職務経歴書にアルバイト歴を書きたい場合は?
はじめに
職務経歴書・職歴書にアルバイト歴を職歴として書きたい場合はどうすればよいのでしょうか? この記事では正社員を目指した就職・転職活動で、アルバイト歴を職務経歴書に書く際の方法、書き方のポイントと職務経歴書のNGを事例とともに紹介します。
職務経歴書の書き方について悩んでいる方はこちらの記事をご覧ください。書き方のコツや職種別の書き方例、チェックポイント、送り方まで解説しています。
私は職務経歴書を書く必要がある?
そもそも自分に職務経歴書を書く必要があるのかは、どのように判断すればよいのでしょうか?
職務経歴書の提出は、応募先企業が定める必要書類・雇用条件が正社員/アルバイトのどちらか?・職種や職歴によっては職務経歴書でアピールした方がよい場合もあるなど、状況によって異なってきます。
提出を求められたら作成する
新卒の場合を除き、正社員として就職・転職を希望する際には、応募先から履歴書と職務経歴書の提出が求められます。
職務経歴書は履歴書よりも詳しく職歴を解説するとともに自分をアピールする大切な書類です。履歴書の情報と異なる部分がないよう慎重に作成しましょう。
一方、アルバイトやパートの場合は、応募先から提出を求められなければ、職務経歴書を提出する必要はありません。
ただし詳しくアピールしたい職務経験やスキル、業務の実績などがある場合は、職務経歴書を加えて提出してもよいでしょう。
アルバイト歴を職務経歴書に書いてもいい場合
「今までの職歴はアルバイトだけなのに職務経歴書に書いてもいいのか?」と思う人もいるでしょう。
結論としてはアルバイト歴を職歴として記載することに問題はありませんが、工夫は必要ですので、以下にポイントを4つ紹介します。
1 アルバイトしかしたことがない
学生当時から現在までの職歴働いた経験が「アルバイトのみ」である場合は、職務経歴書に書くべきか悩む方もいると思いますが、アルバイトも立派な職歴です。特に長期のアルバイトであれば問題なく職務経歴として記載できます。就労経験とあわせて仕事への意欲も伝えられるように記入するといいでしょう。
2 社会人としてはまだ若手
職務経歴書には社会人になってからの職歴を記入しますが、社会人としては「まだ若手」と見なされるの時期に職歴が少ないのは当然のことです。第二新卒の年齢(新卒から1~3年以内が目安)までは職務経歴としてアルバイト歴を書いてもよいでしょう。たとえ 学生時代のアルバイトであっても、応募先の仕事で生かせる経験やスキルがある場合は、積極的に書いてください。
こちらの記事で 第二新卒はいつまで? 転職のしやすさや定義、年齢制限はあるのかについて より詳しく解説しています。合わせてご確認ください。
3 アピールしたいアルバイト経験がある
採用担当者は職務経歴書から、自社が求める人材であるか?仕事で生かせる経験やスキルがあるか?という点を確認しています。
アルバイト経験の中から、以下の3点についてアピールできる情報を記載するとよいでしょう。
- 求める人材である・関連する経験がある / 応募先が求める実務経験や人物像、募集条件に近い経験やスキル
- 仕事で活かせる経験・スキルがある / PCスキル、営業力、接客力、コミュニケーション能力など応募先で応用可能な経験やスキル
- アルバイト先で評価してもらえたエピソードがある / 目標達成や成功体験、働く意欲や人物としての魅力が伝わるエピソードなどを手短に
職務経歴書では単に事実を羅列して記入するだけではなく、応募企業と職種に関連するスキル・活かせる経験を盛り込めるように工夫しましょう。
4 離職期間中にアルバイトをしていた場合
3か月以上に渡るアルバイトは職務経歴書に必ず記載してください。記載しないと応募企業に「離職後の空白期間が長いのではないか」と不安視される可能性があります。
1~2か月程度の短期間のアルバイトであれば、特に記載する必要性は低いですが、面接などで離職期間について質問されるケースもあります。質問を受けた際には、短期間のため記載していないことを伝えてから、離職期間中のアルバイトについて説明すれば問題ないでしょう。
アルバイト歴を職務経歴書に書く
アルバイトと正社員の職歴が混在していても、職務経歴書の基本的な書き方は変わりません。ただし、仕事内容の中に雇用形態の項目を設けるなどしてアルバイト/正社員、どちらなのかわかるように記載しましょう。
アルバイト/正社員、混在※アルバイト歴を含めた職歴書のポイント
職歴に正社員とアルバイトが混在する選考の際に採用担当者が気にかけるのは、1.短期で離職せず責任を持って働いてくれるだろうか?、2.企業の一員として組織の仕事に取り組んでくれるだろうか?という点です。
