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非構造化データとは?構造化データとの違いや活用の重要性を解説

date2024年02月27日
非構造化データとは?構造化データとの違いや活用の重要性を解説
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はじめに

世の中にはさまざまな情報がデータとして無数に存在します。このデータは、構造化データと非構造化データに分類されます。なかでも非構造化データは、企業にとってどのように活用するかが大変重要となってきました。
そもそも非構造化データって何?という方に、わかりやすく解説していきます。

非構造化データとは

構造の定義がされていないデータで、データベースと呼ばれるデータの格納庫に、整理・収納が難しいデータを非構造化データと言います。
人間が見た時は理解できても、コンピュータが識別するための鍵を持たないデータと考えるとわかりやすでしょう。

なぜ注目されるのか

非構造化データは、ビッグデータ※1に保存されたデータの約8割という膨大な量があり、さらに増え続けていることが注目ポイントです。
非構造化データには有効な情報が多数存在します。企業は自社の将来設計のため、またマーケティング活用のために、このデータを利用したいと考えているからです。

※1 ビッグデータとは、データベースソフトウエアが把握し、蓄積・運用・分析できる能力を超えたサイズのデータのこと
参考:総務省|ビッグデータとは何か

非構造化データの例

実際に非構造化データには、どのようなデータが含まれているのか詳しく見ていきましょう。

SNSに投稿された記事や画像

不特定多数の人が無秩序に作成し保存したものです。この中には活用できる情報が多数存在します。しかし、コンピュータが識別して分類・整理するための鍵は、投稿日や地域など一部しか存在せず、内容を人間の目で確認する必要があります。

業務で作成した資料

企画書・見積書・発注書・請求書などのOffice文書、Eメールやデザインデータ・CADデータ※2などです。業務で日々作成されたデータは、それぞれのデータに意味があり、常に更新されます。更新により目的が変わるなど、コンピュータが動向を追いながら分類・整理することは難しいと言えるでしょう。

※2 CADデータは、コンピュータによる設計支援により作成されたデータです。

センサーで集めた情報

IoTの普及により、生活環境や農業・工業の製造過程などで、気温・湿度・密度・製造数・出荷数などのさまざまなデータが収集されています。それぞれの場面では有効なデータですが、コンピュータが総合的に、または、目的に合わせて分類・整理することが難しいデータと言えます。

音声データ

音楽や楽曲、コールセンターの応答記録など、音声として保存されるデータも多数あります。この音声データは、このままの状態では活用できません。テキストに置き換えるなどの手間がかかります。このテキストも、コンピュータが識別できる形式への変換が必要です。

非構造化データから構造化データへの変換が必要

上記の例からもわかるように非構造化データは、形式が定められていないため、そのままでは利用することが難しいデータと言えます。そもそも、そのデータは何か?から理解し、分析・活用が可能な形式に変換する必要があるのです。

この変換や加工には、専門知識と膨大な時間・コストがかかり、過去にはデータサイエンティストが一つひとつ内容を確認して、コンピュータが識別できるように符号付けをしていました。

構造化データと非構造化データの違い

非構造化データは形式が定められていないデータでした。では、構造化データとはどのようなデータでしょうか。また、両者の違いについても以下で詳しく解説します。

構造化データとは

一言でいうと事前に定義された形式をもつデータです。以下の表にあるように、情報が整理されていてコンピュータが処理しやすく、分析・活用が容易にできるデータを言います。

  • SFA(営業支援ツール)※3/ CRM(顧客管理システム)※4/ ERP(基幹系情報システム)などの業務管理システムのアプリケーション内やRDB※5に蓄積されたデータ
  • Excelの表計算ソフトのように、情報が整理されコンピュータが処理や計算をしやすくなっているデータ
  • 機械学習での利用に適している形式を持つデータ

※3 SFA(セールスフォース)は営業業務を仕組化・標準化して営業活動の効率化を図るシステムです。 ※4 CRM(カスタマー リレーションシップ マネジメント)は顧客情報を一元管理することで、顧客との関係性を管理するためのツールです。 ※5 RDB(リレーショナルデータベース)は、データベースの収納形式のひとつで、データを「行」と「列」で整理して、まとめているものです。

