緊張せずに面接に臨むための対策法について徹底解説!
はじめに
「採用面接で緊張してしまう」そんな悩みを持つ方も多いことでしょう。多くの場合、書類選考や筆記試験などの段階を経て面接試験に臨みますから、面接試験は就職活動における最後の関門とも言えます。そんな場面では緊張してしまうのも当然かもしれません。
この記事では、緊張感をコントロールし、面接を乗り切る方法について紹介しています。「どうして緊張してしまうのか」その原因を分析し、やってしまいがちな面接での失敗例から、事前にできる準備を見ていきますので、面接対策に役立ててください。
面接にまつわるノウハウや対策方法を完全網羅! 面接について困ったときはぜひ以下のリンク先記事を参考にしてみてください。
本番で緊張してしまう3つの理由
「緊張して上手く話せなかった」「練習では上手くいったのに本番では緊張でできなかった」など、緊張からの失敗談はとても多いものです。面接に限らず、本番での緊張のし過ぎは能力を低下させてしまいますが、自分で「緊張しないようにしよう」思っただけで止められるものではありません。
そもそも、本番を前にするとなぜ緊張してしまうのでしょう。面接の場で緊張につながりやすい3つの心理的な要因から、その理由を見てみましょう。
自分の人生が決定づけられるから
採用面接で緊張してしまう要因の1つには「これで人生が決まる」という強い気持ちが関係しています。もちろん仕事は人生の大きな要素であり、真剣に就職・転職活動をしてきた人ほど緊張が高まるのも当然と言えます。ただ、そこで自分に「絶対に失敗してはならない」という形でプレッシャーを与える必要はありません。
「採用されれば自分の希望に近づける」という前向きな意気込みと「ここに落ちたら全てダメになる」というような切迫感とは違います。肩の力を抜くためには、「今日は面接の模擬練習だから」と自分に言い聞かせて臨むのもいいでしょう。
落ちるという不安にフォーカスをあててしまうから
「うまく話せなかったらどうしよう」「落ちてしまったら」と不安要素へのフォーカスも、面接で緊張してしまう要因の1つです。悪い予想から始まるシミュレーションは不安をさらに強めるだけです。不安は体を硬くし、緊張を強めてしまいます。「自分ならできる」と意識的に気持ちを前向きに切り替え、不安を増幅させないようにしましょう。
考えまいとしても失敗する予想ばかりしてしまうこともあるでしょう。そんな時にはあえて、失敗して不採用になってしまう悪い結果をイメージしてみるのも一つの方法です。そして最後に「それでも大丈夫」とポジティブなイメージに転換させましょう。
初対面であるため、見構えてしまうから
面接で緊張してしまう要因には、面接官が「未知の人」であるということも含まれます。人間は本能的に未知のものには警戒心が働き、危険に対応できるように体も緊張状態になる傾向があるからです。面接会場という、初めて行く場所で初対面の面接官と話すという体験は緊張して当然とも言えます。
可能であれば事前に当日と同じ服装で面接会場となる建物に行ってみたり、家族や友人に協力をお願いして模擬面接で練習したりするなど、雰囲気に慣れる練習をしてみるのもいいでしょう。
よくある緊張した時の3つの事例
緊張する面接の場でどんな失敗が起きがちなのか、実例をもとに紹介します。多くの人がこうした経験をしていることを知ると「緊張してしまうのは自分だけではない」ということが実感としてわかります。
精神的な緊張は体に影響し、それが思わしくない結果につながることが多いものです。ここで取り上げた3つのケースからもそれがうかがえます。まず、事例を見ていきましょう。
頭の中が真っ白になり、せりふが飛ぶ
「頭が真っ白になった」という言葉で、この状況を思い出した方もいらっしゃるのではないでしょうか。しっかりと準備をしていたのに、本番の面接では「緊張のあまり自分の名前も一瞬出てこなかった」という体験も珍しくはありません。
緊張のあまり、パニックを起こし泣いてしまう
面接中に緊張から気持ちが高ぶりパニックを起こして、最後は泣いてしまったという事例です。「どう答えていいか分からなくなり、考えているうちに呼吸が苦しくなった」という体験談も聞かれます。「伝えられなかった」という不本意な気持ちが強く残りがちなケースです。
