仕事向いてない辞めたい時まず考えること向き不向きの判断ポイントは
はじめに
今の仕事が自分に向いてないから辞めたいと感じている方へ。向いてないと考えるタイミングや理由、向き不向きの判断材料は何か、メンタルや転職への影響など、いったん立ち止まって考える必要性とその後の準備について解説していきます。
仕事を辞めたいと思い悩んでしまう際は以下の記事をご参考ください。ケース別にどう自分と向き合えばよいか徹底的に解説しています。
今の仕事は向いてない?
仕事が自分に向いてないと感じて悩むことは、決して特別なことではありません。この悩みが大きくなれば、仕事辞めたい、あるいはいつ辞めてもいいと考えることもあるでしょう。
せっかく就職した仕事を向いてないと考える理由は何でしょうか?
悩みを早めに把握し、冷静に向き合えるよう、今の仕事が自分に向いてないと考えやすいタイミングと、理由について触れていきます。
就職して1年目
新卒から就職して1年目と一口にいっても、覚えることばかりで研修に追われる入社早々の時期と少しずつ手を放してもらえる半年頃、後輩を迎える準備が始まる1年目の終わり頃まで、目まぐるしく変化する日々が続きます。
慌ただしい1年の中で、困難なことも当然少なくはありません。また仕事の節目を迎えるタイミングでは「思っていた仕事と違う」との違和感から「この仕事は自分に合っていないかも?」と不安を覚えることもあるでしょう。
新人ではなくなる2年目
一通りの仕事を経験して仕事のやりがいや楽しさがわかりはじめる2年目は、後輩を迎えることで先輩となり、いよいよ新人ではなくなる時期です。うれしく誇らしいことですが、同時に先輩としての責任やプレッシャーも感じるようになります。
もう新人ではないというプレシャーから「ミスできない……」と気負ってしまったり、後輩と比較されたり、といったことがあるかもしれません。そのような場面で必要以上に思いつめてしまうと「……この仕事は自分に合っていないかも?」と感じてしまうこともありえます。
岐路に立つ5年目
3年、4年と経験を積み重ねて力をつけてきた5年目ともなれば、自分の力で動かす仕事や他部署との連携も増えて仕事のこと以外にも企業や業界など、今まで見えなかった部分が見えてくると思います。それだけに同期や他の同僚との実績差など、仕事の難しさに直面することもあるでしょう。
そのような時期に、仕事の楽しさよりも難しさの方が勝っていると「自分はこの仕事に向いてないのではないか?」あるいは「これから先もこの仕事を続けていけるのか?」など、これから先の5年後、さらには10年後のキャリアプランに不安を感じるかもしれません。
いろいろ考える30代
大きなプロジェクトやリーダー職の機会も増える30代ともなれば、責任の伴う場面も増えることと思います。
昇進や部署の異動で今までの経験とは異なる環境に遭遇することや、部下を教育し、指導の成果や実績を出さなければならないこともあるでしょう。
責任のあるポジションには周囲からの期待やプレッシャーも伴いますので、「自分にできるのだろうか?」と仕事の難しさを認識することや、「もしかしたら、自分はこの仕事に向いてないのかも?」と不安に思う機会も増えると考えられます。
30代のキャリアプランについてはこちらの記事を参考にしてください。
30代が瀬戸際!? 今後のキャリアプラン…今の会社、それとも転職?
なぜ働くの? 仕事とは を考える
ここまでにも仕事とは、悩んだり不安になったりするほど難しいことだとわかりましたが、そもそもみなさんは何のために働いているのでしょうか?
