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SDGsを簡単にわかりやすく解説!17の目標を企業や個人でできること

date2023年09月28日
SDGsを簡単にわかりやすく解説!17の目標を企業や個人でできること
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はじめに

  • SDGsとは、2030年をゴールとした持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のこと
  • 掲げられた17つの目標には、169のターゲットが設定されている
  • すべての目標は、すべてを一つの事柄として問題解決に取り組むもの
  • 目標達成のためには、世界中の人々が手を取り合って取り組むことが必要
  • 「誰かがやればいい」ではなく「一緒にやろう」と考え方を改めることも重要
  • SDGsの問題は、一人ひとりが当事者である自覚を持とう

「SDGs」または「持続可能な開発目標」という言葉を、聞いたことがあるでしょうか。具体的な内容は知らないまでも、報道番組やネットニュース記事で見聞きしたことがある方も多いでしょう。
この記事では、SDGsの意味や内容、行われている取り組みなどを簡単に、わかりやすくご紹介していきます。

SDGs(持続可能な開発目標)とは?

SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略で、日本語では「持続可能な開発目標」と言います。2015年9月に開催されたサミットで採択され、2030年をゴールとして17つの目標が掲げられ、169のターゲットが設定されました。具体的な内容は「世界中の環境・差別・貧困・人権問題といった課題を、2030年までに解決していこう」という世界共通の計画・目標です。

そもそも持続可能な開発とは

「持続可能」とは、現在の状態を維持しつつも将来のために環境や資源を守っていくことです。「開発」とは、世界中の人々が安心安全に暮らしていけることを指します。つまり、持続可能な開発とは「人間の活動が自然環境に悪影響を与えず、改善するための活動を長期間に渡って実施・維持し続けられる」ことを意味しています。
実現のためには、個人だけでなく企業や国などの枠にとらわれず、世界中すべての人が協力し合って取り組むことが重要です。発展途上国と先進国が共に取り組む普遍的なものとして、日本の外務省もSDGsへ積極的に取り組んでいます

参考:外務省|SDGsとは?

SDGsが掲げる17の目標を簡単に解説!

SDGsには、持続可能な開発のために17つの目標が掲げられています。目標にはそれぞれ、達成度合いを確認するためのターゲットと指標が定められています。ターゲットとは、目標の内容を具体的にしたもので、すべて合わせて169個です。指標はさらに細かく目的を定めたもので、232もの数があります。
ここからは、17つある目標の内容や目指すものについて、簡単に解説していきます。

参考:外務省|SDGグローバル指標(SDG Indicators)

1.貧困をなくそう

この目標が目指すのは『あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる』ことです。
世界的に感染症が流行した影響もあり、極度の貧困状態にある人は7億人以上、世界人口の約10%を占めています。この貧困は、決して途上国だけの問題ではありません。先進国でも貧困は起こっており、日本でも7人に1人の子どもが「相対的貧困」の状況に置かれています。「相対的貧困」とは所属する社会の一般的な水準より低い状況で暮らさなければいけない、という貧困の形です。貧困の形態は他にも、社会的な差別や排除によるもの、必要な住居・教育関連のサービスが受けられないなど、さまざまな形があります。

2.飢餓をゼロに

この目標が目指すのは『飢餓を終わらせ、食糧安全保障および栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する』ことです。世界では、8億人以上が飢餓・食糧不足に陥っています。飢餓状態では生産性を上げられず、貧困・飢餓状態から抜け出すこと自体、難しいのが現状です。また、2050年には20億人まで増加すると言われており、世界各国で対処が必要とされています。

飢餓の深刻化は、近年の異常気象や感染症の拡大も一因と言えますが、それだけが原因ではありません。大きな原因は食品ロスです。
日本でも2021年度の年間食品ロス量は523万トンとなっており、世界の食料支援量(2021年度は約440万トン)の1.2倍に相当します。飢餓をゼロにするためには、食料をより多くの人々へ届けることが重要です。そのためには食材を無駄なく使い、食べ残さないように個人レベルから取り組み、食品ロスを減らすことが大切と言えるでしょう。

3.すべての人に健康と福祉を

この目標が目指すのは『あらゆる年齢の、すべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する』ことです。
日本では国民全員が健康保険に入るため、誰もが治療を受けやすくなっています。しかし世界では、世界人口の約半分にあたる人々が、病気や怪我をしても適切な治療を受けられないでいます。途上国では社会福祉サービスが十分に整っていないことが原因の一つです。治療を行うための環境整備も不十分であるため、医者や薬が足りていない、検査や手術の設備がないといった問題も解決する必要があるでしょう。

