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機械学習エンジニアとは(仕事内容、未経験からのなり方、必要スキルの習得方法、将来性、転職方法などこれさえ読めば全網羅)

date2023年11月16日
機械学習エンジニアとは(仕事内容、未経験からのなり方、必要スキルの習得方法、将来性、転職方法などこれさえ読めば全網羅)
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はじめに

機械学習エンジニアとは、どのような仕事をするのか。働くためにはどのようなスキルや資格が必要なのか。年収や将来性についてなどを、エンジニア系の職種を目指す未経験者の人にもわかりやすいように解説します。

機械学習エンジニアとは

機械学習エンジニアとは

AIに関わるエンジニアのなかで、その名のとおり、機械学習(マシンラーニング)に携わる職種になります。機械学習とはコンピュータに命令やデータを与えて学習させ、知能を向上させる技術です。その機械学習に関わるあらゆる仕事を開発、統括するのが、機械学習エンジニアの仕事です。

仕事内容とは

売上予測やレコメンドなど、AIは現在、金融・流通/小売、医療、製造業など様々な業界で利用が始まっています。機械学習エンジニアは、AI開発のスペシャリストとして、AIが解析や予測するための基礎的なデータを用意し、コンピュータに学習させ、アルゴリズム(問題を解決するための方法や手順)を作り出します。

機械学習エンジニアの仕事は、次の5つのステップに分けられます。

  1. 解析や予測の必要性を明確化
  2. データを入手・蓄積
  3. 学習に適した形に加工
  4. 複数のモデルを試す
  5. 最良のモデルの精度を高める

まず、どのような問題のために、機械学習による解析や予測等が必要か、把握し、必要なデータを入手します。一般的にデータは1箇所に全て集まっていることは稀ですので、必要によりSQL(データの取得や登録、更新、削除したり、データを定義するプログラミング言語)によるデータ結合等を行います。データを収集・蓄積したあとは、機械学習に適した形に加工します。

データが揃ったら、複数のモデルを試していきます。モデルとは、入力データをもとに、①データが属するグループを予測する、②データをもとに目的とする他の値を予測する、③データをなんらかの規則に則って分ける といった方法や手順です。

複数のモデルを試し、最良と思われるモデルを選んだら、それをブラッシュアップさせていきます。パラメーター(変数)の調整を行う作業を地道に繰り返し、より最良のモデルを作り上げていきます。

年収はどれくらい

複数の就職サイトに掲載されている、機械学習エンジニアの平均収入はおおよそ600万円を超えており、一般的なエンジニアよりも相応に高い収入が期待できます。

上記の通り、さまざまな業界・分野でAIの活用が進むなか、機械学習エンジニアの需要は高まっています。その一方で人材は恒常的に不足していることから、平均収入も上昇傾向にあります。経験や能力にもよりますが、1,000万円以上の求人も珍しくありません。

将来性とキャリアパスについて

将来性のとても高い機械学習エンジニアですが、現在では多くの機械学習アルゴリズムが、ライブラリとして誰でも容易に使えたり、GoogleのAutoMLという機械学習モデルの構築を自動的に行ってくれるような仕組みも登場しています。

機械エンジニアとして活躍しつづけるために、モデル構築の基礎を習得したらより業務の範囲を広げていきましょう。

AIから導き出された結果から、データを分析し、顧客の課題解決のための提案を行うデータサイエンティストは1つの選択肢です。

一方、リサーチャーという職種も良いでしょう。機械学習の世界は、極めてオープンなため、ハーバードやスタンフォード等で発表された最新のソースコードの利用が可能です。最新の論文を探し出し、読み込み、モデルに利用できそうかどうか判断・試行を行うのがリサーチャーの業務です。

なお、企業の求人では、機械学習エンジニアの業務内容の線引きがあやふやなケースがあります。機械学習エンジニアとあっても、リサーチャーやデータサイエンティスト寄りの業務内容であったり、スキルを求められるケースもありますので、応募に際しては、十分な確認が必要です。

機械学習エンジニアに必要な資格

機械学習エンジニアに数学、特に統計学の知識は必須です。必ず取得しておくべき資格はとくにありませんが、統計学に関する資格の取得をしておけば就職や転職の際に役立つでしょう。

統計検定2級
統計学をどう学べばよいか悩む人は多いでしょう。そこで役立つのが「統計検定」です。基礎から学ぶ4級から実務レベルの1級まであります。基礎レベルの資格取得に向けて順番に学習していくことで、統計学の知識が身につきます。まずは2級の取得を目指しましょう。

