昇進の全容について徹底解説!選ばれる人の昇進要件/昇進挨拶やお祝いメッセージ
はじめに
昇進とはどのような意味を持ち、どのようなときに昇進するのでしょう。昇進を目指す人、昇進を辞退したいと考える人はどのような行動をとればいいのでしょう。昇進に関する情報をさまざまな角度から紹介します。
今後社会人として働く上で、必ず役立つ昇進の挨拶やお礼状の例文などもありますので、ぜひ参考にしてみてください。
昇進とは?
会社内で使われる用語に「昇進」という言葉があります。
昇進を英語で表すと「promotion(プロモーション)」になります。「promote」単体で使うと、「出世させる」や「昇進させる」という意味がありますので、昇進(promotion)は、職務上で新たな地位や立場が上がったことを意味します。
どのような状況になると昇進というかご存じでしょうか。
具体的には、一般の社員が主任になり、主任が課長へ、また、課長から部長になるなど、職位が上がることを昇進といいます。
昇進と昇格はイコールではない?
昇進と似たような言葉として「昇格」という言葉があります。昇進と昇格、語感は似ていますが厳密には異なる意味をもっていることはご存じでしょうか。
昇進は社内での立場や地位が上がることを指し、昇格は「一段・二段」「一級・二級」など等級が上がることを意味します。
具体的には、職能資格制度が導入されている会社で従業員の能力をもとに試験や面接、人事考課または推薦などの結果によって、等級が上がることを「昇格」と呼びます。
昇進させる理由とは?
管理職が部下を昇進させる場合、当然業務上での「実績」が重視されます。
しかし実績以外にも、情意評価により、良好な勤務態度であることや周囲との円滑なコミュニケーションがとれているかなども昇進させる理由になることがあります。加えてリーダーシップがあることや、自発的に行動ができる、ポジティブ思考である、問題解決能力が高いなども判断基準になるようです。
なぜなら昇進することでチームを率いるリーダーの仕事を担うことになるからです。それによって、部下に慕われ、頼られる存在であることが昇進させる理由のひとつであり、最大の条件です。
昇進への道とは
キャリアアップを目指す上で重要な「昇進」ですが、具体的にどうすれば昇進できるのでしょう。
「昇進への道」と題し、なぜ昇進したいのかを考える自己分析や、選ばれる人の要件・試験の種類などについてお話しします。加えて、内示後に注意すべきことなどについても紹介しますので参考にしてください。
なぜ昇進したいのか自己分析してみよう
はじめに、なぜ昇進したいのかについて考えてみましょう。「役職手当がつくから」とか「偉くなりたい」というような考えや目的があると、なかなか現実には昇進できません。
ご自身が上司の立場だったらと考えてみてはいかがでしょう。どのような部下を昇進させたいと思いますか? 自己分析をおこなった結果に、昇進へのヒントが隠されているはずです。
キャリアアップについては
キャリアアップとは?意味と類義語との違い・準備や選択肢から業種/職種別の方法までの記事もご確認ください。
目的が漠然としていないか?
