【面接対策】よくある質問と回答例 未経験採用の場合には?
はじめに
未経験採用の面接においては、新たな職種・業界への適性を見極める質問が想定されます。入社後の活躍を面接官にイメージしてもらうためにも、自分の経験や価値観を仕事にどのように活かせるか、しっかりとアピールしましょう。
あなたの今の課題はなんですか。
この質問の意図は、応募者が理想と現実とのギャップを自ら把握できているかの確認です。そのうえで、課題に対して自ら解決のために行動できるか、すなわち前向きさや意欲の度合い、そして成長を見込める人材かどうかを見られています。
回答する際は、冷静に現在の自分を評価したうえで、理想とのギャップをどう補うかを伝えることが重要になります。未経験職種に挑戦するのであれば、経験者と比べてスキルや経験が足りないことは当然です。マイナス面をカバーするというより、自分のよい面を伸ばしていくといったポジティブな方向でアピールしましょう。
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回答例
「今の私の課題は、営業力を身につけることです。
現在も営業向けの動画セミナーを見たり、本を読んだりして入社後に備えていますが、営業職として一番力がつくのは現場経験かと存じます。前職では接客業に従事し、お客さまと良好な関係を構築することには自信がありますので、それを活かしたいと考え、このたび未経験ながら営業職に応募いたしました。
入社したあかつきには、現場に出て経験を積み、御社製品の売り上げに寄与できる営業マンになりたいと考えております。」
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失敗例
「私はこれまで事務職をやってまいりましたが、周囲のメンバーとうまくコミュニケーションを取れないのが課題です。できるだけ人と接することのない仕事に就きたいと思い、御社の工場での作業を志望いたしました。一人での単純作業であれば安心して業務に取り組めると思いますので、未経験ではありますが、御社の業務に貢献したいと考えております。」
NGポイント
自分の課題点と解決策を問われる質問ですが、あまりにネガティブな回答はNGです。課題だけを述べて解決策がなかったり、解決策が企業任せだったりするのも好印象とは言えません。課題を解決するために、自分自身が前向きな行動をしているという点を伝えられるようにしましょう。
誇れる実績や成功体験はありますか。
この質問は、実績を得るまでのプロセスや、成功に向けた努力を通して、応募者の価値観や主体性を知りたいという意図があります。経験で得たものを応募企業で活かせるとアピールできれば、より高評価につながるでしょう。
伝え方のポイントは、まず結論としてどういった実績や成功体験があったかを述べ、それまでの過程を伝えます。この過程の部分が重要な評価対象ですので、「5W1H」を用いるなどしてわかりやすく話しましょう。そして、体験から学んだことや得たものについて述べ、最後に志望理由につなげるのが理想的な回答の流れです。
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回答例
「私の成功体験は、事務職として業務改善を実現できたことです。
前職では事務の手続きが複雑で、残業や納期の遅れが頻繁に発生していました。業務に慣れてきた頃、業務改善プロジェクトのメンバーに選出され、先輩方とともに業務全体を見渡して分析することになりました。
新システム導入などの改善策を検討・実行したことで、1年後には部署全体の残業・納期遅延ゼロを達成でき、自身の業務への理解も深まりました。新しい業務フローに戸惑うメンバーのフォローにまわることで、応用力もついたと感じています。
もし御社に採用となりましたら、この経験を活かして状況を多角的に分析し、成果につなげられるよう、まい進していきたいと考えております。」
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失敗例
「私は社会人経験が少ないため、これといった実績や成功体験は特にありません。毎日の業務をこなすだけで精一杯だったので、人に誇れるような大きな成功を経験することはこれまでに一度もなかったように思います。
もし御社に採用となりましたら、少しでも多くの業務をこなし、成果につなげられるよう、まい進していきたいと考えております。」
NGポイント
実績や成功体験が思いつかなくても、「特にありません」といった回答は避けましょう。日々の業務の中で、ちょっとした工夫や、当たり前に思うような努力がよい結果につながったのならば、それを具体的に伝えましょう。
成功体験を話す際は、ただの自慢話にならないように気をつけましょう。話を過度に脚色したり、うそをついたりしてもいけません。また、応募企業や職種と関連しない体験も、「ほかに適した職種や企業があるのでは」と思われてしまう可能性があります。
大きな失敗をしたことがありますか。
過去の失敗談を尋ねる質問では、応募者の問題解決力や忍耐力、失敗を分析して次への糧とする力が見られています。失敗は誰にでもあるものですが、企業が求めているのは失敗から学び、反省して、主体的にリカバリーができるような人材です。
