会社説明会で質問が思いつかない!解決策やマナー・質問例を解説
はじめに
- 会社説明会はネット情報や資料だけではわからないことを聞ける貴重な場
- 積極的に質問して好印象を残そう
- 質問は具体的かつ簡潔にまとめよう
- 質問しない場合でも熱心に聞く姿勢を見せよう
会社説明会に参加してみたものの「何を質問したらよいかわからない」「この質問をしても大丈夫かな」など、質問の仕方に悩む方は多いようです。この記事ではケース別の質問例や注意点を紹介していきます。「質問が思いつかない!」という方の事前準備や、整理に役立てば幸いです。
会社説明会での服装について知りたい方には会社説明会ではどんな服装が適切?(スーツ・服装自由・記載なし・指定なしの場合)。当日の持ち物やマナーを押さえたい方には 就活必携!会社説明会に必要な持ち物リスト(重要度順に解説)の記事がオススメです。
そもそも会社説明会(企業説明会)とは?
企業が学生に対し、自社の特徴や事業内容、職場の雰囲気などを知ってもらうために開催するのが会社説明会です。企業説明会とも言います。一社単独で開かれることもあれば、複数の企業が合同で開く場合もあります。Webサイトや資料だけでは読み取れない、より掘り下げた情報や、企業の雰囲気・社風などをリアルに把握し理解することが可能です。
全体の流れとしては企業からの説明の後に質疑応答の時間を設けているのが一般的です。
会社説明会から就活は始まっている
企業によっては、会社説明会の後に筆記試験や一次面接を行ったり、会社説明会への参加が求人に応募するための必須条件だったりする場合もあります。学生にとって会社説明会への参加はあらゆる意味で重要と言えます。しっかりと準備をして挑みましょう。
会社説明会に参加する意味
会社説明会は、その企業で働く人たちと直接会話ができ、多くの情報を得られます。その情報は、自分が本当に志望する企業を決めるときの目安になるでしょう。また、履歴書作成や面接時の自己PR、志望動機を考える際も、得た情報を志望企業にそった内容として活用できです。使える情報は多いほど選択できる範囲は広がり有効活用できるでしょう。
座談会との違い
企業側からの説明がメインとなる会社説明会に対し、座談会は学生から自由に企業側へ質問ができる場と言えます。実際にその企業で働いている複数の社員から、具体的な現場の様子や生の声が聞けるチャンスでもあります。会社説明会よりもカジュアルな雰囲気で行われ、気軽に質問できる場ですので、この機会を利用して企業研究に役立てましょう。また、会社説明会の後に予告なしで座談会が始まる場合もあるので、座談会の予定がなくても質問は用意しておくとよいでしょう。
自己PRや志望動機を考えるときに役立つ思考法です。PREP法とは?相手に伝わる文章の作り方【例文あり】この法則に則って文章を作成すると、説得力がありわかりやすい文章を作れます。
会社説明会で質問をするメリットは?
