AI面接とは?仕組みと対策方法を徹底解説


はじめに
- 「AI面接」とは通常の面接官の代わりにAIが役割の一部として応募者との面接を担う
- AI面接は「録画型」と「対話型」2つの種類がある
- AI面接は時間や場所にとらわれないメリットがある
- 深掘り質問にも冷静に回答できるよう事前に企業分析をしておく
- 事前対策として自分の考えや軸を深掘りしておく
コロナ禍をきっかけにAI面接が普及し、AIの情報処理能力が向上したことで、企業での導入が進んでいます。AI面接が普及することで、人材採用の効率化や応募者のあらゆる負担軽減などのメリットが期待されています。通常の面接とは異なり、AI面接の普及にはどのような背景があるのか、仕組みや流れについても疑問に思うことがあるでしょう。
本記事ではその疑問に答えるべく、メリット・デメリットと併せてご紹介します。
AI面接とは?
「AI面接」とは、AIが面接官の役割の一部を担い、応募者と面接を行うことを指します。応募者の回答をもとにテキストをデータとして受け取り、AIが応募者の声色や表情を分析します。その結果を採用担当者に引継ぎ、採用する上での判断材料として活用するものです。
AI面接が導入される背景
AI面接というサービスが導入される背景として、面接におけるオンライン化の促進や面接官の人的リソース削減などが挙げられます。つまり、応募者も採用担当者の双方にとって、負担が軽減されることから「AI面接」の需要を高めているのです。
- 応募者の交通や時間に関する負担軽減
- 企業における人材採用活動の効率化
- 面接会場の手配や日程調整など担当者の負担軽減
AI面接のパターン
AI面接の種類には大きく2つに分けられているため、応募者がAI面接を受ける際は、各種類の特徴を理解しておくことが重要です。以下、面接のパターンについて説明します。
録画型
「録画型」は応募者が自身で録画した動画をAIに提出します。提出された動画をもとにAIが応募者の声色や表情、言葉遣いなどを分析や評価をし、企業側からの質問をもとに一問一答の形式でやり取りを行います。
対話型
「対話型」はAIが面接官になり、通常で行われる面接のように応募者とのやり取りを行うものです。基本的な質問に対して回答する形式です。応募者の回答をもとにAIから深堀り質問をされ、一つひとつの質問に「1分以内」といった制限時間が設けられることもあります。
AI面接の仕組みと流れ
AI面接の仕組みについて以下、流れとともに説明します。
1.オンライン形式の面接
まず、応募者がスマートフォンまたはPCを通して、オンライン形式でAI面接に入るためのURLにつなぎます。実施のタイミングとしては任意または指定された時間帯で面接を行います。
2.AI音声認識システムによる分析と評価
応募者の表情、声のトーン、さらには視線などを、AI音声認識システムで分析します。その結果、回答内容をもとに応募者の性格傾向やパフォーマンスがデータ化され、企業に最適な適性や相性が客観的に評価されることで、公平な分析・評価が実現されています。
3.分析結果にもとづいたレポート作成
分析・評価にもとづいて、各応募者の面接評価レポートを作成します。レポートの内容は、主に面接の際にAIが評価した数値や分析・整理した応募者の回答内容などが挙げられます。
4.合否判定
AIが作成した面接評価レポートをもとに、企業が次のステップに進む応募者を選定します。この段階ではAIが判断するのではなく、企業の担当者が録画した面接動画を視聴、またはAI面接後に対面による面接という形で最終的に決定されることが多いです。
AI面接に落ちないための対策のコツ
AI面接でも通常の面接と同じように、深掘り質問が行われることがあります。そのため、通常の面接と同様の対策で十分と思うかもしれません。しかし、AI面接の特徴から、対策しなければならない点が3つあります。
どのような質問をされるかリサーチしておく
通常の面接とは異なり、AI面接では質問内容があらかじめ決まっています。AI面接の一般的な深掘り質問のパターンは、「目的」「苦労」「成果」「貢献」「根拠」の5つとされています。この5つのパターンをもとにどのような質問をされるか、AI面接対策本や練習アプリなどで情報取集しておきましょう。
自身の考えや軸を深掘りしておく
