ネットワーク層とは?OSI参照モデルを図解でわかりやすく解説
はじめに
OSI参照モデルでは、階層が7階層に細分化されています。その7階層の中でネットワーク層の役割について見ていきましょう。
ネットワーク層とは
ネットワーク層は、OSI参照モデルのレイヤ3(L3)の規格であり、通信相手を識別するためにIPアドレスの割り当てを行う。また、IPアドレスをもとにデータを適切な経路選択を行うルールがあります。IPアドレスはネットワーク上の機器を識別するための番号です。
IPアドレスの種類としては、IPv4とIPv6というものがあります。
例)
IPv4・・・・192.168.1.100 (10進数表記)
IPv6・・・・2001:0db8:bd05:01d2:288a:1fc0:0001:10ee (16進数表記)
- CHECKポイント
- IPアドレスを認識して通信を行っている。
- 適切な経路選択ができるように様々なルールが決められている。
ネットワーク層の主な役割
ネットワーク層では、次のことを担っています。
異なるネットワーク間の通信
データリンク層で接続されているネットワーク同士を相互に接続して、異なるネットワーク間での通信を行えるようにします。
IPアドレスの割り当て
異なるネットワーク間の通信を実現するために、ネットワーク層では通信相手を特定できるようにするための方法としてIPアドレスの割り当てを定義しデータの送信元や宛先にIPアドレスを使って通信を行う。
複数のネットワーク間での通信
送信元から宛先までの通信経路で複数のネットワークが存在する場合などは、各ネットワーク間にあるルータ(機器)がルート(経路)を選択してバケツリレーのようにデータの転送を行っている。
ネットワーク層のPDU(protocol data unit)は、パケットであり、構造を規格として定めています。
ネットワーク層で動作する主な機器
ネットワーク層で動作する機器として、ルータやL3スイッチがあります。
ルータやL3スイッチ
ルータは、2つ以上の異なるネットワーク同士を接続するための機器です。ルータにデータが届くと送られてきたパケットの宛先アドレスを見て経路を選択し、目的のネットワークへパケットを送付します。これを繰り返すことで離れたネットワーク間でパケットを転送する事ができます。
ルータとL3スイッチの違いとして、機能面(対応プロトコル)がルータの方が多いといったところですが、メーカなどで違いもあり一概にはいえません。
ただL3スイッチはL2スイッチと違い、IPアドレスを処理することができルーティング(経路選択)が行えます。また、ルータよりもポート数が多いことが挙げられます。ルーティングの処理についても、ルータはソフトウェアで処理しますがL3スイッチはハードウェアで処理を行うことで高速に処理することができます。
ルータとL3の違い
名称 | ルータ | L3スイッチ |
ルーティングの処理方法 | ソフトウェアで処理 | ハードウェアで処理 |
接続ポート数 | 少ない | 多い |
まとめ(今日の4か条)
- ネットワーク層はOSI参照モデルの第3層(L3)に位置しておりPDUは「パケット」となる。
- ネットワーク層では、異なるネットワーク間で通信をするためのルールが決められている。
- 異なるネットワーク間で通信を行うためにIPアドレスを使い、ルーティング(経路選択)を行う。
- ネットワーク層の主な機器にルータやL3スイッチなどがありIPアドレスを確認することで宛先にデータを転送することができる。