多種多様な健康問題やさまざまな疾病に対処するためには、多くの取り組みが必要になります。例えば、保険制度の整備や財源確保、衛生施設の敷設や状態改善などが挙げられます。あらゆる角度から検討し、解決へつなげることができれば、世界的な福祉支援は大幅に前進できるでしょう。

4.質の高い教育をみんなに

この目標が目指すのは『すべての人に公正かつ平等で質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する』ことです。
日本には義務教育の制度があり、ほとんどの子どもは学校に通い、読み書きや計算などを学びます。日本では当たり前となっていますが、世界と比べると非常に恵まれているといえるでしょう。

世界には「学校がない・教師がいない・障害がある・働かないと生活できない・戦争や紛争が続いている」などの理由から教育を受けられない子どもが多くいます。教育を受けられずに大人になると、正しい知識や収入を得る手段が身につけられません。そのことが、貧困から抜け出すことが難しくなり、学びも得られないという負のループが続く原因と言えるでしょう。
もし、低所得国のすべての母親が中等教育を受けられれば、1200万人の子どもたちを発育阻害から救い出せると言われています。病気に対する知識も身につけられれば、子どもの死亡率を5割近く減らすことも可能となるでしょう。

5.ジェンダー平等を実現しよう

この目標が目指すのは『ジェンダー平等を達成し、すべての女性および女児の能力強化を行う』ことです。そしてジェンダー平等には、女性の社会進出を妨げる問題の解決だけでなく、LGBTQの権利や差別問題の解消も含まれます。
一部の国では、18歳未満の子どもを強制的に結婚させる「児童婚」や、本人の同意なく大人の都合で強制的に「女性器の切除」が行われています。また、先進国でもジェンダー格差や差別が残り、根付いているのが現状です。

日本を例に挙げると、産後の職場復帰が難しい、医学部志望の女子学生が性別を理由とした不当な点数配分をされる、といった事例があります。途上国において貧困に苦しむ女性たちが学びの機会や手に職をつける機会が得られれば、貧困問題の解決や、飢餓・健康問題の解決にもつながっていくでしょう。

6.安全な水とトイレを世界中に

この目標が目指すのは『すべての人々が安全な水と衛生的な環境を利用可能にし、持続可能な管理を確保する』ことです。
途上国をはじめとして、世界には生活のインフラ整備が不十分で、浄水処理や衛生状況が整っていない国や地域があります。そのため、いまだ数十億人が安全に管理された飲料水や、衛生的な環境での生活ができていません。安全な水を利用できない人は世界人口の約3分の1と言われており、トイレが利用できず汚染されたままの水を使用する人は約18億人です。そのうち、不衛生な水による疾患で命を落とす子どもは年間180万人と、深刻な状態にあります。

排水処理による水質管理や、衛生設備や環境を整えることで、安心安全な飲料水の確保や水の再利用、利用効率の改善を図ることが可能になります。また、今後深刻化すると言われている水不足にも備えられるため、農業用水の安定供給や食料問題の解決につながるでしょう。

7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに

この目標が目指すのは『すべての人々が、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーを使用可能にする』ことです。
国連の発表によると、世界で電気を利用できない人は、2020年の時点で7億8900万人と言われています。多くは農村部に暮らす人で、薪や石炭などを燃やすことで生活しています。その中でも貧しい人々は夜に明かりを灯すことができず、仕事や勉強に手をつけられないのが現状です。

石炭や石油を使用した発電は、二酸化炭素の放出量を増やすため、温暖化を加速させる要因です。有害物質を含む煙も発生するため、人体に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、世界で使用されているエネルギーのうち、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによって作られたものは、電力全体の17.5%ほどしかありません。安全でクリーンなエネルギーを利用可能にするために、エネルギー効率の改善や、再生可能エネルギーの利用拡大が求められています。

8.働きがいも経済成長も

この目標が目指すのは『すべての人々の生産的な雇用とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を促進し、持続可能な経済成長を推進する』ことです。
国際労働機関(ILO)によると、世界的な感染症の流行や、終わりの見えない紛争の影響により、2022年は世界で約2億500万(失業率でみると5.8%)もの人が失業しています。内訳には発展途上国の人々や女性が多い傾向にあるようです。

また、2022 年の推計では 2 億 1,400 万人の労働者が極度の貧困状態で生活しており、働く貧困層(ワーキングプア)の人口も増加傾向にあります。貧困は飢餓に直結しやすく、仕事や生活のために移住を選択する場合もあるでしょう。住む人がいなくなれば、その国には課題だけが残り、問題の解決はできません。
経済成長によって新たな雇用が生まれれば、失業する人を減らすことや、貧困・飢餓問題とともに解決を図ることも可能になるでしょう。