昇進したいと考えたとき、少しでも上の役職を目指したいと考えることは決して間違いではありません。しかし、上を目指すという思いが漠然とした理由になってはいないでしょうか。漠然と「手当がつくから」とか「偉くなりたい」と考えるだけではいつまで経っても自身が目指す将来へ進むことは難しいでしょう。
本当は自分がどう思っているのかを自問自答し、洗い出すことで、漠然とした理由が明確になります。その結果、現在の足りていない部分やこれからやるべきことが見えてくるでしょう。
自分のキャリアの棚卸し
ご自身のキャリアに対する棚卸しは、昇進を目指す上で必要な作業です。今までに培ったスキルや業績が、昇進後にどのように活かせるかについて棚卸しをしてみてください。棚卸しをすることによって、なぜ昇進したいかの理由が明確に見えてくるでしょう。
ご自身の持っているスキルや、なし得た業績が、少しでも会社に役立つ方法はないかを考えてみることが重要です。漠然とした理由しか浮かばない場合には、キャリアの棚卸しをすることで具体化していきましょう。
キャリアの3つの輪
キャリアビジョンの整理などの自己分析を行うときは、以下の3つの視点にわけて、じっくりと見つめ直してみてください。
- will(やりたいこと)
- can(できること)
- must(やらなければならないこと)
昇進してやりたいことは何ですか? 昇進したら自分ができることは何でしょう。そして昇進することで会社から期待されることは何でしょう。すべてが一致するケースもあれば、一部が一致、もしくはどれも一致しないケースもあるでしょう。
willとcanが重なる部分こそがご自身のキャリアの方向性です。まずはこの2つの洗い出しからはじめると自己分析がスムーズに進むでしょう。
選ばれる人の昇進要件
「昇進させる理由とは?」でもお話ししましたが、管理職の立場の人が部下を昇進させる際、要件や特徴があります。
- リーダーシップが取れる
- 率先的に意思決定ができる力
- メンバーへの育成、マネジメント力
- 問題解決能力が優れている
- 人事考課による評価
ここでは上記5つの昇進要件や特徴・特性について確認をし、昇進対象として選ばれる人について見ていきましょう。
昇進要件にマネジメント力があります。マネジメントの意味とは?必要な能力(スキル)とその学び方について、マネジメントについてはこの記事で理解が深まります。参考にしてください。
リーダーシップが取れる
昇進する人には「リーダーシップ力」の高さが求められます。会社やチームをよりよいものにしたいと考え、まわりを牽引する存在であることがポイントです。
個人の実績だけを考えていては、会社の成長やともに働くチームの成長を促すことは難しいでしょう。しかし、周囲に常に気を配り、適切なコミュニケーションを円滑にとることにより、チームのモチベーションアップや実績へとつながります。
どうすれば効率よくムリなく働けて成果を出せるか、そのためにどのような指示を出すかなどを考え、チームの成長を一番に考え行動できるリーダーシップのある人こそ選ばれる人となるでしょう。
率先的に意思決定ができる力
自ら考え行動できる人も選ばれる人の特徴としてあげられるでしょう。指示を待つだけではなく、自ら行動を起こすといった主体的な人はモチベーションや仕事への意欲の高さが評価されます。率先して意思決定ができる力をもつには、常に自分で考え行動することが重要です。
この力を鍛えることで任される仕事の量も増え、少しずつ重要な役割を任されるようになっていきます。そのプロセスのなかでどのように責任を持ち、対処していくかについても昇進への判断材料となるでしょう。
メンバーへの育成、マネジメント力
ともに働くチームメンバーの育成や、業務を効率よく滞りなく進行させるためのマネジメント力の高さも、選ばれる人は兼ね備えています。
効率よく仕事が進められるように指示し、指導することは、個々やチームだけの業績につながるだけではなく、会社全体の利益につながります。
それぞれの性格や特性、得手不得手を把握し、適材適所に人を振り分けるなどができれば、管理能力の高さが評価されるでしょう。仲間や部下の育成をおこないながら、円滑にコミュニケーションをとっていけば、進捗状況の把握やいざというときの助け合いにも一役買いそうです。
問題解決能力が優れている
チームをまとめ、効率よく仕事を行うためには、いざというときに問題解決能力が優れていることが重要になります。問題に対しての愚痴や嘆きをこぼすのではなく、いち早く実行可能な解決策や改善策を提案できる力が求められます。
個人やよその部署などに問題の原因があっても、責めたり批判したりするだけでは決して選ばれる人にはなれません。チーム内の争いごとが起こらないように課題や問題に対処し、まとめる力がある人にこそ、選ばれる人になるのです。
