【完全版】議事録の書き方:上司も認める書き方のコツを解説
はじめに
- 議事録とは会議内容を文章にしてまとめたもの
- 会議前の準備を行うことで余裕を持って議事を取れる
- 会議中のメモは書き取りのスピードを上げるために記号や数字を活用する
- 議事録は5W1H(2H)を活用した簡潔な文章で正確な情報のみを書く
- 議事録は会話形式と要約形式の2種類が広く使われている
この記事では、議事録が必要な理由から会議中に取るメモのポイント、議事録を書く際のコツ、注意点を解説していきます。議事録のテンプレートファイルがダウンロード可能となっていますので、そちらもご活用ください。
議事録とは・なぜ必要なのか
議事録とは会議の出席者が会議内容を文章にしてまとめたものです。企業によっては議事録のフォーマットや書き方が決まっています。
議事録には、会議内容の備忘録、仕事に関わっている人たちとの共有と理解にズレが生じていないかの確認、次の会議までに準備することの確認といった役割があります。
上司が見ているポイントはここだ!
上司も一目置く議事録になっているかどうかは、以下の3点がわかりやすく書かれているかどうかで決まります。
- 話し合われた内容・議題
- 何が決まったか(決定事項)
- 今後やるべきこと
何が議題だったのか、決まったことは何なのか、そしてそれを実現するためにやるべきことは何なのか。単なる記録ではなく、役に立つ議事録を作成するには、この3点が読みやすく書かれているかどうかに注意します。
会議前の準備
議事録を取るには、会議が始まる前からの準備も大切です。ここでは会議の前に準備しておくとよいことを紹介していきます。
テンプレートを用意する
事前に議事録のテンプレートを用意しておくとよいでしょう。同じテーマの会議では同じテンプレートを使うようにすると、変更点や進展した部分が一目でわかります。テンプレートには「テーマ」「日付」「内容」「確認すること」を書く欄があるとよいでしょう。企業によっては、議事録の書き方やテンプレートが決まっている場合もあるので、確認してから作成しましょう。
会議の目的を知っておく
的確な議事録を書くためには、会議の目的を理解しておくことが必要です。また、関連する専門用語なども事前に調べておきましょう。
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メモを取るコツ
ここでは、会議中にメモを取るときのコツを3つ紹介していきます。実際の会議で役立てられるものばかりですのでぜひ試してみてください。
- メモを取るコツ
- 会話を聞き逃さないようにメモを取る
- 記号・数字を活用する
- ボイスレコーダーで録音する
会話を聞き逃さないようにメモを取る
日付や金額、人物名や固有名詞、作業内容などの大事なキーワードを優先してメモを取りましょう。また、メモを取る際は、はじめから要点をまとめようとしないのがコツです。会議の際はより多くの発言を記録することに全力を傾けましょう。まとめたり、相手に伝わる文章にしたりするのは議事録を作成するときでよい、くらいの感覚で臨みましょう。
記号・数字を活用する
人が書ける文字のスピードには限界があります。この時に便利なのが記号や数字です。たとえば決定事項には「☆」「◎」、優先順位があるものには「1」「2」「3」、後で聞くことや疑問に思う点には「?」をつけておくと、単語と記号や数字だけでメモを取れる部分ができます。自分の中でルールを決めておくと、議事録のメモを取るスピードが上がり、余裕が生まれるでしょう。
ボイスレコーダーで録音する
いろいろなテクニックを使ってメモを取るスピードが上がっても、すべての会話を聞き取るのは難しいでしょう。事前に許可を取ることが必要になりますが、ボイスレコーダーを利用すると安心です。自分の取るメモとボイスレコーダーでのメモの二段構えで記録すれば、聞き逃してしまった部分や1度聞いただけだと理解しにくかった部分を補えます。
見やすい議事録の書き方
議事録には、上司や会議をした相手先企業の人、共に仕事をする人たちが、理解しやすい構成や文章が必要です。ここからは実際に議事録を作成するときのコツを解説していきます。
- 議事録作成のポイント
- 読みやすい議事録は読みやすい文章で作成されている
- 簡潔に知りたいことが書いてあるか
- 日時・金額・場所といった情報が正確か
- イラストやマークも活用する
- 5W1Hを明確にする
読みやすい議事録は読みやすい文章で作成されている
読みやすい文章で作成することは、よい議事録を作成する基本です。日本人が読みやすいとされているひとつの文章の塊(段落)は200文字前後、1文では最長でも60文字前後です。これを目安にしましょう。また、主語と述語が曖昧であったり、省略されていたりすることのないようにしましょう。
簡潔に知りたいことが書いてあるか