このような心配を払拭できるように、以下のポイントを意識して記載してください。
1 責任感をアピール
アルバイトと正社員の違いは色々ありますがですが、大きな違いとしては雇用期間と責任の範囲があげられます。
雇用期間については、アルバイトの場合は有期契約がほとんどなのに対して、正社員の場合は無期雇用となります。責任について、重要な業務は正社員が担うことが多いようです。正社員ではみずから組織に貢献することを求められます。
これらを踏まえて、正社員として求められる仕事への意欲や責任感があることを示しましょう。
そのためにもアルバイト経験の中で、勤務態度や意欲を評価されたエピソード・みずから考えて工夫してきた事などを記載するとよいでしょう。
2 経験・スキルのアピール
アルバイト経験を通じて、応募先が求める人物像に近いエピソード・仕事で活かせる経験やスキルなどがあれば積極的にアピールしましょう。
たとえば、お客様から褒められたエピソードは接客や営業分野へのアピールに、仲間から慕われたエピソードは人物像やリーダーシップの面にアピールできます。ほかにもアルバイト先での実績や汎用的なスキルなど、応募先でも応用できる経験やスキルがあればアピールしていきましょう。また現時点では未達成でも、勉強中の資格や目標への取り組みがあれば、スキルアップの姿勢としてアピールできます。不足しているスキルや経験があっても、自主的に勉強して補える人材として伝えられれば、好印象を得られるでしょう。
アルバイト歴のみの場合※職歴書のNG
前の項目でも触れましたがアルバイトも立派な職歴です。
企業の多くは、前職の雇用形態(アルバイトor正社員)にかかわらず「自社にマッチする人材かどうか?」と人を見ています。
大切なのは今までよりもこれからですので、アルバイト歴のみの職務経歴書であっても一切問題はありません。ただしNGとなる書き方もありますので気を付けましょう。以下に事例を紹介します。
1 「仕事内容だけ」書くのはNG
企業名と仕事内容だけを羅列した職務経歴書はNGです。
「仕事内容だけ」が並んだ職務経歴書では採用担当者に仕事の概要しか伝える事が出来ず、仕事内容の詳細・仕事への熟練度・仕事に取り組む意欲・仕事に対する熱意など、が伝えられません。特に複数のアルバイト歴が並ぶ場合では、職場を転々とした印象が先行してしまい「責任感」を不安視されしまう可能性もあります。
職務経歴書は、スキルや仕事に取り組む姿勢、仕事の成果や実績を企業にアピールする大切な書類です。
アルバイトの経験から自分なりに工夫したこと、大切にしてきたこと、仕事をする中での学びや成長を思い出して記載しましょう。
2 「あえてアルバイトをしていた理由」がないのはNG
あえてアルバイトとして働いていた理由を説明していない職務経歴書はNGです。
理由の説明と将来像の例文として以下の2点を紹介します。
- 例1:弁護士資格に挑戦していた
私は大学卒業より〇年間、弁護士資格取得に向けて学習を継続し、学習時間の確保のためにシフト勤務のアルバイトをしてきましたが、弁護士資格を取得できませんでした。今後はこれまでの学習で身につけた法務分野の知識とPCスキルを活かして働きたいと考えています。 - 例2:演劇活動に取り組んでいた
私はこれまで劇団員として舞台制作と演劇活動に取り組んでおり、制作と稽古(練習)の時間を確保するためにアルバイトをしておりました。現在演劇活動は一段落したため、今後は演劇で培ったコミュニケーション能力を活かし、チームワークを育める人材として働きたいと考えております。
採用担当者としては、なぜ正社員ではなくアルバイトとして働いていたのかは気になるところです。職務経歴書を通じて今までの説明と、その経験を将来どのように活かして働きたいかを伝えましょう。
まとめ
アルバイトも職歴として職務経歴書に記載できます。
書き方のポイントを押さえて記載方法を工夫することで、応募先の企業にマッチした人材として好印象を得られます。ただしNGとなる書き方もありますので、複数のアルバイト歴がある場合や、正社員よりアルバイトで働くことを選択してきた場合には、理由とともに今後はどのように働いていきたいかを職務経歴書を通じて説明しましょう。
最後のチェックポイント
- 職務経歴書の提出は任意だが基本的には求められたら提出する
- 職歴にアルバイトを記載してもいい場合は4つあるので確認を
- 「アルバイト/正社員」が混在する際には責任感・経験・スキルをアピール
- 「アルバイトのみ」の職務経歴書には避けなければいけないポイントがある
- 「あえてアルバイト」の際は理由と今後どのように働きたいか、の2点必須