【新卒向け】電話でのクレーム対応の流れやNG対応を紹介!
はじめに
新卒入社した方々も、そろそろ研修を終えて仕事の現場に就く時期となりました。振り分けられた部署によっては、クレーム電話の対応をすることもあるでしょう。クレーム対応となると「どう対応したらいいかわからない」と不安に感じている方もいるかもしれません。
本記事では、電話でのクレーム対応の流れと、注意すべきNG対応について紹介していきます。
クレームとは
クレームは大きく分けて、4つの種類があります。
- わからないことを問い合わせるクレーム
- 商品やサービスへの不満を伝えるクレーム
- 従業員の接客・対応態度へのクレーム
- 嫌がらせや暇つぶしなど、理不尽なクレーム
クレームは、しっかりと事実確認をしたうえで、お客様に誠意ある対応をすることで解決できるものが多いです。とはいえ、昨今増加傾向にある4つめは特殊例と言えるため、上司へ相談するか、企業のクレーム対応マニュアルに沿った対応を取るといいでしょう。
「クレーム」というとマイナスなイメージがあるかもしれません。しかし企業にとってのクレームとは、お客様から直接ご意見をいただくものであり、企業改善のきっかけになる重要なものです。対応を間違わなければ、商品や企業自体を好きになってもらうチャンスにもなります。いざという時に備えるためにも、正しいクレーム電話の対応方法を覚えておくと便利です。
クレーム電話の対応方法
クレーム電話対応では、最初の対応が重要になります。正しい対応方法であれば、クレーム内容を把握して、改善や解決に動くことが可能です。しかし、間違った対応をしてしまうと、お客様を怒らせて二次クレームを生み出してしまう場合があるので注意が必要です。クレーム対応マニュアルを作成している企業では、しっかり目を通しておくことで、対応の流れや担当者などを把握できるでしょう。
ここからは、クレーム対応の流れをステップごとに紹介していきます。
基本的な電話対応については電話応対の基本!マナー・例文から対処法と練習法も解説で詳しく紹介していますので、併せてご覧ください。
【ステップ1】お客様の話を聴いて、メモを取る
クレームの電話を受けて最初に行うことは、お客様の話をしっかりと聴くことです。相手が怒って感情的になっている場合は、相槌を打ちながら話に耳を傾け、内容のメモを取ります。電話でのクレームは、電話を取った人以外は内容を知りません。上司・先輩への相談や担当変更などで誤った情報を伝えてしまうと、さらなるクレームを発生させてしまう恐れがあります。正確な情報を伝えるためにも、話をきちんと聞いてメモを取る、といったことを意識しましょう。
また、お客様がまだ話をされている時に、謝罪や質問などで遮ってしまうと、お客様の怒りを助長させかねません。お客様の主張をしっかり聴いてから、謝罪や対応についての話を始めましょう。
例文
「恐れ入りますが、お問い合わせいただいた現象がどのような時に発生したかなどをお聞かせいただいてもよろしいですか?」
「差し支えなければ、その時の状況を詳しく教えていただけますか?」
- 意識するポイント
- 最初はお客様の話を遮らず、相槌のみにしよう
- お客様の話をしっかりと聴いてメモを取ろう
【ステップ2】心を込めて謝ろう
しっかりと話を聴いてから、不便・不快な思いをさせたことについて、誠意を込めて謝罪の言葉を伝えます。電話でのクレーム対応は、互いに声のみでのやり取りになるため、互いに顔は見えません。そういった場合ほど、苛立った対応や面倒そうな対応は、声や言葉から伝わってしまいます。二次クレームを生み出さないためにも、まずはお客様の声として冷静に受け止め、丁寧な対応を心掛けましょう。お客様が目の前にいなくても、頭を下げて謝るようにすると、電話越しでも誠意が伝わりやすくなります。
例文
「この度はご不便をおかけしまして、申し訳ございません」
「ご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません」
- 意識するポイント
- 苛立ちや面倒な気持ちは一度抑えて、丁寧に対応しよう
- 謝罪は、電話の向こうへ誠意を届ける気持ちで行おう
【ステップ3】事実確認を行い、これからの対応について伝える
クレームの内容を確認・把握したら、次に行うのは事実確認です。メモに取った内容を参考に、不明点の確認を行います。あまり細かく質問してしまうと「疑っているのか!」とお客様の怒りを買うことにもつながるため、下記のポイントに絞るといいでしょう。
- いつ:When
- どこで:Where
- 誰が:Who
- 何を:What
- なぜ:Why
- どのように:How
内容によっては自己判断が難しく、上司や先輩への相談や、担当者に対応を確認する必要がでてきます。しかし、すぐに相談・確認できるとは限りません。できるまで待っていると、通話保留の状態でお客様をお待たせすることになります。確認や相談で手間取る場合は、たらい回しや長時間放置などを避けるためにも、折り返しご連絡を行うことがベストです。折り返しの目安時間や、都合の良い時間帯を伺ってから電話を切りましょう。
例文
「差し支えなければ、不具合の発生した状況についてお聞かせいただけますか?」