半構造化データとは

半構造化データは、大きく分類すると非構造化データに属します。しかし、規則性や分類のための鍵を有しており、処理をすることで構造化データとして利用できる特性を持っています。この特性を確認するためには専門知識が必要となるものです。

非構造化データの活用ができると

非構造化データを分析し、構造化データとして活用ができると、以下のような有効利用の精度を上げることができます。少ない情報よりも膨大な情報から得たデータの方がより確率の高い情報といえるからです。

画像データ

  • 顔認証
  • 店舗の商品認証
  • 文字認識による文書のデジタル化

音声データ

  • 録音された音声の自動テキスト化
  • 声のトーンから人の感情の読み取り
  • 機械から発する音の分析・異常の検知

テキストデータ

  • 言語の自動翻訳
  • 要約生成技術による文書の自動作成
  • 口コミやSNS投稿からのマーケティング活用

センサーデータ

  • 機械の異常の検知・エラーの修正・故障の予測
  • ヘルスケア利用で、ストレスや疾患の予測
  • 自動運転

ここにあげた内容は、すでに利用されているものです。非構造化データを活用することで、さらに高い完成度を目指すことができます。
また、膨大な非構造化データの中には、新たなビジネスチャンスが潜んでいる可能性もあります。

すすむ非構造化データの利用

専門知識が無いと取り扱うことが難しかった非構造化データに光が差しました。非構造化データを活用するためのツールが開発されたのです。以下でご紹介します。

非構造化データ分析ツールの登場

「Googleは2022年にBigLakeを発表しました。データレイクとウェアハウスを単一の管理フレームワークで統合し、BigQuery を使用した非構造化データの分析、検索、セキュリティ、ガバナンス、共有を可能にしました。」(Google Cloudブログより)
これにより誰でも非構造化データの分析が可能となりました。

参考:Google Cloudブログ|データと AI の統合により BigQuery に非構造化データ分析を提供する

非構造化データのメタデータ利用

IBMが2018年10月に発表した「IBM Spectrum Discover」は、非構造化データにメタデータを付与できるソフトウエアです。カスタム・メタデータの付与により非構造化データ検索の効率化を図り、ポリシー設定とカタログの自動作成に従い、レポーティング作成によるデータ証跡までできるようになりました。

参考:iMagazine|非構造化データの分析に不可欠なメタデータ管理 ~IBM Spectrum Discoverのソリューション

非構造化データ活用の課題点

非構造化データは、構造化データとは異なり誰もが作成・更新・保存のできるデータです。このデータを別の誰かが活用可能になったのです。ここには多くの課題があります。活用する場合は以下のことに充分注意する必要があります。

適切に管理する必要がある

企業活動で蓄積された非構造化データを例にした場合

  • データ容量が大きいのでどのように保管するか
  • データ単体で用途が異なるので、どのように分類するのか
  • 業務で日々更新されるファイルをどのように整理するのか
  • 検索する仕組みをどのようにするのか

さまざまな種類・用途の異なるデータが膨大にあり日々増え続ける中で、コストも考慮した保管方法の検討が重要でしょう。また、ルールや運用ポリシー・仕組みの理解と構築が必要です。全社員の共通認識のうえで適切に管理する必要があります。

セキュリティ対策とガバナンスに留意する

非構造化データは、誰もが操作できるデータです。この中には、顧客情報や画像に映る人物などの個人情報や機密情報も含まれます。セキュリティ対策とガバナンス意識が重要と言えるでしょう。
データの取り扱いには細心の注意が必要です。一人ひとりが意識の向上をはかる必要があります。

まとめ

今まで活用することが困難だった非構造化データは、活用ツールの登場によりデータを活かせる時代がきました。専門知識がなくても利用できることで、多くの人がデータ活用に参入するでしょう。ここで大切なことは一人ひとりの意識です。課題をしっかりと理解して、発信する側も利用する側も、責任をもって活用するようにしましょう。

最後のチェックポイント

  • 非構造化データとは、定められた形式の無いデータである
  • ビッグデータに膨大な量が存在し、さらに増えている
  • 非構造化データは不特定多数の人が、作成・更新・投稿・保存ができる
  • 非構造化データの活用には、構造化データへの変換が必要
  • 分析ツールによって、非構造化データの活用が進む
  • 利用にあたっては責任ある活用をする
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