社会人インターンシップとは?意味と目的や探し方について
はじめに
インターンシップ(以下「インターン」とする)といえば、就活中の学生が社会に出て職業体験をするイメージが強いかもしれません。しかし最近では社会人を対象に受け入れる企業が増えています。
この記事では社会人インターンの概要について解説し、種類やメリットを分かりやすくまとめます。興味のある人はぜひ参考にしてみてください。
社会人インターンとは
「今の仕事になんとなく不満がある」「この先もずっとこの仕事を続けていいのかな?」「転職する気はないけど外の世界は見てみたい」そんなキャリアのモヤモヤから抜け出すきっかけとなるのが社会人インターンです。
今注目されている社会人インターンについて詳しく見ていきましょう。自分のキャリアにどう活かせるのか、自分が参加できそうなものはあるかなど、具体的に知っておくことで今後一歩を踏み出すヒントになるはずです。
意味と目的
社会人インターンとは、社会人が今の勤め先とは違う企業で就業体験をすることです。参加することで自分のキャリアを広げるきっかけになったり、新しい知識やスキルを身につけたりすることができます。
内容は学生向けのインターンと似ていますが、すでに働いている社会人が参加しやすいような日程・時間帯になっていることに加え、報酬が出るタイプも多いです。社会人インターンの目的は参加者によって様々ですが、以下のような例が考えられるでしょう。
- 本業の仕事ではできない考え方を知る
- 新しい経験をする
- 将来の転職に備える
- 社会貢献をしたい
- 人脈を作る
- 本業とは別の収入を得る
企業の受け入れも参加者も増えていることから、最近では様々な種類のインターンが募集されています。参加する場合は自分の目的にあったプログラムを選ぶことが大切です。
探す方法
実際に社会人インターンに参加したい時、どのように探せば良いのでしょうか。具体的には次のようなものを利用して始める人が多いです。
- 企業のホームページ
- 社会人インターン紹介サイト
- ビジネス系SNS
- 求人サービス
既に特定の企業に興味がある場合は、ホームページをこまめにチェックしてみてください。最近ではベンチャーから大手まで社会人インターンを募集している企業が増えているので、機会を逃さないようにしましょう。
社会人インターンに特化した紹介サイトも登場しています。幅広い企業の募集を横断的に知ることができるため、自分の興味関心や条件に合ったインターンが見つかります。サイトによって特徴が異なるので、自分に合うサイトを見つけてみてください。
そしてビジネス系SNSも活用したいところです。あらかじめプロフィール(経歴やスキルなど)を登録していれば、インターンにも気軽に応募することができます。企業の中の様子が身近に感じられるため、実際に働くイメージも描きやすいでしょう。
その他、求人サービスでもインターンを募集していることがあります。転職の予定が無くてもチェックしてみてはいかがでしょうか。
社会人インターンの種類
社会人インターンには様々な種類があります。例えば週末だけ参加できるインターンもあるので、本業の仕事がある社会人にとっては参加しやすくなっています。
期間の長さや報酬の有無はインターンを検討する上で重要なポイントです。それぞれの特徴やメリット・デメリットをふまえた上で、自分に合うものを選びましょう。
1dayインターン
1dayインターンとは文字通り一日だけのインターンです。会社説明会や職場見学、簡単なワークショップやディスカッションなどが実施されます。
現場の雰囲気や仕事内容を知ることができるので、その企業への転職を考えている場合は良い機会となります。一日だけなので本業に支障が出にくく、参加しやすいことも大きなメリットです。いずれ長期インターンを希望しているならその第一歩としても最適でしょう。
ただし一日ということもあり、当然深い就業体験ができるわけではありません。企業のことを深く知りたい、スキルアップをしたいといった目的には合わないと言えます。また1dayは報酬が支払われないことがほとんどです。
短期インターン
数週間単位で参加するのが短期インターンです。毎週土曜日、隔週日曜日など土日休みを利用して参加することができます。経験できる内容も豊富です。
1dayよりも期間が長くフルタイムでの参加が多いため、得られる経験はより大きくなります。まとまった時間を費やすことで本業以外の経験を積み、自信やスキルアップにつながるでしょう。成果を求められることがある分、報酬が支払われる場合もあります。
デメリットとしては、参加する時間が増えるため、本業やプライベートとの両立をきちんと考えなければいけません。一方で期間が限られるので、その中で成果を出さなくてはいけないプレッシャーもありそうです。
長期インターン
長期インターンとは大抵の場合3ヶ月以上の就業体験を指します。参加するのは平日もしくは土日、時間も就業後の数時間からフルタイムまで企業によって様々ですが、いずれも長期間のコミットが必要です。
本業以外の企業に属して長期的に就業することになるので、副業・兼業に近い状態と言えるでしょう。ただし副業・兼業は「収入」が主な目的ですが、インターンは「経験」が目的という違いがあります。
受け入れ先でも本格的に仕事や責任を任されるため、他の社員同様の成果を求められます。そのためスキルやノウハウを深く学ぶことができ、インターンを通じて得られるものも多いでしょう。
長期的な時間の確保が必要であり、本業と両立できるよう有給休暇を取るなどして調整しなくてはいけません。仕事に対する責任も大きくなるので、ゆとりが無い状態での参加は難しいでしょう。
長期インターンでITエンジニアになる
ITスキルを身につけるために社会人インターンに参加したいという人もいるはずです。特に長期インターンであれば、今の本業を継続しながら、ITエンジニアの人たちが多くいる環境で実践的に学ぶことができます。
