PREP法とは?相手に伝わる文章の作り方【例文あり】
はじめに
- PREP法は、要点・理由・具体例・要点の順に文章を構成
- 他のフレームワークより就活時の文章作成や面接の回答を考えるときに役に立つ
- PREP法は、簡潔な文章構成なので、わかりやすく説得力のある文章が書ける
- 比較例文から、結論を先に伝えるPREP法は、相手が理解しやすくなるメリットがある
- 習得のためには練習が必要
- PREP法は社会人になっても活用できる思考ツール
就活では、自己PRや志望動機・エントリーシート(ES)をはじめ、面接での回答例などさまざまな文章を考え作成する必要があります。なかなか手ごわくて難しいと感じる方も多いでしょう。そのようなときに役立つのがPREP法です。この記事では、PREP法とはどのような方法かを例文で紹介しながら解説します。
PREP法とは
PREP法は、Point :要点・結論 → Reason :理由 → Example:具体例・事例・データ → Point :要点・結論
この順番に文章を構成することで、わかりやすく説得力のある文がつくれます。
PREP法は、4つのフレームワークに従って文章を作成する思考ツールのことで、読み方はプレップ法です。
要点とは結論や主張のことで、最初に結論を伝え、その結論が導かれた理由を説明します。その後に、具体例や事例・データを示して結論の正当性や信ぴょう性を補足します。最後にもう一度、要点(結論)を繰り返すことで、伝えるべきことが印象に残りやすく、わかりやすい文章を作成できるのです。
- PREP法を使った例文
- P(Point) :要点・結論・主張
PREP法は、就活における自己PRや志望動機の作成、面接のやり取りなどに役立ちます。
- R(Reason) :理由
それは、簡潔で説得力のある文章が作れるからです。
- E(Example):具体例・事例・データ
たとえば綿密に企業研究をした志望動機に、志望企業だから自身のここが活かせるなどとデータと自身のしたいことに関係性を提示できれば、採用担当者を説得できる文章が書けます。
- P(Point) :要点・結論・主張
そのことから、PREP法は就活に大変役立つ思考ツールといえます。
一見難しそうに思われるでしょうが、フレームワークに従って内容を考え、当てはめていくイメージです。レポート作成でも活用できます。
他のフレームワークとの違い
文章作成に役立つフレームワークは他にもあります。それぞれ目的別・場面別に使いどころが異なりますので、区別して理解しましょう。
SDS法
SDS法とは、Summary(要点)・Details(詳細)・Summary(要点)の順に文章を構成します。特徴は「詳細」を中心に伝える点です。シンプルなのでPREP法よりも自由に利用できます。
- SDS法を使った例文
- S(Summary):要点・結論
私は人と話すのがとても好きです。
- D(Details):詳細
学生時代にイベントの案内係のアルバイトをしていて、マニュアル通りの接客ではなく、お客様が望んでいることはなんだろうと考え、言葉をかけるように心がけました。広いイベント会場では、思わぬ困りごとをかかえるお客さまも多く、感謝されることが多かったです。
- S(Summary):要点・結論
貴重な経験の中で、人と話す機会の多い職種につきたいと考えました。
短時間で簡潔に要点(詳細)だけを説明するときにはSDS法が適切ですが、詳細を説明するとき上記文章では、面接官は「なぜ、話すのがそんなに好きになったのだろう」と疑問をもつかもしれません。それはPREP法と異なり詳細を説明するための「理由」がないために、話の内容を深めることが難しい構成だからと言えます。
SDS法について、さらに詳しく解説した記事です。SDS法とは?メリットや就活での活用法を例文付きで紹介こちらも合わせてご覧ください。
DESC法
DESC法は、Describe(模写)・Express(説明)・Suggest(提案)・Choose(選択)の順に文章を構成します。相手の状況や言動を示して、それに対して客観的な説明をします。解決策としてのアイデアを複数提案して、その中から選択し行動してもらいたいときに有効なフレームワークです。
