【面接対策】よくある質問と回答例 新卒・経験が浅い場合は?
はじめに
新卒や経験が浅い応募者に対する面接では、基本のビジネススキルや社会人としての心構えを問われる質問が想定されます。仕事への積極的な姿勢をアピールできるよう、事前の対策をしっかりと行いましょう。
新卒時は希望通りの会社に入社しましたか。
第二新卒かつ25歳未満の応募者に対しては、新卒時の就職についての質問が想定されます。この質問には、応募者の仕事に向き合う姿勢を測り、雇用後の早期退職を予防したい意図があります。
新卒時に希望通りの企業に入社できたとしても、できなかったとしても、回答のポイントは共通しています。「一度社会に出て経験を積んだことで、本当にやりたいことが見つかり、それを御社で実現したい」という旨を伝えられることが望ましいです。社会人としてスキルを磨き、現在の応募企業に貢献できる人材へと成長できたことをアピールしましょう。」
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回答例
「新卒時は希望通りの会社に入社することはかないませんでした。
元々は製品企画・開発分野での就職を希望していたのですが、小売店を対象とした店舗備品の営業職として入社しました。しかし、営業の経験を積むことで、店舗従業員の方など現場の声をじかに聴くことができ、「顧客の課題解決につながる製品を開発したい」という思いが強くなりました。
御社では、「顧客目線の製品づくり」を掲げ、お客さまへのヒアリングを重視した企画開発を行っているとお聞きしています。御社に入社した際には、前職での経験を活かし、お客さまの声に寄り添ったものづくりをしていきたいと考えております。」
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失敗例
「新卒時は希望通りの会社に入社することはかないませんでした。
元々は製品企画・開発分野での就職を希望していたのですが、小売店を対象とした店舗備品の営業職として入社しました。しかし、慣れない営業の仕事でモチベーションを上げることが難しく、上司と営業先との間で板挟みになることもあり、やはり開発職に就きたいと転職を決意いたしました。
御社では、「顧客目線の製品づくり」を掲げ、お客さまへのヒアリングを重視した企画開発を行っているとお聞きしています。御社に入社した際には、以前からの希望である企画開発の分野に携わることを希望いたします。」
NGポイント
前職が希望通りの仕事ではなかったとしても、ネガティブに話してしまうのはNGです。興味がない、向いていないと感じる仕事に関わっていたとしても、その経験から何かを学び、今後に活かしていくという点を伝えましょう。
あなたにとって仕事とはなんですか。
この質問では「仕事への価値観・熱意」「あなたのキャリアプラン」「応募企業とのマッチング度合い」を聞かれていると考えてください。事前にしっかりと企業研究・自己分析を行い、応募企業の社風や経営方針などを調べたうえで、その内容にマッチするような回答ができるようにしましょう。
自分にとって仕事とは何かを導き出すためには、過去の経験を振り返り、どのような場面でやりがいや達成感を得られたか、働くうえで譲れないことは何かを明確にするのが大切です。そのうえで、応募企業の価値観に即したアピールができるよう心掛けましょう。
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回答例
「私にとって仕事とは、サービスを通してお客さまに感動や快適さをご提供することだと考えます。
このように考えたきっかけは、大型ホームセンターでのアルバイト経験です。当初は知識・経験不足もあり、お客さまに満足いただける応対ができていないと感じておりました。そこで、各商品の特徴や性能を把握するとともに、書籍やインターネットの動画講座で話し方やコミュニケーションの勉強を行い、お客さまにより充実した商品提案とサービスをご提供できるよう努めました。結果、お客さまにご好評いただき、企業内の接客コンテストに店舗代表として出場させていただくことができました。
御社においても、日々の修練を怠らず、お客さまに豊かな店舗体験をもたらすことができるよう、努めてまいります。」
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失敗例
「私にとって仕事とは、生活をしていくうえで必要不可欠なものです。
