はじめに

マーケティング職への就職や転職、あるいはキャリアアップの手段として、「資格の取得を検討している」という人もいるのではないでしょうか。この記事では、マーケティングに関する資格・検定を分野別に紹介します。取得する目的に応じて、自分にぴったりな資格を見つけましょう。

マーケティングに資格はいらない？

マーケティングの仕事をするためには、必ずしも資格を取らなければいけないわけではありません。しかし、資格取得や取得に向けて勉強することには、以下のようなメリットがあります。

就職・転職時にアピールできる

就職や転職にあたり、業界や実務未経験、あるいは経験が少ないという場合は、資格を取得することで採用時のアピールにつながります。実績がなく能力の証明が難しい状態において、業務に必要なスキルを習得するために努力し、一定の知識を得たことが客観的に証明できます。入社後も、資格取得時に学んだことが役立つでしょう。

転職の際におすすめの資格については、転職で有利な資格と取得する時に注意したいことにて詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

スキルアップにつながる

資格の取得を目指して体系的に学習することで、業務領域の幅を広げ、スキルアップやキャリアアップにつなげることが可能です。マーケティングの分野では多くの専門知識が必要となるため、学習を通して幅広い見識を身に付ければ、実際の業務への理解も深まるでしょう。何より、自身の成長を実感できるはずです。

分野別・おすすめマーケティング資格一覧

資格は転職・就職、スキルアップなどの目的に合わせて、最適な資格を選ぶことが重要です。ここからは、14の資格・検定について、分野別に解説します。

マーケティング全般

まずは、マーケティング全般にまつわる総合的な能力が問われる資格・検定を紹介します。

マーケティング・ビジネス実務検定

マーケティング・ビジネス実務検定は、特定の業種や業界にとらわれず、マーケティングの実務能力を総合的に評価する検定試験です。マーケティング理論だけでなく、実践的な知識や時事問題など、多岐にわたって問われます。3段階ある難易度のうちB級以降では関連法規やグローバル・マーケティングなども出題範囲になります。

詳細はこちら：マーケティング・ビジネス実務検定(R)

マーケティング検定

マーケティング検定は内閣府の認定を受けており、知名度が高く、大手企業の研修でも採用されている検定試験です。3級と2級は誰でも受験が可能で、マーケティングの基礎から応用まで幅広い知識を求められます。1級では2級までの知識を前提とした、具体的かつ実践的な課題解決力を問う問題が出題されます。

詳細はこちら：公益社団法人日本マーケティング協会-マーケティング検定

ネットマーケティング検定

ネットマーケティング検定は、Webマーケティングを体系的・網羅的に学習し、ビジネスの企画や立案に活かすことを目指す検定です。インターネットを活用したブランディングや広告戦略をはじめ、プログラミングなどのWebサイト構築、セキュリティやコンプライアンスなどについてもカバーしています。

詳細はこちら：ネットマーケティング検定

IMA検定

IMA（Internet Marketing Analyst）検定は、Webマーケティングに関する検定です。eラーニングによる約2か月のカリキュラム受講後、認定試験の受験までがセットになっています。講義や試験は常に業界の最新情報に基づいて構成されるため、実務で必要な集客スキルや広告運用などのノウハウを身に付けたい場合におすすめです。

詳細はこちら：IMA検定

データ分析・アクセス解析

次に、マーケティングにおけるデータ分析やアクセス解析、分析用ツールの知識に特化した資格・検定を紹介します。

統計検定

統計検定は、統計に関する知識や理解度などを判定するための全国統一試験で、本検定の合格者を入学優遇措置の対象とする大学もあります。データを客観的に扱い、活用する能力はマーケティングのみならずさまざまな場面で求められます。この検定は、そうしたデータに関する基本的な知識と活用力を問われるものです。

詳細はこちら：統計検定：Japan Statistical Society Certificate

統計士・データ解析士

統計士・データ解析士は、文部科学省が認定する通信教育カリキュラムの修了を経て取得できる資格です。実務に活用できる統計を学ぶ「現代統計実務講座」の受講と報告課題合格で「統計士」の資格、Excelプログラムを使用した「多変量解析実務講座」の受講と報告課題合格で「データ解析士」の資格が認定されます。

