インターンシップ後のお礼状は必須?例文と書き方のポイント
はじめに
インターンシップでは、実際に働いている人から話を聞けたり、仕事に参加させてもらったりと、さまざまな経験や体験をさせてもらえたことでしょう。そのような貴重な体験や経験をさせて貰った感謝の気持を、「お礼状」という形で企業に伝える人も少なくないはずです。
しかしお礼状とはどのようなものなのか、どのようにして作成し送ればいいかなど、わからずに不安になっている人もいるかもしれません。この記事では、お礼状についてのさまざまなポイントをわかりやすく紹介していきます。
インターンシップお礼状はいつまでに出すべき?
「お礼状」は感謝の気持を伝えるものですので、マナーとして、できるだけ早いタイミングで作成して送るようにしてください。ではどのタイミングで送ることがベストなのでしょう。またお礼状を作成する場合、手書きかメールかなど形式に悩む人もいるはずです。そこでお礼状を出すベストなタイミングや、お礼状の形式についてお話していきましょう。
翌日までに出すとベスト
お礼状はインターンシップに参加した際の印象が鮮明に残っているうちに作成し、送ってしまいましょう。タイミングとしては、インターンシップ参加当日に作成し、翌日に出せればベストと言えそうです。
どうしても翌日までに準備ができない場合、遅くなったから送らないとはせず、遅くなってもお礼状は必ず書くべきだと考えておいてください。お礼状が遅れる場合は最初の一文に、「連絡が遅れてしまい申し訳ありません」などと加えるといいでしょう。
1Dayや短期間のインターンシップでは、お礼状を出さない人も多いようです。しかしお礼状は感謝の気持を伝える意味があるものですので、参加した期間に関係なくお礼状を出すようにしましょう。
手書きやメール、形式は何がいい?
お礼状と聞くと、便箋に手書きで書いて封書で出すイメージが強いかもしれません。しかしネットが普及してきた現代では、メールによるお礼状が主流となりました。手書きの手紙よりメールのほうが手間が少なく、すぐに書いてすぐに送信できる点がメリットだからです。
手書きのお礼状は、企業側に丁寧な印象を与えられる可能性がアップします。しかし丁寧にしようとするあまり、お礼状を出すことが遅れてしまうようであれば、メールで送るほうがいいでしょう。書く側・読む側、お互いの手間や負担を考えると、おのずと手書きよりもメールでのお礼状のほうが重宝される理由も見えてくるかもしれません。
お礼状もメールで書くことが主流となりました。インターンシップに関わるさまざまなことがメールで行われます。インターンシップのメール返信(お礼・申込み・断り・参加可否・質問)で使える書き方のポイントの記事では、メールを使った返信事例を掲載していますので、参考にしてください。
【形式別】お礼状の書き方と例文
お礼状を作成するに当たり、メールにするか手書きにするかで、お礼状の内容が大きく異なることはありません。しかしメールと手書きでは形式が異なるため、作成する際のマナーなども異なります。そこでメールと手書き、両方のお礼状の書き方や例文をまとめてみました。実際にお礼状を作成する際に、ぜひ参考にしてみてください。
メール編
昨今のお礼状の主流となっているメールは、書く手間の少なさや、送信するだけで送れる手軽さなどから重宝されています。受け取る相手も封書を開封する手間が省けるなどのメリットもあることから、お礼状はメールにする人が増えたのでしょう。
例文)一般的なお礼メール
件名:【インターンシップのお礼】○○大学□□学部▲△学科の△△太郎です
本文:
株式会社○□○
人事部 ○○様
謹啓
時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
X月XX日のインターンシップに参加いたしました、○○大学の△△と申します。
先日はお忙しい中、丁寧なご指導をいただきまして誠にありがとうございました。
今回のインターンシップを通じて、○○業界で働くことの魅力や、
○○という職業のやりがいについて実感いたしました。
今回の貴重なプログラムを通じて、
貴社でぜひ働きたいという思いがよりいっそう強くなりました。