文章は、要点を簡潔にまとめ、できるだけ短文にすることを意識しましょう。正確に説明をしようとして、文章が長くなってしまった経験はありませんか? こういった文章を見直すと、同じ内容を違う言い回しで繰り返している場合が見受けられます。同じような言葉や説明は削除し、簡潔に要点をつかんだ文章の作成を心がけましょう。
日時・金額・場所といった情報が正確か
日付や金額といった数字は重要です。正確に記しましょう。場所や作業内容など、会議の内容に関わる人が間違ってしまっては困るものも同様です。
イラストやマークも活用する
読みやすい説明文や解説文に、簡単なイラストやマークが使われているのを見たことがあるでしょう。議事録も同様です。凝ったイラストが求められているわけではなく、ピラミッド図のようなものや、順番を表すときに矢印を使用するといったイメージです。
5W1Hを明確にする
議事録を書く際、5W1Hを活用すると伝えたい情報がわかりやすくなります。5W1Hとは「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」です。お金のやり取りがある場合、ここに「How much(いくら)」が増え、5W2Hになります。日本語の話し言葉では主語などが省略されることも多いので、5W1Hを常に念頭に置いてメモの文章を補いましょう。
議事録の種類
議事録の書式には種類があります。ここでは主に利用されている「会話形式」と「要約形式」の例をあげて解説していきます。
会話形式の議事録
会話形式の議事録は、誰がどの発言をしたのかを箇条書きで書く形式のものです。
以下の会話をもとに、議事録を書いてみます。
【実際の会話】
山田係長
新規アプリケーションの開発は社内で行いますか?それとも外部に発注しますか?
香川課長
現在抱えている開発業務は、想定より早く進んでいるので社内で行っても大丈夫かと思う。誰か適任者がいるか探してもらえないか。
丸亀主任
かしこまりました、私が探します。
上記の会話を会話形式の議事録にすると下記のような書き方になります。
【会話形式の議事録】
・新規アプリケーション開発は社内か外部発注か(山田係長)
・社内開発で検討したい(香川課長)
・開発する適任者を探す(丸亀主任)
要約形式の議事録
要約形式の議事録は、会話形式よりも広く利用されている議事録テンプレートです。目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。場所や時間、内容ごとに分かれているものが多く、各情報のわかりやすさが特徴です。
この記事では、要約形式の議事録のテンプレートがWordファイルとExcelファイルにて、ダウンロードできるようになっています。ご活用いただければ幸いです。
要約形式議事録の書き方の例
要約形式の議事録の基本的な書き方をテンプレートの図と共に紹介します。
基本的には、項目ごとに箇条書きで書きましょう。
- ❶タイトル・テーマ:会議の名前、企画の名前、取引先名を記載します。
- ❷会議を行った日付と場所、参加者:会議を行った日時と場所、所属・役職名をセットに参加者を記載します。
- ❸議題:議題ごとに項目を記載します。
・議題への意見、質問
・議題の確認する事柄、担当・スケジュール - ❹確認すること・決定したことを記載します。
・会議で決まったこと、次の会議までに何をするか
こちらの会議内容例は会話形式の議事録と同じものです。異なるのは、4.の次の会議までに行うことと確認することが追加されている点です。次の会議までに何をしたらよいかがひと目でわかります。
Officeソフトを利用した資料作成のコツについてこちらの記事ビジネス文書からプレゼン資料まで!見やすい資料作成のコツとは?で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
議事録を書くときの注意点
会議が終了したら、すみやかに議事録の作成を行います。議事録の作成者は、メモをもとに必要な情報の記載漏れはないかを確認します。確認後、内容に間違いや行き違いなどが生じないよう、以下のことに注意しましょう。
上司に確認を取る
書いた議事録は共に出席した上司に確認を取ります。書いている途中でも、疑問点や再確認したいことがある場合は、上司に尋ねるとよいでしょう。提出をしてよいか確認が取れたら議事録を提出します。
1営業日以内に提出する
会議終了から時間が経過するほど、人の記憶から会議で話した内容は薄れていきます。会議の出席者だけでなく、自分の記憶も鮮明なうちに議事録を作成し、提出することが望ましいです。一般的な目安は1営業日(24時間)以内です。また、会議が重なっている人には、より早く議事録を届ける必要があるでしょう。
まとめ
議事録の必要性やメモを取るときのコツ、議事録を作成するときの注意点を解説しました。はじめから立派な議事録を書ける人はいません。自分なりのコツをつかみ、相手に伝わる議事録を書けるようになるためには練習と経験を積み重ねましょう。