参考:国際労働機関|世界の雇用及び社会の見通し 動向編 2023 年版

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

この目標が目指すのは『しなやかでレジリエント(柔軟性や回復力のある)なインフラ構築と、持続可能な産業化および技術革新の推進を図る』ことです。
開発途上国では、多くのインフラが未整備となっています。インフラには「交通網・上下水道・送電網・ダム・ネットワーク」といった産業面と「学校・病院・公園」などの生活面、それぞれを支える施設が該当します。共通しているのは「社会で共有するもの」である点です。
これらのインフラ整備が不十分なため、途上国の生産性は欧米諸国と比べて大きな差ができています。必要なインフラが整備できれば、途上国の人々の生活水準が上がるだけでなく、持続可能な産業促進の一歩となるでしょう。同時に、貧困・飢餓問題の解決にもつながります。

10.人や国の不平等をなくそう

この目標が目指すのは『各国内および各国間の不平等を正しく見直し解決する』ことです。
現在の世界では、世界の富裕層の10%が世界の総所得額の約40%を占めていると言われています。その一方で、1日2ドル以下の貧困生活を強いられている人々も多く、大きな所得格差があります。グローバル経済は潤沢な資産をもつ富裕層に有利なシステムといえ、貧困層に恩恵がないのが現状です。このような状況では、働いても貧困から抜け出せず、富裕層との生活格差がさらに開いていくでしょう。

また、性別や人種などのさまざまな理由により、教育・就労・医療といったサービスの利用にも不平等が発生しています。中国を例に挙げると、賃金が高い都市部への移住が戸籍制度によって制限されています。中国政府は農村部への支援を行っていますが、教育の質を含め、所得格差は拡大する一方です。

11.住み続けられるまちづくりを

この目標が目指すのは『すべての人が快適で安全に暮らせる持続可能なまちづくりを実現する』ことです。
世界人口の半数にあたる人々が都市部で暮らしています。豊かで便利な生活を求めて都市部へ移住する人は今後も増え続け、2030年には世界人口の6割、約50億人に達すると言われています。このまま都市部の人口が急増し続けた場合、豊かな生活を維持するために、多くのエネルギー消費につながるでしょう。消費が増えることから、大量の排気・廃棄による大気汚染や環境汚染、騒音問題が深刻化する懸念もあります。

もし、人口の密集する都市部で災害が起きた場合、電気や水道などのライフラインが使用できなくなることで、多くの命が危険にさらされるでしょう。災害だけでなく、人口が密集する都市部では経済格差が激しく、スラムが形成されやすくなり。治安の悪化にもつながります。都心部の人口密集を避けるためには、多くの人が心地よく住み続けられるよう、安全なまちづくりを行い、スラムを改善していく必要があります。

12.つくる責任 つかう責任

この目標が目指すのは『持続可能な消費と生産のパターンを確保する』ことです。
「2.飢餓をゼロに」の項目で解説したように、世界では現在、8億人以上が飢餓に苦しんでいます。しかし地球の人口は増加しており、2050年には97億人に達すると予想されています。人口が増えれば消費も増えるため、現状のまま消費と生産を続けていくと、将来的に必要な資源に限界が来るでしょう。需要と供給のバランスが大きく崩れる可能性もあります。
飢餓を改善しつつ人口増加に対応するには、すべての人が生活の質から改善していくことが重要です。そのため、生産者側には「つくる責任」を、消費者側には「つかう責任」を意識することが求められています。それぞれに求められている点から、主なものをご紹介します。

  • 「つくる責任」
  • 生産過程における廃棄物の抑制
  • 温室効果ガスや化学物質などの放出量低減
  • 消費者へのリユース・リサイクルを呼びかける
  • 「つかう責任」
  • 資源の無駄遣いをせず、最大限有効活用する
  • リユースやリサイクルを意識して行う
  • 食品を買い過ぎない、食べ残さない、余りを活用する

13.気候変動に具体的な対策を

この目標が目指すのは『地球温暖化と気候変動による影響を軽減するため、緊急対策を講じる』ことです。
気候変動には、太陽周期の変化などの自然現象が原因の場合もありますが、この目標では人間の活動が原因となっているものを指します。化石燃料(石炭、石油、ガスなど)を使用することで温室効果ガスが発生します。このガスは毛布のように地球を覆い、太陽からの熱を閉じ込めるため、気温が上昇していくのです。

温室効果ガスの要因に、二酸化炭素とメタンがあります。たとえばガソリンを使用した自動車の運転、暖房目的の石炭利用、ごみの埋立地から発生するガスなどが挙げられます。これらの温室効果ガスの排出は世界各地で生じていますが、世界の排出量68%を占めるのは先進国です。誰もが意識した行動を起こす必必要があり、先進国は率先して対策に臨むべきと言えるでしょう。

参考:国際連合広報センター|気候変動とは?

