面接の練習は何をする? 準備から面接練習の仕方・注意点まで
はじめに
就活・転職などで面接に臨むにあたり、事前の練習や準備は欠かせません。しかし、「練習の仕方が分からない」「練習をする相手がいない」といった疑問や悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、面接練習の意義と準備、具体的な練習の方法などを解説していきます。面接に向けての対策に役立てていただければ幸いです。
面接にまつわるノウハウや対策方法を完全網羅! 面接について困ったときはぜひ以下のリンク先記事を参考にしてみてください。
面接練習はなぜ必要なのか
面接は全体の流れや質問がある程度予測可能なため、事前にそれらの知識を把握し、練習することが大切です。「履歴書に書いたことを説明すればいいだけ」と練習せずに挑むと、本番で緊張から言うべきことがまとまらなかったり、忘れてしまったりすることが考えられるのです。
面接への不安や苦手意識を軽減し、落ち着いて面接に臨むためにも、「一人で受け答えなんて恥ずかしい」「面倒だから練習はしない」などと考えず、積極的に面接の練習を行っていきましょう。
練習の前に準備すること
練習の前に、まずは必要な情報を準備しましょう。インターネットなどには、面接の流れやよくある質問、回答例などのさまざまな情報が紹介されていますので、それらを調べて把握し、自分なりにまとめてみましょう。
面接の流れを知ろう
面接の日に慌てず行動できるよう、事前に当日の流れをイメージしておきましょう。以下、面接全体の一般的な流れについて説明します。
- 身だしなみや持ち物の確認
- 入室
- 自己紹介
- 質疑応答
- 質問
- 退室
家を出る前と応募先企業に立ち入る前には、必ず服装の乱れや持ち物の確認をしておきます。入室時は、すでに面接官のいる部屋に入室する場合と、自分が先に会場に入室して待機する場合があります。いずれの場面においても、「よろしくお願いいたします」「失礼いたします」などの挨拶を忘れずに行いましょう。
面接当日の詳細な流れについては、こちらの記事を参考にしてみてください。
就職転職活動の面接マナー/服装/持ち物/から受付~退室まで全網羅(WEB電話面接にも対応)
よくある質問を知り対策しよう
面接でよく聞かれる質問を把握し、対策をしておくことも重要です。以下、面接で問われる可能性が高いとされる質問の例について見ていきましょう。
- 自己紹介
- 志望動機
- これまでの職務経歴(転職時)
- 前職の退職理由(転職時)
- 学生時代に頑張ったこと(新卒時)
- 長所と短所
- 自己PR
- 企業への質問
回答を考える際は、「なぜ企業が自分にこの質問をするのか」「何を知りたいのか」を考え、できるだけ簡潔かつ、わかりやすくまとめることを心がけます。「志望動機」や「職務経歴」は、履歴書などの応募書類に書いたことをそのまま読むのではなく、さらに具体的かつ深掘りした内容を伝えましょう。
Q&A集を作ろう
面接への質問が想定できたら、それらに対する回答をできる限り具体的に考え、紙に書き出してみましょう。文字にすることで頭の中が整理され、伝えるべきことがわかりやすくなってきます。
回答を書き出すときにおすすめなのは、「要点だけを短い言葉にまとめて箇条書きする」といった書き方です。文章として成立したものを紙に書くと、それをそのまま読み上げてしまい、気持ちが入らなかったり、話し方が不自然になったりする可能性があるからです。
面接でよくある質問「自己紹介」への回答については、こちらの記事を参考にしてみてください。
面接の自己PRを含めた自己紹介の例文(ここまでできれば万全! )
同様によくある質問「企業への質問」への回答については、こちらの記事を参考にしてみてください。
面接の逆質問の方法|何か質問はありますか? への答え方【回答例付き】
面接の練習はどれくらい行ったら良いのか
面接当日は、緊張やプレッシャーから、泣く・パニックになる・頭が真っ白になる……といったケースもあるようです。事前の準備と心構えは大切ですが、練習を何日前から始めて、何回くらい行えば、準備完了と言えるのでしょうか。
時間ではなく、自信が持てるまで