仕事をした対価として給与を得て、それが暮らしにつながっていきます。ですので、給与に見合った働きができるよう、与えられた業務には手を抜くことなく、一生懸命に取り組んでまいりました。
御社においても、日々の修練を怠らず、どのような仕事でも真摯に対応していく所存でございます。」
NGポイント
「仕事=生活の糧」といった考えは、仕事への応募者ならではのモチベーションや、応募企業とマッチする価値観が感じられないため、この質問の回答としては不適切です。「生活のために仕方なく働いている」「特にすることがないため」など、ネガティブと捉えられる回答も避けましょう。
「今まで働いたことがないからわからない」という場合は、学生時代の経験などを思い返して、自分が仕事をしたら何を大事にするか、想像してみるのをおすすめします。
仕事をするうえで大切にしていることはありますか。
この質問では、応募者の仕事に対する価値観や仕事に向き合う姿勢を通じて、「自社に入社した際にどのように仕事に取り組んでくれるか」を見られています。そのうえで、仕事を進められるコミュニケーション能力も伝えられることが望ましいです。
回答の際は、「他者と一緒に物事に取り組んだ経験」や「責任を持って物事を成し遂げた経験」を掘り下げ、自身の仕事に対する軸として具体的に話しましょう。さらに、自分の価値観が応募企業や応募職種にどう役立てられるかを交えて伝えると、志望度の高さもアピールできます。
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回答例
「私が仕事をするうえで大切にしているのは「傾聴力」と「分析力」です。
前職では、マンションなどの管理を請け負うプロパティマネジメント業務を担当していました。あるときご依頼を受けた物件では新規の入居者が年々減少していたため、空室対策・入居率の向上が課題となっていました。そこで、オーナーさまのご要望や懸案事項をヒアリングしたうえで、現在の入居者層の分析と、近隣地域のニーズ調査を行いました。その結果をもとに、単身の若年層をターゲットに据え、オートロックや宅配ボックス設置などの設備改修、若者の利用が多いインターネット中心の宣伝広告展開を行いました。最終的に、入居率を前年より約30%向上させることができ、私にとっても大きな自信につながりました。
今後も、相手の話に耳を傾け、得られた情報をさまざまな視点から分析したうえで、お客さまにとって最適の提案ができるよう努めてまいります。」
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失敗例
「私が仕事をするうえで大切にしているのは「協調性」です。
前職では、マンションなどの管理を請け負うプロパティマネジメント業務を担当していました。オーナーさまのお話を聴き、さまざまな調査を行いました。その結果をもとに、マンションの改修や宣伝を行い、最終的に、入居率を向上させることができました。私としては当たり前のことしかやっていないという印象で、大きな仕事を成し遂げたという実感は薄いです。
今後も、周囲と協力して物事を進められるよう、取り組んでまいります。」
NGポイント
仕事をするうえで大切にしていることは、なるべく具体的でイメージしやすいものを選びましょう。自身の経験を語るエピソードも、詳細まで具体的かつ客観的に話すことで、説得力を持たせることができます。
また、「自分はこのくらいのことしかやっていない」など、控えめな回答はこの場では避けましょう。自分の価値観について自信を持って伝えることで、「自社でも前向きに活躍してくれるかもしれない」という評価につながります。
最近仕事以外で関心のあるニュースはなんですか。
ニュースに関する質問には、応募者の情報収集力や社会情勢などに対する意識・考え方、自分の意見をうまく伝える力があるかどうかを知る意図があります。
題材とするニュースを選ぶ際は、面接当日より2か月~3か月前くらいまでの新しい話題、経済やビジネスに関する話題が望ましいです。さらに、できれば応募企業や業界に関する話題を選択すると、志望度の高さをアピールできます。ニュースサイトの情報をそのまま読み上げるような伝え方は避け、そのニュースに関心を持った理由も添えて、自分の意見やニュースから学んだことを述べられるようにしましょう。
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回答例