企業の採用サイトなどにある情報は、企業のアピールになるような情報が発信されています。また、会社説明会での一方的な説明だけでは、本当に知りたいことをすべて理解できるとは限りません。質疑応答の時間は、本当に自分がそこで働きたいと思えるか、本格的な選考プロセスを前に疑問点を明らかにしておく絶好のチャンスと言えます。
採用担当者の印象に残る
企業説明会での態度が必ずしも選考に影響を及ぼすとは限りませんが、積極的に、かつ的を射た質問ができることで、企業側に好印象を与えられるでしょう。また、質問しない場合でも他の人のやり取りをうなずきながらメモを取るなど、熱心な姿勢が見えると「この学生はうちの会社に関心があるのだな」と思ってもらえる可能性はあります。反対に、失礼な質問をしたり失礼な態度を取ったりするとマイナスイメージを残すリスクがあります。選考の有無にかかわらず礼儀を忘れずに行動しましょう。
企業の理解が深まる
いざ入社した時に、どのような1日を過ごすのか想像できるでしょうか? また5年後10年後の自分はどのようにしているのか、ライフイベント時に働き続けることを選べるのか、事前にイメージできる人は少ないでしょう。実際に働くイメージができるように、わからないことを聞いておけば入社後のミスマッチを防ぐことも可能です。企業内の空気や体制といったことも長く働く上では大切になってきます。自分に合った企業で働くためにも、質問することは重要だと言えるでしょう。
企業の理解を深めるには「企業研究」という方法もあります。こちらの記事 企業研究のやり方(就職・転職活動での具体的な方法、どこまで?意味ない?の疑問に答えます)が詳しく説明していますのでぜひ参考にしてください。
会社説明会で聞いておきたいケース別の質問例
会社説明会で必ず聞いておきたい内容をご紹介します。
- 事業内容・サービス・商品
- 業務内容・業界
- 会社の強み・求める人物像
- 入社後のキャリア
- 雰囲気や社風・働き方
これら5つのケース別に質問例を紹介していきます。質問するときのポイントは、質問の意図が伝わりやすいよう、なるべく具体的に聞くことです。答える側が困ってしまうような抽象的な質問は避けましょう。オンラインの会社説明会でも要領は同じです。
ケース1.事業内容・サービス・商品
- 顧客からの声や反応はどのように商品開発に活かされていますか?
- 御社のサービスや商品が強く支持されている理由はどういったところにありますか?
- 御社の〇〇〇というヒット商品が生まれたきっかけを教えてください。
- 新しいサービスや商品が生み出されるまでの流れを教えてください。
- 今の主力事業の他に今後力を入れていきたい事業はありますか?
- 最近〇〇市場の成長が著しいようです。〇〇市場への参入はお考えでしょうか?
- 新規事業の立ち上げや商品開発に若手社員も参加できますか?
- 海外進出も視野にあるとお伺いしましたが、どのような国や地域を想定していますか?
- ITを活かした事業例についてお聞かせください。
- SDGsへの取り組みについて具体的なものがあれば教えてください。
一般消費者向けの商品やサービスを展開している場合は、比較的わかりやすいです。しかし、法人向けビジネス(BtoB)を展開している企業の場合は、具体的な事業の様子が見えにくいため、会社説明会のような機会に質問をしておくと理解が深まるでしょう。
また、企業の事業内容や動向についてはあらかじめ調べておき、その上で説明されなかったことに的を絞って質問しましょう。
ケース2.業務内容・業界
- 普段の業務における、1日の流れについて具体的に教えてください。
- 〇〇部に興味があるります。具体的な業務内容についてお聞かせください。
- 〇〇さんが仕事にやりがいを感じた瞬間について教えてください。
- これまでお仕事をされていて何か失敗談はありますか?どうやってそれを乗り越えましたか?
- 今まで担当した業務で一番記憶に残っているものは何ですか?
- 〇〇部門の1週間のスケジュールを教えてください。
- 語学力を活かした業務に従事したいと考えています。どのような仕事や部署があるか、具体的にお聞かせ願えますか?
- 御社が業界内でライバルだと考えているのはA社ですか? B社ですか?
- 今後この業界のトレンドはどのように変わっていくとお考えでしょうか?
- 御社が業界トップシェアを維持するために必要なこととは何だとお考えですか?
会社説明会に行ってみた中で、働いてみたいと感じた企業や部署があった場合、そこで働いている社員の方に、1日の流れなどを聞くこともポイントです。具体的なスケジュールを聞くことで入社後、自分が働くイメージを想像しやすくなるでしょう。事前に企業とのマッチ度を確認することは長く働く上で重要です。
ケース3.会社の強み・求める人物像
- 競合の多い〇〇業界における御社の特長や強みは何だとお考えでしょうか?
- 御社の強みをさらに伸ばしていくために今後必要なことは何でしょうか?
- 御社について最も誇れるところを教えてください。
- 御社で評価される仕事への姿勢を教えてください。
- 〇〇さんが一緒に働きたいと思うのはどのようなタイプの人材ですか?
- 御社で活躍している人材はどのようなスキルや資質を持っていますか?
- もし御社に採用していただけたら入社までにどのような勉強をするべきでしょうか?