結論から言うと、練習をいつから、何回行えばよいかの明確な基準はありません。面接の予定が決まってから数回練習すれば大丈夫、という人もいますし、何か月も前から練習しても不安な気持ちが拭えない、という人もいます。大切なのは練習の時間や回数ではなく、自分が「自信を持って受け答えができている」と納得できるかどうかです。
ここからは、面接練習をするにあたって、押さえておくべきポイントを3点に分けてお伝えします。
- 話し方の速さ・声量は適切か
- 質問に対し適切な回答か
- 姿勢・目線・振る舞いも大切
話し方の速さ・声量は適切か
面接練習の際にはスマートフォンなどで録音・録画を行っておき、聞き取りやすい話し方ができているかチェックしましょう。
チェックするポイントは、声の大きさ・滑舌・話すスピード・間の取り方などです。緊張して早口になってしまうこともあるかと思いますが、話すスピードの目安としては1分に300文字程度が理想です。また、語尾が小さくなっていないか、つい砕けた口癖が出てしまっていないか、などにも注意が必要です。
質問に対し適切な回答か
質問に対して適切な回答ができているかも、気を付けたいポイントです。話が長くなるうちに論点がずれてしまうことなどを防ぐためにも、なるべく簡潔に話せているかどうかを確認しましょう。
質問に回答する際は、まず結論=質問の答えを先に伝え、あとから理由を述べるとまとまりがあり、相手にも伝わりやすいです。回答の要点だけを覚えておき、それらをつなぎ合わせるように話をすると、変化球の質問へも対応しやすくなります。
姿勢・目線・振る舞いも大切
入室からすでに面接は始まっています。話し方だけでなく、姿勢や目線・立ち振る舞いにも気を配りましょう。
まず見るべきポイントは、はっきりと挨拶ができているか、背筋をきちんと伸ばし、あごを引いた正しい姿勢ができているかです。そして、受け答えのときに表情がこわばっていないか、目線は面接官の方を見ているか、身振り手振りが大げさではないか……など、「面接官から見て好ましい印象か」を念頭に置いてチェックしましょう。
練習方法5選
鏡の前で表情や姿勢をチェックしてみるなど、面接の練習方法はいくつかあります。以下では、一人で行える方法から、家族など他者に協力を仰ぐ方法まで、代表的な面接練習のやり方を5つ紹介していきます。
面接対策アプリを活用する
一人で練習を行うのであれば、スマホの機能やアプリを利用する方法をおすすめします。スマホで練習の動画を撮影し、それを見返すことで自分の癖や欠点を客観的に把握しやすくなり、効率的に改善を行えます。
現在では、録画・録音だけでなく、仮想面接官として音声の読み上げを行ってくれるなどの機能がある「面接対策アプリ」が多種公開されています。ここからは実際にどんなアプリがあるのか、その特長を詳しく見ていきましょう。
面接練習アプリ knock knock
『面接練習アプリ knock knock』は、iPhone・iPad向けのアプリで、価格は無料です。面接官からの質問が豊富で、就活はもちろん、受験やアルバイトなどの詳細なシチュエーションで練習が行えます。さらに英語での面接や、いわゆる「圧迫面接」を想定した練習も可能です。また、自作の質問の追加もできます。
面接対策アプリ 面接官安藤
『面接対策アプリ 面接官安藤』は、Android向けのアプリで、価格は無料です。高校・大学受験、就職面接の3パターンの面接シチュエーションが用意されています。最大の特長は音声入力メモ機能が搭載されている点で、メモを見返すことにより、自分の滑舌の悪さや受け答えが不明瞭な部分を見つけ、改善点を見出すことができます。
面接トレーニング(メントレ)
『面接トレーニング(メントレ)』は、iPhone・iPad向けのアプリで、価格は120円です。面接の段階に応じて基礎編・実践編・応用編の3モードを使い分けて、録音ができます。例えば基礎編では「名前」「志望動機」「自己PR」が重点的に質問されるので、特定の質問を繰り返し練習したい場合に適しています。
家族や友人に協力してもらう
自分以外の人に協力を仰ぐなら、身近な家族や友人に面接官役をやってもらい、模擬練習を行うのが最も手軽な方法だと考えられます。声の大きさや姿勢などのチェック項目をリスト化するなどして事前に伝えておくと、スムーズに進められます。