これにはきっとさまざまな理由があると思います。その理由に迫るアンケート結果がありますので、以下に詳しく見てみましょう。
はたらく理由ランキング TOP10
順位 | はたらく理由 | % |
1 | お金のため:生きていくため | 56.3 |
2 | お金のため:趣味や嗜好品を豊かにしたい | 19.4 |
3 | お金のため:家族を支えるため | 8.1 |
4 | やりがい・好きな仕事だから | 3.5 |
5 | 社会人として働くのは当たり前だと思うから | 2.7 |
6 | 自分自身の成長のため | 2.3 |
7 | 社会とつながりをもちたい | 2.1 |
8 | 社会の役に立ちたい | 1.9 |
9 | 世間体が気になるので | 1.5 |
10 | ほかにやりたいことがありその備え/夢をかなえるため | 1.0 |
参照:Doda|はたらく理由ランキング アンケート結果
ランキングでは、1位から3位までにお金のための理由が続きました。たしかに経済的な自立は大切ですが、いずれの理由でもお金の使い道は異なっています。
また経済的な要素以外にも、働く理由にはさまざまなものがあり、いずれも仕事を続けるためのモチベーションとなっていることがわかりました。
これらの答えから、働く理由は必ずしも経済的な要素だけではないこと、仕事のやりがいや楽しさ、自分と社会をつなぐ要素などに続いているものだと言えます。
向き不向きの判断ポイント
心身の疲れやストレスが原因で仕事が自分に向いてないと考える人もいれば、人間関係や組織の構造など、自分の行動や時間の経過では解決しえない問題が原因という人もいるでしょう。
以下には、場合によっては転職も視野に入れた方がよい向き不向きの判断ポイントを4つご紹介します。
1 特技/スキルを発揮するチャンスがない
これは得意な業務より苦手な業務の方が多い場合の事例です。たとえば対人スキルがあるのに事務作業ばかりであるとか、情報処理が得意なのに営業現場の配属であるとか、得意分野の知識がまったく生かせない環境にあるなどの原因から、仕事が自分に向いてないと感じてしまう状況です。
苦手な業務でも仕事を通じた成長と経験で克服できることもありますが負担も大きく、克服に至らなければ苦痛に苛まれて働き続けるモチベーションが維持できなくなるでしょう。消耗が激しくなって休息による回復では追いつかなくなってしまいます。
このように、自分の特技やスキルが仕事で発揮できない状況を辛く感じる場合は、配置転換や転職も視野に入れるなど、自分の強みが発揮できる環境への切り替えを考えた方がよいかもしれません。
2 モチベーションが湧かない
どのような企業や職場でも、職務を通じて得られる経験と成長が、仕事の効率や上手さ、やりがいやモチベーションにつながっていきます。
やりがいや仕事の楽しさなどから湧いてくるモチベーションは、得られるまでに時間がかかることもありますから、入社してすぐにモチベーションが上がらないのは無理もないことです。
それでも経験と努力を積み重ねる中で仕事へのモチベーションが上がらず、スキルアップや昇進を目指すことに辛さや難しさを感じることがあるなら、一度立ち止まって仕事との相性を見つめ直し、環境を変えることが必要か考えてみましょう。
3 喜びを感じられない
困難な仕事を達成した時や、自分自身の成長を実感できた時には、誰しも達成感と喜びを感じるものです。
もしもそういう場面で、素直に喜べないと感じることがあるなら、もしかすると仕事の中に自分と合わない要素があるのかもしれません。
たとえば、仕事の中に価値観の相違や不本意なことがあったり、苦手なことが多くて適職とは言い難かったり、達成感や成功の喜びよりも不安や疲労の方が大きかったりするのかもしれません。
そのような時は、自分にとっての適職とはどのような仕事か、またどのような仕事なら成功を喜べるかを考えてみましょう。
4 仕事に限界を感じる
昨今の働き方改革により、残業削減を目指す一方で定時内への無理な業務圧縮や、さまざまなコンプライアンスの遵守にデリケートな人間関係など、今や企業で働く人の責任範囲はとても広いものになりました。結果として過度になった業務から心身の限界を感じる人も決して少なくありません。
そのようなストレスから仕事や環境が自分に合わないと感じることもあるでしょう。何より適職といえる自分に合った仕事や環境なら健康を保って働けるはずです。
そのような環境に限っては、仕事が自分に合うか、合わないかという問題ではありません。自分を守るためにも信頼できる人に相談し、配置転換や転職も視野に入れた柔軟な思考で対応することをおすすめします。
向いてない仕事を続けるには
さまざまな事情などで、仕事が自分に向いてないと感じながらも、辞めない道を選ぶ人もいるでしょう。そのような時に気をつけるべきはメンタル面の不調です。
前の項目でも触れましたが、ストレスを無理に我慢してしまうと心身に影響を及ぼします。
困難な仕事と覚悟して臨むのであれば「辞めることはいつでもできる」と気を楽に、自分でできるメンタルケアについて考えてみましょう。
相談先を作っておく
人事の窓口や直属の上長、メンタルヘルスの担当者、家族や友人など、相談先の窓口や信頼して相談できる人を確保しておきましょう。
人は誰しも、いざという時に相談できるだけで、気持ちや頭の中が整理されて不安やストレスがやわらぐものです。
昨今では定期的に面談を行うことでメンタル面のケアに取り組む企業も増えています。産業医や専門医、専門の機関なども話を聞いてくれますので、広く相談先を作っておくことが大切です。
小さな成功から自信をつかむ
いきなり完璧な仕事を目指しても、そう簡単には達成できません。苦手に思う仕事ならなおさらのことです。まずは初歩的な技術のルーティーンや基本的な業務での成功を大切にするなど、小さな成功を積み重ね、成功体験を積み上げていきましょう。
小さくとも着実な目標の達成は、苦手の克服や自分でも気がつかなかった新たな特技につながるかもしれません。
大きな目標ではなく、小さな目標をクリアできた時、自信につながり苦手意識も減り、仕事へのやる気も出やすくなるでしょう。
向いてないから辞めたでは通用しない?