- 御社で長く働き続けるために、もつべきマインドはどのようなものでしょうか?
- 新入社員にはどのような仕事の取り組み方を求めますか?
- 学生時代の経験で、入社後に役に立ったものはありますか?
企業が求めているのはコツコツ地道な努力を積み重ねるタイプなのか、あるいは独自の発想で難局を切り開くタイプなのか、あらかじめ知っておくことは入社後のミスマッチを防ぎます。また応募書類の作成や面接対策の参考にもなるので、ぜひ聞いておきましょう。
ケース4.入社後のキャリア
- もし、入社2年目社員の中で実力差が生まれているとすれば、それはなぜだと思われますか?
- さまざまな研修制度を実施されていますが、他社にはない何か特徴的な研修はありますか?
- 私は目標を明確にして働きたいのですが、御社にあるキャリアパス制度について教えていただけますか?
- 〇〇さんは現在の役職に就かれるまでに、どのようなキャリアを積んで来られましたか?
- 御社の管理職における男女比率を教えてください。
- 御社独自の評価制度がありましたら教えてください。
- 部署移動、役職変更はどれくらいの頻度で行われますか?
- これまで最短で管理職になった方は入社後何年目でなりましたか?
- 転勤はありますか? あればその頻度も教えてください。
昨今は1つの企業に定年まで勤め続けることは少なくなりましたが、自分のキャリアを形成する第一歩は大変重要です。自分の思い描いている人生設計やキャリアプランに合っている企業なのか、さまざまな角度から質問し確認してみましょう。
ケース5.雰囲気や社風・働き方
- 会社の雰囲気をひと言で表現いただけますか?
- 〇〇さんが入社を決めた理由は何ですか。
- 同業他社と比較して、御社の特長は何だと思われますか?
- この会社で働いていて、一番良かったことは何ですか?
- 業務に必要な資格を取得するための教育制度や補助制度はありますか?
- 職場のコミュニケーションの活性化などを目的に、何か行っていることはありますか?
- 仕事と育児の両立をされている方についてお話を聞かせてください。
- 男性社員で育児休暇を取得された方はどれくらいいますか?
- リモートワークはどの程度可能ですか?
- 休日はどのような過ごし方をされていますか?
- 御社独自の福利厚生制度があれば教えてください。
一般的にスタートアップの企業は活気や勢いがあり、老舗企業は堅実で落ち着いた雰囲気が想像されます。しかし、同じ業界でも企業によって、まったく社風が違うこともあります。こうした情報は口コミサイトなどで流れていることもありますが、主観が強いものも多いので、ぜひ自分自身で確かめてみましょう。
面接の逆質問についての記事です。シーンは異なりますが、さまざまな事例も記載してあります。面接の逆質問の方法|何か質問はありますか?への答え方【回答例付き】こちらも参考にしてください。
会社説明会で質問をする際のマナーと注意点
冒頭でも説明した通り、会社説明会での言動は必ずしも選考の対象となるとは限りません。とは言え、これから社会人になるにあたって最低限のマナーは押さえておきたいものです。会社説明会を開いてくれた企業の方々や、そこに集まった他の参加者に対して失礼のないよう、会社説明会で質問をする際のマナーと注意点について以下に説明しますので参考にしてください。
マナーと注意点について
相手に失礼な印象をあたえないように、また、マナーを守っていても、質問の仕方次第では印象が悪くなってしまう場合もあります。マイナス印象を与えないように以下の10項目について解説します。
- 大学名と氏名を名乗ろう
- 質問内容は具体的かつ簡潔にまとめよう
- 質問の意図も合わせて伝えよう
- 回答していただいたら必ずお礼を伝えよう
- 質問は原則1人1回まで
- 質問が被らないようにする
- 複数質問がある場合は最初に伝える
- 調べればわかるようなことを聞かない
- 大勢の前で聞く必要のない内容は避ける
- アンケートへの回答を忘れないようにする
大学名と氏名を名乗ろう
質問をするときは挙手をして、指名されてから起立して発言しましょう。質問の前には学校名と氏名を名乗ります。発言を簡潔に済ませるため、学部名は割愛して構いません。名乗るのは単にマナーというだけでなく、採用担当者に覚えてもらえる可能性もあるので必ず名乗りましょう。
