履歴書写真を撮るときの服装選びのコツと女性のためのセレクト法
はじめに
証明写真は、履歴書の中で唯一外見のイメージを伝えることができるものです。採用担当者は履歴書の写真から、応募者がどういった雰囲気の人物なのか、ビジネスシーンにふさわしい身だしなみができているのかをみています。
証明写真には本人確認の意味合いもあるため、3ヶ月以内に撮影した写真の使用が望ましいとされています。今回は女性が履歴書用の写真を撮るときの服装や、注意したいコツについて紹介します。
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証明写真の撮影に臨むときはスーツで
履歴書に貼る証明写真は、自分の印象づけとして重要な要素のひとつです。清潔感や明るさといった文章では伝わりにくいイメージも、証明写真に映った表情や服装を通じてアピールすることができます。服装について応募企業から特に指定がないのであれば、私服よりもスーツを着用して写真を撮るのが望ましいでしょう。
スーツを着た方が良い理由や好印象を与えるスーツの選び方について、詳しく説明していきます。以下の記事も併せて参考にしてみてください。
履歴書写真の正しい撮り方とルール【サイズ・服装・アプリ・背景など】
女性のスーツは種類が豊富!
女性のスーツは種類が多く、ジャケットにはテーラードカラー、ノーカラー、スタンドカラーなど、さまざまな襟のデザインのスーツがあります。ボトムにはスカート、パンツ、ワンピースがあり、タイトなシルエットでシャープな印象のものや、柔らかで曲線的なシルエットで女性らしい印象をアップしたデザインもあります。
面接関連ではテーラードカラーとスカートの組み合わせが多くの人に選ばれていますが、近年ではパンツスーツでも問題ないとされています。ワンピースタイプのスーツはフォーマルな印象となり、ビジネスシーンには合わないと感じる人も多いため、証明写真や面接時には避けた方がよいでしょう。
できる女性の着こなし術
スーツ選びで迷ったときは、採用担当者にどんな印象を与えたいかを考えて選びましょう。落ち着いた印象のスーツを着ることで、誠実で仕事ができる女性だという印象を与えることができます。企業が求める人材像に合わせて、着用するスーツの色や種類を変えることも大切です。ここでは20代と30代の女性ではスーツ選びでどのような違いがあるのかを詳しくみていきます。
20代は無難なリクルートスーツで
リクルートスーツは、ビジネススーツと大きな違いはありませんが、一般的には価格帯が安価でシンプルなデザインのものを指します。リクルートという名の通り新卒者が就職活動するためのスーツで、フレッシュで爽やかな印象をアピールすることができるため、20代女性の就職活動時におすすめの一着です。
一方で、安価な生地で仕立てられている場合が多いリクルートスーツは、ビジネススーツと比べると耐久性や着心地で劣るというデメリットがあります。そのため、就職後は新入社員研修期間を目安として、ビジネススーツへと切り替えるとよいでしょう。
30代は落ち着いたビジネススーツで
中途採用では、これまでの仕事の経験値を踏まえて即戦力となる人材を求めている企業も多い傾向にあります。30代女性の就職活動時では、未熟な印象を与えかねないリクルートスーツよりも、自分の強みを効果的に演出できるビジネススーツのセレクトが望ましいでしょう。
例えば、機能的で活動的な印象となるパンツスーツは、営業職への応募時に向いています。落ち着いた色合いのビジネススーツにクリーム色やピンクのブラウスを合わせると、やわらかく穏やかな雰囲気となるので接客業を志望する人におすすめです。
適切な服装のセレクトで印象が分かれる
証明写真の撮影や面接に臨むとき、適切な服装をセレクトすることで、「仕事でもきちんとした身だしなみができる人物だ」と思ってもらえます。男性と比べると女性のスーツ選びはアイテムの種類が多い分、どのような着こなしをするべきか悩んでしまう場面もあるでしょう。組み合わせやアイテムによっては合否に少なからず影響が出る場合もあるので、以下の解説を参考にして好印象を持ってもらえるコーディネートを目指しましょう。
正社員の場合
採用担当者は証明写真や面接時の服装を通じて、応募者に最低限のビジネスマナーが身についているかをチェックしています。スーツの着用はビジネスマナーを守っているという点で評価されやすく、それ以外の服装を選ぶのはかなりのリスクが伴います。
正社員で応募する場合はアルバイトやパートよりもビジネスマナーについて厳しく見られますので、基本的にはスーツを着用するのが無難です。特に公務員や金融業界といった堅実な印象が好まれる仕事の場合は、個性をアピールするアイテムは控えて、ベーシックなものを選びましょう。
私服やスーツ以外でOKとする場合
アルバイトやパートなど、応募企業や雇用形態によってはスーツ以外の写真でもOKな場合もあります。アパレル業界やインターネット業界、クリエイターなどの職種では、私服で仕事をするので必ずしもスーツ着用でなくとも問題ないというケースも存在します。しかし、履歴書に貼る証明写真では清潔感があるきちんとした印象が好まれるため、何を着るか迷ったら基本的にはスーツを選ぶのが無難と言えるでしょう。
また、身だしなみのひとつとしてメイクも忘れずにしましょう。肌なじみのよいブラウン系のアイテムを中心に選び、ナチュラルな仕上がりを意識するのがコツです。
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オフィスカジュアルスタイルはOK?