「恐れ入りますが、担当者に確認を取り次第、折り返しのご連絡とさせていただいてもよろしいでしょうか?」
- 意識するポイント
- あまり細かく質問せず、必要なことだけ聞き取りしよう
- クレーム内容や担当者の状況に合わせて判断していこう
【ステップ4】解決策を提示する
クレーム内容の事実確認が取れ、お客様対応の方向性が決まったら、お客様に改善・解決策を提示します。この時、もし事実確認の結果がお客様の勘違いであった場合でも、頭から否定や反論などはしないことが大切です。悩みや不安、困りごとなどの解決につなげるためにも、専門的な用語は使わず、前向きな言葉で解決策を伝えるよう意識しましょう。また、点検・修理などの対応となる場合は、費用や修理期間に関する情報をしっかりと伝えることがポイントです。
例文
「お手間をおかけして申し訳ありませんが、弊社工場にて点検を行いたいと考えております。つきましては、弊社社員が回収に伺ってもよろしいでしょうか?」
「本社にて、一度故障の原因を調査したいと考えております。送料はこちらで負担しますので、弊社宛に発送をお願いできますでしょうか?」
- 意識するポイント
- 頭からの否定や反論はしないこと
- 点検や修理対応は、費用や期間などの情報をしっかり説明しよう
【ステップ5】感謝を伝えて電話を切る
クレームの電話であっても、電話をいただいたことに対して感謝の気持ちを伝えることが重要です。もし製品に不備があったとしても、ただ製品を使用しなくなるだけ、といった顧客もいます。そういった中でも「電話をいただき、率直な意見を聞けた」ことに対し、貴重な意見をくれる存在である、という認識をもつことが大切と言えます。感謝の気持ちとともに、再発防止に努めることや、意見を踏まえて改善していくことなどを伝えるといいでしょう。
また、相手より先に電話を切ったことで「電話対応が悪い、態度が悪かった」などの別クレームにつながる可能性があります。相手の電話が切れたことを確認してから、通話を終えるよう意識し、クレーム対応は最後まで誠意ある対応を心掛けましょう。
例文
「ご指摘いただいた内容を真摯に受け止め、改善に向けて取り組んで参ります。この度は貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました」
「ご指摘いただいた点について社内で共有し、改善案を検討いたします」
「今後も何かお気づきの点やご要望などありましたら、お気軽にお問い合わせください」
- 意識するポイント
- 不備などのクレームは、貴重なご意見だと認識しよう
- 相手が電話を切るまで、電話を切らないようにしよう
要注意!NG対応
クレーム電話の対応では、言葉選びを誤るとさらなるクレームにつながってしまう場合があります。NGな対応や避けるべき言動などを知って、二次クレームを回避できるように努めましょう。
勘違いを指摘する
お客様からクレーム内容について聴き取っている際、お客様が勘違いされているな、と察する時があります。そういった場合でも「それは違います」など、否定や反論の指摘を行わないようにしましょう。たとえ間違っていないとしても、お客様をさらに怒らせることにつながりやすく、理不尽な怒りや二次クレームを生みやすくなります。
たらい回しにする
事実や情報を正確に確認することは重要ですが、そのためにお客様を待たせるのも良くありません。どちらも回避するためには、わかる人に素早く取り次ぐことが大切です。しかし、別の部署の内容だからと、電話を他部署へたらい回しにするのはNG行為です。お客様の怒りを静めるどころか、誠意に欠けた対応ととらえられ、二次クレームにつながりやすくなります。
もし、担当が不在などで誰に相談したらいいかわからない場合は、確認してから折り返しにする旨を伝えて、通話を一度終えるといいでしょう。
とりあえず「謝る」「相槌を打つ」
クレーム対応をする際は、誠意を込めた謝罪や、お客様の話を聴きながら相槌をうつ、といった対応が重要になります。しかし、ただ謝るだけであったり、とりあえず相槌を打ったりといった中途半端な対応は、逆にお客様の怒りを増長させてしまう場合もあります。面倒そうな対応や不誠実な対応はせず、誠実に対応しましょう。
まとめ
電話対応の経験がなければ「クレーム電話対応」そのものに不安を感じる方も多いでしょう。しかし企業にとっては、お客様からの貴重なご意見をいただく機会でもあります。マイナスイメージや不安で先入観を持たず、正しく誠意ある対応を心掛けることが重要です。企業によっては、細かなクレーム対応マニュアルを定めている場合があります。マニュアルをしっかりと読み込んでおくことで、対応の流れや担当者などを把握し、ご自身が対応する際に冷静に対処できるかもしれません。
最後のチェックポイント
- クレームとは、お客様から直接ご意見をいただける貴重な機会
- 企業が定めるクレーム対応マニュアルは、しっかり目を通そう
- クレーム内容を聴き取る時は、必ずメモを取ろう
- お客様をお待たせしてしまう場合は、折り返し連絡としてもいいか確認しよう
- お客様の勘違いなどがあっても、否定や反論は行わないようにしよう
- たらい回しや中途半端な対応は、二次クレームにつながりやすいので要注意