人事考課による評価
人事考課とは以下の3つを軸とし、仕事への取り組み方や実績・仕事内容などを公正に評価するシステムです。
- 成績考課
仕事や業務をこなす速さや量、クオリティなどを一定期間の目標達成度や過程を踏まえ、客観的に評価します。 - 意欲・態度考課
仕事への意欲や勤務態度を評価する項目です。上司だけではなく同僚や部下など複数人が加わる「360度評価」が用いられます。 - 能力考課
能力考課は知識やスキル・経験など仕事をするなかで身につけた能力を評価します。
加えて、目標達成に向けチームの仲間や組織の人間をまとめて率いる力となる「管理統率力」も同時に評価されます。
昇進試験の種類
仕事ができることと管理職に向いているかは別問題であることもあります。そのため、管理職として相応しいかを判断する基準として昇進試験が設けられています。昇進試験は、企業や職種によってかなり違いがあり、よくあげられるものは「適性検査」「小論文」「面接選考」です。それぞれどのようなものかを紹介していきましょう。
適性検査
昇進試験における適性検査には、「職務適性検査」「能力適性検査」「指向適性検査」があります。
これらの検査では、
- 業務を効率的に進められる能力の有無
- 複雑性の高い困難な環境でも課題を発見・解決する能力があるか
などの力量を測ります。
適性検査により個々の特性を客観的に評価できるメリットがありますが、現場でしか見えてこないリーダーシップ力や問題解決能力などは測れないデメリットもあります。
小論文
社内での昇進試験に限らず、昇格試験でもよく登場する「小論文」は、昇進後につく役職に対し、適正があるかどうかを見極めるためにおこなわれる試験です。
小論文では主に仕事や業務に対する問題把握能力や論理的思考力を判断します。与えられたテーマに沿って論理的な文章が書けるかどうかなども評価対象となるようです。
テーマを与えることで、相手の意図を正確に理解し、問題解決能力の高さや人間的な視野の広さも測れるため、多くの会社の昇進試験で導入されているようです。
面接選考
面と向かってコミュニケーションをとることで、人格や仕事・昇進に対する意欲などを確認するために必要な試験です。
直接では、顔を突き合わせて会話をするため、臨機応変にさまざまな角度から質問できるメリットがあります。また、適性試験や小論文からは見えてこない部分を判断・評価ができる点もメリットでしょう。具体的には、コミュニケーション能力やモチベーションの高さ、仕事や業務に対する理解度などを質問の答えから評価します。
面接を受ける側のデメリットとしては、面接官の好き嫌いなどで判断を左右されることがある点です。
昇進の内示後、注意すべきこと
内示とは、昇進や昇格または異動するなどの辞令を正式に公表する前に本人へ通知、伝達することを指します。書面で通知されることもありますが、口頭のみで行われることもあるようです。内示が出るのは辞令の2週間前~1カ月前が多く、かなり急を要する事態になるでしょう。内示が出たあと、辞令が出るまでに注意すべきことについて解説します。
上司へのお礼
上司から内示が出て、承諾をしたのであれば、できれば受けたその場でお世話になったお礼を伝えましょう。
あなたが昇進できるように差配してくれたことに対し、誠心誠意の気持ちを込めてお礼をいえるようにしましょう。内示が出たその場では、驚きや今後への不安も多く、言葉がうまく出ないかもしれません。しかし、感謝の気持ちは早めに伝えると好印象です。
昇進の理由を確認する
昇進できた理由は必ず確認しておきましょう。今後のご自身に対する期待や評価されるポイントのヒントとなることが多くあります。
昇進の理由を確認することで新たなポジションでどのような成果を期待されているか、今後の方針や戦略をどう導き出せば良いか方向性を判断する材料となるでしょう。
新任先への挨拶や引継ぎの確認
仕事の引継ぎは、先走ってご自身の判断で進めないようにしましょう。必ず、上司に段取りの確認をしてから行動に移すように注意をしてください。
誰に何をどのように引き継ぐかを決めることは重要ですが、直属の上司の指示が出るまでは待機するようにしてください。
引き継ぐ際は簡潔・丁寧を意識して仕事内容や手順を明確に伝えるようにしましょう。
関係者へのお礼メール・挨拶の準備
昇進を受けたらやるべきことのなかには、社内外問わず関係者に対する挨拶やお礼メールの準備、現部署・(異動が伴う場合は異動先の部署)で行う昇進スピーチの準備があります。
内示を受けてから実際に部署を異動するまでの時間は余裕があるかもしれません。しかし、正式な辞令が出てからはかなり慌ただしくなることもあり、時間の余裕が取れないケースも珍しくありません。いざというときに慌てることがないよう、空いている時間に余裕を持って準備を心がけましょう。