カジュアルスタイルのスーツは動きやすくデザインもおしゃれなことから働く女性に支持を得ていますが、転職関連で着るのは不向きです。理由としては、女性はオフィスカジュアルでOKというケースも多いものの、どの程度カジュアルダウンしていいのかの基準は企業によって異なるためです。見極めが難しいので「私服で面接OK」の場合や就職後、会社の規定や職場での先輩の服装をチェックして着るのが堅実です。
証明写真の撮影においても、個性を強調する私服よりもスーツを着用していた方が好ましく受け止められるでしょう。
女性特有の服装についての注意点
この項目では、女性特有の服装についての注意点について解説していきます。ビジネスシーンに合わせた清潔感のある装いを心がけるという点は男女共通ですが、身に付けるアイテムや細かなポイントに違いがあります。
インナーとの相性を確認しよう
髪型や靴など面接時にチェックしておきたい身だしなみのポイントは多いですが、スーツを着用するときにはインナーとの相性も重要です。格式や規則など社風が厳しい企業ではカジュアルな雰囲気になりやすいカットソーは避けるというように、スーツとインナーの組み合わせをよく考えて選ぶようにしましょう。薄手の生地のインナーで、下着が透けていないかどうかも気を付けたい部分です。もう一着インナーを重ねるなど下着が見えないよう工夫をしましょう。
好ましいOK事例
採用担当者に「この人なら安心して任せられる」と思ってもらえるような、清潔感のある服装で撮影に臨む必要があります。下記の好ましいOK事例を参考にして、どんなアイテムを選べばいいのかチェックしましょう。デザインだけでなく、シワや汚れがないかといった点も忘れずに確認しておきましょう。
写真を撮る前にジャケットにほこりやフケがついていないか、ブラウスの襟元が黄ばんでいないかも点検しておきましょう。
黒、濃紺、グレーのスーツ
スーツの色はビジネスシーンで定番色である黒や濃紺、グレーを選びましょう。意外な落とし穴として注意したいのが、日本では一般的とされる黒のスーツは、欧米では冠婚葬祭のイメージが強く、ビジネスの場にはそぐわないと考える傾向にあることです。したがって、外資系企業に応募する場合は黒よりも濃紺・グレーのスーツを着用するのが望ましいでしょう。ビジネス用の黒スーツを選ぶときは、適度に光沢感のある生地のものをチョイスしましょう。
白か薄い色合いのブラウス・カットソー
インナーは白や薄い色合いのブラウス・カットソーを選びましょう。肌の色味やスーツのジャケットの色によって、どのインナーが合うのかは変わってきます。インナー単体で選ぶのではなく、ジャケットと一緒に試着して色合いを確認したり鏡で顔映りをチェックしたりして、相性の良いものを選びましょう。細めのストライプなど遠目から見て柄がわかりにくいものであれば問題ない場合も多いですが、基本的には無地のものをセレクトするのが無難です。
避けたいNG事例
選ぶアイテムや着こなしによっては、採用担当者に不安を抱かれてしまうこともあります。極力避けたいパターンとして、下記のようなことが挙げられます。
- 胸元が大きく開いていて露出が多い
- 派手な色の服装
- フリルやレースなど華美なアイテム
なぜこのような着こなしを止めた方がいいのか、NG事例について説明します。
胸元が大きく開いたインナー
ノースリーブや胸元が大きく開いている服など、肌の露出度が高いものは印象を良くしません。ビジネスシーンにそぐわない服装を着用していると面接官に不安要素を抱かせてしまうので、極力避けましょう。
