社会人一人暮らしはきつい?部屋探し・初期費用・節約のコツ
はじめに
社会人になり一人暮らしをはじめるとすると、一体何からはじめればいいのでしょう。これから一人暮らしをしたいと考えている人に向けて、一人暮らしをはじめるタイミングや部屋探しのポイント、最初にかかる必要経費をはじめ、一人暮らしですぐに必要になるアイテムリストや生活費を節約するコツまでを紹介します。
一人暮らしをはじめるタイミングは?
社会人となり一定額の収入が得られるようになると、実家を出て一人暮らしをはじめたいと考える人も出てくるかもしれません。しかし社会人が一人暮らしをはじめるタイミングはいつからが望ましいのでしょう。
- 社会人になったタイミング
- 落ち着いてきたタイミング
上記2つのパターンから、社会人がはじめて一人暮らしをするのはいつからがいいかについて見ていきましょう。
社会人になったタイミング
人生の節目ごとに大きな決断をすることは珍しくありません。晴れて新社会人になるタイミングで親元を離れ、一人暮らしをはじめる人も多いようです。
社会人になるタイミングで一人暮らしをはじめようとする理由については、通勤の問題が一番にあげられそうです。自宅から職場までの距離や、通勤にかかる時間や交通費など、さまざまな問題を解決するためには、職場に通いやすいポイントに部屋を借りて生活することが望ましいと判断できるからでしょう。
落ち着いてきたタイミング
社会人になってもすぐには実家を出て一人暮らしができる状態ではないという人もいることでしょう。部屋を借りたり引っ越しをしたりするためには、まとまったお金が必要になるため、まずは一人暮らしをするための貯金からはじめようと決意するのかもしれません。
社会人として落ち着くタイミングとしては、ボーナスが支給されるようになる社会人2年目のタイミングがあげられます。他には、やりたかったことや欲しかったものが一通り片付いた、3年目以降に一人暮らしをはじめるケースも多いようです。
部屋探しのポイント
一人暮らしをするための部屋探しでは、どのようなポイントを抑えておけばいいでしょう。
- 家賃の目安は?
- 部屋の間取りの選び方は?
上記2つのポイントを抑え、部屋探しをはじめてみましょう。加えて別のポイントとして、一人暮らしの部屋を借りるために必要となる「初期費用」についても詳しく紹介しますので参考にしてください。
家賃の目安は?
社会人の一人暮らしに限らず、1カ月あたりの家賃の基準は月収の3割程度が目安だと言われています。しかし月収の3割という基準については、あくまでも目安として受け止めておくといいでしょう。
余裕のある生活を送るためには、できるだけ家賃を抑えることも大切ですが、十分な月収や蓄えがある場合は3割以上の家賃でも問題はありません。また住むエリアによっては家賃の相場にも違いがあり、月収の3割では当てはめられないケースもあるからです。
家賃の目安となる割合は毎月の収入や生活にかかる費用によって変動すると考えておくといいでしょう。
部屋の間取りの選び方は?
社会人の一人暮らしの場合、間取りは「ワンルーム」や「1K」が家賃を抑えやすいでしょう。また「2DK」「1LDK」「1DK」のような、キッチンと居住空間がわかれていて、メリハリのあるレイアウトもオススメかもしれません。
間取りを選ぶ際は、窓の位置や換気扇などにも注意を配りましょう。日当たりの良さや、室温、近隣の音や匂いの伝わりやすさなどは、快適な生活を送る上で重要なポイントとなります。
猫や犬、小動物などのペットを飼いたい人は、事前に飼いたい種類のペット可の物件かどうかの確認も忘れないようにしましょう。
必ずかかる初期費用項目
一人暮らしをはじめるにあたり、家賃や引っ越し代金以外に必要となるのは、部屋を借りるために発生するさまざまな初期費用です。
- 敷金・礼金
- 前家賃
- 仲介手数料
- 火災保険料
- 鍵交換費用
- 保証会社利用料
地域や契約をする不動産会社などで変動はありますが、部屋を借りる際は家賃以外にもこれら6つの費用が発生します。事前に必ず内容を確認しておきましょう。
敷金・礼金
敷金とは貸主に対して預けておく費用で、家賃の1~2カ月分が相場です。主に借り主の不注意や故意によって発生した、部屋の修繕やクリーニングなど「原状回復」を行うために使用され、退去の際、原状回復をおこなった残金が返金されます。