気軽に話ができる間柄ゆえに、緊張感に欠けてしまったり、チェックが甘くなってしまったりする可能性もあります。お互いに「面接官」と「志望者」であるという想定を忘れずに取り組むことが大切です。
ハローワークのセミナーを受ける
全国のハローワークでは、就職活動に必要な知識を身につけるためのセミナーやイベントを開催しています。また、ハローワークに利用者登録を行えば、職員との個別相談とともに面接の練習も行えます。ハローワークは全国にあり、セミナーも各都道府県で行っているため、比較的足を運びやすいのがメリットです。
就職活動に関連するイベントやセミナーの情報は、『イベカツ』などの各種イベント情報サイトを参考にしてみてください。
参考:ポート株式会社|【イベカツ】全国の就活生向け合同説明会・就活セミナー・就活イベント情報サイト
転職エージェントなどのサービスを受ける
専門のキャリアアドバイザーに相談を行うことができる「転職・就職エージェント」では、模擬面接やWeb面接などのサービスやセミナーを開催していることがあります。それらに参加し、フィードバックを受ける方法もあります。
転職・就活エージェントでは、自己分析の支援や求人紹介などのアドバイスも受けられます。面接だけでなく、就職活動そのものの進め方に困っている、などという場合は、利用してみるとよいでしょう。
面接対策の詳しい方法については、こちらの記事も参考にしてみてください。
面接対策のやり方は?必要?効率的な面接対策やおすすめ講座やセミナー・本・アプリについて
キャリアセンター・就職課を活用する
学生・新卒の人向けに就職活動を支援しているのが、大学などの「キャリアセンター」「就職課」です。これらの機関では、面接練習のみならず、エントリーシートの添削や進路の相談なども無料で提供しています。
大学によっては模擬面接講座を開催していたり、他の学生とともに集団での面接練習を行えたりするところもあります。相談には事前予約が必要なことが多く、繁忙期は順番待ちが発生することもあるため、早めに情報収集をしておきましょう。
間違った練習は逆効果
さまざまな練習方法やチェックポイントを紹介してきましたが、面接練習は間違ったやり方をしてしまうとかえって逆効果になり、本番でうまく話せなくなってしまうかもしれません。練習のときに特に注意すべきことについてお伝えします。
丸暗記は応用が利かない
先述したように、質問の回答は「要点だけを短い言葉にまとめて箇条書き」したものを覚えて、声に出したときにそれらをつなげて話すと、うまく話せる可能性が高いです。
回答を文章として丸暗記してしまうと、一字一句間違えないように「暗唱している」感じが出てしまい、面接官に熱意や気持ちが伝わりづらくなります。また、万が一忘れてしまったときや、想定と違う質問が来たときに何も答えられなくなってしまうかもしれません。
練習したことを活かすことが目的
面接の練習は、面接で自分の思いをしっかり伝え、合格につなげるためのものです。練習を何度もこなすことは大事ですが、「これだけやれば大丈夫」と、練習ができたことだけで満足してしまっては本末転倒です。
なんとなく練習を続けるのではなく、「面接官の目を見て話せるよう特に注意する」「途中でつかえてもいいから志望動機を具体的に話せるようにする」など、自身の欠点や改善点を常に意識することで、よりレベルアップにつながります。
まとめ
自分の将来を左右するかもしれない、やり直しのきかない面接の場では、緊張してしまうのは当たり前のことです。面接の練習を行い、本番をイメージしておくことで、少しでも緊張を和らげたり、実力を発揮できたりすることにつながるかもしれません。
練習をして「これで本番も大丈夫」と思えるまでの基準は人それぞれです。無理をしない程度に自分が納得できるレベルを目指し、自信を持って面接に臨めるようにしましょう。
最後のチェックポイント
- 面接への不安や苦手意識を軽減し、落ち着いて臨むためにも面接練習が必要
- 練習の前に面接の流れとよくある質問を把握し、Q&A集を作っておく
- 練習の時間や回数に決まりはなく、自分が自信を持てるようになるまで
- チェックポイントは話す速さや声量・適切な回答か・姿勢や目線や振る舞い
- 一人での練習にはスマホアプリがおすすめ、セミナーやイベントも活用しよう
- 間違った練習は逆効果、欠点や改善点を意識してレベルアップを目指そう