14.海の豊かさを守ろう

この目標が目指すのは『持続可能な開発のために世界の海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する』ことです。
海は地球の表面積の70%以上を覆っており、その性質や海流・温度は、地球上の気象条件などを決定づける原動力となっています。身近な飲料水や海岸線も、海の恩恵と言えるでしょう。

しかし、マイクロプラスチックの海洋流出や汚染物質の海洋投棄により、海洋汚染の問題は深刻化しているのが現状です。海の酸性化が進み、生態系の破壊や個体数の減少など、さまざまな悪影響の要因となっています。加えて、海産物の乱獲問題も起こっており、海の生態系が絶滅の危機に直面しています。
これらの問題に対処するためにも、各国で定めた海洋保護区の徹底した管理や、海洋の酸性化を抑えるための規制の導入が大切です。また、関連するSDGsの目標も多いため、問題を包括的に捉え、並行して取り組むことが必要と言えるでしょう。

15.陸の豊かさも守ろう

この目標が目指すのは『陸の生態系や森林環境を保全して絶滅危機を回避し、土地の環境悪化による砂漠化を阻止し、再生と保全を図る』ことです。
地球の表面積の約30%である陸は、人間の活動によって森林面積を大きく減らしました。その影響で約100万種類もの動植物を絶滅危機にさらしており、土地の劣化と砂漠化に歯止めがかからず、深刻さを増しているのが現状です。これらの森林破壊や砂漠化は、生態系の破壊だけでなく、貧困と闘う人々の生活に大きな影響を与えています。
森林の維持と回復は、気候変動の改善や絶滅危惧種の保護、天然資源の安定性につながります。同時に、自然と暮らす先住民の居住地の保護や作物の安定確保につながるため、貧困・飢餓問題の改善にも貢献できるでしょう。

16.平和と公正をすべての人に

この目標が目指すのは『持続可能な開発のため、すべての人が司法にアクセス可能な平和で包摂的な社会を促進し、すべての説明責任を果たせるよう、効果的な制度を構築する』ことです。
では、目標における「平和」と「公正」とは何でしょうか。簡潔にまとめると以下の3点です。

  • 差別や暴力を受けない
  • 災害や紛争に苦しまない
  • 同じ立場で話し合い、助け合える

LGBT・人種・宗教・体型など、あらゆる面での差別が暴力や紛争・戦争の引き金になり得ます。紛争や戦争は、一度起こると容易には治まらず、子どもたちの将来を奪うことにつながるでしょう。そのような中では満足に教育を受けられず、雇用に恵まれずに児童婚を強いられる、といった問題も引き起こします。
SDGsにおける主要理念は「誰一人取り残さない」という考え方です。この目標が目指すところは、世界中の人々が少しずつ意識を変えていくことが重要と言えるでしょう。

17.パートナーシップで目標を達成しよう

この目標が目指すのは『持続可能な開発のために実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する』ことです。
これまでに見てきた1~16の目標は、ひとりの力だけでは実現できません。達成するためには、世界中のあらゆる人々が手を取り合い、ともに取り組むことが必要です。各国政府や企業だけでなく、地域や個人からでも取り組める目標や課題もあります。目標を達成するには「誰かがやればいい」ではなく、自身も当事者である自覚を持ち「一緒にやろう」と考え方を改めることも重要になるでしょう。世界中の人々とのパートナーシップを大切にし、目標を達成して目指していくことが求められています。

参考:一般社団法人SDGs支援機構|SDGsジャーナル

世界で広がるSDGsの取り組み

『持続可能な開発レポート(Sustainable Development Report)2023』が発行され、193ヵ国の達成状況やランキングが発表されました。ランキング結果は1位フィンランド、2位スウェーデン、3位デンマークと続き、日本は21位でした。
1位であるフィンランドは「ジェンダー平等」が進んでおり、フルタイムで働く女性も多く、子育て支援や介護といった福祉・社会保障に力を入れています。出産の際には社会保険庁から母親手当の支給があり、受ける内容は「子ども1人あたり170ユーロの現金支給」もしくは「育児パッケージ」の2つから選択可能です。「育児パッケージ」の中身は、箱が最初のベッドとして利用できるよう配慮されたものとなっており、SDGsへの貢献につながっています。