礼金とは文字通り、部屋の貸主に対するお礼に当たる費用で、相場は家賃の1カ月分程度となります。人気のエリアや物件、新築物件など、好条件の部屋の場合、礼金が家賃の2カ月分にアップするケースもあるようです。
前家賃
前家賃とは事前に支払っておく家賃を意味します。賃貸契約の多くは家賃の前払いをする、前家賃制度を採用しているようです。前家賃とは当月分の家賃を前の月に支払うシステムを意味し、たとえば10月分の家賃は9月中に支払うことを指します。
しかし賃貸契約時に必要となる前家賃はこの限りではありません。入居月と翌月の家賃を合算した2カ月分の家賃を支払うのです。月の途中からの入居の場合は、当月分を日払い計算して翌月分とまとめて支払うこととなります。
仲介手数料
不動産業者を介して賃貸契約を行う場合、部屋の持ち主となる大家さんとの仲介は不動産業者が行います。
部屋の内覧や入居審査、契約書の作成などの部屋を借りるまでにおこなわれた労働への対価として支払うお金を仲介手数料と呼び、支払う金額は原則家賃の0.5カ月、多くても1カ月分までと法律で定められています。
しかしあくまでも上限が定められているだけで、業者やキャンペーン、交渉次第などで仲介手数料が無料になるケースもあるようです。
参考:国土交通省|宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額「第四貸借の媒介に関する報酬の額
火災保険料
賃貸契約時に加入の義務化が進んでいる「火災保険料」も、初期費用として忘れないようにしておきましょう。賃貸契約時に加入する火災保険では、自分や同じ建物内に住む人が原因で起こった火災や、災害をはじめとするトラブルの損失を保証してもらえます。
火災保険の多くは賃貸契約と同じく1~2年ごとに契約更新をおこないます。火事は自分には関係ないと考えず、必要経費と捉えて加入・更新するようにしましょう。
鍵交換費用
入居の際、防犯上の問題を考慮して鍵を新しいものに交換するために発生する「鍵交換費用」。鍵の交換をしないままでいると、不法侵入や盗難などの事件が発生する可能性も出てきます。そのようなトラブルを未然に防ぐために鍵交換はおこなわれるのでしょう。
鍵の交換により発生する費用は、不動産会社や大家さんが負担するケースもあれば、部屋の借り主が負担するケースもあります。鍵の種類や形状によって費用は変動しますので、金額の確認も忘れず行いましょう。
保証会社利用料
さまざまな事情により保証人が立てられない場合、保証人を代わりに請け負ってもらえる保険会社が利用できるケースもあります。
保証人が立てられない旨を不動産会社へ相談すれば、保証人代行サービスを紹介してもらえるかもしれません。事前にご自身で「保証人代行サービス」などで検索しておいてもいいでしょう。
保証人代行サービスが利用できない物件もありますし、サービスを利用するためには審査に通らなければなりませんので、利用の際には注意が必要です。
必ず必要なものリスト
社会人になり一人暮らしの準備をする場合、最初からいろいろと買い揃えるのではなく、まずは必要最低限のアイテムを揃えることをオススメします。
- 家具家電
- 調理器具
- 食器
- 掃除用具
- 洗濯用具
- その他
これら6つのカテゴリーから、新生活の必需品となるアイテムを紹介していきますので、忘れているものがないかチェックしてください。
家具家電
一人暮らしで必需品となる家具や家電は、生活スタイルによって異なります。ここでは最初に揃えておくといいオススメアイテムを紹介していきましょう。
ベッド、布団
部屋のスペース次第でベッドか布団かを検討する必要があります。掛け布団や枕、毛布やタオルケット、季節ごとのカバー類なども忘れず準備しておいてください。
照明
最初から照明器具がセットされていることもあります。使用できる照明の電球やサイズ・数などは事前に確認しておきましょう。
冷蔵庫
目安となる容量は120L以上がオススメ。作り置きや冷食の買い置きをしたい場合、130~150Lがベストな容量です。
電子レンジ
一人暮らしの場合は、あまり高性能・高機能なものではなく、必要最低限の機能を備えたシンプルなものがオススメ。
洗濯機
一人暮らしの場合はコストパフォーマンスを優先し、4~5kgのコンパクトなものがいいでしょう。
炊飯器
一人暮らしの場合、3合炊きサイズがオススメ。残ったご飯は小分けにして冷凍しておけば忙しいときに重宝します。