取引先への連絡や挨拶状などのタイミングも、直属の上司に相談し、確認してから行ってください。
昇進試験の重要性
昇進試験を行う目的は、以下の3つです。
- 管理職の適性があるかどうか見極める
- 社員へのキャリアアップのチャンス
- 公平性の担保
これら3つの目的について詳しく解説していきましょう。
管理職の適性があるかどうか見極める
昇進させるためには、主任や課長・部長などの役職に対する適性を十分に兼ね備えているかどうかを見極める必要があります。
昇進することでその人材は組織内でリーダー的ポジションに位置づけされます。部下をまとめ、率いるだけの素質が備わっていなければ、モチベーションの低下や事業の成長を滞らせてしまう結果につながる可能性も出てくるでしょう。
また管理職という立場は、経営方針にも深く関わる機会が増えていくため、仕事ができるだけではなく、性格や人となりにまで配慮しなければなりません。このような管理職に対する適性を見極めるためには、昇進試験が有効な役割を果たすのです。
社員のキャリアアップの機会を与える
昇進試験の大切な目的のひとつに、すべての社員に対してキャリアアップの機会を設ける意味があります。
すべての社員にキャリアアップの機会を与えることは、仕事に対するパフォーマンスやモチベーションの向上に結びつきます。
試験を受ける条件を満たすために、高い視点や意識をもち仕事に向き合い、管理職とはなにかを考え行動することにつながります。昇進試験があることで、社員の経験や成長を促すきっかけになるでしょう。
公平性の担保
昇進試験では、試験を受けるすべての人に同じ試験を受けてもらい、同じ審査基準をもって適性を評価します。その結果から昇進させるかどうかを判断する仕組みは、公平性を保つといえるでしょう。
昇進の基準に明確な評価基準を設け、試験の成績と実務の評価から判断することで、個人による恣意的な感情だけが昇進の是非に影響を及ぼさないようにする意味合いがあります。昇進の基準をいかに透明化させ、公平性を保つかは、組織に対する信頼感を左右する、大きな意味をもちます。
恥をかかない!挨拶やメールのポイントとは
昇進挨拶では、自身の決意表明をおこなうことを意味します。くわえて、今後の抱負や仕事内容について周囲に周知する意味合いもあります。
いざ挨拶をする際に効果的な挨拶をするためにはどうすればいいのか、ポイントを解説します。
挨拶時のスピーチ
今後の抱負や人事・関係者への感謝を込めて行う挨拶時のスピーチでは、以下の3つを盛り込むといいでしょう。
- 役職を拝命したことについての感謝の言葉
- 新たなポジションでの展望や目標
- 部署(チーム)内の仲間に対する協力のお願い
常に謙虚な気持ちを忘れずに言葉を選びましょう。新しい仕事に対する意欲や思い、仕事を上手く進めるために力を貸して欲しいとお願いすることを意識して挨拶文を考えるといいでしょう。
スピーチにかける時間
挨拶時におけるスピーチは、長くなりがちです。しかし時間を掛けすぎてしまっては逆効果です。話す時間の目安は3~4分以内程度と考えておいてください。
話すスピードやボディーランゲージなども、耳を傾けてもらえるためのスピーチには欠かせないファクターになります。実際に話している姿を録画したり、声を録音したりしながら軌道修正しましょう。緊張で、話すスピードが早くなってしまわないように意識して練習してください。
堂々としたスピーチが行えるように練習しておきましょう。
メールでの挨拶3つの例文
昇進に関する挨拶は、本来は直接顔を合わせて口頭で挨拶することが望ましいものです。しかし、事情によってはやむを得ずメールで挨拶せざるを得ないこともあるでしょう。同じ昇進の挨拶メールでも、送る相手によって内容を変更しなければ失礼に当たります。送る相手に応じた3つの挨拶メールの例文を紹介しましょう。
社内の上長
○○ 部長
お疲れさまです。
本日付にて課長職を拝命いたしました上田です。この度は課長職への昇進のお話をいただき、大変光栄に思っております。ひとえに○○部長のご支援の賜物であると存じます。心より感謝申し上げます。
若輩者ゆえ至らぬ点も多く不安もございますが、○○部長のご期待に応えるべく、課長としての職務を全うし励んでまいります。
大変恐縮ではございますが、皆様のお力添えを頂きながら第一営業部の発展に尽力していければと思います。引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
社内全体もしくは部署
本日付にて係長職を拝命いたしました上田です。
この度の人事につきましては、大変光栄に思っております。ひとえにいつも丁寧にご指導くださった○○課長をはじめ、皆様のご支援の賜物だと心より感謝申し上げます。