質問内容は具体的かつ簡潔にまとめよう
あくまで質問なので、自己PRと取られるような内容は差し控えましょう。質問は具体的な内容にし、長くならないよう要点をまとめて準備しておきましょう。長々と話して自分だけ時間を取ってしまうと自己中心的であるなどと、マイナスの印象を与えかねません。
質問の意図も合わせて伝えよう
たとえば、リモートワークができるかどうか質問する時に、「ワークライフバランスの重視した働き方をしたいのですが」と前置きするとよいでしょう。現状ではリモートワークを採用していない企業でも、他にワークライフバランスのために行っている制度について説明できます。
回答していただいたら必ずお礼を伝えよう
質問に回答していただいたら、必ず「ありがとうございました」とお礼を伝えましょう。その際「大変よくわかりました」など、ひと言添えると好印象を持たれるかもしれません。質問の意図と異なる回答だったとしても、お礼を伝えることは忘れないようにしましょう。
質問は原則1人1回まで
他にも質問をしたい学生はいるので、自分だけが時間を独占してしまわないよう質問は原則として1回までにしましょう。複数の質問があるときはまとめて質問します。質問のある学生が全員発言し終わってもまだ時間が残っていて、企業側から質問を催促された場合は再び挙手しても構いません。
社会人として活躍するときに、身についていると役立つ社会人マナーについて記載した記事です。必ず知っておきたい社会人マナーとは?役立つオススメマナー本も紹介。こちらも参考にしてください。
質問が被らないようにする
他の学生と質問が重ならないように気をつけましょう。企業の方の説明をしっかり聞いていたとしても、質問が被ってしまうと「話を聞いていなかった」という印象を与えてしまいます。他の学生が質問しているときもきちんと耳を傾け、メモを取るなどすると質問の重複を避けられるうえ、企業の方にも熱心さが伝わるでしょう。
複数質問がある場合は最初に伝える
複数質問がある場合は学校名と氏名を名乗ったあとに「2点お伺いします」といったように前置きしてから質問しましょう。前置き無しにいくつも質問を続けるのはNGです。これは社会人になってから、上司への報告や日常の業務でも必要なマナーです。物事を整理して話すことが苦手な方は、今から練習しておくとよいでしょう。
調べればわかるようなことを聞かない
ネットなどで調べればすぐわかるようなことを質問するのはNGです。事前に何も調べないで会社説明会に参加しているように思われますし、企業の方に「自分で調べることをしない人物」とマイナスの印象を与えてしまいます。知っておきたいことはひと通り調べてから会社説明会に臨みましょう。
大勢の前で聞く必要のない内容は避ける
質問する前に、会社説明会の参加者全員の前で質問するべき内容か考えることが必要です。質問する内容が他の学生にとって有益ではない場合や個人的な内容の場合は、後で個別に質問をするようにしましょう。質疑応答の時間は限られているため、他の参加者の時間を奪ってしまわないように配慮しましょう。
アンケートへの回答を忘れないようにする
会社説明会終了後のアンケートには必ず回答しましょう。アンケートにしっかり回答を書くためにも、企業からの説明や質疑応答の時はこまめにメモを取っておくといいでしょう。アンケートは後日メールで送付するケースもあります。その場合、会社説明会参加後のお礼メールとは別に送りましょう。お礼のメールには説明会についての感想を添えると好印象です。いずれも日にちを置かず、終了後すぐに送りましょう。
まとめ
実際の選考はエントリーシートや面接で行われますが、会社説明会で印象に残った学生は採用担当者の記憶にも残っているものです。はきはきと明るく、積極的に質問しましょう。企業の生の声を聞いて、自分の興味のある分野や希望する働き方について、あらためて気付くことがあります。また、エントリーシートに志望動機を書く際や、面接での受け答えにも会社説明会で聞いた内容は役立ちます。就職活動を悔いのないものにするためにも、質問の機会をうまく利用しましょう。