転職活動では必ずと言ってよいほど離職理由を聞かれます。そこで「向いてないから辞めた」では、採用担当者もあなたの仕事への姿勢に疑問を抱くでしょう。
前職の課題はどこで、今後はどのように働きたいと伝えていくのかが大切です。
ここでは転職を繰り返さないために重要な自己分析や企業研究などに触れていきます。詳しく見ていきましょう。
徹底的に自己分析!
志望先の企業が納得し、ぜひ採用したいと思ってもらうためには、事前の準備が大変重要です。自分の苦手なこと得意なこと両方を理解して自分を知るために、自己分析をしっかりと行いましょう。
これまでの仕事で向いてないところはどこだったのか、自分の苦手はどこにあるのかを分析することで、どのような業務を避けるべきかを明確にします。
また今まで経験した仕事の中には、向いてないと思いつつも得意な業務や作業もあったはずです。そこからどのような仕事なら興味をもって取り組めるか、自分の活かせる得意分野は何であるかをしっかり分析して把握します。
苦手なこと得意なこと両方についての把握が済んだら、それらの要素を交えて、今後はどのように働いていきたいかを説明できるように準備をしましょう。
しっかりと企業研究!
自己分析で苦手なこと得意なことを把握したら、その条件に合った志望先を探します。そしてしっかりと志望先の企業研究を行ってください。
その際には雇用形態や給与待遇だけでなく、業種や仕事内容、社風や企業理念などもよく調べて、自分に合った企業かを確かめましょう。
自己分析と企業研究を行うことで今後はどのように苦手分野を得意分野で補って働くのか、志望先企業に感じる魅力や共感する部分、そしてどういうところが自分に合うと考えるのかを明確にでき、自信をもって転職に臨めるでしょう。
企業研究の詳細を解説しました。詳しく知りたい方は、企業研究のやり方(就職・転職活動での具体的な方法、どこまで? 意味ない? の疑問に答えます)こちらの記事を参考にしてください。
30歳を境に変わる転職事情
年齢と能力に必ずしも相関関係があるわけではありませんが、企業側はより長く貢献してくれる若い人材を欲するものです。また年齢が上がれば相応に給与面などの処遇を考慮する必要があるとも考えられます。
20代の求人は最も多く、30代に入るとその数は減少し、以降も年齢の上昇とともに求人は減る傾向にあります。
30代での転職では、今までの経験を元に即戦力として求められる傾向があり、年齢相当の経験と知識があると判断される場面も増えるでしょう。
転職では30歳を境に、求められる要素や経験に大きな違いがあるため、今の仕事が向いてないと感じるなら早めの対応と正確な判断が必要です。しっかりと自分と向き合い結論を出すことが重要と言えます。
未経験の業界や業種へのキャリアチェンジにはこちらの記事を参考にしてください。
未経験からのキャリアチェンジにおすすめ! ワークライフバランスがとれ安定して働けるIT業界の職種とは!?
まとめ
仕事が自分に向いてない、仕事を辞めたいと思うことは、特別なことではありません。仕事の節目ごとにたくさんのきっかけや理由があること、そのような時はいったん立ち止まって考えること、その判断ポイントとして、向き不向きの事例をご紹介しました。
よく考えた末に、向いてないと思いながらも仕事を続ける人にはメンタルケアを、転職を選択する人にはよく準備して検討することを、それぞれおすすめしました。
どのような道を選ぶにしても最後に決めるのは自分です。自分にとって一番納得できる選択と働き方を心掛けてください。
最後のチェックポイント
- 仕事が自分に向いてないと悩むことは、特別なことではない
- 1年目、2年目、5年目で「向いてない」と考える理由は異なる
- はたらく理由には人によってさまざまなものがある
- 仕事の向き不向きには判断のポイントがある
- 向いてないと思う仕事を続ける時にはメンタルケアが大切
- もしも転職を選択するならよく準備して臨むこと