。
以下から、就活ハラスメントに遭遇しそうな場面や気を付ける点についてご紹介します。

採用面接での対策

就活ハラスメントは採用面接の場でも起こっています。また、新型コロナ以降はオンライン面接を取り入れる企業が増えたため、オンライン面接ならではのハラスメントも存在します。
たとえば、「女性(男性)らしくない部屋だ」「スタイルがいいから全身を見せてほしい」など、採用と関係のない注意や質問を受けるケースがあるようです。

基本的に採用面接(オンライン面接・オフライン面接問わず)では、選考や希望職種に関係ない質問へ回答する必要はありません。
回答を差し控える際には、「質問は選考や業務に関するものでお願いいたします」と答えましょう。その際は、笑顔で答えると角が立ちません。

食事会に誘われたときの対策

内定前に採用担当者から食事会に誘われるケースがあります。
食事会が就活ハラスメントにあたるかどうかを見極めるポイントは、以下の4点をチェックしてみてください。

CHECKポイント
  • 1.学生の人数について:複数人いるかどうか
  • 2.採用担当者の人数について:複数人いるかどうか
  • 3.男女比について:女性だけ(男性だけ)に人数の偏りがないかどうか
  • 4.開催者や目的について:選考フローにのっとった正式な食事会かどうか

上記のポイントをクリアしていても、心配であれば断ることをオススメします。
その際は、「学校の規定で禁止されています」「学校に相談しましたが、許可を得られませんでした」などと伝えましょう。

インターンシップでの対策

インターンシップでも就活ハラスメントは起こっています。
厚生労働省の調査によるとインターンシップでの就活ハラスメントは、「性的な冗談を言われた・からかわれた」「食事やデートへしつこく誘われた」「不必要に身体を触られた」などが多いようです。

食事やデートを断りきれなかった場合は、会う時間を日中の2時間程度に設定したり、お酒の場を避けたりするように工夫しましょう。
性的な発言やボディタッチをされて不快な思いをした場合は、一人で抱え込まないことが大切です。

就活ハラスメントはどこに相談すればよい?

就活ハラスメントに遭った場合や見聞きした場合は、ためらわずに相談しましょう。疑いでも構いません。
以下から、いくつか相談機関をご紹介しますのでご参考になさってください。

大学や応募企業

大学のキャリアセンター・ハラスメント相談窓口とは、ハラスメントに関する相談を受け付けている機関のことです。大学の相談窓口は、在学生だけでなく家族・友人・卒業生などの相談にも対応してくれます。
対面以外にも、オンライン相談や電話相談を行ってくれる学校が増えています。電話相談に関しては匿名で受け付けてくれる学校もあるため、事前に自分の学校へ確認しておきましょう。

また、年々就活ハラスメント対策に力を入れている企業が増えています。そのため、ハラスメント行為を行った従業員が所属する企業の人事部や、コンプライアンス部門などに相談するのも一つの方法です。

国が運営する相談機関

国が運営に関与している相談機関には、各都道府県に設置されている労働局や厚生労働省委託事業などがあります。各都道府県の労働局への電話番号は下記の参考サイトをご参考になさってください。

厚生労働省委託事業のホームページには、「ハラスメント悩み相談室」があります。
「ハラスメント悩み相談室」では就活ハラスメント専用の窓口を設けており、メールやSNS(LINE)からの相談に24時間対応しています。また、プライバシーにも配慮されているため、匿名相談も可能です。

参考:厚生労働省|就職活動やインターンシップ中のハラスメントに関するお悩みは都道府県労働局にぜひご相談ください!

参考:厚生労働省|ハラスメント悩み相談室。職場のハラスメントでお悩みの方へ

病院・警察・法テラスなどの機関

ケースによっては、「法テラス」や「警察相談専用電話・#9110番」などへ相談することもできます。
また、身体的・心理的被害に遭った場合は専門医へ相談しましょう。

法テラスとは「法律の総合案内所」と呼ばれている機関のことであり、未成年でも相談が可能です。
一方、「警察相談専用電話」とは「#9110」番へ電話をかけるとつながる相談機関のことです。犯罪や事故にあたるのかどうかわからないが警察に相談したいときは、110番せずにまずはこちらを利用しましょう。

参考:日本司法支援センター 法テラス|トップページ

参考:政府広報オンライン|警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ

就活ハラスメントに対する国の方針

2024年11月、厚生労働省は企業に対し就活中のセクハラを防ぐための方針案を示しました。
具体的には、「従業員が就活中の学生と面談する場合(OB・OG訪問も含む)において、あらかじめルールを定めておくこと」「就活ハラスメント相談に応じる窓口を学生に周知する」などの内容です。
このように、就活ハラスメントは年々社会的な問題となっていますので、今後はより対策が強化されていくと見られます。

参考:NHK|就活中のセクハラ防止 面談のルール策定など義務化へ 厚労省

まとめ

年々、就活ハラスメントは問題視されています。
厚生労働省が注意喚起を行っているため、今後は各企業が就活ハラスメント対策を強化していくと考えられます。

とはいえ、就活ハラスメントがすぐに根絶されるわけではありませんので、被害に遭ったり見聞きしたりした場合は、早めに信頼できる人や機関へ相談しましょう。

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