「私が興味を持った最近のニュースは、キャッシュレスの普及についてです。
先月、経済産業省から去年の国内キャッシュレス決済比率についての発表があり、決済比率は堅調に上昇しているとのことでした。私自身の生活圏もキャッシュレス化が進んでおり、強く関心を抱いている分野です。 電子決済が多くの小売店などで可能となり、スマートフォンをだけ持って買い物に出かけるといった人も増えています。一方で、フィッシングやEスキミングなどのセキュリティリスクへの対策が大きな課題であると考えています。
御社においては、製品のEC販売サイトでワンタイムパスワードを採用するなど、セキュリティ対策に力を入れているとお伺いしています。私も、リテラシーを高く持ち、お客さまの安心に貢献したいと考えております。」
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失敗例
「私が興味を持った最近のニュースは、プロ野球の〇〇選手が日本記録を達成したことです。
私自身、子供の頃から〇〇選手が所属する球団のファンなので、非常に印象に残りました。来季以降、メジャーリーグへの挑戦なども考えられますが、本人の意思を尊重しつつ、今後も応援を続けていきたいと考えております。」
NGポイント
芸能・スポーツなどのニュースは、自分の意見や考え方を伝えにくいため、おすすめしません。どうしても題材にしたいという場合は、「〇〇選手の常に目標を持って取り組む姿勢は、仕事のうえでも参考になると思います」など、話題の人物の功績から学んだことを自己アピールにつなげる形でまとめましょう。
そのほか、宗教・思想など、個人の信条に関わるニュースや、「必ず〇〇すべきです」のように断定的に意見を述べることは避けたほうがよいでしょう。
最近関心のある・感銘を受けたことはなんですか。
この質問には、応募者の価値観・人柄の深掘りを行ったり、話を相手にわかりやすく伝えるスキルがあるかどうかを見たりする意図があります。また、志望動機などと比べて、回答の準備が出来ていないことの多い質問をすることで、応募者の臨機応変な対応力を測っていることも考えられます。
ここでの回答は特に高尚なものや劇的なものなどでなく、日常のちょっとしたエピソードでかまいません。出来事そのものより、あくまで「関心のあること・感銘を受けたことを通じて、何を学び、どのような影響を受けたのか」を中心に据えて伝えましょう。
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回答例
「最近関心のあることは電車の中で放映されている映像広告についてです。
1年前に都心に引っ越したことで、電車を利用することが増え、それと同時に映像広告を目にする機会が増えました。
時間帯や曜日、路線ごとの利用者層に合わせたターゲティング、スマートフォンですぐ検索してもらうことを考えた構成などに感銘を受け、毎日興味深く見ています。私自身も、現在のデザイン業務において、これまで以上に「本当にターゲットのニーズに応えられるコンテンツか」を強く意識するようになりました。」
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失敗例
「最近感銘を受けたことは、地元でのボランティア活動です。〇月に行われたお祭りでは、地域の子供たちを招いてコマや竹とんぼ作りの体験会があり、子供たちとお年寄りが一緒に笑顔で遊んでいる姿を見て、非常に心が和みました。」
NGポイント
関心のある、感銘を受けたエピソードを伝えても、それだけで終わってしまってはNGです。ここでは経験談だけではなく、「経験から何を学んだか」まで伝えられることが重要です。経験から最終的に自分がどう影響を受け、どう成長・変化したかまで答えられるようにしましょう。
関心のあること、感銘を受けたことがなかなか思いつかないという場合は、普段の生活について見直してみましょう。周りの人や出来事に、常日頃から興味・関心をもつことが大切です。
まとめ
新卒や社会人経験が浅い応募者の場合は、入社後の成長性も加味して合否の判断が行われると考えられます。したがって、これまでの経験やスキルもさることながら、仕事への意欲や向き合い方が特に重要になります。
面接対策では自己分析や企業研究の徹底はもちろん、ニュースなどの情報やこれまでの経験を通して、自分の考えを述べることが大切です。回答やアピール、何より自分自身の魅力の幅を広げるためにも、さまざまなことにアンテナを張っておきましょう。