回答のコツは、失敗談をポジティブな論調で伝えることです。まず失敗したことを端的に述べ、次にその詳細と、状況の改善を試みた過程を具体的に説明します。最後に失敗から学んだことを前向きに伝えましょう。加えて、失敗体験から学んだことを入社後にどのように活かすかまで話せると好印象につながります。
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回答例
「私の大きな失敗は、学生時代にアルバイトで勤めていたコンビニエンスストアで、ある商品の発注数を誤って通常の10 倍にしてしまったことです。
店舗に損害を出しかねない事態となってしまったので、店長の許可を得て、SNSで大量に同じ商品を仕入れてしまったこと、できれば負担のない範囲で購入に来てほしいことをすぐに投稿しました。するとその投稿が大きく拡散され、誤発注してしまった商品は無事その日のうちに売り切ることができました。
この失敗で、慎重な確認作業と、迅速に対応を試みることの大切さを痛感いたしました。御社の業務においても、細かい部分まで見落としがないよう確認を徹底するとともに、何事にも迅速かつ冷静に対応できるよう努めてまいります。」
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失敗例
「私の大きな失敗は、学生時代にアルバイトで勤めていたコンビニエンスストアで、ある商品を誤って大量に発注してしまったことです。
店長に迅速な対応をいただいたこともあり事なきを得ましたが、店舗に損害を出しかねない事態となってしまい、自分の至らなさを痛感いたしました。」
NGポイント
この質問でよくあるNGポイントは、「このような失敗をしました」だけで回答が終わってしまうことです。失敗に対してどのような努力や工夫をして改善に努めたか、そして失敗の経験からどのようなことを学んだかまで伝えられるようにしましょう。
また、「失敗はありません」と回答するのも控えましょう。面接官に「失敗したことに気づかないのでは」あるいは「失敗しても反省せず、学びや成長につなげられないのでは」などと懸念される可能性があります。
これまでで最も厳しかった仕事はなんですか。
厳しかった、大変だった仕事についての質問には、応募者が客観的に問題を分析する力、創意工夫を通じて課題解決を行う力を測る意図があります。また、何を大変だと感じ、どう対処したかによって、自社の社風とマッチするかどうかも見られています。
経験の浅い応募者の場合は、職場への適応力やストレス耐性が面接官に重要視される傾向があるため、困難を乗り越えられる人材であるとアピールすることが大切です。厳しかった仕事のエピソードを具体的に述べ、その経験から得た教訓や、これからの業務にどう活かしたいかを答えましょう。
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回答例
「厳しかった仕事は、前職にて担当したプロジェクトです。
前任者の事情により臨時的にリーダーに選ばれたのですが、初めての経験ばかりで当初は要領がつかめず、タスク状況の把握が困難になり、徐々に進行に遅れが出てしまいました。
そのようなとき、あるプロジェクトマネージャーが声をかけてくださり、相談に乗っていただきました。二人で現状の問題点の洗い出しを行い、それに基づいてメンバーとの積極的なコミュニケーションを図り、タスク全体の進捗状況を広く見渡せるように努めました。最終的には進行の遅れを取り戻し、無事プロジェクトを成功させることができました。
このときに得た教訓は、一人で解決しようとせず、他者との相談やコミュニケーションを大切にすることです。御社でも、私の相談に乗ってくださったプロジェクトマネージャーのように、メンバーとの対話や助言を積極的に行い、業務に貢献していきたいと思います。」
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失敗例
「厳しかった仕事は、前職にて担当したプロジェクトです。
前任者の事情により臨時的にリーダーに選ばれたのですが、初めての経験ばかりで当初は要領がつかめず、タスク状況の把握が困難になり、徐々に進行に遅れが出てしまいました。結果、残業が続いてしまい、体調を崩すこともありましたが、最終的にはプロジェクトを成功させることができました。」
NGポイント
ただ苦労したという体験談だけで終わってしまうのはNGです。厳しかった仕事に対してどう向き合い、どのような対処法を取ったかまで具体的に述べましょう。この質問で最も重要なポイントは「大変だった経験から何を学び、活かすか」という点ですので、忘れずに伝えることが大切です。
「厳しかった仕事はありません」という回答も、先述のポイントが含まれておらず、適切ではありません。また、仕事の愚痴に終始するような内容も避けましょう。
まとめ
未経験の職種や業界に挑戦するうえでは、新たな環境を希望する理由について、説得力を持って答えられることが重要です。また、未経験採用では入社後の育成期間が想定されることから、「自社で長く働き続けられるか」も評価のポイントになります。
これまでの経験を振り返り、今後の仕事で活かせるスキルや、自身の強み・課題を把握しておくことが大切です。それらを踏まえて、自分が応募企業でどう活躍できるか、自分の言葉で伝えられるように心がけましょう。