冷暖房器具
エアコンなどは最初から設置されているケースもあります。部屋のサイズや生活スタイルに合わせ、扇風機やホットカーペット、ヒーターなどをチョイスしましょう。
テーブル
部屋のサイズに合った大きさで、足が折り畳めると掃除のときなど片付けやすく便利。
テレビ
部屋のサイズにより適切なサイズが異なります。6畳程度なら24インチ、8~10畳程度であれば32インチがベストでしょう。
アイロン
仕事でスーツやシャツを着る場合、クリーニングに出さないのであればアイロンとアイロン台が必要となります。
調理器具
家電同様、自炊をする・しないで必需品は変わります。最低限あると便利なものを紹介しましょう。
コンロ
備え付けされている場合もありますが、部屋の設備などに応じてガスコンロかIHクッキングヒーターを用意。自炊をするのであれば2口がオススメ。
フライパン
20cm以上で深さのあるものがオススメ。深さがあれば炒めるだけでなく、茹でものや蒸し物、揚げ物も可能。フタも用意しておきましょう。
まな板
キッチンのサイズに応じた大きさをチョイス。収納を考えると省スペースなタイプがオススメ。プラスチックにすれば手入れも簡単で衛生的。
包丁
刃渡り17~20cm程度のステンレス製「三徳包丁」が使いやすい。安価なものにするとケガをする恐れがあるので3,000円程度のものがオススメ。
ピーラー
野菜の皮剥きだけでなく、スライスも可能。安価すぎるものは剥きにくいなどストレスが多いので、1,000円程度のものがオススメ。
お玉と菜箸
菜箸は食事用の箸でも代用できるが、やけどなどを回避するためにも菜箸を使用したほうがいでしょう。お玉は大小2サイズあると便利。シリコン製などにすれば手入れも簡単。
計量カップ
料理初心者の人は計量スプーンとセットで用意しておきたい。ただし安価すぎるものは、メモリがアバウトなこともあるので要注意。
ボウル
食器代わりにも使用できるデザインやガラス製のものを使ってもよい。レンジ調理可能なものがオススメ。大中小3サイズ+ザルがあればかなり快適に。
食器
最初は最低限のものだけにして、必要に応じて増やしていくといいでしょう。
コップ
温かいものを飲むための耐熱性のもの、冷たい飲み物を飲むための耐冷性のあるもの、汎用性の高いグラスの3パターンがあると重宝します。
ごはん茶碗と汁椀
安価なものでも問題ないので、お茶碗と汁椀、それぞれ1つずつ用意しておけば問題ないでしょう。
箸とフォークとスプーン
割り箸や使い捨てのプラスチックではゴミが増えるばかりですので、安価なものでも構いませんから買い揃えておきましょう。フォークやスプーンは大小揃えておくと便利です。陶器製のレンゲや木製のスプーンもあると熱いものを食べるときに重宝します。
掃除用具
掃除に使う消耗品は、でできるだけストックを用意しておきましょう。使いたいときに切らしていると掃除が後回しになる可能性が出てきます。
スポンジ
用途別にそれぞれ用意を。用途ごとに専用のものも販売されていますが、同じ種類をそれぞれの場所に配置する方法でも構いません。色を変えるなどして間違って使わないようにすると便利です。
ゴミ袋
地域によっては指定のゴミ袋があるかもしれません。引越し前に確認をしておきましょう。45Lサイズが一般的ですがこちらも指定がないかの確認が必要です。安価なものは破れやすいものもあるので、2重にするなどの配慮を忘れずに行いましょう。
トイレ洗剤、キッチン洗剤
トイレやお風呂、食器洗いなどは専用のものを用意するほうがいいでしょう。他の場所はマルチクリーナーなどを活用すると便利です。
洗濯用具
屋外に干すか部屋干しにするか、どちらにするかを決めてから準備をしましょう。
物干し竿、ハンガー、洗濯ばさみ
外干しにするのであれば物干し竿を、室内干しにするのであれば室内干し用の突っ張り棒やスタンドを。100均などに便利なアイテムがありますので用途に合わせて購入をするといいでしょう。
ハンガーや洗濯ばさみは必要な量を算出し買いすぎないようにしましょう。ハンガーや洗濯ばさみは、外に出しっぱなしにしないことで劣化を防げます。
洗剤類・洗濯ネット
持っている洋服に合わせた洗剤や柔軟剤を選びましょう。スティック状の汚れ落としや、酸素系漂白剤を用意しておくと便利です。洗濯ネットは大中小と揃えて用途に合わせて使い分けるといいでしょう。ネットを使うだけで洋服の長持ち度が変わります。