詳細はこちら：一般財団法人 実務教育研究所

ウェブ解析士

ウェブ解析士は、アクセス解析をはじめとしたWebマーケティングの知識・スキルを体系的に身に付けられる資格です。認定試験は実務に役立つことを重視した出題範囲となっており、合格後にレポートを提出することで資格認定が行われます。資格取得後は上級ウェブ解析士、ウェブ解析士マスターとステップアップも可能です。

詳細はこちら：一般社団法人ウェブ解析士協会

Webアナリスト検定

Webアナリスト検定は、Googleアナリティクスを用いたデータ活用のノウハウを学べる検定です。Googleアナリティクスの使い方やアクセス解析の基礎を短期間で習得したい場合などにおすすめです。公式で1日あたり5時間ほどの講座が開催されており、試験と合わせて申し込むこともできます。

詳細はこちら：Webアナリスト検定 一般社団法人日本Web協会［JWA］

Web広告

Web広告に関する資格・検定は、各社が手掛ける広告の活用について問われるものが中心です。

Google広告認定資格

Google広告認定資格とは、Google広告に関する専門知識を持っていることが証明できる資格です。検索広告・ディスプレイ広告・動画広告など11種類があり、自身の業務に関するものなど必要に応じて選択できます。Googleアカウントを作成すれば「スキルショップ」ページ上でいつでも手軽に受験ができるのも特徴です。

詳細はこちら：Google 広告の認定資格について

Meta認定デジタルマーケティングアソシエイト

Meta認定デジタルマーケティングアソシエイトは、FacebookやInstagramなど、Meta社のサービスにおける広告に関する知識を証明できる認定資格です。Metaのサービス上での広告作成や管理運用について出題されます。受験資格は特にありませんが、試験は日本語非対応であるため、注意が必要です。

詳細はこちら：Meta認定デジタルマーケティングアソシエイト試験

SNS

昨今のマーケティングにおいてSNSの知識は欠かせません。ここではSNSをメインに据えた資格・検定を紹介します。

SNSエキスパート検定

SNSエキスパート検定は、企業の広告・宣伝担当者などをターゲットに、SNS活用の基礎やコンテンツの作り方などの習得を目指す検定です。講義と試験がセットになっており、初級と上級に分かれています。初級ではSNSの基礎知識から活用法、上級では効果測定や自社SNS運営のためのノウハウを学べます。

詳細はこちら：SNSエキスパート検定について｜一般社団法人SNSエキスパート協会

SNSマーケティング検定

SNSマーケティング検定は、SNSをビジネスに活用できる人材の育成を目的として、2023年2月に開始した新しい検定です。マーケティングの知識はもちろん、著名な各SNSの特性や投稿動画・画像の作成方法など、実際にSNSを利用する際の操作方法まで出題範囲としてカバーしているのが特徴です。

詳細はこちら：SNSマーケティング検定｜資格検定のサーティファイ

SEO

SEOに関する資格・検定には、知識だけでなく実践的なスキルを問うものが多くあります。

SEO検定

SEO検定とは、SEOの基礎知識からサイト内部最適化・集客スキル・SNS活用まで、SEOの技術を体系的に学べる検定試験です。4級から1級までの段階があり、SEOをゼロから学びたい場合や自社サイト担当者としてよりスキルアップしたい場合など、自分のレベルに応じてどの級からでも受験が可能です。

詳細はこちら：SEO検定 一般社団法人全日本SEO協会

Webライティング能力検定

Webライティング能力検定は、Webサイトやブログ・SNSなどWeb上での文章表現スキルを客観的に証明する検定です。集客につながるライティングは、Webマーケティングにおいても重要とされます。この検定は、ライティングスキルだけでなく、炎上などのリスクを避けるための倫理・法律の知識を学びたい場合にもおすすめです。

詳細はこちら：Webライティング能力検定｜一般社団法人日本WEBライティング協会

ここまでお伝えしてきた資格・検定以外のおすすめ資格について、仕事をしながら学習するコツとともに紹介しています。社会人が働きながら資格を取るには？資格取得のメリットやおすすめ資格も紹介

まとめ

ここまでお伝えしてきた通り、マーケティングの資格はさまざまな分野にわたり、数多く存在します。したがって、自分のやりたいことや思い描くキャリア、業務に必要な知識・スキルなど、取得する目的に合わせて選択することが大切です。

資格を取得することで、自身のスキルや知識・学んだことの証明になるだけでなく、学習を通じて総合的な知識の習得もできます。今の自分にとって必要な資格を見極め、資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。