参考:SDSN|Sustainable Development Report 2023

世界企業の取り組み

スウェーデン発祥の企業である「IKEA」は、日本でも人気の高い、北欧家具や日用雑貨を製造・販売している企業です。
IKEAは「2030年までに再生可能素材またはリサイクル素材のみを調達する」という目標を掲げ、実現できるよう取り組んでいます。2023年時点で、IKEA製品の60%以上が再生可能素材から製造されており、10%以上がリサイクル素材を含んでいます。工場で使用する電力も再生可能電力100%を達成しており、SDGsの目標達成に貢献しているといえるでしょう。
また、すべての商品を最初の段階からリユース・リサイクル可能であることを念頭にデザインすることで、循環型ビジネスやビジネスパートナーシップの実現・推進を目指しています。

参考:IKEA(イケア)|イケアのサステナビリティ戦略

日本企業の取り組み

日本はプラスチック使用量と廃棄量が世界的にも多く、速やかな削減対策が必要な状況です。
その中、食器用洗剤などを取り扱うKao(花王株式会社)では、本体や詰め替え容器の軽量化や、低炭素原料へ置き換える取り組みを行っています。この取り組みにより、プラスチック使用量は従来比より約40%の削減を達成しました。しかし、生産量の増加に伴ってプラスチックの総使用量は増加しているのが現状です。より一層の削減に取り組み、2040年までに「ごみゼロ」を、2050年までに「ごみネガティブ(包装容器のプラスチック使用量より、プラスチック再資源化に関与した量が多い状態)」を目指すとしています。

参考:Kao(花王株式会社)|ごみゼロ

SDGs達成のために個人からできること

SDGsの17の目標は、いずれも簡単ではない問題で、個人で何ができるのかと考える方も多いでしょう。
ここからは、SDGsに個人がどのように取り組めるのか、例を挙げてご紹介します。

電気や水道を無駄遣いしない

家庭で、そして個人で簡単に取り組めるSDGsは、節電や節水です。節電の代表例としては「電気をつけっぱなしにしない」「エアコンの設定温度を見直す」などがあり、節水では「シャワーの時間を短くする」「手洗い中に水を出しっぱなしにしない」などが挙げられます。
家電製品を買い替える際も、節電や節水を意識した製品への買い替えを行うと、生活に取り入れやすくなるでしょう。

食品や日用品はしっかり使い切る

日本はモノにあふれています。しかし、多くのモノを買っても、使いきれなかったり食べきれなかったりすると、それはゴミになってしまいます。
買い物の時は使い切れる量、食べきれる量だけにして、最後までしっかりと使い切りましょう。また、バイキングなどを利用する際も、自分で食べきれる量をお皿に盛ること、盛った分はしっかり食べきることを意識することが重要です。

詰め替え可能な商品を選ぶ

日常的に使う洗剤や石けん、シャンプーなど、最近ではさまざまな詰め替え商品が販売されています。詰め替え可能な商品を選ぶことで、プラスチックゴミの削減ができます。また、詰め替え商品は本体よりも割安に販売されていることも多いため、長期的な節約にもつながるでしょう。

ゴミの分別やリサイクルを意識する

しっかりとした分別でゴミの量を減らすこと、資源ゴミの回収に協力することも、個人で取り組みやすいSDGsです。
家庭から排出されたゴミは処理場に集められ、燃やせるゴミを燃やします。その際に発生する二酸化炭素は地球の温暖化につながります。
びんや缶だけでなく、段ボールやペットボトル、プラスチック製品のリサイクルを意識することも、身近なSDGsです。

マイバッグやマイボトルを利用する

レジ袋の有料化やプラスチックストローの廃止などが進んだ今、マイバッグやマイボトルの持ち歩きを普段から取り入れている人も多いのではないでしょうか。
スーパーやコンビニのレジ袋や、カフェでテイクアウトの際に使用するプラカップなど、プラスチックのゴミはさまざまです。これらの利用を減らすことは、海洋汚染や地球温暖化などの問題に対する取り組みにもつながります。同時に、長期的な出費も削減でき、家計の節約にもつながるでしょう。

まとめ

SDGs(持続可能な開発目標)について、紹介・解説してきました。2030年をゴールとして掲げられた目標は、いまだ改善すべき点が多く残り、ゴール目標に到達できない可能性が高いと言われています。目標達成のためには、世界中の人々が手を取り合い、ともに取り組んでいくことが重要です。
17の目標は個々で解決できるものではなく、すべてが一つの事象といえるほど、密接に関係しています。私たち一人ひとりが当事者である自覚を持ち、身近なところからSDGsに取り組むことが必要なのかもしれません。

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