相手の納得感が得やすい思考ツールと言えます。就活などで利用するよりも、行動変容を求める場面で有効なフレームワークと理解しましょう。
PREP法を使うメリット
PREP法は、簡潔でわかりやすく説得力のある文章が作成できます。これは就活だけでなく社会人になっても、社内の報連相・企画書や提案書の作成・プレゼンなどに活用できる有効なスキルです。メリットも多いので以下で解説します。
聞き手にわかりやすい
PREP法は、最初に要点(結論・主張)を示すことにより、聞き手は何についての内容かを理解しやすく、話の内容がわかりやすくなります。文面においても同様の効果があり読み進めるうちに、「このような理由があり、この経験が要点の裏付けになっているのか」と納得感も得られることがメリットです。
結論を明確にできる
PREP法では、最初と最後で要点(結論・主張)を繰り返し示すことで、伝えるべきことを明確にできるメリットがあります。最初の要点で話の概要がつかめ、最後の要点で結論が明確になることで「ここを一番伝えたかった」という意図も理解してもらえるでしょう。
説得力があがる
最初の要点(結論・主張)を選択した理由と、要点の根拠となる事例や信ぴょう性に関するデータを示すことで、文章の裏付けとなり説得力があがります。
就活時は限られた文字数や時間の中で、どこまで自分をアピールできるかがカギです。説得力のある文章は大きなメリットとなるでしょう。
不要なやり取りが減りストレスの軽減ができる
採用担当者は、多くの就活者の応募書類や面接を行います。何を言いたいのかわからない文章やまとまりの無い内容では、疑問に思うこともあり文章の理解に苦労することが多いです。面接でも補足的な質問になりがちで前向きな回答を得るに足りない場合など、不要なやり取りは大きなストレスになります。
簡潔でわかりやすく説得力のある文章や、面接のやり取りができれば、それだけで採用担当者の好感度もあがるでしょう。
面接では、さまざまな角度から就活生を観察します。新卒求人の「人柄重視」とは?その真意や面接対策を徹底解説このようなところも見られている例です。参考にしてください。
容易に文章作成できる
P・R・E・Pそれぞれに必要な内容を当てはめていくだけで、簡潔にまとまった説得力のある文章が仕上がる構成になっているため、目的に合った文章を簡単に作成できます。しかし、完成度を上げるためには、文章を書き慣れる必要があります。興味のあることでかまいませんから、普段からこのフレームワークに従って書き、練習をしましょう。
情報や考えを整理できる
伝えたい結論や主張を導き出した理由や、その根拠を説明するための事例やデータは何が必要かなど、説得力のある文章にまとめるためには情報や考えを整理する必要があります。普段から練習して使いこなせるようになると、突発の事例にも情報や考えを整理できるようになります。
面接で想定外の質問をされた時も慌てずに対応できるようになるでしょう。
PREP法にはデメリットもある
PREP法は、簡潔にまとめるという特徴があるのでスピーチや長文には向きません。また、感情表現もしづらいため小説などの執筆にも適さないというデメリットがあります。
さらに、使いこなせるまでは、普段の練習が必要な点もデメリットと言えるかもしれません。
PREP法を使った場合と使わなかった場合
就活の場面で活かせる事例を紹介します。PREP法を使った場合と使わなかった場合に、どのような違いが生じるのかを見比べてみてください。
自己PR
PREP法を使った例文
私の強みは粘り強さです。
R:学生時代の学園祭で、諦めずに企業訪問を行い、協賛企業を獲得した経験があるからです。
E:企画の趣旨に賛同いただける地元企業をリサーチして、電話や飛び込みでアプローチしました。なかなか獲得できず苦労しましたが、卒業生が多く在籍する企業を優先したり、協賛いただけた場合のメリットを具体的に伝えたりと工夫をして、協賛いただけたときは大変うれしかったです。
P:この経験から強みである粘り強さを活かして営業職として働きたいと思うようになりました。
PREP法を使わない例文