また、インターンシップにて学んだことを糧に、
これからの就職活動に励んでいきたいと思っております。
○○様をはじめ多くの社員の方にお世話になり、大変感謝しております。
ご多用の折、丁寧にご指導いただいたこと、心より感謝申し上げます。
末筆ながら、貴社の発展と皆様のご活躍をお祈り申し上げます。
謹白
========================
○○大学□□学部▲△学科
△△ 太郎
TEL:090-0000-0000
Email:xxxxx@xxxxx.jp
========================
1.件名
件名はひと目で誰から来たメールで、どのような内容かがわかるようにしておきましょう。
2.宛名・挨拶文
いきなりお礼の内容を書きはじめるのではなく、送り先の宛名や時節にあった挨拶文を続けて書くことがマナーとされています。
3.名乗り
大学名からはじめ、学部や学科、最後にフルネームで名前を書き入れます。多くの人が参加している場合など、省略すると誰かわからなくなりますので略さず書き入れるようにしてください。
4.本文
本文では感謝の気持ちとお礼、インターンシップの内容に関する感想とそこから発展した今後の目標や抱負などを、わかりやすく簡潔にまとめて書き入れます。
5.結びの言葉
冒頭の挨拶同様、本文のあとに結びの言葉を書き入れます。奇をてらわず、ビジネスマナーのテンプレートなどをうまく流用するといいでしょう。
6.署名
最後にご自身の署名を入れて終了です。署名はできるだけシンプルなスタイルにしておきましょう。装飾などを入れてしまうとプライベート感が出てしまい、印象を悪くしてしまう可能性もありますので気をつけてください。
手紙編
お礼状を手書きの封書で発送することは、「目上の相手への文書は封書が望ましい」というビジネスマナーに当てはまります。書く手間や届くまでのタイムラグなどもありますが、手紙にすることで、より丁寧な印象を与えられるでしょう。
例文)グループディスカッション形式のお礼状
株式会社○□○
人事部 ○○様
謹啓
時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
X月XX日のインターンシップに参加いたしました、
○○大学□□学部▲□学科の△△太郎と申します。
先日はお忙しい中、丁寧なご指導をいただきまして誠にありがとうございました。
以前から関心をもっておりました貴社のインターンシップに参加することは、
非常に自分自身の能力を高めることにつながりました。
とくにグループディスカッションでは、大変有意義な時間をすごせたと感じております。
自分にはない他の人の発想や意見を聞くことで、大いに視野が広がり、
今自分に足らないものが何かを見つめなおすよい機会にもなりました。
お忙しい中、皆さまの貴重なお時間で、
ご指導いただきましたことを心より感謝しております。
今回の経験を活かし、これからよりいっそう努力をし、
自分を高めていく所存です。
今後ともご指導のほど、何卒よろしくお願いいたします。
末筆ながら、貴社のご発展と皆様のご健康をお祈り申し上げます。
敬具
令和X年X月XX日
○○大学□□学部▲□
△△太郎
手書きの手紙でお礼状を作成する場合も、書く内容はメールとはあまり大差ありません。書きやすいので横書きにしたくなるかもしれませんが、一般的には縦書きが推奨されます。また便箋や封筒は真っ白の無地のものを使用するようにしましょう。便箋サイズはB5サイズが適しています。
1.頭語
書き出しとなる冒頭の挨拶になる言葉です。「拝啓」や「拝呈」などが基本的な頭語としてよく使われます。
2.時候の挨拶
ビジネスマナーに沿った挨拶の1文を書きます。季節に沿ったものでも構いませんが、汎用性の高い1文でもかまいません。
3.名乗り
メールと同じく、大学名からはじめて学部学科、続けて名前をフルネームで書き入れます。すべて省略せず書き入れるようにしましょう。
4.本文
今回の例文は「グループディスカッション形式」のインターンシップに参加した場合の例文です。参加したプログラムの形式に沿った1文を入れ、そこから派生した感想や今後の抱負などを織り込めば、企業側の印象もよくなりそうです。