緊張しすぎにより、話せなくなる
緊張し過ぎると喉にも力が入り、いつもより声が出しづらくなってしまいがちです。面接が始まる前からガチガチに緊張してしまい、入室の際の歩き方からぎこちなくなってしまった経験のある方も多いでしょう。力を抜いてリラックスする方法を対策の項目でお伝えします。
面接前にしておくべき注意点
面接の前に、可能な限り事前の準備をするように心がけましょう。「できることは全てやった」という感覚は自信になり、面接会場で自分を支えてくれます。「これでダメなら御縁がなかっただけ」と思いきれると、緊張のし過ぎも軽減できます。
しっかりと準備してきたことは面接官にも意欲として伝わります。この項では、具体的にできる準備と心構えについて紹介します。
丸暗記は絶対しない
答える内容を丸暗記して面接に臨むことは絶対におすすめしません。緊張で「真っ白になってしまった」という失敗も起きやすくなり、内容が丸暗記であることは面接官にも伝わりやすいからです。
初めて面接の練習をする際には、答えたい内容を書いたメモを確認しながらゆっくりと答え、丸暗記ではなく自分が伝えたい内容をイメージしながら答えるトレーニングを重ねて準備しましょう。
人柄をよく見せようとハードルを上げない
採用してもらうために、自分をよく見せようとし過ぎないことが大切です。もちろん真剣さや入社後の熱意を語ることは大切ですが、ハードルを上げ過ぎると耳あたりの良いことばかりを言っている印象も与えかねません。
採用面接では「本来の自分を見てもらう」という一点を中心に、入社後に活かせそうな自分の特徴などを含め仕事への意欲が伝わるように内容を整理し、準備しておきましょう。
企業研究をしておく
面接を受ける企業の情報は可能な限りしっかりと研究しておきましょう。公開されている情報にはすべて目を通しておくと、「一緒に働かせて欲しい」という熱意を知識の裏付をもって語ることができます。
企業研究についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
企業研究のやり方(就職・転職活動での具体的な方法、どこまで?意味ない?の疑問に答えます)
企業によっては社名の変更や現在の主力とは別の分野で創業した経緯を持つこともあります。自分が応募した部門とは直接の関係がないように思えても、沿革も含めて調べておくことも大切です。
緊張しないコツで面接を突破しよう
ここまでに面接で緊張してしまう要因や、起きがちな失敗と注意点について見てきました。要因のほとんどは誰にでもあてはまるもので、その意味では面接で緊張することは「仕方がない」とも言えます。
ここからは、こうした失敗しやすいポイントを踏まえ、できる対策について解説します。
緊張を解きほぐすためのポイント
程度の差はあれ、採用面接の場で緊張してしまうことは避けられません。緊張のし過ぎで失敗してしまわないためには、緊張を解きほぐす方法を考えて1つ1つ対策していくことが現実的です。具体的にできるポイントについて見ていきましょう。
事前準備を万全にしておく
面接当日は緊張から思わぬミスをしてしまいがちです。事前準備を万全にして本番に臨みましょう。「思いつく限りの準備はしておく」と決めて、持ち物、服装、面接会場までのルートなどの確認をしておきます。また履歴書・職務経歴書は当日持参でも事前に送付済みでも、履歴書・職務経歴書の内容をもとに質問されることを想定し、答える内容をシミュレーションしておくと安心です。
面接当日の服装についても、事前に必ず着用して確認しましょう。小さな汚れやほつれに気づいて慌てることもあるからです。女性の方はストッキングの替えも用意しておくと安心です。
面接のイメージトレーニングをする
鏡を見ながら笑顔で話すトレーニングや、カメラの向こうの面接官をイメージして動画を撮り確認したりすることも効果的です。面接官役をしてくれる友人がいればぜひ協力をお願いし、面接のイメージトレーニングを繰り返しましょう。
模擬練習でも面接当日に着ていく予定の服装に着替え、女性はメイクも整え、できるだけ本番の面接の緊張感を体感できるような工夫をしてみましょう。最後に笑顔で一礼をし、会場を出るポジティブなイメージで締めくくります。面接当日もこのイメージを思い浮かべることで緊張をほぐすことができます。