学生時代は陸上部に所属し長距離走に取り組んでおりました。苦しい練習の日々を乗り越え、結果を出すための努力を重ねてきました。そのため体力と忍耐力には自信があり、営業先でアポイントが取れなかったとしても、諦めずに何度でも挑戦する自信があります。お客様が求めること・喜ぶことは何かを常に考えながら、営業職で忍耐強さを活かしていきたいと考えております。
最初に事例から入ることで、最後まで読み進めてはじめて結論が見える例です。
志望動機
PREP法を使った例文
貴社の「個を大切にする」企業理念に感銘を受け志望いたしました。
R:IT業界では、個の技術力と向上心が重要と考えたためです。
E:私は大学でアプリケーション開発を行い、趣味でもソフトウエアの開発を行っております。その中で、個人の技術力に頼る場面が多かったです。技術力をあげるために、新たな技術に対し向上心をもって努力し資格も取得してまいりました。優れた技術力をもつ個人個人を大切にして、その技術を活かせる貴社で働きたいと思うようになりました。
P:個を大切にすることから大きな力を生む貴社において、貴重な個となれるようまい進していく所存です。
PREP法を使わない例文
貴社の企業理念に、私が座右の銘としている「創意工夫」の言葉を拝見しました。難しく越えられないと思う出来事でも、はじめから無理・出来ないと結論を出すのではなく、何かできることはないかと模索することの大切さを実感しています。一人で解決できないことも、何人かに相談することでアイデアが生まれたこともありました。同じ理念をもつ貴社において、発想の転換の一役を担えるよう務めて参りたいと思います。
理由(R)がないため、説得力が薄い例といえます。
面接の受け答え
PREP法を使った例文
Q:あなたにとって仕事とは何ですか。
P:私にとって仕事とは、正確な情報を伝え、豊かな生活の一助となることです。
R:そのように考えたきっかけは、学生のときにWebライティングのアルバイトを経験したためです。
E:自分の書いた記事を読んだ読者がどんな風に感じてくれるだろうかと考えることが多々ありました。ナイーブな題材のときは、この記事で少しでもほっとした穏やかな気持ちになってほしい、前向きになってくれたらいいなと思いながら執筆もしました。読者が求める正確な情報を伝えるための情報収集を十分に行い、読みやすさや表現を工夫することで、心にとどまりやすい記事を心がけた結果、Google検索で1位表示されたこともあります。
P:御社においても、常に読者の視点を意識しながら、精一杯生活の一助となるWebサイトの作成に努めて参ります。
PREP法を使わない例文
Q:あなたにとって仕事とは何ですか。
私にとって仕事とは、仲間と協力して働きやすい職場環境を作ることです。以前、アルバイトをしていた飲食店では従業員同士の声掛けを奨励していました。混雑した店内でお客さまの注文を効率よく間違わずに提供するためでしたが、声掛けは従業員同士の連帯感や協力意識も強くなりました。事務の仕事でも、声掛けは大切なコミュニケーションの一つだと思います。
御社においても、綿密で正確さを求められる事務職でも、仲間と協力して行えるように努めて参ります。
こちらも理由(R)がないために説得力が薄くなっています。
面接では、想定外の質問をされることもあります。面接で「入社後にしたいこと」を質問されたら?このような質問への回答方法を記載してありますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
PREP法は、就活においてはもちろん有効です。さらに、社会人になってもさまざまな場面で活用できる思考ツールです。フレームワークに従って文章作成の練習をして、ぜひ使いこなせるようになりましょう。
実はこの記事もPREP法にならって作成しました。
P:PREP法は就活の自己PRや志望動機を書くとき、面接の受け答えに大変役立ちます。
R:なぜなら、簡潔でわかりやすく説得力のある文章を作成できる思考ツールだからです。
E:メリットや例文から有効な手段であることを捕捉説明しました。
P:以上のことからPREP法は就活に役立ちますので、練習をして使いこなせるようになりましょう。
このように、文章を作成するときに、常に意識して文章構成を考える癖がつくとよいでしょう。