前任の□□さんには、私の力では到底及ばない部分もあると思いますが、努力を怠らず精進していく所存です。
若輩者のため至らぬ点も多く、皆様にはご迷惑をおかけすることもあるかと思います。
大変恐縮ではございますが、皆様のお力添えを頂きながら第一営業部の発展に尽力してまいりたいと思います。引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
社外の取引先
貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。私事ながら、この度○月XX日付にて係長を退き、第一営業部の課長に就任いたしました。
前部署の在任中には(担当者名)様よりひとかたならぬご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。この度の就任に際し、後任の係長には(後任者名)が就任いたしました。私同様、変わらずご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
また、近日中にご挨拶の機会を頂戴できれば幸甚です。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
喜ばれる昇進祝いのプレゼントやメッセージとは
昇進した方へのプレゼントはどのようなものが喜ばれるのでしょう。昇進祝いの選び方や相場について解説します。渡すタイミングなどもあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
プレゼントの選び方
昇進祝いの定番の形といえば「花束」+「プレゼント」です。職場で渡して持ち帰られることを考えると、社内でそのまま仕事に使える実用的なものか、持ち帰りがしやすいサイズのものから選ぶといいでしょう。基本は相手の好みや趣味にあったものがベストです。迷ったら名入の名刺入れや、ビジネスグッズなどの実用的で記念になるものがオススメです。
プレゼントの相場
昇進祝いとしての贈り物の相場は、3,000~30,000円程度と言われています。相場の金額幅が広い理由は、贈る相手との関係性によって予算の相場が異なるからです。社内・部署内の場合は10,000~30,000円、友人なら3,000~10,000円。取引先の場合は20,000~30,000円を目安にするといいでしょう。
プレゼントを渡すときのマナー
昇進祝いの贈り物を渡すタイミングは、正式な辞令が出て1~2週間以内がベストなタイミングです。内示の段階でお祝いを送ることはタブーとされていますので、注意しましょう。昇進のプレゼントにはお祝いの品ですので、熨斗を忘れずつけましょう。熨斗の種類は紅白または金銀の蝶結び、表書きは「御昇進御祝」とするのが一般的です。
お祝いメッセージ例文 社内編
社内異動による昇進祝いに使えるメッセージの例文を紹介します。それぞれの例文を参考にしながら、言い回しなどをご自分の気持ちに合わせて書き換えるといいでしょう。
メッセージを送信する場合
例文)
〇〇様
お疲れさまです。□□です。
この度は(役職名)にご昇進されるとのこと、誠におめでとうございます。
○○課長の仕事への向き合い方や取り組み方には敬服いたします。これまでの実績が評価されたこと、自分のことのようにとても嬉しく、誇らしく思っています。今後はますますお忙しくなると思いますが、くれぐれもご自愛のほど、お祈り申しあげます。
取り急ぎ、メールにてお祝い申しあげます。
○△部 △○△子
本来なら口頭でお伝えするべきことをメールにするので、取り急ぎであることを書き入れることをオススメします。社内の方へのメッセージですので、あまり堅苦しくなりすぎなくてもいいですが、あくまでも目上の人へのメッセージですので崩しすぎないように注意しましょう。
メッセージの返信をする場合
例文)
○△様
お疲れさまです。ご丁寧にメールをいただき、ありがとうございました。
いつもお気遣いいただき、心よりお礼申しあげます。今回、新たな役職に就くことができたこと、ただただ営業部の皆様からの協力の賜物と感謝しています。
まだまだ未熟ではありますが、ご期待に添えますよう精進してまいります。今後も変わらぬお力添えのほど、よろしくお願いいたします。
□□部 △田△美
昇進祝いのメールを貰った場合も、可能であれば口頭でお礼を伝えるほうがいいですが、メールになる場合は、できるだけ早いタイミングで返信しましょう。
ここでも謙虚な気持ちを全面に出し、わかりやすく簡潔に感謝の気持ちを綴れば伝わりやすくなるでしょう。
お祝いメッセージ例文 社外編
取引先など社外の方に対する昇進祝いに使えるメッセージの例文を紹介します。こちらもそれぞれの例文を参考にしながら、相手との関係性を踏まえて言い回しなどを書き換えるといいでしょう。