統計検定2級
運営会社名一般財団法人統計質保証推進協会
受験料5,000円(税込)
受験資格とくになし
受験時期年2回実施(6月の第3日曜日・11月の第4日曜日)
※2020年6月21日(日)は試験中止
出題数35問程度/90分
回答形式4~5肢選択問題(マークシート)
合格率非公開(40~45%前後)
取得レベル大学基礎課程(1・2年次学部共通)程度の統計学の力が求められます。

G検定(ジェネラリスト検定)
ディープラーニング(深層学習)に関する知識に関する試験としては、エンジニア向けのE資格がありますが、まずはジェネラリスト向けのG検定からチャレンジしてみましょう。

G検定(ジェネラリスト検定)
運営会社名一般社団法人日本ディープラーニング協会
受験料一般:12,000円(税抜)
学生:5,000円(税抜)
2020年7月4日(土)のみ、半額の一般:6,000円(税抜)学生:2,500 円(税抜)
受験資格制限なし
受験時期年3回実施
出題数・回答形式試験時間:120分
知識問題(多肢選択式・220問程度)
オンライン実施(自宅受験)
合格率約70%(2019年)
※合格ライン得点率は非公表
取得レベルディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを問われます。

基本情報処理技術者試験
エンジニアとして最低限のITに関する知識を保有していることの証明として、国家資格である基本情報処理技術者は合格しておくことをおすすめします。

基本情報技術者試験
運営会社名IPA独立行政法人情報処理推進機構
受験料5,700円(税込)
受験資格制限なし
受験時期年2回実施(4月の第3日曜日・10月の第3日曜日)
出題数・回答形式試験時間:300分
多肢選択式
合格率約25%(2019年)
取得レベル高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けているかどうかを問われます。

未経験から機械学習エンジニアになるには

未経験から機械学習エンジニアになるには

全くの未経験から機械学習エンジニアエンジニアになるには、まず当然のことですが、ITに関する基本的な知識は前提として必須です。国家資格である基本情報処理技術者や応用情報処理技術者のレベルの知識はまず持っておくようにしましょう。

また全くのプログラミング未経験者であれば、JavaScriptなどから学習を始め、プログラミングに関する基本的な考え方や、変数など、どの言語にも共通する概念について理解しておくことが重要です。その上で機械学習では必須のPythonでのプログラミングを学んでいくと良いでしょう。

これらは独学で学ぶこともできますが、自分で勉強するのが難しい人はITスクールで学ぶのが結果的に遠回りにならず、機械学習エンジニアへの近道となるでしょう。

機械学習アエンジニアにはどんな人が向いている?

機械学習エンジニアに向いている人の特徴は次の3つです。

データ分析が好きな人

様々なデータ分析を行うことが、機械学習エンジニアの根幹ですので、世の中の様々な事象が生み出すデータに日頃から興味を惹かれる人には、適性のある職種といえるでしょう。また、エンジニアといっても、理系出身者ばかりでなく、文系出身者でも、統計学などを学んでいた人は比較的馴染みやすい世界ですので、十分活躍することができるでしょう。

数学的・論理的思考が好きな人

微分、行列、ベクトルなど、エンジニアの中でも機械学習エンジニアには、数学的な知識が求められます。学生時代に数学が苦手だったとしてもあらためて学習し、機械学習エンジニアになれる可能性は十分あります。また、モデルの作成や選択・調整などを行うにあたっては、論理的なアプローチも必要になりますので、そういった思考が得意な人も機械学習エンジニアに向いているといえます。

根気よく地道に取り組むことが苦でない人

機械学習エンジニアはコツコツと、根気よく取り組みことが必要な仕事です。より精緻な結果を導き出すために行うモデルの調整は、本当に地道な作業です。こうした作業が苦でなく、むしろ面白味を感じて作業に取り組める人は、機械学習エンジニアの適性を持っているといるでしょう。