5.結語
書き出しで登場した「頭語」の対になる挨拶の言葉です。結語の例として「拝啓」では「敬具」、「拝呈」では「敬白」にするといいでしょう。
6.日付・署名・宛名
文末にお礼状を作成した日付、大学名・学部・学科、ご自身のフルネームをそれぞれ改行して書き入れて完成です。
ハガキ編
手書きで目上の人に文書を送る場合は、封書のほうがよいとされています。しかしハガキでお礼状を送っても問題はありません。ハガキでのお礼状は書き込めるスペースが限られている分、内容を端的にまとめられます。また封筒を開封する手間も省けますので、相手への負担を軽減できるメリットもあるでしょう。
例文)講義形式のお礼状
拝啓
○○の候、貴社ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
X月XX日のインターンシップに参加いたしました、
○○大学□□学部▲△学科の△△太郎と申します。
先日はお忙しい中、丁寧なご指導をいただきまして誠にありがとうございます。
講義での業界で活躍するための心構えや、
これから身につけて行くべき技術などをお聞かせいただき、
大変勉強になりました。
お話を聞くなかで、自分の目指すべき方向が明確になるとともに、
今現在自分に不足している部分を見つめなおすことができました。
貴社の職場の雰囲気に触れられたことは、
私にとって大変貴重な経験であったと感じています。
みなさまが活き活きと活躍しておられる姿を拝見し、
貴社で働きたいという思いがよりいっそう強くなりました。
お忙しい中、貴重なお時間を頂戴し、心から感謝しております。
貴社のご発展をお祈り申し上げます。ありがとうございました。
敬具
ハガキは白いものを使用し、黒のボールペンで文字を書き入れます。表面の宛先などは、気持ち内側に寄せて書くようにしましょう。そのとき宛名がハガキの表面中央に来るようにバランスをとってください。住所は一行で書ききれるように文字のサイズを調整しましょう。差出人の住所や宛先は、表面向かって左下に小さめの文字で書き入れます。
裏面はメールや手紙と同じく以下の6つで構成されます。横書きでもかまいませんが、縦書きが一般的ですので可能であれば縦書きで書きましょう。
- 頭語
- 時候の挨拶
- 名乗り
- 本文
- 結びの挨拶
- 結語
メールや手紙と異なる点は、スペースの問題もあり文末に差出人の署名を入れないことです。またハガキの上下左右に1~1.5cmの余白を開けると読みやすい印象が与えられます。ハガキの場合、雨などで濡れてしまうと文字が滲んでしまうため、書くときは油性のボールペンがオススメです。
お礼状を書くときのポイント
お礼状を書く場合、既存のテンプレートをそのまま使ってしまうと、形式にばかりとらわれてしまい中身のないお礼状になってしまいかねません。
- 誤字脱字・敬語表現に気をつける
- 参加時の思いや実体験を入れる
インターンシップに参加したからこそ書けるお礼状を作成するためにも、上記2つのポイントを押さえて作成しましょう。
誤字脱字・敬語表現に気をつける
お礼状は目上の立場となる企業に送る文章です。誤字脱字があると失礼にあたってしまいかねません。また誤字脱字が多いと、適当に書いていると受け取られる可能性もあります。そうなるとせっかくの感謝の気持がうまく伝わらないかもしれません。
お礼状を作成したら、最低2回は誤字脱字や敬語表現が適切かなどを確認するようにしましょう。黙読するだけではなく声に出して読むことで、文章内の違和感や誤字脱字も見つけやすくなります。
参加時の思いや実体験を入れる
お礼状にはインターンシップに参加したときの気持ちや、経験や体験から得られた学びなどについて書くようにしてください。
感謝の言葉ばかりを羅列するだけではなく、具体的な感想や体験談を盛り込むことで、よりいっそう感謝の気持ちの伝わるお礼状が完成します。また具体的なエピソードを盛り込むことで、読む人の心に残るお礼状になるかもしれません。
読む人の顔を思い浮かべながら内容を考えられれば、あなただけのお礼状が完成するはずです。