面接の練習方法については、こちらの記事でさらに詳しく紹介しています。
面接対策のやり方は?必要?効率的な面接対策やおすすめ講座やセミナー・本・アプリについて
深呼吸や顔体操でリラックス
緊張すると、呼吸が浅く早くなりがちです。浅い呼吸はさらに緊張を強めますので、面接の前には意識的にゆっくりと息を吐き、腹式呼吸でリラックスするようにしましょう。肺を満タンにするイメージでゆっくりと息を吸い、さらにおなかにも酸素が届くイメージでもう一息吸い込みます。限界まで吸ったところで、できるだけゆっくりと息を吐きます。
顔も緊張から表情が硬くなりがちですので、会場に入る前に顔体操でリラックスさせましょう。口を閉じ全体を中心に寄せて、じゃんけんの「グー」をつくる気持ちで力を入れます。次に「パー」をつくるように口を大きく開くと顔の血色もよくなりますので試してみましょう。
緊張しない人に習う対策方法
ここ一番の大舞台では誰もが緊張との闘いとも言えます。オリンピック選手は、プレッシャーの中でも適度な緊張感を維持して最高のパフォーマンスを発揮する必要があります。過度に緊張しないための対策方法を学び、面接に臨みましょう。
己を信じ、自信を持つ
自己肯定感の高い人は「ありのままの自分を」受け入れている人です。面接でもできるだけ繕わずできることをアピールするようにしましょう。「今の自分の精一杯」を、自信を持って伝えることだけに意識を向ければ、不安な気持ちに絡み取られることもなくなります。
就職の面接はマッチングです。ある人にとって望ましい職場が自分にとってそうであるとはかぎりません。面接での失敗とは緊張のし過ぎで本来の自分が出せなくなることです。自分を信じてベストを尽くしましょう。
緊張はプラス効果をもたらすと考えよう
繰り返しになりますが、緊張は必ずしも悪いものではありません。緊張することで交感神経が優位となり、集中力が増します。緊張は車に例えるとスピードを上げるためのアクセルのようなものだからです。
面接での緊張した表情も、真剣さの証として、基本的には良い評価につながるはずです。必死で緊張を抑えようとするよりも、「緊張感を仕事への熱意と志望動機のアピールにしよう」とポジティブに考えていいのです。
レスポンスにおける適切なタイミング
適切な受け答えのタイミングはとても大切です。仕事を進める中でも、心地よいスピード感でのレスポンスは評価されます。面接官の質問が終わって、一呼吸置いて話し始められるように、最初は実際に大きく息を吸ってタイミングの練習をすると感覚がつかめます。
考える時間が欲しいときには「少し考えさせて下さい」と時間をもらいましょう。しっかりと答える方が慌てて答えるよりも好印象です。
最終面接は緊張するものと割り切る
最終面接はどんなに自信がある人でも緊張してしまうでしょう。就職活動をマラソンに例えると、ゴールが見えてきたところが一番苦しく緊張する場面です。「緊張するのが当たり前」と思って臨みましょう。
面接官はできるだけ人となりを見極めようとして質問しています。もし「緊張していますか?」と尋ねられたら、素直に認めてしまうのが得策です。また言葉に詰まったときには、自分から「緊張しております」と率直に伝えるのもいいでしょう。自分の状態を報告できるということも必要なコミュニケーション能力と心得れば、面接の場での緊張も自分を知ってもらうチャンスとして活かせます。
まとめ
就職活動をがんばってきて、最後に待っている関門が面接です。できるだけの準備をし、模擬練習を繰り返して本番に臨みましょう。ご紹介した腹式呼吸や顔体操など、体を使って心にアプローチする方法は即効性もあります。緊張してしまうのは当然と受け止めて、緊張感も味方につけましょう。自信を持って自分を伝える努力をすれば成功が近づきます。
最後のチェックポイント
- 面接での緊張は悪いことではない
- 事前の準備で不安要素を減らして緊張を和らげる
- イメージトレーニングで自信を高めて本番に臨む
- 腹式呼吸で緊張をほぐす
- 緊張していることを面接官に伝えてもよい
- 緊張感を真剣さのアピールに変える