メッセージを送信する場合
例文)
株式会社□□
企画営業部
○△様時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。 平素は格別のお引き立てに預かり厚く御礼申し上げます。
この度は、(役職名)にご昇進されたとのこと、誠におめでとうございます。
今後はよりご多忙な日々が続くことと存じますが、どうかご健康だけには留意ください。
そしてますますご活躍されますことを心からお祈り申しあげます。取り急ぎ、略儀ながらメールにて失礼いたします。
○△株式会社 営業部
△○ △子
社外の方へメールにて昇進のお祝いメッセージを送る場合は、相手との関係性によって冒頭の挨拶や、言葉遣いを変更させるといいでしょう。
メッセージの返信をする場合
例文)
○△株式会社 営業部
△○ △子様平素は大変お世話になっております。
いつも何かとお心遣いいただき、心からお礼申し上げます。
株式会社□□ 企画営業部の○△でございます。このたびは私の(役職名)就任にあたりまして、丁寧なご祝辞をいただき誠にありがとうございました。
なにぶん若輩者の身でございますが、今後とも社業発展のため邁進する所存でございます。
なにとぞ変わらぬご指導ご鞭撻のほど、心からお願い申しあげます。メールにて恐縮ですが、取り急ぎお礼かたがたご挨拶まで。
社外の相手の場合、社内以上に関係性次第で文面や言葉の選び方に注意が必要になります。また目上の方の場合は、返信もできるだけ早く返すように意識してください。
不安とためらい、昇進を断りたい
突然の昇進の内示をうけたとき、本当に自分に務まるのだろうか、部下を引っ張っていけるのだろうかなど、不安やためらいを感じることもあるでしょう。
上司に押し切られてしまいムリな昇進を受けてしまうと、出世うつや昇進うつなどになってしまい、責務の重さに心が潰されてしまう可能性もあります。
昇進を断ることについてお話ししていきましょう。
昇進を断りたい理由
昇進を断りたいと考える理由はさまざまです。責任の重さから婚期が遅れる、家族サービスができない、プライベートな時間が削られるなどの理由が多いようです。また、昇進に必要となるマネジメント力やリーダーシップ力などに自信がないケースもあるでしょう。
昇進を断りたい場合は、「ありがたいお話ですが、出世することには興味がありませんので、断らせていただければと思います」「管理職としてではなく、プレイヤーとして今の仕事を続けたいと思っています」など正直に答え、円満に断れるようにしましょう。
昇進を断るとクビになる?
昇進を断ったらすぐにクビになったり、辞職を迫られたりすることはありませんので安心してください。会社にもよりますが、正式決定となる前の内示の段階であれば、昇進を断ることはなんの問題もありません。
ただし昇進を一度でも断ってしまうと、二度目が訪れることはほぼないでしょう。出世欲がないことは決して悪いことばかりではありません。しかし、向上心がないと捉えられがちなため、マイナスな評価をされがちです。このように昇進を断ると評価が下がってしまう可能性もありますので、十分考えてから結論を出すようにしましょう。
昇進したくない人が普段、心がけること
マネジメントが苦手な人や、業務に邁進したい人ほど、昇進したくないと考える傾向にあるようです。
マネジメントが苦手で昇進することを避けたいと思うのであれば、スペシャリストを目指した行動を普段から心がけてみてはいかがでしょう。専門性のある職場などでは、ひたすら業務をこなし、スキルを磨き、スペシャリストとして向上する方向を目指してみてください。その結果、職場でもスペシャリストとして存在意義を認められ、十分に活躍できるでしょう。
まとめ
昇進と昇格の違い、なぜ昇進が発生するのかをはじめ、昇進したい人に必要不可欠なキャリアの3つの輪による自己分析、昇進要件なども紹介しました。今回の記事を通じて、昇進できる人には、それだけの理由があるのだとおわかりいただけたのではないでしょうか。
一方で人によってはどうしても昇進を断りたいと思うこともあるでしょう。ムリに受容する必要はありませんし、断ったらクビになるわけでもありません。よく考えてから答えを出しても大丈夫です。
昇進した際の挨拶やお礼状、返信やお祝いの品に関する情報も、最近では簡略化される傾向にありますが、社会人生活の中で役に立つ瞬間があるはずです。ぜひ役立ててください。
最後のチェックポイント
- 昇進は役職などが上がることで昇格とイコールではない
- 昇進したい理由を明確にするためには自己分析が必要
- 昇進にはマネジメント力などの昇進要件がある
- 昇進試験は公平性を保つために重要な役割をもっている
- 昇進祝いは正式辞令が出た1~2週間後がマナー
- 昇進は内示の際に断ることも可能