機械学習エンジニアになるために必要なスキルと習得方法

未経験から機械学習エンジニアに転職したい人や、機械学習エンジニアとしてステップアップしたい人が持っておく必要があるスキルについて次の3つについて解説します。

  • プログラミング言語に関する知識
  • 機械学習ライブラリに関する知識
  • ネットワーク、セキュリティに関する知識

プログラミング言語に関する知識

機械学習と言えば、Python一択と言っても過言ではない言語です。少ないコード量で簡単にプログラムがかける、コードが読みやすいといったメリットのある言語です。

Anaocondaという、機械学習等の開発で便利なツールが数多くまとめられたもの(ディストリビューションといいます)をインストールしてしまえば、Python本体のみなならず、Pythonで必要な開発環境が一通り揃います。

機械学習エンジニアに求められる、基本的なプログラミング言語として、まずは押さえておきましょう。

機械学習ライブラリに関する知識

機械学習ライブラリとしては、scikit-learn(サイキット・ラーン)、TensorFlow(テンソルフロー)が大変メジャーです。

scikit-learnは、オープンソースで公開されている、個人/商用問わず、誰でも無料で利用できるPythonの機械学習ライブラリです。またTensorFlowは、Googleが開発しオープンソースで公開している高速数値解析用のPythonライブラリになります。

ライブラリは、同じ処理を1からコーディングすれば数十行のコードになるところをほんの数行で記述できる点にあります。Python同様に、これらのツールは一通り使いこなせる必要があります。

ネットワーク、セキュリティ関する知識

実際にサービス化する場合を考えると、ネットワークやセキュリティなどの基礎知識も持ち合わせていた方がより望ましいでしょう。

また機械学習自体にクラウド環境を使う場合もあります。

細かな知識まで覚える必要はありませんが、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)/Azure(アジュール)などのクラウドの知識や、TCP/IP、各種認証機能などセキュリティ面の知識も持ち合わせていると、実務面で重宝されます。

機械学習エンジニアへの就職、転職方法

機械学習エンジニアは現在大変需要がある職種です。とはいえ、高いスキルを求められることも多く、未経験での転職は相応に厳しい業種です。まずはITエンジニアとして実務経験を積み、IT業界で開発工程や仕事の流れを理解してから機械学習エンジニアへの転職を目指すことも視野にいれるとよいでしょう。

転職に際しては、AIが実際に活用される業界での経験も重宝されますので、機械学習エンジニアとしての経験が浅い場合は、自身が歩んできた業界での経験などをアピールしカバーしましょう。

転職支援サービスのエージェントや転職サイトはそれぞれのメリットを知り使い分けましょう。

転職エージェントに登録しておく最大のメリットは、転職サイトには掲載されていない非公開求人の紹介を受けることができる点にあります。大手の総合型エージェントは大手ならではの非公開求人を多く抱えています。一方、業界特化型転職エージェントは、個々の領域に特化した企業の非公開求人情報を数多く持っています。

Twitter、LinkedIn、WantedlyなどのSNSを利用するのもおすすめです。

機械学習エンジニアのフリーランス

機械学習エンジニアのフリーランス

AI関連の職種は常に人材不足のため、当然、ある程度の実績は必要ですが、フリーランスの機械学習エンジニアとしての道に進むことも可能です。

まずは、企業に属しながら実績・経験を重ね、人的ネットワークも広げていき、最終的に独立するのが、もっとも理想的な形といえるでしょう。

まったくの初級者の場合は、1つでも実績をこなすことが大切ですので、「Lancers」や「CrowdWorks」などのクラウドソーシングサイトを利用したり、エンジニア、データサイエンティスト、マーケターの案件が豊富にある「BIGDATA NAVI」などにも登録してみるといいでしょう。

まとめ

機械学習エンジニアは、エンジニアのなかでも現在最も注目度が高く、ニーズも高い職種といえます。相応のスキルが必要にはなってきますが、さまざまな業界でAI化が進むなか、非常に将来を嘱望される仕事といえるでしょう。

未経験からエンジニアを目指すなら、まずはITの知見を深め、社員の教育体制が充実した企業に就職し、実務経験を積みながら徐々にステップアップを図りましょう。今後益々活躍の場の広がる機械学習エンジニアを目指してみるのはいかがでしょうか?

チェックリスト

  • 統計学や数学、AIの知識を武器に、データの解析のためのマシンラーニングの工程を担う仕事
  • 取得しておくべき資格はないが、統計学関連の資格取得をしておくと仕事に有利になる
  • 数字や論理的思考が好きで、コツコツと繰り返される作業にも根気よく地道に取り組める人は向いている
  • 常に人材不足が叫ばれているため、将来性もあり、努力次第では高年収も期待できる
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