その他
引っ越しの当日から必要になるその他の必需品。買い忘れのないよう注意しておきましょう。
カーテン
引っ越し当日までに採寸をし、必要な枚数を用意しておきましょう。保温や防犯にも役立ちますので、後回しにしないようにしておくことが重要です。
ゴミ箱
部屋に置く用とキッチン用は別に用意しましょう。匂い対策としてキッチン用のゴミ箱はフタ付きの密閉できるものにしておくことをオススメします。ベランダなどに出しておく場合は、近隣への迷惑にならないように注意してください。
その他の日用品
歯ブラシやトイレットペーパーなどの衛生消耗品、女性の場合は生理用品、男性の場合はひげそり関連のものなども準備しておきましょう。シャンプーやボディーソープ、スポンジやタオルなどもまとめて用意しておくと便利です。タオル類も用途に合わせて1~2枚ずつは最低でも準備しておきましょう。
生活費を節約するコツ
一人暮らしでは生活のすべてを自分一人で管理することになります。社会人になり安定した収入があるとはいえ、出費がかさむと貯金ができないどころか、生活がきついと感じるようになるかもしれません。
- お金の管理
- 水道・光熱費
- 食事は自炊をする
一人暮らし生活をムリなくすごし、かつ貯金ができる状態を目指して、上記3つのポイントを抑えておきましょう。
お金の管理
一人暮らしでは、すべての支払いを自分でおこないます。何にいくらかかるかをきちんと把握してお金の管理をしておかないと、生活が立ち行かなくなってしまいかねません。
お金の管理の基本として、常日頃から必要なものだけを購入する癖をつけ、1カ月の収支を常に把握するようにしておきましょう。
突発的な病気や事故、思いもかけない出費が必要になったときのことを考え、あらかじめ毎月いくらか貯金をしておく必要があります。給料が入ったら決めている額をすぐに貯金に移動する、「先取り貯金」がオススメです。
社会人になって日が浅い人には社会人1年目・2年目・3年目の貯金事情!上手にお金を貯める方法 ⇐こちらの記事をおすすめします。貯金について詳しく解説していますので参考にしてください。
水道・光熱費
一人暮らしをはじめる人が最初に驚くことのなかに、水道光熱費の支払い額があげられます。今までは実家が管理し支払いをしていたので、毎月どれぐらい支払いがあるかを知らないという人も少なくはないようです。
水道光熱費は努力次第で節約が可能です。水を出しっぱなしにしない、エアコンを適正温度で使用する、電気のつけっぱなしに注意する。たったこれらを実行するだけでも、節約効果は目に見えて出てくるでしょう。
食事は自炊をする
一人暮らしをすると食事も自分で管理しなければなりません。仕事に追われる社会人にとって、毎回の食事作りは大変と感じる人もいるでしょう。だからといって、手軽に食事を済ませられるコンビニ弁当や外食ばかりでは出費がかさみますし、栄養バランスも気になるところです。
一人暮らしで食費を抑えるには自炊がオススメです。ネット上には簡単レシピを紹介するアプリや動画があふれるほどありますので、料理初心者の人でも挑戦しやすいかもしれません。自炊をして食費を抑えていきましょう。
まとめ
社会人になったことだしそろそろ一人暮らしをはじめたい。でもいつどのタイミングではじめることがベストなのかわからないし、部屋探しはどうすればいいかなど、これから一人暮らしをはじめたい人に向けてさまざまな角度から紹介しました。
最初の一人暮らしは楽しさ半分、不安半分かもしれません。しかし一人暮らしをはじめることで実家暮らしの有り難さを知り、お金の流れや生活を豊かにするための工夫などを学べます。一人暮らしでさまざまな発見と出会うことは、ご自身の成長にもつながっていくでしょう。
最後のチェックポイント
- 「社会人になったとき」や「落ち着いてきたとき」が一人暮らしをはじめるタイミング
- 家賃は収入の3割を目安にするといいが、地域や物件によってはその限りではない
- 物件探しでは窓や換気扇の位置などから空気や匂いの流れも確認しておこう
- 賃貸契約時には家賃以外の初期費用も発生するので事前に確認を
- 一人暮らしで必要になるアイテムは、ライフスタイルによって変動する
- 家具や家電、日用品や生活雑貨などは最初から一度に揃えず少しずつ増やしていこう
- 一人暮らしで困らないためにもお金の管理や節約を積極的におこなう