封筒の書き方ポイント
インターンシップでのお礼状を封書で送付する場合の表書きや裏書きについては、なにか特別な書き方があるわけではありません。一般的な封書のマナーで作成するために、
- 宛先住所
- 宛名
- 切手
- 差出人住所・名前
これら4つのポイントから、正しい書き方を紹介します。
1.宛先住所
送り先を書くときは手元に住所が記載されているものを用意し、記載されている情報が正確かどうかを事前にネットなどできちんと調べておいてから書きはじめてください。企業からの情報だけでは、稀にビル名やオフィスのある階数が省かれて表記されていることもありますので要注意です。
「株式会社」なども「(株)」などと省略をせず、社名の前・後ろ、どちらにつくのかも確認しておきましょう。部署名なども省略しないように注意が必要です。番地に関しては漢数字を使用し、丁寧に書くことを心がけましょう。
2.宛名
宛名は住所より大きめの文字で書き、誰宛に送るかもしっかり確認してから書きはじめましょう。敬称は、個人宛の場合は「様」で、企業全体に宛てる場合や部署宛に送るのであれば「御中」になります。
例)
□□株式会社人事部○○課 △△ △△様
□□株式会社人事部○○課 御中
個人宛に送らないのであれば、人事部宛に送ることが一般的とされています。担当者が複数いる場合は連名で書いても構いませんが、見栄えを考えると部署宛にしたほうがいいでしょう。
3.切手
封書の場合、長辺23.5cm・短辺12.0cm・厚さ1cm・重さ50gまでであれば定形郵便として扱われます。同じ定形郵便でも重さが50gまでか25gまでかで切手の金額が変わりますので、郵便局で測ってもらい、その場で必要な金額の切手を購入すれば手間も省けるでしょう。
切手の料金不足になると、企業側に手間や迷惑をかけることとなりますので、料金不足にならないようくれぐれも注意してください。キャラクターものや記念切手は避け、シンプルなデザインの切手がオススメです。
参考:日本郵便|定形郵便物・定形外郵便物のサイズ・重さについて
4.差出人住所・名前
差出人の住所や名前は封筒の裏面に書き入れます。差出人となるご自身の住所なども、宛先を書くときと同じく省略はせずに、番地やマンション名などまで丁寧に書くように意識しましょう。
差出人の住所と名前の書き方については、裏面中央に書く方法と、向かって左下部分に書く方法があります。書きやすさを考えると、左下に住所・大学名と学部名・名前をそれぞれ改行して、小さめの文字で記入してください。
裏面向かって左上にポストに投函する日付を書き入れることも忘れないようにしましょう。また、封筒裏面画像を参考に封をしたことを示す「〆」しめの文字を書き込むことも忘れないようにしましょう。
インターンシップは、参加企業の社風やそこで働く従業員の様子など、外からは見えないところを知る絶好のチャンスです。参加者にとっては少しでも働きやすい企業を選ぶために、こんな視点も大切かもしれません。ブラック企業の特徴|入社しないために見分ける方法【失敗しない会社選び】、こちらの記事もおすすめです。
まとめ
インターンシップに参加した企業宛に送るお礼状を作成できるスキルは、今後のビジネスシーンでも必要になります。この機会に勉強しておくといいかもしれません。
慣れない職業体験のあと、すぐにお礼状の作成となると疲れてしまうかもしれませんが、感謝の気持を伝えるためにはスピード感が重要です。しかしスピード感を意識するあまり雑になってはいけません。丁寧な文章を心がけ、誤字脱字がないよう注意してください。
感謝の気持を素早く伝えることも就職活動の一環です。社会人になるための心構え・経験だと考え、頑張ってお礼状を作成しましょう。
最後のチェックポイント
- お礼状はスピード感が大事。翌日には送信・発送する
- 手書きの手紙から今はメールが主流になっている
- 手紙とメールでは書き方のマナーが異なる
- 感想や今後の抱負を書くことでオンリーワンなお例文に
- 誤字脱字や敬語表現のミスがないかを十分なチェックを
- 完成後は黙読と音読の二重チェックでミスを防ぐ
- 読む相手のことを考えて丁寧に書くことを心がける