深掘り質問に対しても慌てないように、事前にSTAR法というフレームワークを取り入れて練習しておくとよいでしょう。練習内容はたとえば予測しておいた質問内容に対して、自分の考えや軸をどのように答えていくかを深掘りしていく方法です。以下、STAR法の例文を参考にしてみてください。
- 【STAR法】
- Situation(状況):
私が学生時代に○○の研究に力を入れていました。
- Task(課題):
将来、希望する○○を目指していたからです。
- Action(行動):
研究の過程で○○という問題や課題に直面しました。
- Result(結果):
さまざまな論文を調べ、○○について習得できました。
問題解決には揺るぎない努力が大切だと感じました。
企業分析をしっかりしておく
AI面接では、応募者がどれだけ企業のことについて理解しているのかを試されることがあります。そのため、企業における理念やビジョン、事業展開などの企業分析を徹底しておくことが重要であるといえます。また、最新情報も収集しておき、想定外の質問に対しても、落ち着いて回答できるようにしましょう。
服装・表情に気を抜かない
AI面接はAIがカメラで録画するため、話し方や表情だけでなく服装についてきちんとしているかどうかも、当然ながら評価されます。そのため、服装は通常の面接同様、「スーツの着用」が基本です。また、スーツ・シャツのシワや汚れに注意し、本番では背筋を伸ばして表情にも気を抜かないように注意しましょう。
AI面接におけるメリット・デメリット
通常の面接にはないAI面接の特徴を踏まえ、メリット・デメリットについて気になるのではないでしょうか? あらゆるメリットがある一方で、どのようにデメリットを回避できるか事前にチェックしていきましょう。
メリット
AI面接におけるメリットについて説明します。
時間・場所にとらわれず面接ができる
応募者が面接先に出向くには交通費がかかる上に時間もかかりますが、AI面接は自宅や海外からでも場所にとらわれず、スマートフォンやPCを通して気軽に受けることが可能です。タイミングも任意あるいはあらかじめ、指定した時間で受けられるという点では大いにメリットと言えるでしょう。
緊張せず、落ち着いて受けられる
通常の面接では自分の意見を述べる際に緊張してしまうこともあるでしょう。通常の面接の中では圧迫面接のような質問をされることがあるのに対し、AI面接ではアバターが面接官であるため、落ち着いて受けられる点ではメリットだといえます。
評価基準が統一されている
通常の面接では面接官の主観やバイアスが、評価に影響を与える可能性があります。これに対し、AI面接は事前に設定しているアルゴリズムや採用基準にもとづき、公正的に応募者を評価してくれるというメリットがあります。
デメリット
AI面接におけるデメリットを説明します。
個性や熱意が伝わりにくい
面接の際に、能力をアピールしたり、企業への思いを伝えたりするかと思います。しかし、AIは「社会人が求められる基本スキルや常識」といった客観的な要素を評価しますが、応募者の個性や熱意を十分に把握するのは難しいとされています。そのため、学歴や課外活動などの成績、個性や熱意に関しても積極的に伝える必要があるでしょう。
話すときの視線がずれてしまう
AI面接の技術は完璧でないことから、面接中に話す際に視線がずれてしまうケースも少なくありません。本来はカメラに視線を向けて話すべきところを誤ってアバターの目を見てしまうことで、良くない印象を与えかねないといったデメリットがあります。目のイラストをカメラの裏に貼り付けて、意識を向ける方法もあるので試してみるのも良いでしょう。
採用競争率が高まる
応募者の居住地が遠方であるという理由で、通常の面接へ行くのをためらってしまうケースも少なくありません。しかし、AI面接は場所や時間も気にせず受けられるため、多くの応募者が殺到してしまうことで競争率が高くなるというデメリットがあります。
まとめ
「AI面接」についてご理解いただけたでしょうか? 面接の場所や時間の制約が比較的少ないAI面接は居住地が遠方または特別な事情がある応募者にとって、うれしい取り組みだといえます。しかし、AI面接をしたことがない人にとってはハードルが高いと思うので、対策とコツを理解しておくことが先決です。事前練習の際に自分のスマートフォンやPCなどで録画し、表情や言い回しなどチェックしておくと良いでしょう。ぜひAI面接に挑戦し、選考を突破しましょう。