第一ボタンがないスキッパーカラーは、顔周りがすっきりして見えて活発な印象を与えてくれるというメリットがある一方で、胸元が開きすぎてしまうこともあるので注意が必要です。証明写真を撮る前に襟を整えましょう。
派手な色を使った服装
派手な色使いの服は元気でエネルギッシュな印象となり個性をアピールすることができますが、ビジネスシーンにはふさわしくないと減点されてしまう可能性が高いので、証明写真撮影時には避けた方がよいでしょう。
アパレル業界などファッションセンスや個性を重要視する企業は例外として、基本的にはスタンダードな着こなしが好まれます。スーツやインナーの柄はベースの色になじんだ控えめなものであれば問題ありませんが、コントラストのはっきりしたデザインはカジュアルすぎると捉えられるリスクがあります。
フリルがついているブラウス
華やかで女性らしいイメージのあるフリルがついているブラウスは、面接では避けた方がよいNGな服装のパターンです。フリル以外にも、パールボタンのついたものやレースがあしらわれたデザインなどの華美なアイテムは避け、シンプルで落ち着いた印象のブラウスを選びます。
レギュラーカラーの場合、シャツのボタンは全て留めるのが正しい着こなしです。ネックレスやイヤリング、スカーフといったアクセサリー類は外しておきましょう。
スーツの着こなしはサイズ感から決まる
ダボッとしたオーバーサイズのスーツはだらしなく見えてしまいますし、逆にぴっちりしすぎていても良い印象を与えません。スーツの着こなしで重要なのは、身体にフィットした適切なサイズを選ぶことです。女性は胸やお尻のボディラインによってスーツのシルエットに影響が出やすいため、事前にサイズを測ってからスーツを選ぶとよいでしょう。
通販だと同じサイズでも着心地が違う、サンプル画像と実際のスーツで色味が異なるといったトラブルが発生する場合があるため、採寸や試着ができてその場で確認可能な実店舗の利用が安心です。
肩幅のフィット感を意識しよう
スーツのサイズ感で特に気を付けたいのが、肩幅のフィット感です。肩幅が合っていないと着崩れしやすく、だらしない印象となってしまいます。他のパーツと比べるとサイズ直しが難しい部分でもあるので、優先的に確認しておきましょう。
薄手のブラウスやインナーの上からジャケットを羽織って、肩をつまんだときに1cmくらいゆとりのあるものが最適なサイズとされています。試着時は腕をあげるなどして、フィット感を確認してみるとよいでしょう。ボタンを留めたときに手のひらが入る程度に少し余裕のあるサイズ感が理想的です。
まとめ
第一印象を決定づける要素として、視覚情報は半数以上の割合を占めているといわれています。「この人に会ってみたい」と好印象を持ってもらうために、履歴書の写真は気の抜けない項目のひとつです。
身だしなみは社会人としての信頼につながります。着こなしやアイテム選びに問題がないか今一度チェックしましょう。
履歴書に証明写真を貼る際、裏面に氏名と日付を書いておきましょう。万が一はがれてしまっても、どの応募者の写真かわかるので親切です。
最後のチェックポイント
- 証明写真はスーツを着て撮影するのが望ましい
- 年代に合わせたスーツの色を選ぶと好印象
- 正社員での応募はスーツを着用する
- 私服でOKの場合もあるが、基本的にはスーツ着用が無難
- 露出が大きいものや華美なものは避けて、落ち着いた印象のインナーを選ぶ
- 肩幅のフィット感を意識し、自分の身体に合ったスーツ選びをしよう