しかし実際には未経験のインターン受け入れ先は少なく、参加することは難しいでしょう。未経験OKの募集は多くても、あくまでこれは「実務未経験」という意味です。プログラミングにも触れたことがない全くの未経験は想定されていません。そのため、事前にプログラミングをある程度学び習得する必要があります。場合によっては資格取得を求められるかもしれません。
実際にインターンに参加できれば転職せずに実務経験を積めるため、その後のキャリアの可能性を大きく広げてくれるでしょう。転職活動に進む場合もインターンの経験が必ず有利に働きます。
海外インターン
海外インターンという方法もあります。海外に滞在しながら就業体験ができるため「海外で働く」ということをリアルに実感できます。滞在先としてはシリコンバレーやニューヨーク、ヨーロッパが人気です。
長期的に参加することが多く、実践の場を通じて国際的なビジネス感覚が身につきます。ますますグローバル人材が求められる今、海外インターンの経験は今後のキャリアに大いに役立つはずです。もちろん海外で転職したい場合も有利になります。滞在先には東南アジアといった物価が安い地域も多いので、日本より生活コストを下げることも可能です。
ただし海外インターンは当然ある程度の英語力、それもビジネス英語のスキルが必要です。そしてほとんどが無給のため、事前に資金を貯めておくか、インターン中の収入を確保する必要があります。場合によっては留学も選択肢となります。本業と両立することは難しいため、長期休暇や有給休暇を利用して参加することになるでしょう。
無給インターンと有給インターン
社会人インターンには無給と有給のタイプがあります。無給インターンは1dayや短期で終了するものが多く、内容も説明会やワークショップ、職場体験などが多いです。そのため労働基準法で定められた「労働」にあたらず、報酬が発生しないといった理由があります。
そもそもインターンは経験や成長を目的としたものであり、無給インターンの方が募集も多く参加しやすいメリットがあります。なお長期インターンで実際の業務に携わり、他の社員と同じような貢献が求められるにもかかわらず無給の場合は違法です。悪質な「タダ働き」には注意してください。
有給インターンの場合は、キャリアに活かせる就業体験をしながら報酬も得られるのがメリットです。また学生向けよりも社会人インターンの方が報酬は高い傾向にあります。とはいえ、有給の場合は責任が大きくなり成果も求められるため、負担を感じる人もいるかもしれません。自分の目的や状況に合ったインターンを選びましょう。
社会人インターンのメリット
社会人インターンにはたくさんのメリットがあります。これからの長いキャリアにおいて、本業とは違う就業体験をすることは大きな価値があります。インターンは就活中の学生のものだと思っていた人も、次に紹介するメリットを知り、ぜひ一度検討してみてください。
自分の価値を知ることができる
同じ企業で働いていると、客観的な自分の市場価値を知ることは難しいものです。だからこそ本業以外の企業に飛び込んでみることで、自分の貢献度や評価を違った尺度で体感することができます。
普段当たり前にやっていることが評価されたり、初歩的なスキルが意外と感謝されたり、逆にいつもは目立たなかった弱みに気付くこともあるでしょう。そうやって自分の市場価値が分かることは、今後のキャリアを考える上で非常に役立ちます。
視野を広げられる
本業以外の人と意見を交換したり一緒に働いたりすることで、自分の視野を広げられることも大きなメリットです。自分よりも優れたスキルを持った人たちや、異なる考え方の人たちと出会えるため、とても良い刺激を受けることができます。
いつもと違った環境で働くことは、自分に有益な知見をもたらす貴重な経験になります。インターンを通じてスキルアップができれば自信にもつながるでしょう。
外の世界を見ることで、逆に今の仕事や勤務先の良さを再確認することもあります。視野が広くなれば現在の自分や環境を正しく捉えることができます。インターン後はモチベーションが上がり、良い状態で仕事と向き合えるかもしれません。
転職にも役立つ
社会人インターンは転職にも大いに役立ちます。他の企業での就業体験を通じて、将来転職を考えた際も、自分には何の仕事が合うのか、どんな会社が良いのかをより具体的に考えやすくなります。
インターンを通じたスキルアップは転職活動時にも有利に働きます。特に未経験の場合はインターンでの実務経験をアピールすることが可能です。
もともと興味のあった企業のインターンに参加した場合は、成果次第で社員登用につながることもあります。企業側も優秀な人材の確保や採用後のミスマッチを防ぐ目的で社会人インターンを実施することも多く、良いチャンスになることは間違いありません。
今は具体的な転職の予定がない場合も、就業体験を重ねることでキャリアプランの選択肢が幅広くなります。社会人インターンの経験が無駄になることは決して無いでしょう。
まとめ
以上、社会人インターンの概要と種類、メリットについて詳しく解説しました。人生100年時代と言われる今、誰にとっても長期的なキャリアプランを描く必要があります。同じ企業でモヤモヤとした気持ちで働き続けるよりも、一度外に出てみると見えることもあるでしょう。そうした貴重な経験が豊かなキャリアの形成につながっていくはずです。
実際に社会人インターンに参加する人も増えており、注目度も高まっています。スキルアップや視野を広げるため、今後の転職に役立てる意味でも、まずは自分に合いそうなインターンから探してみてはいかがでしょうか。
最後のチェックポイント
- 社会人インターンとは、社会人が本業とは違う企業で就業体験をすること
- 本業とは違った考え方を知るなど複数の目的がある
- 社会人インターンを探すには、企業ホームページなどを利用する
- 就業する期間によってインターンの種類を分けることができる
- 社会人インターンには無給と有給がある
- メリットは自分の価値を知ることができる、視野を広げられる